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知事発言集・立命館大学政策科学特殊講義~知事リレー講義 「ふり返れば未来」~新たな県のかたちづくり

ページ番号:0011400 更新日:2003年10月21日更新

 平成15年10月21日、京都の立命館大学において、「ふり返れば未来―新たな県のかたちづくり」と題し、二井知事が講義を行ないました。
 これは、学生が知事から直接講義を受けることによって、各自治体における政治的・行政的・社会変動の実態に触れ、日本の地域政策のあり方について考えてもらおうと、昨年から立命館大学の政策科学部の授業として、全国知事のリレー方式で行なわれているものです。
 当日は、600人あまりの学生や聴講生が参加。90分間の知事の講義に熱心に耳を傾けていました。

学生と話す二井知事講演する二井知事

講義要旨

講義全文
 日本社会は、高度成長期を経て、成熟期に入り、また、地方分権の進展など、一体、どんな未来、社会があるのか、先行きが見通せない状況にある。こんなときは、「過去をふり返り、同じ先の見えなかった前近代の生き方、生きる知恵に学ぶとき、はじめて未来が見えてくる」と示唆した、木村尚三郎先生の「ふり返れば未来」という言葉は意義深い。

 これからの「山口県のかたち」を考えるとき、大切なのは、時空を超えて脈々と受け継がれてきたものを見極め、これをエネルギーとし、進むべき道、方法を見つけること。そのために山口県は、遠い過去から受け継いできたDNAや「山口きらら博」で得た資産など、県の持つ資源・特性や強み、いわば、県の「コア・コンピタンス」に特化した取組を「やまぐち方式」として戦略的に進めてきた。社会経済のグローバル化、ボーダレス化の影響にふりまわされることなく、県民共有のキーワード「自立」「協働」「循環」という考え方を基本に、地域の総合力を高め、持続的発展が可能な社会経済システムを創造していこうというこの取組は、地域間競争に勝ち抜くための戦略でもある。

 一方で、地域社会は人々が生活する空間であり、それは「ゆとり」や「やすらぎ」をもたらす社会であるべきで、効率性や合理化重視の現代において、「やさしさ」や「ぬくもり」という視点は、地域社会づくりの基本として、忘れてはならない視点である。

 新しい時代の「山口県のかたち」は、人間生活の基本となる「やさしさ」や「ぬくもり」という価値を重視しながら、グローバル化の中にあっても、埋没することなく、地域として新たな価値を創造し、しっかりとした存在を主張できる社会であり、「創造」という生産からの視点と、「ゆとり」という生活の視点が、調和したところに21世紀の人々が求める住み良さがあると考える。

 山口県においては、「山口きらら博」を成功させた力「きららスピリット」を、県民挙げて発揮すれば、直面する様々な課題に対して、かならず道は開けてくると信じているし、そのために、私は、県民との間に「信頼」という太いパイプを築きながら、中長期的な視点に立って、これからも「ふり返り」つつ、「未来」へ向け、「前へ」「前へ」と走り続けていきたい。

立命館大学の学生のみなさんへ

先日は、熱心に御聴講いただきありがとうございました。
また、講義の前後に学生のみなさんとお話ができたことは、私にとっても新鮮で、今後の県づくりのヒントをもらえたような気がしています。講義でもお話しましたが、山口県は個性を大切にした県づくりを進めています。山口県に新たな個性を加えてくれるのは、若いみなさんです。今後とも山口県をぜひ見つめていただき、いろいろな御意見を寄せていただければと思います。
当日はあいにくの雨でしたが、京都の秋はやはりとても美しく、情緒があるものでした。山口県の秋もまた美しく、これからは、食べ物もおいしい季節です。関西からは、新幹線で2時間あまりですから、気軽に訪れて、山口県の魅力に触れてください。お待ちしています。

山県初事二井間武の画像