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知事発言集・知事就任式知事訓示(平成16年8月23日)

ページ番号:0011410 更新日:2004年8月23日更新

 皆さん、おはようございます。
 昨日から、私の新しい任期がスタートいたしました。
 皆さんご承知のことですが、これまでの2期8年を振り返りますと、この8年間は、長引く景気の低迷を背景に、経済情勢や財政状況は大変厳しいものがありました。
 その一方で、地方分権を進め、国と地方の関係や枠組みを変えようとする、大きな転換期にありました。
 そうした中、まず、一期目では、「情報公開条例」の制定や、「しっかり聞いてキャンペーン」の実施、「県政モニター制度」の活用など、開かれた県政の仕組みづくりに努めますとともに、21世紀の発展基盤づくりに向けて、いわば種まきをしてまいりました。
 そして、二期目では、一期目の成果を踏まえ、21世紀の山口県を元気にスタートさせるため、「山口きらら博」の開催と「やまぐち情報スーパーネットワーク」の整備という二つの大きな舞台づくりを進めました。
 また、県民参加の県づくりに向け「県民活動促進条例」の制定や「やまぐち県民活動きらめき財団」の設立等を行いましたし、交流基盤を強化するため、新幹線のぞみ号の停車や山口宇部空港のダブルトラック化等を実現いたしました。さらに「山口県らしさ」を発揮するため、山口県の個性や特性を生かした、8つの山口方式を進めてまいりました。
 こうした取組みにより、元気な山口県づくりに一定の成果を上げることができ、また、本県の発展基盤をつくることができたと考えております。
 私は、3期目の大きな仕事は、今後百年の「山口県のかたち」を創り上げていくことであると考えております。
 そのためには、まず、この3月に策定・公表した「やまぐち未来デザイン21」の第4次実行計画を着実に推進していく必要があります。
 この実行計画に基づき、「教育県」、「工業県」、「環境県」、「観光県」という本県の持つバランスの良さや様々な個性、特性を伸ばしながら、幼児期から老年期まであらゆる階層の皆様が住みよい県だと実感していただけるように、この4年間で、県民生活の質を高める施策を集中して推進し、「住み良さ日本一の県づくり」に全庁を挙げて取り組みたいと思います。
 今、教育、福祉、環境等の各分野で「住み良さ」を表す指標づくりを進めており、年内には具体的に示しますので、各部局ではこれを活用しながら、それぞれの施策を進めていっていただきたいと思います。
 また、山口県の住み良さを創り上げていくためには、県・市町村のみではなく、民間の果す役割も大きなものがあります。民間の力も活用するという視点をしっかり持って、知恵を絞りながら、地域の特性に応じた住み良さを実現していきたいと思います。

 また、新たな「山口県のかたち」を創り上げていくためには、今後の4年間を、今一度基本に立ち返り、県政全般の見直しを行うとともに、懸案事項の解決に道筋を付ける、いわば「県政集中改革期」と位置付け、新たな視点に立った行財政改革の推進に全力で取り組む決意でおります。
 まず、財政改革への取組みについてですが、現在、県債の発行残高は、1兆1千億円余にのぼっております。
 この増加を抑制し、財政の健全化を図ることが、現下の最大の課題です。確かに、今年度の地方交付税が突然削減されるなど、県の努力だけで健全化を進めることは難しい面もありますが、県としての主体性を示しながら、改革を進めなければなりません。
 当該年度の県債発行を公債費以下に抑制するプライマリーバランスの維持等の取組みや、中長期的な視点に立った県債残高の増加の抑制策など、今後4年間に実施する具体的な取組みを来年度予算の編成前に改めて示したいと考えています。
 財政再建は待ったなしの課題です。各部局でのオータムレビューの実施など、全庁を挙げての積極的な取組みをお願いします。
 また、経費の節減についても、今年度の予算編成で取り入れた新たな節減システムの一層の活用を図りながら、「できるものは何でもやる」という前向きな姿勢で取り組んでいただきたいと思います。

 次に、新たな視点に立った行政改革の推進です。
 行政改革については、10年間で10%の定員削減など、明確な目標を示しながら懸命の取組みを進めておりますが、現在の「新行政改革指針」に掲げた推進事項をもう一度見直し、更なる改革を進めなければならないと考えています。
 特に、県組織につきましては、本年度中には市町村合併の方向が明らかになると見込まれますことから、本年度と来年度で出先機関の再編整備を行うとともに、合併市町村への権限移譲や本庁組織を含む組織全体の在り方についても検討し、平成17年度までに、更なる改革への道筋を示していきたいと考えています。
 また、特に、業務のアウトソーシング、PFI事業の実施、指定管理者制度等の民間の力の活用策は、これからの県政運営に欠かせないものとなります。是非、積極的に取り組み、業務の改革を進めていってほしいと考えています。
 さらには、地方公社の経営改革も進めていかなければなりません。
 地方公社については、外部監査で指摘を受けるなど、早急な改革が迫られております。阿知須干拓地の利用問題、愛宕山開発の問題等関連する課題は多々ありますが、この4年間において、将来の公社のあり方を含め、改革方策を明確にしたいと考えております。

 以上、「住み良さ日本一の県づくり」と「行財政改革の推進」についてお話しましたが、もう一点、こうした県政を進めていく上で、皆さんに是非持っていただきたい理念や視点についてお話します。
 まず一つは、県政推進の理念である「自立・協働・循環」です。
 この理念について改めて申し上げることはないと思いますが、地方分権が本格化する中での県づくりを進めていく上で、県民や市町村との共有理念としていくことが是非必要と考えています。施策づくりや事業の推進に当たってはこのことを常に念頭に置くとともに、県民や市町村に浸透を図っていただきたいと思います。
 二つ目は「選択」と「集中」の視点の徹底ということです。今後「何をなすべきか」に集中した取組みを進めていくことが、さらに重要になってまいります。県庁全体で進める施策重点化の取組みだけではなく、各部局でも、それぞれの果たすべき役割の明確化に努め、今まで以上にメリハリのついた施策の推進を図っていただきたいと思います。
 三つ目は、現場主義の徹底です。
 これまでも機会ある度に申し上げてきましたが、県内の各地域や現場の状況を知り、そして、そこで働き、生活している人が、何をどう考えておられるのかを十分承知しておくことは、県政を進めていく上で、欠かすことのできないことです。私も、地域の実情や県民の皆様の意見を知るため、これまで以上に現場に出かけたいと考えております。幹部職員の皆さんもできる限り現場に出向き、現場の状況を十分把握された上で職務に当たられるようお願いいたします。
 そして、四つ目は、「わかりやすい県政」の推進ということです。
 山口県には、全国に誇れる多くの施策があります。こうした施策については、私も先頭に立って、県民に説明をしていきたいと思いますが、各部局においても、工夫を重ねながら、施策を県民の皆様に、わかりやすく説明し、浸透する努力をお願いいたします。
 さて、先週新潟県で開催された全国知事会議で、三位一体の改革に関し、総額3兆2千億円にのぼる補助金の削減案を決定しました。今後、この案が税源移譲とセットで確実に実施されるよう、政府に迫っていかなければなりません。このことに関し、皆さんに特に考えていただきたいことは、地方分権が真の改革に向けて大きな山場にあること、また、税財源の移譲の実現により地方の自由度が増すということは、反面、我々の自己責任が大きくなるのだということです。今後、こうした点を十分自覚して、この改革が地方の自立と県民生活の向上に資するものとなるよう、取り組んでいただきたいと思います。
 以上、3点の特に留意していただきたいことと三位一体の改革についてお話しました。職員の皆さん方には、創造力あふれる発想で、「山口県の良さ」や「山口県らしさ」をさらに伸ばし、県勢のさらなる発展にご尽力をいただきますようお願いいたしまして、三期目のスタートに当たってのあいさつとします。ともにがんばりましょう。