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知事発言集・平成20年度本庁部課長・出先機関の長合同会議 知事訓示

ページ番号:0011331 更新日:2008年4月7日更新

今年度の県政にかける思い

 皆さん、おはようございます。
 まず、今年度の県政にかける私の思いを申し上げます。
 私の尊敬する吉田松陰先生のことばに「立志」という言葉があります。「志を立ててもって万事の源となす」という意味です。私は、平成8年、1996年8月に山口県知事に就任しましたが、その時の志、「県民主役の県政、市町村とともに歩む県政を基本姿勢に、21世紀に自活できる新しい県づくりを全力で進める」との思いを貫きながら、今日まで県政運営に取り組んできました。
 この間、子育て支援やきめ細やかな教育、先駆的な環境対策等、本県の特性を踏まえた、山口県らしい特色ある施策を推進するとともに、新しい県づくりを支える原動力である「県民力」、「地域力」も高めるなど、新しい県づくりが着実に進んでいるものと考えております。
 一方で、県政には、少子・高齢化対策をはじめ、中山間地域対策、暮らしの安心・安全基盤の強化等、引き続き取り組まなければならない、先送りをすることができない喫緊の課題が山積しております。
 県財政も極めて厳しい状況にあります。行政改革、財政改革、公社改革を柱とする県政集中改革をさらに積極的に進める必要があります。
 加えて、地方分権改革の本格化や道州制、さらには、地方税財源等を巡る論議が活発化するなど、地方自治体にとって大きな転換期にある今日、国と地方のあるべき姿を踏まえ、本県の進むべき方向を確かなものにしていきたいと考えております。
 このような中で、私は、これまで築き上げてきた成果を確実に次代に継承することが重要であると考えており、こうした私の思いを、今年度の県政運営方針として、4点ほどお示しをしたいと考えております。

今年度の県政運営方針

 第一に、「住み良さ日本一の元気県づくり」の加速化についてです。
 地方分権が本格化する中で、私は、県民誰もが住み良さを実感できる「住み良さ日本一の元気県」の実現こそが、山口県が今後も埋没することなく、確かな存在感を発揮できる地域の姿であると考えております。これを県政の目標に掲げて、市町、県民の皆様とともに、住み良さの向上に向けた取組を推進してまいりました。
 このような中で、住み良さの目標像を示す「やまぐち住み良さ指標」については、市町や県民の皆様との共有の指標として、その向上に努めており、大部分の住み良さ指標は、皆様方のご尽力もあって、順調に進捗をしておりますが、この取組がスタートして3年目を迎えましたことから、改めて、指標の着実な向上を図るための取組を加速化していかなければならないと考えております。
 このため、目標達成状況が不十分な指標や他県に比べてレベルの低い指標について、施策等の重点的・集中的な推進を図るとともに、地域別の住み良さの状況を明らかにすることによって、市町や県民の皆様等と協働した住み良さ向上対策をさらに推進していきたいと考えております。
 幹部職員の皆様には、それぞれの業務が住み良さの向上にどのように関連を持っているのかということを常に意識しながら、施策の推進に努め、市町や県民の皆様ともしっかりスクラムを組んでいただきながら、「住み良さ日本一の元気県づくり」の加速化に取り組んでいきたいと考えております。

 第二に、「県民力・地域力をさらに高める」ということです。
 県民の皆様の智恵と力を結集した「県民力」、地域の優れた資源や特性を活かした「地域力」は、県民主役の県づくり、地域づくりを進めていくための原動力です。
 これらの力は、きらら博によって培われ、国民文化祭を通じて確実に高められたところであります。これをさらに大きく飛躍させ、3年後に迫った「おいでませ!山口国体」の成功へと繋げることによって、「住み良さ日本一の元気県づくり」を加速化していかなければなりません。
 とりわけ、国体については、県民の皆様の心にいつまでも残る大会とするために、いろんな形で自主的・主体的に参加をいただきたいと考えております。昨年開設した「国体きらめきセンター」を中心に、ボランティア活動や花いっぱい運動などの国体県民運動を本格化させたいと考えております。
 幹部職員の皆さんには、国体を始め、各分野の施策については、常に、「県民力」や「地域力」が発揮されるよう、県民の皆様との連携・協働を念頭に置きながら、推進されるようお願いします。

 第三は、「県民の安心・安全を守る」ということです。
 昨年の台風5号の襲来や山林火災等の災害、さらには、新潟県中越沖地震や他県での鳥インフルエンザの発生、中国製ぎょうざ問題など、住民生活の安全や健康を脅かす事態が多く発生しています。
 こうした中、私は、県民の皆様が、安全に、そして安心できる環境づくりこそ、「住み良さ日本一の元気県づくり」を進める上での基本であると考え、これまで、地震防災対策を始め、地域ぐるみでの犯罪被害防止対策や交通安全対策、食の安心・安全対策、さらには、保健医療体制の強化など、各部局が連携しながら、適時適切に、県民の皆様の安心や安全を守る取組を積極的に講じてまいりました。
 幹部職員の皆さんも、県民の皆様の安心・安全を第一に、今後も予測できない事態はいつでも起こり得るという気持ちで、常日頃から、情報の的確な収集・管理に努めながら、不測の事態に迅速かつ適切に対応できる準備を怠らないよう、お願いいたします。

 第四は、「次代に繋ぐ」ということです。
 地方分権が本格化し、将来的には、道州制の導入が避けて通れない中で、山口県が、今後とも埋没することなく確かな存在感を発揮し続けることが求められており、今、その将来にわたっての確かな道筋をつくる重要な時期を迎えております。

 その一つが、「新たな県政集中改革」です。
 本県が地方の時代をリードし、「住み良さ日本一の元気県づくり」を積極果敢に進めていくためには、分権型社会に対応した自立的な、持続可能な行財政基盤を構築していくことが必要です。これまで、平成16年度から19年度までの4年間にわたり、「行政改革」「財政改革」「公社改革」の3つを柱に、集中的に取り組んでまいりました。これまでの間、まず、行政改革につきましては、本庁・出先機関の再編整備や、「行政改革推進プラン」に基づく適正な定員管理等を計画どおりに実施してきたところです。
 また、財政改革については、県債残高が減少へ転ずる見通しを示すなど、一定の成果が得られたものと考えております。
 その一方で、県財政は依然として厳しい状況にありますし、また、公社改革については、課題の早期解決に向けてこれから本格的な取組を推進していく必要があります。
 私は、これまでの改革の成果と、今後の課題を十分に踏まえて、今日まで築いてきた行財政基盤をより強固なものとするため、今後とも、引き続き、時代に即応した改革の手を緩めることなく、新たな県政集中改革に着手する考えであります。
 幹部職員の皆さんにおかれては、行財政改革は、とりもなおさず、職員一人ひとりが、改革の重要性を認識をし、自らのこととして取り組んでいくことが重要でありますことから、所管する事業について、「役割分担の明確化」、「プライオリティ」、「コスト意識」等の視点から、常に点検・見直しを行い、事業を遂行していただくよう、お願いいたします。

 二つ目は、「発信する県政」ということです。
 山口県は、歴史や文化、自然、食、ゆとりある生活環境など、様々な地域資源を有しております。また、「住み良さ日本一の元気県づくり」を始め、県民生活の安心・安全への対応や、環境先進県としての取組など、全国に誇れる様々な取組を推進しています。
 こうした本県の魅力や住み良さを多様な機会を活用して発信をしていくことにより、県民の皆様の郷土意識も一層高まり、県外からのUJIターンの促進にも繋がるものと考えております。
 今年度からは、全庁的なネットワークのもと、県と関わりのある県外在住の著名な皆さんの協力もいただきながら、県外情報発信の取組を強化していくことしております。また、7月から9月にかけて全国JR6社とタイアップしたデスティネーションキャンペーンの展開や第19回「みどりの愛護」のつどいを開催することにしており、山口国体を3年後に控え、県外へ向けたPRを強化することとしており、まさに山口県として「打って出る」年度であると考えています。
 幹部職員の皆さんにおかれては、広報活動とか、情報発信について知恵を絞っていただき、県政への関心を高め、山口県のPRについて努力をしていただきますよう、よろしくお願いします。

平成20年度予算について

 次に、平成20年度予算についてであります。
 予算規模は、御承知のように、7,102億円と、8年連続のマイナスとなりましたが、「選択」と「集中」の観点から、予算編成方針に掲げました「暮らしの安心・安全基盤の強化」「次代を担う子どもたちの育成」「多様な交流と新たな活力の創造」「県民総参加による地域づくりの推進」、この4つの重点課題に取り組むとともに、現下の緊急課題である「原油価格高騰等対策」、「食の安心・安全対策」、「医師確保対策」などへ重点的・集中的な配分を行いました。
 こうした中、御承知のように、道路特定財源の暫定税率問題のため、新年度予算は、大変厳しいスタートとなってしまいましたが、幹部職員の皆さんにおかれては、このたびの県民の皆様の「住み良さの向上」や「くらしの安心・安全」に特に力を注いだ各施策について、その効果が、県民の皆様に早期に実感でき、最大限に発揮されるように、計画的・効率的な事業実施を行っていただくようにお願いいたします。また、実施方法の工夫や適切な進行管理等にも努められ、とりわけ、住み良さをさらに高める施策については、市町や関係機関、県民の皆様との連携・協働を図ることを通じて、より施策効果を高めていただきたいと思います。

県民の皆様との信頼を基本とした業務の執行

 最後になりますが、私の政治信条として、よく申し上げておりますのが、「正直であること」ということです。司馬遼太郎の「坂の上の雲」の中にも引用されておりますが、「正直は最上の政策」ということです。
 昨年は、政治や経済の世界において、国民を偽り不信を募らせる、残念な事件が数多く発生をいたしました。
 私は、これまでも申し上げておりますように、県政は、どこまでも県民の皆様との「信頼」を基本として運営されなければならないと考えております。職員の皆さん一人ひとりが、県民の皆様の視点に立って、自らが今何をなすべきかを柔軟な発想で自ら考え、積極的に行動すれば、自ずと、毎年私が申し上げております、常日頃からの危機管理や県民の皆様の立場に立って考える現場主義は徹底されるものと思います。
 どうか今年度も、県民の皆様との信頼を基本に、山口の明るい未来を切り開き、次の世代へと確実にバトンタッチしていくという気概を持って、私とともに、日々チャレンジをしていただくようにお願いします。
 今年度も、全力投球でともに頑張りましょう。