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知事発言集・平成22年度本庁部課長・出先機関の長合同会議 知事訓示

ページ番号:0011335 更新日:2010年4月9日更新

はじめに

 皆さん、おはようございます。
 昨年誕生した新政権は、我が国のあるべき将来像を十分に示さないまま政策転換が進められるなど様々な課題を抱えておりますが、私は、新政権が明確に打ち出している方向性としては、大きく二つのことがあると考えております。
 その一つは、子ども手当や高校の実質無償化、農家の戸別所得補償など、家計への直接支援に政策の重点を移したということであります。
 もう一つは、これまでの地方分権の推進からさらに踏み込んで、地域主権国家を目指すということにされたということであります。
 この二つの方向性から、私どもが共通して考えなければならないことは、国と地方の役割分担の再構築であり、地方は国との関係でどのような役割を果たしていくべきなのかということが今後の大きな課題になってまいります。また、これに伴い、県と市町村との役割分担も、もう一度見直すことが必要になってくると思います。
 私は、以上のことを念頭に置きつつ、新年度をスタートするにあたり、県政を運営する上での考え方などについて、数点申し上げておきます。

住み良さ日本一の元気県づくり

 最初に、県政の指針である「住み良さ日本一の元気県づくり」についてであります。
 県におきましては、昨年3月に、第六次実行計画として「加速化プラン」を策定をいたしましたが、残念ながら、その後も、景気・雇用情勢は一向に回復せず、県財政も深刻な打撃を受け、また、国の大きな政策転換により、県の施策の見直しも余儀なくされております。
 そのような中、私は、加速化プランに沿った取組を着実に推進していくためには、まずは、県民生活の基本である「くらしの安心・安全基盤の強化」により重点を置<べきであると考え、本年度予算におきましては、喫緊の課題である景気・雇用対策をはじめ、昨年の豪雨災害を踏まえた防災対策の強化や耐震化の推進、医療体制の充実、交通事故防止対策の強化など、県政が直面する緊急課題に的確に対応することにしたところであります。
 もちろん、加速化プランには、「くらしの安心・安全基盤の強化」のほか、5つの加速化戦略を掲げております。それぞれの戦略ごとの関連施策につきましては、厳しい財政状況の中、選択と集中の視点をより一層重視しながら、予算の重点配分を行ったところであります。
 各部局におかれましては、全ての職員が「住み良さ日本一の元気県」の実現を成し遂げるという強い意志と行動力を持って、知恵を搾って、日々の業務に精励されるように、まず持ってお願いをいたします。

厳しい県財政への認識

 また、その際、全職員に認識をしていただきたいのは、県財政の厳しさということであります。
 国、地方を通ずる深刻な税収不足の中、国は、今年度予算において税収を上回る額の国債発行を行い、地方に対しましても、地方税財源の充実を図ることなく、地方財政対策を通じて、いわゆる赤字地方債である臨時財政対策債の大幅な増発が求められました。地方としては、これまで以上に借入金に依存した財政運営を余儀なくされております。
 本県におきましても、今年度予算の編成過程で、347億円に及ぶ財源不足が生じ、財源確保対策本部を中心に、その圧縮に努めていただきました。皆さんのご努力によって、171億円にまで圧縮はできましたが、最後は臨時財政対策債の発行で穴埋めせざるを得ず、その結果、今年度の発行額は、平成21年度の488億円から659億円へと、大幅な増額になったところであります。
 ご承知のように、この659億円は、主として、福祉、医療、教育など、県民にとって身近な行政サービスの財源に充当しているわけですから、今後も、同様の厳しい財政状況や国の地方財政対策が続くことになりますと、サービスを維持するために、県債を増発するかどうか、現在のサービス水準を抑制するかどうか、どちらを選択するのか、どうバランスをとるのかという、極めて厳しい判断をせざるをえないということになります。
 従いまして、職員の皆さんには、今年度の施策の推進にあたっては、常にこのことを念頭に、「最小の経費で最大の効果」をあげるよう、更なる努力を重ねていただくように、お願いをいたします。

地域主権の確立に向けての取組

 次に、地域主権の確立に向けての取組についてであります。
 新政権では、地域主権の確立に向け、地方の自主財源を大幅に増やすとされておりましたが、今年度の地方財政対策では、地方交付税の増額は交付税率の引き上げではなく、臨時・特例的な加算措置が行われるなど、地方財源の保障と呼ぶには、ほど遠いものとなっております。
 また、子ども手当や高校の実質無償化などの国の新たな政策は、政策の目的や位置付けをはじめ、国と地方の役割分担や財源問題なども曖昧なままであります。
 こうしたことから、名ばかりの「地域主権」とならないように、地方自主財源を安定的に確保することや、国の責任で実施する政策の所要財源は地方に転嫁しないことなど、法制化が進められている「国と地方の協議の場」等を通じて、国に対し言うべきことはしっかりと言うという強い姿勢で臨まなくてはならないと考えております。

県政集中改革への取組

 その一方で、地域の責任で行う地域主権の確立につきましては、これまで以上に県の役割をしっかりと果たしていくことが求められてまいりますし、加速化プランを着実に推進していく上でも、これを支える揺るぎない行財政基盤を構築していくことが大変重要であります。 このため、私は「新・県政集中改革プラン」に基づき、財政改革、行政改革、公社改革の3つの改革を一層強力に進めていかなければならないと考えております。
 まず、財政改革では、地方にとって借入金に依存することなく、安定的な自主財源の確保が図られるよう国に対して働きかけていくとともに、引き続き、財源確保対策本部を中心に、歳入・歳出両面からの徹底した取組を積極的に進めていくことが必要であります。
 また、行政改革では一層の組織のスリム化・効率化などに取り組むとともに、特に公社改革につきましては、既に一定の事業目的を達成した三つの公社は平成24年3月末で廃止することとし、その方向に沿って、今後、保有資産の早期処分など様々な課題の解決に向け精力的に取り組んでまいらなければなりません。
 こうした改革の成果を確実に上げていくためには、本庁・出先を問わず全庁を挙げた積極的な取組が不可欠であります。各所属においては、改革の重要性を十分に認識の上、幹部職員がその取組をしっかりとリードするとともに、あらゆる視点からの行・財政改革の推進に取り組まれるようにお願いをいたします。

おいでませ!山口国体・山口大会に向けて

 次に、「おいでませ!山口国体」、「おいでませ!山口大会」についてであります。
 私どもは、これまで一丸となって、2001年の「山口きらら博」、2006年の「国民文化祭」等を通じ、「県民力」「地域力」を高めてまいりました。
 今年度は、来年、2011年の「おいでませ!山口国体・山口大会」の本番に向け、県を挙げて、開催気運を大きく盛り上げ、成功につなげていく大切な年であります。
 今後、県内各地で行われる競技ごとのリハーサル大会は、まさに本番に向けてのノウハウの蓄積の場でありますし、「がんばれ!やまぐち」応援キャンペーンや花いっぱい運動の展開、大会運営ボランティアの研修などは、県づくりの原動力である「県民力」や「地域力」をさらに高めていく絶好の機会でもあります。
 各部局でもあらゆる機会を通じて、大会開催の気運の醸成につなげるとともに、「県民力」や「地域力」が大いに発揮されるように、県民の皆様や市町との連携・協働を念頭に置いて業務を推進されるようにお願いをいたします。
 また、国体の盛り上がりのためには、地元選手の活躍に負うところが大でありますことから、私は、自ら競技力向上対策本部長を務め、総合優勝に向けて邁進をしてまいる所存ですので、職員の皆さんも各職場や地域での御支援をよろしくお願いをいたします。

職員力・組織力の向上及び危機管理について

 以上、私の県政運営に当たっての考え方をお示しをいたしましたが、時代は大きな変革の時にあり、県政も急激な変化に即応し、自らも変革を遂げていかなければならない重要な時期を迎えております。
 こうした時だからこそ、職員の皆さんには、一人ひとりが今日の時代の変革を敏感に感じ取り、将来に対する先見性を養う中で、今何をなすべきかを真剣に考え、緊張感とスピード感を持って、果断に業務に取り組んでいただきたいと思います。
 そして、各部局がめざす政策目標の達成に向けて、全ての職員が一丸となって「職員力」を結集し、全体としての「組織力」をさらに高めていただかなければなりません。
 また、危機管理体制の強化についてでありますが、昨年本県を襲った集中豪雨や今年1月のハイチ地震など、国の内外を通じて予測し得ない自然災害が起こっております。こうした災害等から、県民の命を守り、災害を最小限にくい止めてい<ため、職員の皆さんには、突然の災害発生をはじめ多様な危機管理事象に対して、迅速な対応ができるように、常日頃から高い危機管理意識を持って職務に当たられるように、あらためてお願いをしておきます。

終わりに

 なお、私の県政に取り組む基本姿勢等については、この12日の新規採用職員研修の中でもあらためてお話をすることにしております。その内容を直ちにホームページに掲載をいたしますので、これについても、ぜひ参考にしていただくように、お願いをしておきます。以上であります。
 皆さん、今年度もともに頑張りましょう。