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平成30年11月県議会定例会知事議案説明要旨

ページ番号:0012128 更新日:2018年11月28日更新

はじめに

本日は、平成30年度一般会計補正予算その他の諸案件につきまして、御審議をお願いするため、お集まりをいただき、厚くお礼を申し上げます。

議案の説明に先立ち、御報告申し上げます。
まず、大島大橋の損傷に係る対応についてです。
先月22日の外国船籍貨物船の衝突により、大島大橋では、橋りょうが損傷し、添架する送水管等が切断されました。
これにより、大島大橋は、車両の通行規制を余儀なくされ、周防大島町では物資の不足が生じ、特産のみかんの出荷時期を迎える中で、その出荷や観光等の面にも多大な影響が及ぶとともに、町の全域で断水が発生し、住民生活に大きな支障を来しているところです。
県では、事故発生後直ちに、私をトップとする対策会議を開催し、関係部局での情報共有、早期復旧に向けた対応の検討、給水支援や代替輸送の確保等の対策に取り組んでまいりました。
こうした中、先月27日には、貨物船を所有する海運会社の取締役と面会し、私は、この事故が周防大島の住民生活や地域経済に深刻な影響を及ぼしていることを真摯に受け止め、誠意ある対応を行うよう強く求めました。
また、先月末には、大島大橋の復旧工事に必要な緊急の予算措置を講じ、速やかに契約を締結したところであり、来年4月の完成を目指して工事を進めています。
さらに、今月2日には、国に緊急要望を行い、大島大橋の復旧対策や今後の災害・事故に備えた対応等に支援を求めました。そして4日には、私自ら周防大島町を訪問し、町や関係団体の方から、現状や今後の対策についての要望等を伺いました。
こうしたことを踏まえ、復旧対策に取り組んできた結果、昨日から、大島大橋の全面通行が可能となるとともに、来月2日を目途に、島内の大部分の地域における給水を再開できる見通しとなるなど、当初の予定よりも早く復旧に目処が立ったところです。
このことを受け、今般、大きな影響を受けた周防大島の観光や経済に対して、復旧後、切れ目のない支援を行い、早期復興を図るための「復興支援パッケージ」をとりまとめ、必要な対策に係る経費について、補正予算を編成いたしました。
私は、住民の皆さんが1日も早く元の生活を取り戻すことができるよう、引き続き、周防大島町や関係機関と緊密に連携し、大島大橋の復旧をはじめ、住民生活や地域経済の回復に向けた対策に、全力で取り組んでまいります。

次に、「山口ゆめ花博」についてです。
明治150年プロジェクトの中核イベントとして開催いたしました「山口ゆめ花博」は、目標の入場者数50万人を大きく上回る136万人を超える皆様に御来場いただき、今月4日、好評のうちに、52日間の会期を終え、無事に閉幕を迎えることができました。
また、秋篠宮同妃両殿下の御臨席を賜りました全国都市緑化祭や、明治150年記念式典など、会期中の諸行事につきましても、つつがなく終えることができました。
これもひとえに、県議会をはじめ、市町や企業、関係団体、県民の皆様の御支援、御協力の賜物であり、心から感謝を申し上げます。
会場では、色とりどりの花が咲き誇る大花壇や「見て」「参加して」楽しめる数多くのプログラムが展開され、入場いただいた皆様には、花と緑があふれる「ゆめの未来公園」の魅力を満喫していただけたものと思います。
また、山口ゆめ花博は、「みんなでつくる花博」として、企画・準備の段階から、多くの方に、様々な形で御参加をいただき、創り上げてまいりました。
とりわけ、県民の皆様には、新しい公園の楽しみ方を提案をしていただいた県民参加プログラムや、ボランティアとして御参加いただいた多くの方々の心のこもったおもてなしにより、このフェアを大いに盛り上げていただきました。
山口ゆめ花博の大きな成功は、このように多くの方々が心を一つにして取り組んできた結果であり、御参加いただいた全ての皆様に、改めてお礼を申し上げます。
私は、山口ゆめ花博の開催を通じて、明治150年を迎えた本県の新たな魅力や、未来に向かう力強いエネルギーを県内外に広く発信することができたものと考えています。
今後は、これらの成果を、都市緑化の推進や新しい公園の利活用はもとより、産業や観光の振興、県民活動の促進、未来を担う人材の育成など様々な形で、将来の「県づくり」につなげていきたいと考えています。
こうした姿勢に立ち、私は、県民の皆様と一体となって、引き続き、「活力みなぎる山口県」の実現に取り組んでまいりますので、一層の御支援、御協力をお願いいたします。

次に、来年度予算編成についてです。
来年度は、この度策定した「やまぐち維新プラン」に基づき、「3つの維新」への挑戦に本格的に取り組む年であり、施策を積極的に、そして力強く前に進めていかなければならないと考えています。
このため、来年度の当初予算編成に当たっては、維新プランの具現化に向けた取組を積極的に進めてまいります。
とりわけ、本県の強みや潜在力を活かした、本県だからこそできる施策への挑戦や、「第4次産業革命」の進展など、時代の変革を捉え、これに呼応した施策の展開、山口ゆめ花博をはじめとする「明治150年」の取組を未来に活かす施策の推進等の観点に立った、実効性の高い施策の構築に、精力的に取り組んでいきたいと考えています。
一方で、県財政は依然として極めて厳しい状況にあり、現在進めている行財政構造改革を必ず成し遂げるため、事業の不断の見直しや、更なる財源確保対策など、持続可能な行財政基盤の確立に向けた取組を着実に推進しなければなりません。
私は、この予算編成を通じて、維新プランの具現化と行財政構造改革の進展への確かな道筋をつけ、「3つの維新」に積極果敢に挑戦してまいります。

次に、「やまぐち産業イノベーション戦略」の推進についてです。
本県の産業戦略については、この度策定した「やまぐち産業イノベーション戦略」に基づき、現在、様々な取組を計画的に展開しているところです。
こうした中、戦略に掲げる「新山口駅北地区拠点施設整備支援プロジェクト」について、山口市で整備を進めている本施設が、県内産業の振興に向けた拠点施設としての役割を強く期待されることから、この度、市の要望を踏まえ、やまぐち産業振興財団及び山口しごとセンター等の県関係機関の同施設への移転入居を決定しました。
今後、本県の陸の玄関である新山口駅周辺の拠点性を高め、県全体の産業振興等に大きく寄与するものとなるよう、引き続き山口市と連携を図りながら、本プロジェクトを着実に進めてまいります。
私は、こうした成果を一つ一つ積み重ね、本県経済の持続的な成長に向け、本県の高度技術、産業集積を活かした戦略的イノベーションの加速的な展開を図ってまいります。

次に、イージス・アショアについてです。
イージス・アショアの配備候補地とされている陸上自衛隊むつみ演習場における国の適地調査が、先月開始されました。
これに先立ち、地元の議会・住民に対して、調査の内容や進め方等についての現地説明会等が開催されたところですが、地元には依然として、イージス・アショアの配備に対し、多くの不安や懸念の声があります。
私は、国において、むつみ演習場の適地性や、住民生活・周辺環境への影響等について、十分に調査を行うとともに、その結果について、詳細かつ丁寧に説明し、地元の不安や懸念を払拭していただかなければならないと考えており、このことを国に強く求めるなど、引き続き、萩市、阿武町と連携しながら、適切に対応してまいります。

次に、最近の経済情勢についてです。
我が国経済は、雇用・所得環境の改善が続く中で、緩やかな回復が続くことが期待されていますが、通商問題の動向や海外経済の不確実性、金融資本市場の変動の影響等に留意する必要があるとされています。
一方、県内経済については、緩やかながらも順調に回復しているものの、海外情勢や為替・株価の動向、県内の人手不足が及ぼす影響などに注視する必要があり、私としては、引き続き、今後の経済情勢等を踏まえながら、適切に対処していく考えです。

それでは、提出議案の概要について、御説明申し上げます。

平成30年度補正予算

議案第1号は、損傷した大島大橋の復旧工事に係る経費を措置するため、一般会計予算の補正を専決処分により処理したものであり、その御承認をお願いするものです。

議案第2号は、平成30年度一般会計補正予算のうち、「周防大島復興支援パッケージ」に係る補正を行うものであり、補正総額は、7,500万円となっています。
その主な内容としては、まず、「周防大島応援キャンペーン」として、観光プロモーションや農水産物・特産品の販売等を一体的に行う復興支援イベントを、県内外で開催するとともに、復興に向けた様々な情報について、メディアを活用した集中的なPR等を行うこととし、4,000万円を計上しています。
また、観光産業への支援として、個人旅行の需要を喚起するため、島内で使用できる割引宿泊券や、フェリーを利用される宿泊者に対する割引フェリー券の発行等を行うとともに、団体旅行については、旅行商品の造成に対する支援を行うこととし、2,700万円を計上しています。
さらに、農林水産業について、みかんの収穫や出荷に必要な人員体制等の確保を支援するとともに、経営に影響が生じている農林漁業者に対する融資の無利子化を実施するほか、商工業については、島内の小売店舗等で利用可能な割引クーポン券の発行や、中小企業制度融資において、金利等の負担を軽減する新たな資金の創設等を行うこととし、所要の予算を計上しています。
一方、歳入予算につきましては、歳出との関連において、繰越金をもって措置しています。

議案第3号は、周防大島復興支援事業以外の一般会計補正予算です。
この補正予算は、当面緊急を要する経費について、所要の補正を行うものであり、補正総額は、3億9,000万円、補正後の予算規模は、6,931億2,100万円となっています。
その主な内容としては、まず、大島大橋において、送水管の本復旧工事を柳井地域広域水道企業団から受託して実施することとし、2億5,000万円を計上するとともに、債務負担行為を設定しています。
次に、本年の猛暑を踏まえ、県立高等学校の普通教室に空調設備の設置を進める緊急対策を講じて、学習環境の向上を図ることとし、現在未整備の教室について、来年夏までに整備を行うため、1億3,800万円を計上するとともに、債務負担行為を設定しています。
次に、中山間地域における選挙の投票環境の向上のため、来年4月に予定される県議会議員選挙において、移動期日前投票所の整備を促進する実証事業を実施し、県下への普及を図ることとして、所要の経費を計上しています。
このほか、「農林業の知と技の拠点」について、外部検討委員会による検討結果を踏まえ、防府市の農業大学校に、農業試験場及び林業指導センターを統合することとする基本計画案をとりまとめたところであり、これに基づき、施設の設計を行うため、債務負担行為を設定しています。
一方、歳入予算につきましては、歳出との関連において、受託事業収入2億5,000万円、県債1億1,100万円を追加するほか、所要の一般財源につきましては、繰越金2,900万円をもって措置しています。

事件議決

議案第4号から議案第17号までは、事件議決に関するものです。
議案第4号から議案第9号までは、工事の請負契約の締結について、
議案第10号は、土地の売払いについて、
議案第11号及び議案第12号は、山口県身体障害者福祉センター及び山口きらら博記念公園に係る指定管理者の指定について、
議案第13号は、当せん金付証票の発売金額について、
議案第14号から第16号までは、地方独立行政法人山口県立病院機構等に係る定款の変更及び中期目標を定めることについて、
それぞれ県議会の議決をお願いするものです。
議案第17号は、工事の請負契約の締結について、専決処分により処理したものであり、その御承認をお願いするものです。
議案第18号は、人事案件に関するものであり、公害審査会の委員の任命について、県議会の同意をお願いするものです。
公害審査会の委員各位におかれては、来る12月24日をもってその任期が満了いたします。
つきましては、新しい委員の任命を要するのでありますが、私としては、お手元に配布しました委員候補の各氏を最適任と考え、ここにお諮りいたします。
なお、各氏の御経歴は、履歴書のとおりです。

その他

この際、御報告申し上げます。
工事請負契約の一部を変更すること、訴訟上の和解をすること及び交通事故等による損害賠償の額を定めることについては、専決処分により、処理をいたしました。
また、県が出資等を行っている法人の経営状況を説明する書類につきましては、別添のとおり作成しましたので、提出をいたします。

以上、提出議案等について、その概要を御説明申し上げました。何とぞよろしく御審議のほど、お願い申し上げます。