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平成21年8月県議会臨時会知事議案説明

ページ番号:0012139 更新日:2009年8月7日更新

本日は、平成21年度一般会計補正予算につきまして、臨時に御審議をお願いするため、お集まりをいただき、厚くお礼を申し上げます。

議案の説明に先立ち、御報告を申し上げます。

この度の「平成21年7月21日豪雨災害」は、かつて経験したことのないような大規模な土石流災害や、河川の氾濫等を引き起こし、17名もの尊い人命を奪ったほか、家屋の滅失や浸水、道路、河川の損壊など、県内各地に大きな被害をもたらしたところであります。

ここに改めて、お亡くなりになられました方々に対し、謹んで哀悼の意を表しますとともに、罹災されました皆様方に心からお見舞いを申し上げる次第であります。

この豪雨による被害は、現在までに、死者17名、負傷者21名のほか、家屋の損壊、床上・床下浸水が合わせて4千棟を超え、また、避難指示・避難勧告の対象者は延べ8万人以上、断水も最大時には3万5千戸に達するなど、県民生活に極めて深刻な影響を及ぼしたところであり、公共土木施設、農林水産施設等に係る被害額については、現在も精査を進めております。

まず、これまでの災害対応の状況につきまして、御報告を申し上げます。

去る7月21日、県内各地で早朝から非常に激しい雨に見舞われ、県では、直ちに「山口県災害対策本部」を設置して、災害の発生に備えたところでありますが、特に、防府市においては、観測史上最大の降水量を記録し、局地的に起こった大規模な土石流が住宅や老人福祉施設を直撃するなど、県央部を中心に、甚大な被害が生じました。

このため、県といたしましては、地元市町、消防本部と連携を図り、自衛隊や近隣県等の関係機関の応援も得ながら、土石流等によって行方不明となられた方々や、孤立した要救助者を救出するため、ヘリコプター7機を投入し、また、県下で初めて災害派遣医療チームを出動させるなど、人命救助を最優先に、対応に当たったところであります。

さらに、土石流を主とする二次災害の防止対策や、避難対策に努めたところであります。具体的には、砂防施設やため池等の土木・農業施設を総点検し、水位低下策など必要な措置を講じるとともに、危険が極まっていると判断された区域については、関係市町へ迅速に情報を伝え、これに基づいて、住民に対する避難指示・勧告が行われたところであります。

一方、国に対しまして、県議会と一体となって、麻生総理大臣、河村内閣官房長官をはじめ、関係の大臣や府省庁に緊急要望を行い、激甚災害法の早期適用、国による直轄事業の実施など、主要4項目をはじめ、17項目にわたる緊急的な支援措置とその早急な対応を強く要請いたしました。この結果、全面通行止めとなっている国道262号の迂回路として機能する高速自動車国道の無料化、国からの「緊急災害対策派遣隊」の派遣、さらには、土石流災害の重大被災箇所における国の「直轄砂防災害関連緊急事業」の実施が速やかに実現したところであります。

そうした状況の中で、被害拡大の虞が少なくなったこと、また、今後は、本格的な復旧対策と被災者救援対策に全力で取り組んでいく必要があることから、7月31日に災害対策本部を改組し、新たに、私を本部長とする「被害対策本部」を立ち上げたところであります。

これを踏まえ、今回、現時点での被害状況に基づき、特に緊急に措置すべき経費について、補正予算を編成した次第でありますが、今回の補正は、当面の対策に内容を絞ったものであり、引き続き、被害実態の精査に努め、9月補正で、必要に応じて追加の予算措置を講じることとしております。

また、今回の豪雨災害では、多くの貴重な教訓も得たところであり、私は、今後の災害対応について、あらゆる角度から、見直しを検討していく必要があると考えております。

具体的には、例えば、災害情報・避難情報等の伝達システムや広域消防のあり方、あるいは、福祉施設や病院の立地箇所の要件等について、今後、関係する市町、団体等とともに、今回の災害をしっかりと検証しながら、課題の抽出と対応を図り、県民生活の安心・安全の基盤づくりを一層推進していく考えであります。

それでは、提出議案の概要につきまして、御説明を申し上げます。

議案第1号は、平成21年度一般会計補正予算であります。

今回の補正予算は、当面措置すべき災害復旧事業及び被災者対策事業等につきまして、緊急の補正を行うものであり、その補正総額は118億8,800万円、補正後の予算規模は7,801億4,800万円となっております。

その主な内容といたしましては、まず、災害復旧事業につきまして、道路、河川、砂防等の公共土木施設や農林水産施設、また、学校施設等の早期復旧を図るため、87億円を追加計上しております。

次に、災害関連事業といたしまして、大規模な土石流災害で甚大な被害を受けた、防府市の国道262号勝坂地区、真尾地区及び奈美地区において、災害の再発を防ぎ、地域住民の暮らしの安心・安全を確保するため、砂防・治山施設の増設等を行うこととし、15億7,000万円を追加計上しております。

さらに、勝坂地区及び真尾地区につきましては、先の緊急要望を受け、国による「直轄砂防災害関連緊急事業」、総事業費10億2,000万円の実施が決定されたことから、これに係る直轄事業負担金3億4,000万円を新たに計上しております。

また、土石流災害が多発した防府市、山口市において、国の「緊急災害対策派遣隊」を中心とした緊急点検の結果、危険度が高いとされる箇所等について、災害の発生を早期に知らせる土石流センサー等を設置するほか、県内各地で人家裏山等での二次災害の発生を防止するため、県単独の小規模治山事業を追加実施することとし、それぞれ所要の経費を計上しております。

次に、被災者対策につきましては、災害救助法に基づく被災者の応急救助等を行うとともに、県単独の措置として、家屋の全壊・半壊世帯に災害見舞金を、被災者生活再建支援法の対象とならない地域の被災世帯に支援金をそれぞれ支給するほか、被災世帯に対して、災害援護資金、生活福祉資金等の無利子貸付を行うこととし、総額で4億4,800万円を計上しております。

このほか、被災した指定文化財の復旧や、道路、河川に流出した土砂や倒木の除去等を実施することとしております。

一方、歳入予算につきましては、歳出との関連において、国庫支出金67億9,000万円、県債35億6,200万円等を追加するほか、所要一般財源につきましては、繰越金14億9,600万円をもって措置しております。

なお、これに伴い、県債残高につきましては、本年度末で1兆2,017億円となる見込みであります。

以上、提出議案につきまして、その概要を御説明申し上げました。何とぞよろしく御審議のほど、お願いを申し上げます。