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平成23年 (2011年) 6月 28日

政策企画課

第12回「よみうり・西部フォーラム」山口会議知事講演

演題:「舞台は山口県」~国民文化祭やまぐち~

[平成18年(2006年)2月18日]

 はじめに

 皆さん、こんにちは。本日は、第12回「よみうり・西部フォーラム」山口会議のテーマに「国民文化祭」を取り上げていただき、本当にありがとうございました。心からお礼申し上げます。

 さて、この11月3日から12日まで10日間、県内各地を舞台に、我が国最大の文化の祭典「国民文化祭」を開催します。

 そこで、私からは、「今なぜ文化なのか」、「国民文化祭を山口県で開催する意味」などについて、お話してみたいと思います。

講演する二井知事


 文化とは


 最近、私もいろいろな場所で、国民文化祭の話をさせていただく機会が増えてきました。話をさせていただくだけではなく、ときにはその場で「知事の文化的な趣味は何ですか」という質問もあります。

 正直に申し上げて、私は、野球が大好きで、どちらかと言えば体育会系です。したがって、この質問は大変困るわけで、私自身、これから国民文化祭を通じて、また、国民文化祭を活用しながら、何らかの文化維新を越こしたいと思っています。

 さて、山口県では、平成16年3月に、21世紀の山口県の文化振興に如何に取り組むかということについて、その基本方向として、「やまぐち文化ビジョン21」を策定しています。

 その中に、文化の定義というのがありますが、「文化は一般的に、人間が学習によって社会から習得した生活の仕方の総称であり、衣食住をはじめ、技術、学問、芸術、道徳など生活形成の様式と内容を含み、物質的・精神的成果の一切を指す」と規定されています。

 このように、文化とは、これまでの我が国の長い歴史、山口県の長い歴史、また地域の長い歴史の中で、形成され、維持され、継承されてきた、我々の生活全般にわたる極めて幅広い概念と私は考えています。

 したがって、私どもの生活のどの部分が文化で、どの部分が文化でないと区分することは大変難しく、私は、平たい言葉で、文化というのは、私たちの日常生活の中で「心を豊かにする栄養剤」になるもの全てであると申し上げています。

 更に申し上げますと、1999年だったと思いますが、アサヒビールの会長をされていた樋口廣太郎さんなどと一緒に企業メセナの関係で、「文化経済シンポジウム」に出席させていただいたことがありましたが、その際、私は「文化というのは端的に言えば、心である、ハートである」ということを申し上げました。そのような見方をすれば、私どもの行政活動もそうですが、県民の皆さんの様々な活動のベースになるもの、基本になるもの、基盤になるものが「文化」だと位置づけてもいいのではないかと私は思っております。

 したがって、この「国民文化祭」という絶好の機会を活用して、文化という「心を豊かにする栄養剤」を県民の皆さん1人1人がしっかりと飲んでいただき、その力を「県民力」として結集し、是非「山口県の元気」に結び付けていかなければならないと考えているところです。


 国民文化祭やまぐちの意義


 さて、最初から結論めいたお話をさせていただきましたが、私の「国民文化祭にかける思い」をもう少し詳しくお話したいと思います。


 ▼きららスピリットの継承

 私は、山口県を元気にしていくためには、県民パワーを結集する大きな舞台が必要であると考え、2001年、21世紀のスタートにあたり、「山口きらら博」を開催しました。

 お陰様で「山口きらら博」は大成功を収め、私は、この博覧会から、「自立」「協働」「循環」という3つの大きな財産を得ることができました。

 きらら博には、実に多くの人が関わりました。

 企画・運営に参加してくれた県民スタッフやボランティア等、県民あげて、この博覧会を素晴らしいものにしようと、文字通り、毛利元就の「百万一心」、心を一つにして、「協働」をしてくれたわけです。

 そして、その過程で、それぞれが単に受け身になるのではなく、むしろ「自分たちでできることは自分でやろう」という「自立」の意識をしっかりと持って、あらゆることに「しなやかに」「スピーディー」に対応してくれました。

 その対応の素晴らしさが、来場者に大きな感動を与え、口コミで拡がっていったのです。このことがスタッフやボランティアの皆さんに当然伝わり、そしてその対応に一段と磨きがかかってきました。

 会場内に、来場者の「評価する、誉める」、スタッフ、ボランティア等のその「期待に応える、頑張る」という好循環、心の「循環」が生まれたということです。私は、そのような意味で、「きらら博」は「心の成功」であったとかねてから申し上げています。

 この「自立」「協働」「循環」という財産、「やればできる」という自信、私はこれを「きららスピリット」と言っていますが、これらを「きらら博」から5年後の今年、この「国民文化祭」に活かしていかなければならないと考えています。

 そして、その成果を、さらに5年後の2011年の「国民体育大会」へ繋げていく。5年きざみの全国規模のイベントを活用し、ホップ・ステップ・ジャンプと県民力を高めて、山口県を「住み良さ日本一の元気県」にするということが、私の戦略です。

 したがって、国民文化祭は、ホップからステップへと、絶対に成功させなければならないと考えています。きらら博でお馴染みのマスコットキャラクター「山口きららバンド」を今回の国民文化祭のPRに再登場させたのもその思いからです。

 1999年、きらら博のマスコットキャラクターに「きららバンド」を選んだ際の冊子を見ますと、このように書いてありました。


 「新しい時代、それは個性の時代

 1人ひとりの個性が輝きながら、

 全体として調和して燦めく時代

 みんなちがって、みんないい

 山口きららバンドは、そんな21世紀に向けて

 未来への希望を奏でていきます」


 「みんなちがって、みんないい」、このフレーズは、ご承知の金子みすゞさんの「私と小鳥とすずと」の一節ですが、私どもはこのきららバンドと一緒に、国民文化祭を通して、未来への希望をぜひ奏でていきたいと思っています。


 ▼成果を活かす

 ちなみに、先ほど申し上げた「やまぐち文化ビジョン21」の中で、文化振興の意義として3つほど掲げています。これを「自立」「協働」「循環」と結びつけて申し上げますと、

 1つめは、文化・芸術活動の主体は県民自身であり、一人ひとりの個性や豊かな感性、創造性を育むということです。これがまさに「自立」です。

 そして2つめは、みんなで地域の多様な文化・芸術活動を支え合い、みんなで創るということ。これが「協働」です。

 そして3つめは、文化の交流を通じお互いの文化を認め合うことによって、他地域や世界の人々との相互理解が促進される、これが「循環」であると思っています。

 当然のことですが、国民文化祭は、まさに「お祭り」ですから、まずは、子どもから大人までみんなが楽しくワクワクするようなものにしていかなければなりません。しかし、それがいわゆる「お祭り騒ぎ」というような単なる一時的なもの、一過性のものに終わってはなりません。

 私は、この国民文化祭をきっかけに、「自立」「協働」「循環」による「文化振興」を図り、県民の皆さんが、山口県の文化の素晴らしさを「再発見」し、そしてまた、お互い「交流」することによって新たな山口県の文化を創り出し、観光などによる経済的効果も含めて「飛躍」につながっていくことを願っています。

 また、「国民文化祭」を単なる一過性のイベントに終わらせないためには、きらら博の時もそうでしたが、「県民参加型国民文化祭」「おもてなしの心の国民文化祭」「ごみゼロ等環境配慮型国民文化祭」「バリアフリー国民文化祭」というように、具体的な政策の実験の場としても活用することが大切ではないでしょうか。


 取組の特徴・独自性


 次に、「国民文化祭」の内容、特徴等を簡単に紹介させていただきます。

 まず、国民文化祭の基本テーマは「やまぐち発 心ときめく文化維新」です。

 山口県人というのは、何かあれば「維新」という言葉を使うとよく言われますが、このコンセプトには、21世紀の新たな文化の創造にチャレンジする!という、強い思いを込めています。

 したがって、その思いを込めて、11月3日に、きららドームで開催予定の開会式・オープニングフェスティバルでは、県民手作りのミュージカル「燦めきの地 やまぐち二千年」を上演いたします。

 私は、「振り返れば未来」という言葉をよく使っております。これは、「山口県の歴史、魅力、資源を振り返ることによって、未来に向けた新しいエネルギーを創り出そう」という意味ですが、「燦めきの地 やまぐち二千年」は、「文化維新ときめき隊」など、県民ボランティア約1000人が出演して、極めてエネルギッシュで、そして壮大な歴史ロマン・ミュージカルに仕上がっていくはずです。大いに期待していただきたいと思います。

 それから、音楽、演劇等の分野別のフェスティバルは、開催される市や町で実行委員会を設けて、各地域に密着した形で行われます。したがって、その地域の各団体、学校、企業、ボランティア等の幅広い連携が如何になされていくのか、そしてどのような形で成功を収めるかどうか、私は、今回の国民文化祭は、それぞれの地域の皆さんの結束度、文化度を測るバロメーターになるのではないか、と少し脅迫じみていますが、そういうふうに思っているところです。まさに国民文化祭も地域間競争であると私は考えています。そして、それぞれの地域の結束力によって、山口県全体を『まるごと国民文化祭』にできるかどうか、このことが成功の鍵になると考えています。

 したがって、私は、県民の皆さんが、それぞれ自分が住んでいる市町でどのようなイベントが行われているのか、しっかりチェックしていただき、一人最低一役、何らかの形で国民文化祭に参加していただき、盛り上げていただくよう、願っています。

 特に、今回の国民文化祭での特徴は、国民文化祭史上初となりますが、次代を担う子どもたちに大きく視点をあてたということです。山口県は、幕末・明治維新で、吉田松陰や高杉晋作、伊藤博文など、多くの若者が、新しい国づくりのために活躍しました。それ以来、防長教育の伝統は「若さに期待し、若さに託す」ということなのです。

 したがって、山口県で開催する国民文化祭も、こういう伝統をしっかりと引き継ぎながら、未来を担う子どもたちに大きく視点をあてて、「子ども夢プロジェクト」という、多くの子どもたちが国民文化祭の中で文化芸術の夢やアイデアを実現してもらうという、山口県独自の取組を進めることにしました。ただ今、19件の実施が決まっています。地域の子どもたちのグループからの提案では、郷土に伝わる民話を題材に、自分たちで作詞・作曲をした組曲を作り発表するという、たぶせ少年少女合唱団のような取組や、そのほかいろいろなアイデア・工夫を凝らした取組が子どもたちの手でなされることとなっています。

 なお、この「子ども夢プロジェクト」は、今年、入園・入学される子どもたちも参加ができるように、この4月から1ヶ月間、追加募集をいたしますので、皆様方のお知り合いの子どもたちにもぜひPRをお願いします。

 また、音楽、演劇、伝統芸能、短歌や俳句などの分野別フェスティバルに参加・鑑賞するだけではなく、この機会に多彩な文化芸術を体験していただくためのワークショップを同時に開催する、これも全国初の取組になります。

 こういう先進的な取組を積極的に展開し、次代を担う子どもたちが文化芸術に触れ親しみ、子どもたちの豊かな感性や創造性を育む文化環境づくりを進めていきたいと考えています。

 この国民文化祭は、ご承知のように、国体と同様に40数年後にしか回ってこないわけですから、特に、子どもたちが、色んな舞台に出演したり、ボランティアで参加したりと、子どもたちにとって、将来、大きくなってから、今こうして頑張っているのは、「あの国民文化祭に参加したからだ」とコメントしてもらえるような、そういうものにしたいというのが私の願いです。これからも全力で成功に向けて取組んでいきたいと思っています。

 そして、この国民文化祭をPRするために「文化維新おひろめ☆たい志」という全国初の取組も行われております。従来であれば、行政の方から募集を行い、お願いしてPR活動に携わっていただくというのが一般的な手法ですが、皆さんが自ら口コミで拡げていこうという自主的な取組であり、平成16年12月の制度発足後、現在、617団体、構成人数約20万人と、ネットワークの輪が大きく広がってきています。

 また、県内外から100万人の方々が来られますので、県を挙げて「おもてなしの心」でお迎えするために、全県を統括する「国民文化祭やまぐちボランティアセンター」を既に設置して、延べ8000人の県民ボランティアが活躍できる環境を整え、将来に亘って継続的に活動できる仕組みづくりも進めています。

 ボランティア登録は県庁の中にあります県政資料館1階のセンターで朝9時から夕方5時までならいつでも受け付けていますので、ぜひこれからも積極的に皆様方のご参加をお願いします。

 私は、きらら博は、ボランティアの皆さんをはじめ、多くの県民の皆さんの積極的な参加があって、はじめて成功したものだと思っています。

 今も、いろいろあの猛暑の中でボランティア活動に取組まれた皆様方のことを思い起こしますが、私は、こういう大きなイベントは、「県民活動」や「ボランティア活動」抜きでは何もできないということを、当時のきらら博を思い起こしながら実感したところです。

 どうか先ほど「1人最低一役」ということを申しましたが、県民の皆さんには、ぜひ国民文化祭に何らかの形で参加していただいて、そして自分自身の思い出づくりにもしていただければ大変ありがたいと思っています。また、県としては、こういう活動を通じてこの県民活動やボランティア活動をいろいろな分野で活かしていく、そしてそれを「住み良さ日本一」の元気県づくりに結びつけていきたいと考えているところです。


 観光振興との関連


▼おもてなしの心

 先ほど、国民文化祭をきっかけに、観光などによる経済的効果も含めて「飛躍」に繋げたいという話しを申し上げましたが、折角の機会ですから、国民文化祭を観光振興に如何に活かすかという観点から、少しお話をしたいと思います。

 かつて、私が周南地域で山口きらら博のPRをしたとき、ある方から「きらら博には、県外からも多くの方が来られる。2度と山口県には行かないというような、取り返しのつかないことにならないようにして欲しい。逆宣伝効果も大きいですからね。」というご意見がありました。私もそこまで深く考えてPRをしていたわけではありませんで、この的を得た言葉に心臓が止まりそうになったことを、今思い起こしています。

 また、同じ時期なんですが、私の妻が東京で買い物をして、宅配をお願いしたところ、店員の方から「山口県の方ですか、私は、昭和38年の山口国体に水泳の選手として出場しましたが、民宿の方に大変親切にしていただきました。あれ以来、山口県が好きになりました。」と言われたということがありました。

 私はそれ以来、やはり「おもてなしの心」、「ホスピタリティ」がいかに大切であるかということを感じ、口が酸っぱくなるくらいに言ってきました。

 きらら博は、先ほどお話しましたように、皆様方のご協力で大成功を収めたわけですが、今回の国民文化祭も、県内外から100万人を超える方々が来られるわけですから、きらら博以来、磨いてきたこの「おもてなしの心」を、自然に発揮できるように、さらに磨きをかけていく必要があると思います。

 昨年来、国民文化祭のPRも兼ねて、首都圏や大阪、名古屋等で、山口県の観光PRキャンペーンを実施しています。先日、2月2日にも、私も出席し、県内観光地の皆さんと一緒に、大阪での観光情報発信会を開催しました。これまで何度か出席しましたが、これまでになく内容が充実していました。市町村合併により、観光内容もバラエティに富んだものになっていましたし、PRのテクニックが上手くなったというだけではなく、話に熱意があり、しかも相手の立場になっていろいろな旅行商品をPRするという、いわゆる「おもてなしの心」が十分表れたものになっていたと思います。

 皆さんも、旅を経験されて、いつまでも印象に残るというのは、旅先での「人の親切」「人の温かさ」ではないでしょうか。先ほど、国体選手のことを引用させていただきましたが、もう一度行って見たいと思っていただける地域、リピーターの多い観光地は、「人々にやさしい地域」ではないかと思います。

 そのような意味では、「おもてなしの心」を、さらに、「点」、いわゆる観光に携わる人々だけではなくて、「面」に広げていく、いわゆる地域の人々に拡大する努力をこれからもしていかなければならないと思います。

 山口県は、昭和60年、1985年から、人口が減少して、残念ながら、昨年10月の国勢調査で、150万人を割ってしまいました。今後も人口減少は避けて通れない状況にある中で、「元気県山口」を実現していくためには、交流人口を増やすこと、すなわち、県外から多くの皆さんに山口県にお越しいただくことが大変必要です。

 国民文化祭がそのきっかけになればと思っています。国民文化祭をきっかけに、「おもてなし」あふれる、人にやさしい観光地づくりを進めて、県内を訪れた皆様に、山口県の素晴らしさを心から実感していただいて、リピーターとなっていただけるような山口県ファンを増やしていきたいと考えています。


▼美術館との連携

 また、私は、国民文化祭にあわせて、山口県立美術館で、雪舟没後500年を記念して、山口と雪舟との関わりを中心にわかりやすく紹介する「雪舟への旅」展を開催します。

 ご案内のように、この雪舟は、画家としての人生の殆どを山口で過ごし、その水墨画の中には、国宝に指定されているものが6点あります。

 今回の展覧会は、その国宝6点すべてが出品される予定であり、「雪舟が居た街」山口ならではの、必見のものとなっています。

 なかでも、防府市の毛利博物館にあります「四季山水図」(しきさんすいず)は、一般的には「山水長巻(さんすいちょうかん)」と言いますが、約長さ16m、幅40cmの大作です。門外不出でありますが、国民文化祭には是非皆さんに見ていただきたくて、私自ら出品していただくようお願いいたしました。

 また、萩美術館・浦上記念館では、人間国宝、三輪壽雪、11代休雪さんの80年にわたる作陶の世界を紹介する「三輪壽雪」展を開催します。

 三輪壽雪先生の作品は、萩焼400年の伝統を受け継ぎながら、特に、鬼萩手(おにはぎて)に代表される荒々しくも大胆な作風で、我が国の現代陶芸における茶陶(ちゃとう)の分野で独創に満ちた造形世界を開いた第一人者として内外から高く評価をされています。

 壽雪先生の陶芸家としての歴史が一目でわかるものにしたいと思っていますので、これについても是非ご観覧いただきますようお願いしたいと思っています。

 以上、国民文化祭に連携しての2つの展覧会ということになりますが、私は文化財を活用してお互いに知恵を出せば、素晴らしい取組ができるということを、この1月20日から2月12日まで山口市で開催されました「山口お宝展」の瑠璃光寺五重塔の内部公開、これは半世紀ぶりだそうですが、それが示してくれました。

 皆様方の中で瑠璃光寺五重塔を先般見られた方は何人ぐらいいらっしゃるでしょうか。私も2月5日(日曜日)に見に行きましたが、県庁の駐車場もオープンしなければならないほど多くの皆さんがお越しで、大変な盛況でありましたし、県外ナンバーの車もかなり来ていました。あとから聞きますと、24日間で、目標の3万人を大きく超える8万7千人の皆さんが拝観されたそうです。このように、既存の文化財にしても新たな発想をしていけば、観光客の誘致に結びつくということが今回わかった典型的なヒット例ではなかったかと思います。

 したがって、もう一度、この国民文化祭を契機に、自分たちの周辺の文化資源をどういう形で活かしたら、さらに観光資源としても役立つのか、このことをこの機会に考えていけたらと思っています。


 おわりに


 最後に、私が提唱している「住み良さ日本一の山口県」づくりについて、少しお話申し上げておきます。

 私は、山口県は、山に例えれば、富士山のように高さで威厳を誇るような、飛びぬけて目立つものはありませんが、それぞれに異なる高さや形の山並みによって、多彩な表情と調和のとれた美しさを醸し出す「連山」と言えるのではないかと常々申し上げております。山口県はかねてから、教育県、観光県、工業県、水産県、環境県と言われるように、広い住み良さにつながる多くの資源や特性を持っております。

 ある報道機関の「住み良さ」に関する県民満足度調査でも、山口県は常に上位にランクされています。昨年5月に実施された「住み良さ」に関するアンケート調査結果でも、住み良さ満足度は全国で4位となっており、私は、そのバランスのとれた住み良さをより高いレベルにしていきたいと考え、昨年10月に5分野56項目の全国順位も示した「住み良さ指標」を策定しました。

 それによると、このレーダーチャートにあるように、五つの分野、安全、居住環境、健康と福祉、子育て・人づくり、働く環境ともに、波線が全国平均となるわけですが、健康と福祉がちょうど平均並みですが、それ以外は全国平均を上回っています。私が最初に行政活動も含めて、様々な活動のベースとなるのが「文化」だということを申し上げましたが、これを「文化度」という面から見ますと、バランスよくかなり高いレベルにあるといえるのではないかと思っています。

 しかし、今日はここではお示ししませんが、興味のある方は山口県のホームページ等をご覧いただけるとわかりますが、個別の項目で見ますと、例えば、自主防災組織率、ブロードバンド世帯普及率は、全国33位になっています。したがって防災文化度も、情報文化度も、まだまだ低いという見方もできるのではないかと思います。さらに、そういう見方で見ますと、基本健康診査受診率、これは市町村が行っておりますが、この受診率が22位、ボランティア活動参加県民の割合が23位というように、「自立」という面から見た「文化度」においては、まだまだ全国平均並ということになるのではないかと思っています。

 このような考え方は、私独自の考え方であるかもわかりませんが、私は今回の国民文化祭を契機に、我々の活動を、「文化度」、「心の豊かさ度」という視点からも見ながら、そして、次代を担う子どもたちの文化環境づくりを進めながら、みんなで「住み良さ日本一」の山口県を創り上げていこうではないか、そのように思っているところでございます。

 最後に、こういう提案をさせていただきまして、私の話を終わらせていただきます。ご静聴ありがとうございました。



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