ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 トップページ > 組織で探す > 総合企画部 > 政策企画課 > 知事発言集・平成20年度当初予算編成について 知事訓示

本文

知事発言集・平成20年度当初予算編成について 知事訓示

ページ番号:0011329 更新日:2007年10月25日更新

 皆さん、おはようございます。
 平成20年度の当初予算編成に当たりまして、私から、3点のことを申し上げます。

 まず1点目は、これまでの行財政改革の取組みについてであります。

 地方分権が本格化いたします中、地方自治体が、「自己決定・自己責任」の原則の下、自主的・主体的な行財政運営を行い、住民二一ズに対応した多様で個性的な地域づくりを進めていくためには、これを支え得る、持続可能な財政基盤の構築が不可欠であります。

 このため、本県におきましては、皆さんに御努力をいただきまして、これまで様々な行財政改革に取り組んでまいりました。特に、平成16年度から本年度までを期間とする「県政集中改革」におきましては、「行政改革」、「財政改革」、「公社改革」の3つを柱に、県政全般にわたる抜本的な改革を進めてまいりました。

 そのうち、財政改革につきましては、これまでの国の景気対策に呼応した県債の増発とこれに伴う公債費の増嵩、さらには、国の財政再建を優先した地方交付税の大幅な削減等によりまして、厳しい財政運営を余儀なくされます中で、財政体質の弾力性の回復と持続可能な財政構造の確立を目指し、歳出の見直しはもとより、プライマリーバランスに着目した財政運営に努め、県債残高が1兆1千億円台を超えることのないよう、県債発行の抑制を図るなど、徹底した取組みを行ってきたところであります。

 その成果として、県財政は、その健全性や硬直化の度合いを示す経常収支比率、実質公債費比率等の主要財政指標において、全国的に見ても良好な水準を維持することができたところであります。これは、今後も堅持していかなければなりません。

 また、取組成果に基づき、更なる改革の方向性を示す観点から、今後の財政運営の見通しとして、県債残高が平成21年度末をピークに減少へ転ずる見込みであることも公表したところであります。

 2点目は、これらを踏まえた、明年度予算編成の基本的な考え方についてであります。

 今申し上げましたような、これまでの改革の努力と成果は、今後の県政運営にしっかりと引き継いでいくことが必要であります。

 そして、山口県がいつまでも元気で存在感のある県であり続けるためには、これまで培ってきた「県民力」、「地域力」の発揮による「住み良さ日本一の元気県づくり」を一層推進していくことが重要であると考えております。

 従いまして、明年度当初予算は、これまで築き上げてきた行財政基盤の上に立って、これを引き続き強固なものとし、「山口県らしさを創造する」、「住み良さを伸ばす」、「人口減少社会に対応する」、この3つを目指すべき方向に据え、「住み良さ日本一の元気県づくり」を着実に進める予算として、編成を行うことといたしました。

 この基本的な考え方の下、今回の予算編成方針では、基礎となる取組事項を定めたところであり、職員の皆さんには、新たな創意と工夫に努めた予算見積りに取り組まれることをお願いするものであります。

 3点目は、具体的な取組事項についてであります。

 その第一は「行財政改革の更なる推進」でありますが、本県財政は、多額の県債残高を抱える中、基金の取崩しによって財源不足に対応する事態が続いております。明年度は、地方財政対策が明らかでない現時点におきましても、約280億円の財源不足が見込まれ、また、公債費が高い水準で推移する見通しであるなど、依然として厳しい状況にあります。

 このため、明年度予算編成に当たりましては、財政改革指針に沿って、引き続き県債の発行を抑制し、プライマリーバランスの黒字を維持することをはじめ、歳入・歳出の両面から、財政改革の取組みを一層推進するとともに、行政改革推進プランに基づき、適切な定員管理等に努め、行財政運営の効率化を進めなければなりません。

 皆さんには、こうしたことを常に念頭に置き、「役割分担の明確化」、「プライオリティ」、「コスト意識」等の視点から、経費支出を徹底的に見直していただきたいと思います。

 さらに、これらの取組みを通じて、今後の財政運営を見据えて、主要財政指標における現行水準を維持することはもとより、県債残高の減少を確実に達成し、また、年度間の財源調整に必要な基金残高の確保を図るなどの諸課題にも対処していかなければならないことを、十分認識していただきたいと思います。

 取組事項の第二は、「重点的に取り組むべき施策」への対応であります。

 行財政改革を進めつつ、「住み良さ日本一」の県づくりに取り組んでいくには、選択と集中の視点に立った予算配分の重点化を一層強化することが重要となります。

 このため、今回の予算編成方針におきましては、これまでの施策推進の取組みを基盤としながら、明年度予算をどのような方向で重点化していくかを示すことといたしました。

 そして、これまで取り組んできた重点課題や、平成23年の開催を控えた山口国体に向け、関連施設の整備、国体県民運動等を着実に進めるとの観点も踏まえて、「暮らしの安心・安全基盤の強化」、「次代を担う子どもたちの育成」、「多様な交流と新たな活力の創造」及び「県民総参加による地域づくりの推進」、この4つの課題を掲げたところであります。

 これらに係る新規施策に対しては、行財政改革を通じて捻出された財源を集中的に振り向けることといたしておりますので、既存施策を大胆に見直し、想像力あふれる発想で積極的な刷新に努めていただきたいと思います。

 なお、今後の予算編成過程において、新たに取り組むべき政策課題等が出てくれば、その時点で、改めて必要な措置等について指示していきたいと考えております。

 このように、明年度予算編成は、山口県の将来を見据えながら、まず、今やるべきことをしっかりやっていくという考え方の下、スタートすることとなります。

 厳しい予算編成になることには変わりありませんが、職員の皆さんの一層の御努力をお願いして、私の訓示といたします。