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平成21年6月県議会定例会知事議案説明

ページ番号:0012142 更新日:2009年6月24日更新

 本日は、平成21年度一般会計補正予算その他の諸案件につきまして、御審議をお願いするため、お集まりをいただき、厚くお礼を申し上げます。

 まず最初に、今月2日、美祢市秋芳町において発生した一酸化炭素中毒の事故により、お亡くなりになられました方に対しまして、謹んで哀悼の意を表しますとともに、負傷されました方々に心からお見舞いを申し上げる次第であります。

 小学生の修学旅行中の事故という、誠に残念な出来事であり、県といたしましては、事故の発生を受け、直ちに、地元美祢市と合同で現地近くに「対策支援室」を設置して、県からも職員を派遣し、被害者への対応等に当たったところであります。

 また、事故の原因につきましては、目下、警察等で究明中でありますが、今回の事故が発生した観光宿泊施設に類似する施設等について、県下13消防本部、関係団体とともに、三者合同で緊急査察を実施したところであります。

 今後は、この査察結果等を踏まえ、関係機関等との連携を密にして、安全確保に向けた対応の徹底を図ってまいります。

 次に、議案の説明に先立ち、御報告を申し上げます。

 まず、最近の経済情勢についてであります。

 我が国経済の動向につきましては、雇用情勢が急速に悪化し、厳しい状況にある中で、個人消費は弱い動きとなっているものの、一部に下げ止まりの兆しもみられ、また、企業収益は極めて大幅に減少し、設備投資も大幅に減少しておりますが、輸出は持ち直しの動きがみられ、生産は持ち直しているなど、景気は、厳しい状況にあるものの、一部に持ち直しの動きがみられるとされております。

 このような情勢を踏まえ、経済の「底割れ」を確実に防ぎ、中長期的な成長を創出するとともに、国民の「安心と活力」の実現を図るため、政府は、緊急的な雇用・金融対策や、幅広い分野での政策推進を盛り込んだ、総事業費57兆円に及ぶ過去最大の「経済危機対策」を決定し、その執行に係る補正予算が、去る5月29日に成立したところであります。

 一方、県内経済につきましては、雇用情勢は一層厳しさを増し、個人消費も全般的に弱めの動きが続いており、また、設備投資は先行き大幅な減少が見込まれる状況にあるものの、輸出、生産は内外の在庫調整の進捗により、下げ止まりの兆しがみられるなど、県内景気は、依然悪化を続けており、中小企業の景況にも引き続き厳しいものがありますが、悪化のテンポは和らいでおります。

 こうした中、県といたしましては、昨年末から緊急的な景気・雇用対策に取り組み、本年度の当初予算においても、離職者等の就業機会の創出や必要な生活資金の確保、あるいは、中小企業制度融資において、経営安定資金の融資枠を大幅に拡大するなど、切れ目のない対策を講じてまいりました。

 さらに、この度の国の経済危機対策を積極的に導入して、現下の景気・雇用情勢への的確な対応を図り、「住み良さ日本一の元気県づくり」の実現にも資する諸施策の更なる推進に取り組むこととし、今般、過去最大の規模となる補正予算を編成した次第であります。

 私は、この補正予算の執行を通じて、県内景気の一日も早い回復と、県民生活における安心の確保に全力で取り組むとともに、今後も、経済情勢等を十分注視しながら、必要な対策を機動的・弾力的に実施してまいる考えであります。

 次に、新型インフルエンザ対策についてであります。

 世界では、今なお、新型インフルエンザの感染の拡大が続いており、世界保健機関は、今月12日、その警戒レベルを「世界的な大流行」を示す最高水準に引き上げたところであります。

 日本国内におきましても、依然として患者の増加がみられ、本県でも5名の方が発症されるなど、予断を許さない状況が続いております。

 こうした中、去る6月19日、国から医療の確保や検査体制に関する新たな運用指針が示されたところであり、県といたしましては、これに基づいて、重症患者に対する適切な医療の提供や、本格的な流行の発生を可能な限り抑制するなど、引き続き、対策に万全を期してまいりたいと考えております。

 それでは、提出議案の概要につきまして、御説明を申し上げます。

 議案第1号は、平成21年度一般会計補正予算であります。

 今回の補正予算は、経済危機対策関連経費につきまして、所要の補正を行うものであり、その補正総額は541億4,700万円、補正後の予算規模は、7,682億6,000万円となっております。

 補正予算の編成に当たりましては、国の経済危機対策に呼応して、本県として取り組むべき項目については、積極的な対応を図ることとし、国からの情報収集に最大限努めながら、可能な限りの予算措置を講じたところであります。

 その主な内容といたしましては、まず、雇用・生活支援対策をはじめ、福祉、医療、環境など、幅広い分野での政策課題に対し、一定の期間において、緊急的な対策を実施していくため、各種基金の新設・拡充を行うこととしております。

 具体的には、「医療施設耐震化臨時特例基金」など8基金の新設、及び「緊急雇用創出事業臨時特例基金」など6基金の拡充を行うこととし、これら14基金に係る積立金について、総額289億9,400万円を計上するとともに、各基金を活用し、それぞれの対策を推進する具体的な事業についても、62事業、総額59億6,600万円を計上しております。

 とりわけ、緊急課題である雇用対策につきましては、昨年度設置した「緊急雇用創出事業臨時特例基金」に47億3,800万円を積み増すとともに、基金の活用により、離職を余儀なくされた失業者等に対して、緊急的・一時的な就業の機会をさらに提供することとし、16億5,300万円を計上しているところであります。

 また、県内景気の回復に資するとともに、交通物流基盤の強化や、暮らしの安心・安全の確保等を図るため、道路、河川、港湾等の社会資本整備を追加実施することとし、補助・直轄公共事業について、総額117億7,400万円を計上しております。

 さらに、経済危機対策で措置された国の具体的対策に沿って、本県の実情に照らし、早急な対応が求められる項目や、今後の県づくりに必要な施策については、具体化が可能な事業を出来る限り予算措置したところであり、総額74億1,300万円を計上しております。

 このうち、主な事業といたしましては、まず、離職者等に対する住宅・生活支援対策として、緊急的な住宅手当の支給や、生活福祉資金の貸付利率の引下げ等を行うとともに、新型インフルエンザ対策として、抗インフルエンザウイルス薬の備蓄の前倒し、流行時に備えた検査機器の整備等を実施いたします。

 また、県立学校の耐震化の前倒しや、震度情報ネットワークシステムの更新を行うほか、山口国体の開催に向け、山口きらら博記念公園のスポーツ振興拠点としての機能向上を図るため、多目的グラウンドの整備等にも着手するなど、「住み良さ日本一元気県づくり加速化プラン」の着実な推進に繋げていくこととしております。

 私としては、これらの事業の効果が早期に生ずるよう、予算の執行に当たりましては、基金活用事業について、市町、関係団体等とのより緊密な連携を図り、公共事業については、既に当初予算分に係る上半期の契約目標率を80%としており、引き続き、事業の早期発注に努め、また、その他の対策関連事業につきましても、迅速な事業実施と効率的な予算執行に取り組んでいく考えであります。

 一方、歳入予算につきましては、経済危機対策に伴い、地方への財源措置として創設された、「地域活性化・公共投資臨時交付金」及び「地域活性化・経済危機対策臨時交付金」の活用や、歳出との関連において、国庫支出金473億5,900万円、県債7億6,500万円等を追加するほか、所要一般財源につきましては、繰越金1,200万円をもって措置しております。

 議案第2号は、総合医療センター事業会計につきまして、経済危機対策の一環として、平成22年度のドクターヘリの運航開始に向け、県立総合医療センターにおけるヘリポート整備を前倒して実施することとし、所要の補正を行うものであります。

 議案第3号から議案第12号までは、条例の制定及び改正に関するものであります。

 議案第3号は、行政委員会委員の報酬の一部を減額するため、

 議案第4号は、小型船舶等による遊泳者等の付近における危険な行為を規制するため、

それぞれ条例を制定するものであります。

 議案第5号から議案第12号までは、条例の一部を改正するものでありまして、

 議案第5号は、租税特別措置法の一部改正に伴い、関係条項を整備するため、

 議案第6号は、職員等の旅費について、制度の簡素化を図るとともに、旅行実態等を踏まえた単価の改定等を行うため、

 議案第7号は、地方税法の一部改正に伴い、国の「生活対策」により設けられた、個人県民税に係る新たな特例措置の導入等を行うため、

 議案第8号は、企業立地促進法に基づき、同意集積区域内において、不動産取得税の課税免除を行うため、

 議案第9号は、山口県地域医療再生臨時特例基金ほか7基金を設置するため、

 議案第10号は、若者就職支援センターの管理業務に指定管理者制度を導入することについて、所要の規定を設けるため、

 議案第11号は、航空法の一部改正に伴い、山口宇部空港の管理規程について、関係条項を整備するため、

 議案第12号は、警察法施行令の一部改正に伴い、警察本部の内部組織に係る所掌事務を追加するため、

それぞれ関係条例の一部を改正するものであります。

 議案第13号から議案第22号までは、事件議決に関するものであります。

 議案第13号及び議案第14号は、工事の請負契約の締結について、

 議案第15号は、民間資金等の活用による下関地域総合武道館の整備等に関する事業に係る契約の締結について、

 議案第16号は、物品の買入れについて、

 議案第17号は、港湾施設に係る指定管理者の指定について、

 議案第18号は、地方独立行政法人山口県産業技術センターに係る中期目標を定めることについて、

 議案第19号は、愛宕山地域における南岩国尾津線の県道路線の認定について、

それぞれ県議会の議決をお願いするものであります。

 議案第20号から議案第22号までは、人事案件に関するものであります。

 議案第20号は、人事委員会の委員の選任について、

 議案第21号は、公安委員会の委員の任命について、

 議案第22号は、収用委員会の委員及び予備委員の任命について、

それぞれ県議会の同意をお願いするものであります。

 まず、人事委員会委員 藤田幸夫氏は、来る7月17日をもちまして、

 公安委員会委員 清水孝子氏は、来る7月18日をもちまして、

また、収用委員会委員 村越千幸子氏、有吉宏樹氏、中村安紹氏及び同予備委員 池永勲氏は、いずれも来る7月12日をもちまして、その任期が満了いたします。

 ここに、各氏の御在任中の御労苦に感謝をいたしますとともに、その御功績に対し、深く敬意を表するものであります。

 つきましては、後任の委員の選任及び任命を要するのでありますが、私といたしましては、それぞれの職責に要求される高潔な人格、豊富な知識、経験等を考慮いたしまして、人事委員会委員には藤田幸夫氏の再任を、公安委員会委員には清水孝子氏の再任を、それぞれお願いすることとし、ここにお諮りする次第であります。

 また、収用委員会委員には村越千幸子氏、有吉宏樹氏及び同予備委員には池永勲氏の再任をお願いするとともに、新たに収用委員会委員には高崎幸恵氏を最適任と考え、ここにお諮りをいたします。

 なお、各氏の御経歴は、お手元に配付をいたしました履歴書のとおりであります。

 この際、御報告を申し上げます。

 平成20年度の一般会計ほか4会計につきまして、繰越計算書を調製いたしましたので、御報告をいたします。

 また、訴えの提起をすること、訴訟上の和解をすること及び交通事故等による損害賠償の額を定めることにつきましては、専決処分により、処理をいたしました。

 また、障害者のための施策に関する基本的な計画の報告及び県が出資等を行っている法人の経営状況を説明する書類につきましては、別添のとおり作成をいたしましたので、提出をいたします。

 以上、提出議案等につきまして、その概要を御説明申し上げました。何とぞよろしく御審議のほど、お願いを申し上げます。