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知事記者会見録・平成28年2月16日実施分

ページ番号:0013029 更新日:2016年2月18日更新

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日時 平成28年(2016年)2月16日(火曜日)
11時30分~13時13分
場所 県庁2階 記者会見室

発表項目

  • 平成28年度当初予算(案)について

知事

 皆さん、こんにちは。
 今日私からは、平成28年度当初予算案について説明をさせていただきたいと思います。

 まず、予算編成の基本的な考え方でありますけれども、平成28年度の当初予算でありますけれども、220億円という大変深刻な財源不足が見込まれるなど、極めて厳しい前提での予算編成となったわけであります。
 そういう中で、全国より速いスピードで人口減少が進んでいって、そしてまた、TPPですとか、そういった環境への対応をしていかなければなりません。こういった山口県が直面する課題に対して、しっかりと手を打っていかなければなりません。
 そういったことで、今回の予算、「活力みなぎる県づくり」の推進に向けまして、国の補正予算も活用しながら、人口減少というような最重要課題への対応、そしてまた、今の緊急課題に対応した予算を組むということにいたしました。それとともに、冒頭申し上げましたように、深刻な財源不足の状況がありますので、歳入歳出両面にわたって、しっかりと財源確保に取り組んできたということでございます。
 そういう中で、3つほど柱がありますけれども、1つは、「人口減少克服に向けた取組への重点配分」でありまして、ここに、やまぐち元気宣言とか28年度施策重点化方針とか書いてますけれども、そういったことを踏まえ、重点項目を6つ掲げています。これはまた後ほど説明させていただきたいと思います。

 「国の取組と一体となった緊急課題への対応」ということで、これは、国の補正予算で「地方創生加速化交付金」というのが措置されています。これをしっかりと使っていって、補正と当初を一体的に編成をして、人口減少対策であるとかTPPへの対応とかしていこうということ。それから3つ目は、財政収支均衡に向けました財源確保ということであります。さまざまなですね、対応をしていますけれども、大きな財源不足を踏まえてですね、まずは、財政収支の均衡を最優先課題として、緊急的な歳入対策ですとか、徹底した歳出改革ということをやっております。
 それと併せて、将来、過度な負担を残さないよう、一般分の県債残高について縮減をしていくということで取り組んでおりますけれども、これは、着実に継続していくということであります。

 そういったことで編成した当初予算ですけれども、7,026億円ということで、前年度比で言うと、40億円の減ということであります。
 具体的な、冒頭申し上げました、6つの柱を順次、ポイントについてご説明していきます。

 まず、「産業力の強化と中堅・中小企業の成長支援」ということでございます。
 山口県はですね、一つは、中堅企業が少ないということ。中小企業をしっかりと伸ばしていかなければいけないということですね。それから、特に若者の県外への流出が激しい。これは従来から言っている話ですけれども、こういった部分はしっかりと食い止めていくことが必要です。そのためにですね、1つは、「雇用を生み出す中堅・中小企業の振興」ということで、「山口型ハンズオン支援による中堅・中小企業の成長促進」ということです。これは、産学公金がしっかりと連携をしてですね、産業振興とか、そしてまた雇用の創造、産業の振興と雇用の確保、これを一体的に進めていこうということであります。
 そういったことに向けまして、幅広い業種、これは、ものづくりから、あるいは若者とか女性に希望の多い魅力のあるサービス業とかですね、そういったことも含めて幅広い産業を対象に、新製品の開発とか、販路の開拓とか、人材の確保、こういったものを一体的に支援をしていこうというのがこれでございます。
 その次、地域商社ということであります。これは山口県のいろんな農産品とか加工品、さまざま、多品種でありますけれども、特に大消費地であります首都圏に対してですね、まだまだ販売をですね、強化をしていく余地があると思っておりますし、やっていかなければいけないと思っています。どうしても小さいところばかりになってきますので、県外のですね、首都圏とかに販路を十分持っていないとか、あるいは、それをやっていこうと思っていても、なかなか一つ一つの小さな企業体では、それを思い切ったPRと言いますか、首都圏でのいろんなビジネスづくり、その販路の開拓というのも、個々には難しいものがありますので。ただですね、山口は、非常にそれぞれ、多品種でいろんなすばらしい物がありますので、ぜひそれをですね、力を合わせて、首都圏に対して売り込んでいこうということを強化していこうということで、地域商社というものをつくっていきたいと思っています。来年度「地域商社機能の構築」ということでありまして、これは特に、官民連携でですね、県産品を首都圏に売り込むための人材とか組織の体制というのをまず整備をしていきたい。それから、山口県版の産地直送システムの構築に向けまして受発注のシステム、こういったものも実証的にやっていって、具体的な形というのをつくっていきたい、ということを始めていきたいと思います。これは、国の方でも「地域商社」というのはですね、やっていこうというような、大きな政策としても方向を出されていますけれども、これを、率先してですね、山口県で、やっていきたいということであります。
 それから、もう一つは、「夢を実現する創業の応援」ということであります。
 創業支援については、これまでも女性創業応援会社ですとか、あるいは、融資についても、トップクラスの低利の融資をして、山口での創業をしっかり応援していこうということをやっていますけれども、それをさらに進めるということで、「まちなか創業支援施設」の設置・運営ということです。
 これはですね、チャレンジモール、これは実証的にまずお店を出してみて、そこでいろんな試行錯誤をしてうまくいけば実際に本格的な立ち上げをしていく。そのチャレンジをしていくための実践的な店舗。それから、シェアオフィスですね。これは共同店舗ですね。それから、コワーキングスペースというのは、オープンスペース、みなさんが使えるスペースとして提供するということで、一人の方が企業を起こすときに、どうしても、事務所を設けるというのは思い切った投資がいりますし、なかなかビジネスをすると言っても難しい。こういった中で、このシェアオフィスとか、そういった部分でですね、そういったスペースを皆が共有の中で使うことによって、事業をスタートするというふうに、ここを拠点にやりますという部分をですね、できるということでありますから、これを立ち上げのところでしっかりサポートしていきたいと思いますし、また、コーディネート機能をここに持たせて、個々の企業をやろうという方の取り組み自体も、しっかりとサポートしていくということをしていきたいと思っていますし、あとは、県だけではなくて、市とか商工会議所、そういった所も創業支援というのはしっかり担っている部分ではありますので、例えば、その後の、商店街で店をやっていくんであれば、市の方に引き継いで、市の方で助成をして、実際、商店街の中でこういう取り組みをしていくということにもつながっていきますので、県だけじゃない、市や商工会議所の方とも、しっかりと連携をして、取り組みをしていきたいというものでございます。
 それと、人材の関係は、国の方の仕組みを使いながらですね、プロフェッショナル人材の受け入れということも積極的にやってまいります。

 次のページ、「『やまぐち観光維新』の推進」ということであります。
 昨年は、大河ドラマ「花燃ゆ」がありましたし、世界遺産登録もありました。それから、また、美祢のジオパークの認定、これも念願の認定が具現化をしたということでございます。そういうことで観光客が増えたものはしっかりそれを継続して伸ばしていくということが必要だと思ってます。そういう意味で、昨年、誘致が決まりましたデスティネ-ションキャンペーンもですね、来年度はプレDC、そして29年度が本格的なDC、30年度がアフターDCということで、維新150年につないでいくということでありますし、また、インバウンドの需要の増加ということであります。全国的にもう2000万人に届こうとしているわけでありますけれども、山口県でも外国人の観光客が増えています。この需要をですね、この旺盛な日本に対する観光需要をしっかりと山口県に呼び込んでくるという事をしていかなければいけないと思います。
 もう一つ言うと、あとはここに書いてはいませんけれども、瀬戸内の観光推進機構というものも4月に立ち上がります。関係7県が連携をして、瀬戸内にしっかりとインバウンドを中心に観光客を呼び込んでこようということも始まってまいりますので、そういった事もですね、よく連携をしながら、取り組みを進めていく必要があります。
 そういう中で、今年度、観光振興条例も作りました。「魅力ある観光地域づくりの推進」、「DMOの形成・確立」ですとか、「観光産業の振興」、「誇りと愛着をもったおもてなし」ということで柱を設けておりますけれども、それに沿って予算も組み立てております。
 まず、「魅力ある観光地域づくりの推進」ということで、これは「やまぐちDMO」の形成に向けた取り組みということであります。その確立に向けまして、専門的な知見の導入、「スーパーバイザー」を導入して、DMOをしっかりと立ち上げて誘導していこうということ。それから「やまぐちDMO」観光案内機能の強化、コンシェルジュということで、これは山口県の全体の観光のワンストップで行き届いた観光案内等ということで、新山口駅等に配置をするということ。それから、新たな観光ルートでテストマーケティングもやっていきます。それから、「観光産業の振興」ですとか、「地域の魅力の再認識とおもてなし」で言いますと、観光の「稼ぐ力」を伸ばしていくとか、あるいは、多様な主体の連携による新たな観光資源の創出ということをしっかりと進めていくということで、ワークショップ等を活用して、いろんな優良事案にですね、補助等、取り組んでいくということであります。
 それから、PRイベントということで、さまざまイベントをやっていく。それから、「全国宣伝販売促進会議」の開催ということで、これは、デスティネーションキャンペーンの関係ですけれども、29年度が本番でありますので、それを受けて前の年、すなわち、来年度、国内外の旅行の関係の会社、それから、メディア等についてですね、山口県ではこんな観光ができますよと、しっかりとPRしていきます。DCに向けてですね、そういった商品づくりですとか、そういったものをしてもらうための素材をしっかり提供するという大変大きな会議です。これを来年度実施するということになりますので、これを成功させるということが重要です。
 それから、幕末ISHIN祭 第2章ということでありまして、第1章は、花燃ゆがあった、これから第2章ということで150年に向けたですね、キャンペーンということでありますので、広告宣伝、誘客対策、それから、昨年8月に盟約を締結した「平成の薩長土肥連合」によっても共同の事業を連携してうまく進めていくということをしていきたいと思います。
 それから、インバウンドの観光プロモーターの配置ということで、海外からどんどん山口に来てもらうために、こちらでもちろん受け入れ環境も整備しますけれども、海外の実際の旅行関係のところにしっかりと域内での山口県のPRといいますか、観光のさらなる魅力を発信をしてもらわなければいけません。需要をしっかり山口に取り込んでくるためにですね、プロモーターというのを、韓国、台湾、香港、中国、タイに配置するという取り組みをしていきます。それから、インバウンドコーディネーターということで、外国人観光客の受入環境の充実と多言語対応機能の強化ということで、コーディネーターの配置ですとか、「多言語コールセンター」等を設置するということであります。
 それから、いろいろあるんですけれども、最後、「サイクル県やまぐち」の展開ということでありますけれども、今、サイクリングの需要というのがどんどん増えてきています。山口県でも、下関で「ツールド下関」とか、サザンセトとかですね、いろいろやっていますし、大変多くの方がサイクリングをしておられるということですね。これはまた、山口を楽しんでもらって、そしてまた交流人口を拡大して、地域の活性化にもつながっていく。観光と非常につながる部分があると思っています。先ほどいいました瀬戸内の観光推進機構の方でもですね、瀬戸内の大変おだやかな海、島が大変美しい部分をしっかりとサイクリングという形で誘客に結びつけていこうということで、サイクリングというのが、ひとつ、瀬戸内の方でも、連携して取り組んでいこうというテーマになっている。ご案内のとおり広島とか愛媛とかが連携して、しまなみ街道でやっていますけれども、ぜひ、地域全体でそういったサイクリングという部分を一つのブランドにしていこうと。そういったこともありますので、そういったことを踏まえまして、「サイクル県やまぐち」の展開ということであります。これは、いくつかもう具体的に自転車の関係の全国の競技団体とかありますので、そことも話を具体的にしているんですね。全国のサイクリングのイベント、藩庁門トライアルとか、十種ケ峰ダウンヒル、FUNサイクリング秋吉台とかありますけれども、そういう形で誘致もしてですね、具体的にサイクルイベントをやっていきたい。山口県、サイクリングに適しているエリアが多くあると思っています。瀬戸内もそうですし、秋吉台の方もそうですしですね。先日も、台湾から、サイクリングの、山口県に良いコースはないかということで、それを視察に来た旅行関係の方もいると聞いておりますけれども、インバウンドの需要もそれによって期待できると思っていますので、そういったこともですね、観光とスポーツの関係、よく連携をしてですね、交流人口の増加につなげていきたいと思っています。

 次に「元気な農林水産業の育成」ということで、これも、山口県の農林水産業、特に高齢化、担い手不足というのが深刻で、TPPというのが動き出している。そういう中で、「経営安定対策」と「競争力の強化対策」に取り組んでいくということですが、まず、「経営安定対策」の方ですけれども、「経営体質の強化」ということです。これ、一つ大きなものとして、「『集落営農法人連合体』の育成」ということであります。これは、今年度から取り組みを始めていますけれども、それぞれの集落営農法人では小さいので、そこをですね、みんな近接している訳ではなくて、分散したりしているので、それを、全体的に効率的にできないか、そういった山口県に合った形での経営体制の強化ということで、集落営農法人連合体の展開ということを進めていきます。集落営農法人同士で、全体で共通の管理をしたり、あるいは、資機材も使う時期、使わない時期ありますから、これを融通し合ったりとか、いろんな取り組みが考えられます。これを具体的に進めていますけれども、これを全県展開するためのコーディネーターを置くこととしています。
 あと、下関の関係では、高度衛生化に取り組む漁業者への支援ということで、沖合底びき網漁船の高度衛生化改修への支援を行います。
 それから、担い手支援は、引き続き、全国トップ水準の取り組みをやっていきます。
 それから「高品質化・ブランド化」ということで、これは「産地競争力の強化」の関係ですけれども、国の対策を踏まえて、しっかりと、山口県の産地競争力が高まるように、さまざまな機器等の整備をするものです。
 それから「低コスト化・高収益化」への取り組み、それから、「販路の拡大」ということではですね、『ぶちうま!やまぐち』ということで、私も売込隊の隊長をやって、いろいろな所で頑張っていますけれども、大都市圏に向けての販路の拡大をさらに進めていくと。それから、今年度、台湾でキャンペーンをしました。これは、具体的な成果として、みかんジュースであったり、あるいは、お米を大量に買ってもらったり、それから、向こうの百貨店で山口のフェアを実施してもらったりということを進めてきています。この台湾に加えまして、香港とか上海、このあたりにも具体的にJAの方が出ていって、やってみて、それなりにうまくいったりし始めていたり、あるいは、日本の百貨店があるので、そこを通じて山口県の産品を売りこむ、そういったやり方もあるわけです。そういった部分をしっかり活用して、輸出の拡大に向け、どうしても日本の人口、山口県の人口も減っていく、日本の人口も全体では減っていく中で、アジア地域に日本の食べ物のおいしさとか安心、大変高い評価があります。需要も増えていますので、これをしっかりと山口県が売り込んでいって、需要を広げていこうということで、前向きな取り組みということで、進めてまいります。

 それから、「県内への定着・還流・移住の推進」ということです。
 現状は、社会減等進んできている中で、特に若い人たちに県内にしっかりと留まってもらうということが重要です。山口大学等が中心になっております「COCプラス事業」、これは県内の大学等が学生の地元就職率の向上に向けて取り組んでいるものですけれども、これとも連携をして、大学と企業とそして行政がしっかりと連携をして、県内への定着を高めていこうということです。COCの仕組みはそこに書いてありますけれども、例えばその中で、連携した取り組みとしては、インターンシップ学生への交通費・宿泊費の助成ですとか、あるいは、企業見学のバスツアーの実施ということであります。そういった連携の取り組みをしていくということ。それから、もう一つ、「ひとの還流・移住の推進」で言いますと、「やまぐち移住・還流ツアー」ということで、民間ともタイアップして、若者の就職活動のツアーをするとか、あるいは、シニアのですね、移住の支援ツアーを実施します。そういったことを企業と連携してやっていこうということであります。
 あとは、移住受入体制ということで、これもさまざまありますけれども、例えば、「やまぐち移住倶楽部の創設」ということで、移住者同士の交流をしっかりとしていこうと。周防大島も、私もこの間も行きましたけれども、周防大島なんかは、移住者が移住関係の、町の取り組みをしっかりとされているという環境があります。移住者同士の交流であったり、あるいは移住者自身が自分の体験なりノウハウを持って、さらなる移住者を呼んでくるということも行われていますけれども、移住者の交流会の開催、やまぐち暮らしアドバイザー、先輩移住者による個別相談の実施ですとか、移住して実際に体験している自分が学んだことをですね、その経験を生かしてしっかりとサポートしていくということです。

 続きまして、「結婚・出産・子育ての支援」ということであります。
 これも、結婚から出産、子育てまで一貫したサポートというのをしっかりとしていくということで取り組んでおります。
 婚活は今、結婚応縁センターですね、下関、萩、岩国と、これから立ち上がっていくということになっている訳でありますけれども、応縁セミナーの開催、これは、さまざまなスキルアップですとか、そういった、結婚したい人たちに対して情報を提供する、スキルを伝えるということです。
 それから出産の関係で言うと、「産科医等の緊急確保」、あるいは「助産師を活用した周産期医療体制の強化」ということです。産科とかが少ない、産科が少ない中で助産師が十分活用されていないという部分もあります。そういったことで、特にそういった部分が不足しているところについて、医師の派遣とか、助産師さんが出向するシステムとか、そういった部分を支援していこうということであります。
 それから不妊治療をですね、これは、全国トップ水準でありますけれども、国の方で拡充された部分がありますので、そういった部分をしっかりと活用して対応を拡充していくということであります。
 それから「子育て」の関係、これはいくつか新しい取り組みがあります。
 保育料の関係は国の方で制度が拡充された部分がありますので、第2子の半減、そういったものもさらにやっていくということであります。
 子育てする上で、もちろんこの保育料のように金銭給付といいますか、経済的な負担の軽減という部分も大事なのですけれども、しっかりとその支え合いの仕組みを作っていくということ、社会全体で子育てをしていくということを取り組んでいくという部分が重要だと思っています。そういう中で、「やまぐち子育てサポーターバンク」ということで、これは、例えば、シニアの方、高齢者の方がですね、自分は子育ての経験をお持ちで時間もある。そういった方が子育てをサポートしようという場合に、サポーターとして登録してもらって、子育て支援施設、保育所とかですね、いろいろな子育て関係の施設につないでいくということで、地域の方の力で子育てをしっかりサポートしていくという取り組みであります。これを仕組みを作っていきます。
 それからもう一つは、企業の力を借りていこうということで、企業等の寄附、それと県が出す、半分ずつ出しあって、ファンドをつくる。「やまぐち子ども・子育て応援ファンド」の創設ということで、ファンドをつくって、そこから、子育て支援団体のいろんな活動を支援するということであります。行政がやる部分もありますけれども、実際にNPOとか、さまざま子育て関係の団体がありますけれども、そこの活動をしっかりと支援していく、それに企業の力も借りてやっていこうということで、企業、行政が一緒になって、こういったNPO等の子育て団体をしっかり支援していくということであります。これも地域の力を借りてやっていこうということであります。
 それからもう一つですね、支え合いの仕組みということで言いますと、「三世代同居・近居の推進」ということであります。
 だいたい想像すると分かりますけれども、同居とか近居の家の方が、第2子とか、子どもが多いわけですね。当然それは、おじいちゃん、おばあちゃんがいて、子育てをサポートしてくれますから、子どもを産みやすい環境になりますし、またお母さん、奥さんも働きにいきやすい。女性の社会進出にもつながっていくという、非常にこの三世代が一緒に住むということは、あるいは近くに住むということは、子育て環境を整備、あるいは、女性の活躍の促進とですね、さまざまな観点で大変大きな効果があるわけです。
 それで、現状をみると、山口県は三世代同居率というのが6%ということでですね、都道府県平均が9.7%、だいたい10%近くということになっております。特に首都圏とか都市部はこういうふうに同居率が低いんですけれども、基本的には、地方というのは高い。そこを並べて平均で見ると約10%ということです。それから比べるとだいぶ山口県は低いという状況があるということです。
 都道府県別のグラフをざっと見ると、山口県が下のほうというのが見て分かりますので、また機会があったら見てもらいたいと思いますけれども、ここをですね、しっかりと、同居・近居というものをですね、促していきたいと思っております。
 そういう中で仕組みをいくつか作りました。一つは民間と連携した推進体制の構築ということで、これは民間も一緒になって「推進協議会」をつくっていきましょうと。いろんな不動産とか住宅の関係とかありますけれども、そこに向けて促していくということを官民連携して取り組んでいきましょうというのがこれです。
 それから、「同居・近居パスポート」の発行ということで、これ今、移住のパスポートをやっていまして、150の企業が協力してくれて、いろんな引っ越し代の割引とかありますけれども、同じように「三世代同居・近居パスポート」の発行ということで、企業の協賛を得て、いろんな同居・近居に向けた特典が得られるといった、そういったものもですね、企業の力を借りて取り組もうと思います。
 それから、もう一つ、県の方の施策で、「三世代同居・近居住宅支援制度」の創設ということで、これは、同居とか近居をする上で、リフォームとかいるわけですけど、そこを支援していこうということでありまして、そういう取り組みを促していくということです。これも、企業とも一緒になりながら、同居・近居を進めていく、同居・近居によって、世代間、親の力も借りながら、子育てをできる環境、つまり、地域の力を借りて、企業の力を借りて、そしてまた、自分の親とか、そういった世代の力で、子育ての環境を整えていくということで、社会全体で子育て支援ということを言っていますけれども、こういうそれぞれの取り組みをして、それを進めていきたい、社会全体での子育て支援をしていきたいと思います。

 それから、教育の充実ということで言いますと、コミュニティ・スクール、今、93%までいきました。この4月には100%になるということであります。地域が学校に関わっていって子育てをしっかりサポートすると。地域全体で教育をしていこうということで、これは、山口県の特徴、ぜひ伸ばしていきたいと思っております。数的には100%になって、今度は質を上げていかなければいけないということで、コミュニティ-・スクールコンダクター、これ今、市にしか配置していませんけど、全市町にも配置をするということであります。
 実際にコンダクターは、学校と地域の間をつないだり、学校間の取り組みをうまく調整したりする役割を果たしていますけれども、これをしっかり配置していくということです。

 それから、「活力ある地域づくりの推進」。非常に中山間地域が厳しい中で、産業をしっかりとつくっていかなければいけない。そういうところでサテライトオフィスの誘致等もやっていこうということです。これはサテライトオフィスのサポートセンターを設置して、市や町と連携をしてですね、受け入れ地域、それから進出企業の支援をしていこうということ。
 それから、補助金もつくってですね、サテライトオフィスの実証実験費用、あるいは開設とか運営経費の助成をしてですね、山口にサテライトオフィスを呼び込んでこようということでございます。
 それから、中山間地域の移住創業支援ということで、地域における事業、サービスの創出ということでありますけれども、移住創業支援チームということで、これ県や市町、商工団体とか信用金庫が連携をして、チームをつくってですね、地域のニーズと、創業したいという人のニーズをマッチングをするということで、いろんな関係者が支援をすると。
 中山間地域の後継者不足に対しては、後継者候補のインターンシップをすると。それについての助成をしていこうということです。これも悩ましい後継者不足のところについて、しっかりとサポートしていくということであります。
 それから、創業の初期段階における補助制度の創設ということで、いろんな施設とかですね、機械類の購入費について補助して立ち上げをしっかりと支援していくということでありまして、特に中山間地域のビジネスづくり、サテライトオフィスと、それから、いろんな創業の支援ということをやっていきたいということでございます。
 あとは医療の関係だったり、あるいは社会貢献活動の支援ネットを立ち上げましたけれども、これを充実させていこうというところでございます。

 以上が28年度の当初予算の概要ですけれども、次に、これは「国の取組と一体になった緊急課題への対応」ということでありますけれども、さっき言いましたけれども、国の補正予算を活用して、2月補正と28年度当初と一体的に編成をしていろんな対応をしていこうということであります。
 まず一体的な予算編成ですけれども、2月補正のうち地方創生の加速化交付金事業、それからTPP、それから防災、減災の関係、こういった事業をですね、補正で入れてやっております。これを含めて、当初予算と合わせて言いますと、前年比で言いますと、ほぼ同額と言いますか、1億増なので増減率もほとんど一緒ですけれども、大体同水準となっているということであります。
 それから、地方創生の加速化交付金事業9億円余りを見込んでいます。これも事業ということで、創業の関係ですとか、チャレンジモールとかありますけれども。それから、やまぐちDMOの関係ですとか、こういった取り組みをですね、していきます。
 こういった交付金を使って地方創生の取り組みをしっかりと前に進めていこうということです。あとはTPPの関係で、農地の大区画化とか防災、減災事業、こういったものをですね、しっかりとやっていくということであります。

 「財政収支の均衡に向けた取り組み」ということであります。財源不足220億ということでこれがスタートになってきたわけでありますけれども、これを解消していくという取り組みをしてまいりました。一つはですね、退職手当債。これは制度が切れる部分が延長されましたので、それによって72億円という退手債が発行できるようになったということと、財源確保策、歳入・歳出それぞれ取り組みをしましてですね、78億円を確保しました。その結果ですね、財源調整用基金の取り崩しが70億円というのが出てきたということであります。
 さまざまな圧縮をした上で取り崩しをするということでありますけれども、次に財源調整用基金の状況ということで、今年度末の見込み、当初予算の時に102億円ということでありましたが、今回の補正、決算剰余金だったりそういったものの積み立てが可能になってトータルで言いますと、年度末で2月補正後で143億円ということであります。そういう中で、今申しました前のページですね、70億円を崩して年度末の残高見込みが73億円ということになっています。この基金残高についてはですね、100億円という当初予算も102億円と、100億円という一つのラインということで考えていたわけでありますけれども、この100億円が73億円になりますけれども、100億円の回復に向けまして当初予算を執行する段階でですね、いろんな工夫をしながら可能な限り経費を節減していくとかですね、これは執行段階においてもですねそういった努力をしながら財源確保というのを取り組んでいきたいというふうに思っております。
 それから、「一般分の県債残高の縮減」ということでありますけれども、当初予算のプライマリーバランスはですね、13年度以降16年連続で黒字ということになっております。それから、県債全体のプライマリーバランスも5年連続の黒字で過去最高の水準ということであります。そしてまた、一般分の県債残高ということでありますけれども、これは14年連続で減少、28年度も減少となりますし、県債残高全体もですね平成25年度の末これをピークに3年連続で減少してきているということです。27年度からは12億、ピーク時から比べると134億円、25年度の状態から減らすということであります。今の財政が苦しいという状況の中で、こうした借金をちゃんと返してきているということでありますので、将来に向けてはですね財政的にはその体質は改善の方向に、この残高で言うと向かわせているわけでありますけれどもこうした取り組みを継続してやっていかなければいけない。借金を返すのは大変ですけれども、そこをやることによって将来の負担を少しでも減らしていこうということは重要ですので、それをしっかりとやっていくということでございます。
 今後の「財政収支の見通し」ということで、チャレンジプランの計画期間中の収支見通しをお示しをしております。28年度、これは今回の予算ですけれども、29年度までの見通しを載せております。試算に当たりましては、昨年度からの状況を踏まえて、県税とか地方交付税等の歳入ですとか、退手債等の発行額について、前提条件を見直した結果、29年度の収支不足額というのは、前年度からすると拡大をするということであります。厳しい状況でありますので、先程申しました基金の減少に加えて今後の見通しも厳しいということがありますので、財源の確保をしっかりとするということをさらに徹底をしていかなければいけません。財政基盤の強化に向けてですね、しっかりと検討を進めて、取り組みを本格化をしていきたいというふうに考えております。
 それから、今後の取り組みということで言いますけれども、冒頭申しましたように、220億円の財源不足という大きなものがあったということでありまして、これをどういうふうに解消していくかというのがですね、大変大きな課題であったわけでありますけれども、結果的に基金は取り崩さざるをえなかったわけでありますけれども、なんとか来年度の財政運営については目処を立てることができたということであります。こういう厳しい中でもですね、この山口県の将来に向けて取り組むべき課題、これにしっかりと対応していかなければいけないわけであります。産業力の強化とかですね、観光の振興ですとか、子育てを地域全体でやっていく仕組みをつくっていくとかそういった取り組みを着実に進めていかなければいけません。そういう中で、基金が枯渇をすることを懸念しなければいけない。これからも社会保障の関係の経費も増えていくことも見込まれておりますので、財政的には引き続き厳しい状況が予想されるということですけれども、いずれにしても山口県の将来に向けた取り組み、これをしっかりと前に進めながら財政の健全性をしっかりと保っていく。この難しい2つでありますけれども両方しっかりと取り組んでいくことによりまして、活力ある県づくりに引き続き取り組んでいきたいと思っているところであります。
 私の方からの説明は以上です。

山口新聞

 今回、新年度の予算発表されて、新年度は、知事の任期も折り返しに入るわけですけれども、改めて今回の予算をどのように位置付けているかということと、この予算で何を実現したいのかというところを改めてお聞かせいただけますか。

知事

 私、知事になってからチャレンジプランを作りましたし、「まち・ひと・しごと創生総合戦略」も策定をしました。問題意識はですね、山口県の活力をどのように維持して高めていくかということです。人口減少、特に人口の流出が激しい中で、山口県にできるだけ人に留まってもらう。将来の山口県をつくる人に留まってもらうということを進めていかなければいけません。若い人たちがどんどん流出していくと、山口県の活力はどんどん失われていくわけです。将来を担う人が減っていって、社会保障を支える人も減っていくということですので、これをですねしっかりと若い人を留めていかなければいけないと思っています。そのためには、山口県の産業を魅力的なものにしていかなければいけません。魅力ある職場をたくさん作っていく。そして観光とかですね、今伸びている部分をしっかりと伸ばしていく。山口県は素晴らしいものがたくさんありますから、観光資源も素晴らしいものがたくさんありますし、また農産品もですね、大変おいしいものがたくさん豊かな自然の中であるわけですね。これをしっかりと伸ばしていく形にしようと思います。それによってですね、魅力ある産業を作っていく、そして働く場所を作って、山口県に残って頑張っていこうという人を増やしていきたいということです。それと併せて、ふるさとの活性化をしっかりと充実していってということです。
 具体的な予算としては、先ほど説明しました産業力の強化という点ではですね、もちろん継続的にやっているいろんなインフラの整備とかですね、港湾の整備とかそういったものもありますけれども、具体の施策としてはですね、今回、例えば創業の支援をですね、さらに踏み込んだ取り組みもしっかりとしていって、山口で創業しようという人を増やしていくその後押しをしていきたいと思いますし、地域商社というのも言いましたけれども、この山口のそれぞれは小さいけれどもみんな一緒になってやっていけばそれぞれはいいものをもっているわけで、これをしっかりと販売力を高めていく、宣伝力を高めていくこともできるんじゃないかと思っています。そしてまた、中小企業とか中堅企業の支援ということで、ハンズオンの支援、多業種にわたって産業の創造から雇用につなげていく部分もしっかりと連携してやっていくという取り組みをしていきます。
 それから、観光の関係もDMOを作っていって、戦略的に観光需要を作っていくということをやっていく。これから維新150年もあります。デスティネーションキャンペーンもありますし、瀬戸内の推進機構も動き出しますので、そういう中で、この今あるチャンスをしっかりとですね伸ばしていく。大変大きなチャンスを持っていますので、そういう部分を強化をしていくための予算になっていますし、また農産品も経営体質の強化に併せて、販路拡大や海外への展開も含めてしっかりとやっていくということです。
 それから子育ての環境の整備はですね、今言った様々な支援策がありますけれども、特に今回の予算ではいろいろと地域の力、家庭の力、そういったものもしっかりとうまく結び付けていくことをしていきたいということで、子育ての環境のサポーターの登録ですとか、あるいは企業の寄附を集めてファンドを作る、それから同居・近居の推進ということで、地域の力、企業の力、家庭の力をしっかりと引き出して、それをうまく組み合わせながら子育て環境につなげていくということをしようと思っております。個別に話していくとどんどん話が長くなっていくのであれですけれども、狙いとしては、人口減少に対してしっかりと働く環境を作る。山口に留まって山口で頑張っていこうという環境を作って、そして子育ても安心して出来る環境を作る。そういったことで山口県の活力を高めていきたい。そういった思いで予算を作ったところです。

山口新聞

 人口減少の克服というのを大きな課題として挙げられていると思うんですけれども、先月末の総務省の人口移動報告では山口県転出超過4,600人で、半減というのを目標に掲げておられますけれども拡大していると思うんですけれども、これはどういうふうに受け止められていらっしゃいますか。

知事

 人口が流出しているという状況自体はですね継続的にあってですね、今回それがまた大きな4,600人の数字になったということはですね、大変大きな問題というか課題として受け止めています。これは、山口県での例えば仕事場がないかというと、有効求人倍率自体は2年以上にわたって1を超えているという状況がありますけれども、他方で福岡とかですね首都圏ですとかもっともっと人の不足という部分に対して、引っ張りもあるわけですね。だからそういったところに流れていっている部分、経済が良くなっていくとどうしてもさらに都市圏の方に引っ張られる企業がある。これは過去のトレンドを見ても分かっている部分がありますので、県の取り組みとまた国全体の経済の状況と雇用の状況も大きく影響しますので、これがどうだったのかということをですね、一つ一つ増えたからどう減ったからどうということをですね、その都度その都度一喜一憂するということではなくてですね、やっぱりこれは一つの人口流出の流れがあるということを、これをなんとか食い止めていこうということでですね、われわれとしてやることは最大限やろう、雇用の魅力もある職場も作っていく。そしてできるだけ多くの県内の企業のことを知ってもらう、見学ツアーとあるいはCOCプラスでインターンをして、大学のカリキュラムの中でですね、実際に山口県の企業に行ってもらって良さを知ってもらったり馴染んでもらうことによって、県内の就職につなげていく。言ってみたら人があちこち移動するのはこれはもう自由がありますから、どこに行くかどこに住むかは個人の自由ですから、そこを行政でダメですよということはもちろんできないわけでありますけれども、それを少しでも食い止めるためには、今言ったように、一つは産業を作っていく働く場を作っていくとともに、県内の働く場所のこういうところがあるんだよということをしっかりと情報提供、COCプラスもそうですし、いろんなツアーも今回予算であります。予算ではないですけれども県外の大学との協定というのもどんどん結んでいってですね、県外に進学したけれども山口に帰ってこようという気持ちがある人には情報をしっかりと届ける。そういったことを積み重ねていかないと思っておりますので、何が足りないのかという部分はですね、よくいろんな地域でも話を聞きますし、いろんな企業の方にも話を聞きに行きますけれども、そういう中で必要な部分、今足りないと思っているところを今回の予算で措置をしたというところでございます。これをしっかりと効果があるようにですね、実施をしていくことが重要かなと思っています。

TYS(テレビ山口)

 今回先ほど知事からもお話がありましたけれども、予算編成開始に当たって220億円の財源不足を公表された上で編成されたと。実際終えてみて、所感というか、厳しさみたいなものがありましたか。

知事

 そうですね、今回特に大きな財源不足をいかに圧縮をしていくかというところがですね、本当に一番各部局も苦労したところ、もちろん財政もそうですけれども各部局も苦労した点だというふうに思います。私も、もちろん県の施策自体も前に進めていかなければいけませんから、いろんな新しい取り組みもしていかなければいけません。そういう中で財政が破綻してしまってもいけませんので、そこをですねいかに結び付けていくかという部分は本当に苦労をしました。歳出についてもですね、いろんな見直しを各部局の方でもして、不要不急のものですとか、既にその役割が終わっているものは見直しをしていくとかですね、そういったことを徹底をしてやりましたし、財源確保の努力もしてきたわけです。そういう中でですね、最終的には財源不足70億円という部分が基金を取り崩さざるをえなかったということでありますから、そういう意味では100億というのをいろんな災害等を踏まえた対応として必要な部分ということで考えて財政運営をしておりますので、そこを今、当初予算の時点で割り込んだということはですね、これは財政状況自体は深刻だということを改めてしっかりと受け止めなければいけないと思いますし、それを回復ができるように、これからいろんな事業を実施していく上でもですね、執行段階でやっぱりここはもうやっていかなくてもいいんじゃないというのがあれば伝えていくとか、あるいは翌年度以降の予算編成の中で、またいろんな検討をしていくとか、そういったことをですねしっかりとさらに力を入れて取り組んでいかなければいけない。これから先も大変大きな深刻な課題として山口県にのしかかっている状態だなと思っております。

TYS(テレビ山口)

 関連して、今おっしゃられたように基金100億というのをずっとこれまで言われていて、これを割り込んできて、最終的な決断、かなり厳しい決断だったのではないかなと思うんですがその辺りいかがでしょうか。

知事

 そうですね。やはり100億というのはひとつ守るべきものということで考えておりますので、そこを割るということはですね、できれば避けたかったわけでありますけれども、しかし今の県の歳入の状況、歳出のいろんな義務的な経費が増えていく、社会保障の関係も増えていますし、様々な義務的な経費が増えていく中でですね、いろんな新しい取り組みもしていかなければいけません。それもですね、先ほど言いましたように国の地方創生の財源とか最大限使ってですね活用していくということ。それから例えばスポーツのサイクリングでも宝くじの財源を使っていくとかいろんな工夫もしながら、財源的にはいろんなものを取っていきながら新しいものは進めていくということでやったわけですけれども、この100億を少し切ってしまった、30億くらいですね、ということでありますけれども、100億を守るためにさらに思い切ったカットというのは現時点ではなかなか難しいというふうに判断しました。さまざまな県民のサービス、義務的な経費もそうですけれども、県民の皆さんに提供しているサービス自体を削って止めるということを躊躇しなければもちろん、選択肢として考えられなくはないわけですけれども、しかしそれはやっぱり、その県民の皆さんの生活とかですねあるいは活動にとって大きな影響が出ると思っています。そういう中でですね、70億円強の基金残高であります。これ自体は、たちまちこれによってですね何か支障が出るということではありません。もちろん備えとしては100億あるに越したことはないわけですけれども、たちまちこの100億切ったからといって何か県民サービスに支障があるというわけではないわけでありまして、そういったことも考えながらですね、最終的にはこの形にしたということであります。進めなければいけない施策をしっかりと進める、財政的にはあくまでも今の段階で許容できるそのバランスを考えてこういう形にしました。

NHK

 今年度の予算編成の段階で、チャレンジプランを具現化する予算だと説明されていたと思うんですけれども、人口減少対策を進めなければいけないということで、今年度は人口減少対策に重点を置いた予算配分になっていると思うんですけれども、今年度の予算をご自身でどういった予算だったと言えますか。

知事

 今言われたように、チャレンジプラン、地方創生というのは、これはやっぱり山口県の課題は一つは人口減少、これによって地域の活力が損なわれていくということでありますので、これに対してしっかりと対応していく、山口県の活力をしっかりと創っていく、そのための産業の活性化、雇用の確保、そして安心できる暮らし、子育て等を含めてですね安心して暮らせるそういった仕組みづくり、そういったことを実現していく、そのことに向けた予算だと思います。

NHK

 地方創生を本格的に始動するというのは、総合戦略を作ってから最初の当初予算になると思うんですけれども、名付けられると。

知事

 名付けというのは特にないんですけれども、チャレンジプランそして総合戦略を着実に実行していく予算ですね。

読売新聞

 今年度の予算でも基金を取り崩して、毎年続けているんですが、このやり方ももう限界にきていると以前知事もおっしゃっていてですね、財政を組み立てるのに構造を変えていかなければいけないと思うんですけれども、これは何か現時点でこういうふうに変えていくとかありますか。

知事

 何で基金を崩さなければいけないかというと、構造的に歳入と歳出のギャップがあるんですね。歳入の規模に対して歳出が多いのでそこを何かで埋めなければいけない、そこを埋めるために財源調整用基金を取り崩さざるをえない。ですから、歳入と歳出の構造上のギャップという部分をしっかりとなくす、歳入と歳出が均衡すれば基金というのは別に減りもしないし維持できるわけですね。だからそういう構造にもっていかなければいけないということです。今は歳入に見合っていない歳出というのがあります。これはいろんな要素がありますけれども、義務的経費が伸びてきているという部分が一番大きい要素で、社会保障、医療とか介護の費用どんどん増えていっていますので、こういった部分が財政を圧迫しているのでこれを歳入の規模に合わせつけるように、医療とか増えていく中でも合わせつけるような構造にしていかなければならない。これができればですね、基金は崩さなくても財政はやっていけるんですね。これについて抜本的にこれさえやれば必ずできますよと、なかなかそういう大きな対策というのは難しい。毎年の予算編成でも、一つ一つの事業を精査をする。結局、予算規模は7,000億あっても個々の事業はすごく小さい事業の積み上げなんですね。何かの経費を回すような大きな玉があるわけではなくて、小さな事業の積み上げで予算を組み立てていく。それを一つ一つどうかというのをやるしか方法はない。ですから最終的にはそういう形になりますけれども、今後ですね財政的に構造的な問題というのは、どっかでこれを軟着陸させていかなければ、基金が全然別のところで積み上がっていけば別ですけれどもそういう事はないわけで、これは崩さざるを得ないという状況ですからいつかは底をつくわけですね、もともとそういう構造がずっと続いてきているわけです。それが今底をつきそうな状況ですので、これまで取り組んできた難しい課題でもありますけれども、この歳入と歳出のギャップというものを埋める取り組みをさらに本格的にやっていかないと、もう基金は70億になってますから、そんなに長くはこの構造を解消しなければ続けられない、財政運営が予算が組めなくなるということです。今年度の予算はですね、基金残高を残しながら、基本歳入歳出組めていますけれども、来年度以降に向けて先ほどから言ってますけれども、来年度の執行自体、予算を執行する中でやっぱり進めていった結果要らなくなったのであればやめるということも、地道なこともしっかりとやらなければいけないし、29年度の予算編成に向けましてもどういったことができるかという議論をしっかりとやっていくということが重要だと思っておりますので、その取り組みは着実に進めていく必要があります。

防府日報

 財源確保対策で78億円という数字が出てますけれども、これは各部局がいろいろ知恵を絞って出された数字だと思うんですけれども、知事からご覧になって、この成果というのが、もう十分出し切っているというのか、いやまだまだ来年度に向けて課題があるというふうに思っておられるのかというのはいかがですか。

知事

 もちろんこの財源確保対策でですね、もう70億あれば基金を崩さなくてよかったということになるわけでありますけれども、やっぱりいろんな見直すことの影響も考えなければいけません。見直してここは県民生活に大きな支障はないだろうというものはですね、よくよくチェックをして見直しをしております。そういう中で、今できるのはここがギリギリだったのかなと思っています。ただ、何度も言いますけれども、この構造自体が変わっているわけじゃないんですから、またこれをここで終わりというのではなくて、さらに進めていくということをしっかりとやっていかなければいけないのも事実です。

防府日報

 今年度220億円の財源不足があったということに対して、改めてですね、結局何が原因だったのかなということと、それをまた来年度以降もフォローしていかなければいけないということがあるんですけれども、その中で来年度の予算案の中でそういった財源不足を解消していくような取り組みというのをしっかり盛り込めているというふうにお考えになっていらっしゃいますか。

知事

 今後の取り組み自体は予算の中で何か事業として挙がっているということではないんですけれども、29年度の予算に向けてはまたしっかりと議論をしていかなければいけないと思っておりますので、それは着実に進めていかなければいけないと思っております。それと何度も言いますけれども、執行段階で不要不急のものがあればですね、そこは執行をしないとかですね、そういう努力をしていく必要があると思います。

防府日報

 産業の育成とかですね、創業とかいうところに非常に割いていますけれども、こういうのはすぐには例えば税収とかそういったところに結びついていかないでしょうから、やっぱり中長期的に見たときに、産業を活性化させることで税収を上げていこうというプランを抱いておられるのでしょうか。

知事

 人口減少をしていくという問題はですね、これは地域全体の活力が失われていくという問題でありますけれども、併せて県の財政にも大きく影響する問題でもあるわけですね。高齢化がどんどん進んでいく中で若い人たちがどんどん減っていくということはですね、高齢者いろいろ医療とか介護とかサービスが要るわけでありますけれども、それを支える人、支える経済というものが縮まっていく、ますます県の財政も厳しくなっていく。県の財政を何とかするために人を残すというんではないんですけれども、もちろん山口県の経済とか暮らしを良くするためにはやっぱり人口減少対策というのはそれが基本でありますけれども、財政に影響するというのも事実であります。そういう意味では、今の産業の創出とか雇用の確保とか移住の促進とか、そういったことをしっかりとやってですね、山口県に住んで働く人、社会を支える人をしっかりと増やしていくということもですね、重要です。それは財政にも必要だと思っておりますので、そういう面も含めてですね、しっかり施策の効果を上げていく、予算を上げましたけれども効果を上げるように執行段階でいろんな工夫をしていく、力を入れていく必要があるかなと思っています。

YAB(山口朝日放送)

 観光について二つご質問があります。一つは観光が産業になる、もちろん民間と一緒になって、というか民間が主役になってやることだと思いますが、観光維新推進の中で県の立場というのは、ポジション、どういう役割が県に求められているかということについて。

知事

 もちろん、観光も一つのわれわれ今回の条例でも産業ということで位置付けてですね、これをしっかりと観光の産業という部分を伸ばしていこうということであります。そういう意味ではですね、交通関係とか旅館とかですね、お土産物屋もそうですけれども、いろいろ観光に関わる産業っていうのはあるわけですね。そこがですね、頑張ってもらわなければいけないわけです。もちろん、それぞれこの厳しい状況もあるし、今チャンスですからね、ぜひそれをやっていこうっていう思いはですね、みんな持っているわけでありますから、そこをうまく結び付けてですね、それが具体的な成果となるようにその部分をやっていくのが県の仕事だと思っております。ですから、今回DMOっていうことでもですね立ち上げてやっていこうということでありますけれども、観光自体も県全体をですねいろんな関係者を入れながら、戦略的にやっていくということ。当然個々の旅館とか個々のお土産物屋っていうのが何か戦略を持ってですね、山口県の観光をっていうのはなかなか難しいことでありますから、県全体で観光連盟もありますけれども、そこを核としてですね県もしっかりとサポートをする体制を作ってですね、そこをしっかりと伸ばしていく。山口県の観光の需要をですね、しっかりとうまく作っていって、それをしっかりとPRするということですね。
 それから、インバウンドの関係もですね、県がうまくリードしていってですね、Wi-Fi環境の整備だったりとかですね、ということもしていかないといけないし、例えばコールセンターもそうですけれども、実際に来た人が、外国の方が来てですね、山口に来てここはどうだろうかといろんな疑問があった時にですね、その言語で答えてくれるコールセンターがあるっていうのは大変重要で、これは個々の事業者ということではなくて、やっぱり県でこういったものはしっかりとつくっていくということも必要でありますから、そういうですね全県的な取り組み、支障になっているところをしっかりと支障がないようにですね、必要な手当てをしていくということ。
 それから、もう一つは、いろんなプロモーションをですね、しっかりやっていかなければいけないと思っておりますので、DCもそうですけれども、それ以外にもいろんな海外、国内もそうですけれども、いろんな旅行会社とか集めたり、そういった部分でしっかりと山口の観光の魅力っていうのをPRしていく、その先頭に立ってですね、みんな関係団体ひっくるめて一緒に連れて行ってですねPRするとそういった部分ですね、県がどんどんどんどんやっていくってことは必要な部分が多くあると思っていますので、それぞれその仕組みを作ってですね進めていくというそういった形にしています。

YAB(山口朝日放送)

 続けて関連です。県庁内のことですけれども、部の新設も含めて検討されてきたかと思いますが、今後の状況と新年度どういった体制でやっていくかという見通しがあれば教えてください。

知事

 そうですね。観光の体制はですねしっかりと強化していきたいと思ってます。これは、ここにも一つ柱にしているようにですね。大きなチャンスが来ているし、これは山口県の観光を伸ばしてですね、産業とか交流人口の拡大で経済を引き上げていくとかですね、やりとりとかですね、さまざまなメリットなり、チャンスがあると思ってます。それでここをしっかり伸ばしていこうということです。今回予算もですね、昨年度と比べると観光の関係は倍増にしております。大きく予算も増やしてですね、力を入れていくということであります。
 組織についてもですね、強化をしようということで、今回、部という形は取ってませんけれども、課とかですね室とかそういう実働レベルの部分、そこを特に注力をしていこうということで、その部分をしっかりと強化をしていきたいと思っておりますので、今のやるべきことに対応した組織の形にして、そしてしっかりと体制もですね強化をして進めていきたいと思っています。

中国新聞

 農林水産業なんですけれども、知事がずっと昨年度から力を入れておられると思うんですけれども、昨年の農林業のセンサスで初めて農業就業人口が3万人に減ってですね、TPPの問題もあってですね、かなり将来に対する不安もあると思うんですが、今回財源不足もある中でですね、そういった取り組み、細部への対応には十分な予算が付けられたというお考えなんでしょうか。

知事

 そうですね。まず、農林水産業の関係というとですね、今言った担い手が減っているというのが山口県は特に特徴的、全国でも有数と言いますか、悪い方から有数の農業人口の減少率が多いということがありますから、これは昨年度つくった担い手の支援ですね、農林水産業をするにあたってトップクラスの水準というものをですね、しっかりと維持してですね、これによって山口に来て農林水産業に従事しようという方を増やしていきたいと思っております。
 それから、もう一つは今回一つ柱にしておりますけれども、集落営農法人の連合体ですね、これをですねちょっと先ほど趣旨も言いましたけれども、それぞれの集落営農法人では小さいところが多いわけであります。これをですねうまく結び付けて全体として効率化を図っていこうということをしようとしております。こういった部分はですね予算を思いっきりガーンと入れてというよりは、県が仕組みを作ってですね、お互いが補完し合う、効率的にやっていくということによって競争力を上げていくということがありますので、県のですね取り組み自体は予算の規模がすべてというのではなくて、そういう仕組みを作っていくということも大変重要です。主は、もちろん効果を上げるということもあるわけですね。ですからそういう仕組み作りというのはしっかりとやっていく。それから国の方では補正等の措置もありましたので、TPPの関係とかですね、そういったことも踏まえていろんな機材とかですね、そういうものも充実できるようになっておりますから、これはしっかりとですね国の財源、使えるものはしっかりと使って取り組んでやっていこうということでありますので、そういうお金のかかる部分はしっかりと確保して手当てをしていくということです。
 また、販路の開拓もですね、これもさらに海外への展開を広げてやっていこうということでありまして、これも県が引っ張っていくところです。これもですね、予算的には大きな額じゃありませんから、行ってですねPRをして、それが商売に繋がればもっと大きなですねビジネスになってきますので、そういうふうな形で少ない経費でいろんなその働きかけ、いろんな展開とか仕組み作りをして大きな成果を挙げていこうということをですねしていきたいと思います。

朝日新聞

 基金の話に戻るんですけれど、今まで100億という基準は、大規模災害時に最低限必要な金額というふうにおっしゃっていたと思うんですが、今回割り込むことによって、即影響はないとおっしゃいましたけれど、大規模災害が起きた時の対応に県民へ影響は出ないのでしょうか。

知事

 大規模災害が起きた時にですね、ということも念頭に置いて基金の残高というのを確保していかなきゃいけないということであります。実際に災害が起きた時にですね、これはいろんな例えば災害復旧事業債とかいろんな地方債の手当とかもありますから、そういったものをフルに活用していかなければいけないというふうに思います。
 そういうふうな形でですね、いろんな事業を進めていく上での財源っていうのは別な形での確保をする努力はしていかなければいけないわけでありますけれども、ただ安心という意味ではちゃんと100億っていうのはあると安心ということはありますので、これは早く回復をする必要があるというふうに思ってます。100と70がどれだけ違うかっていうと、そこはあんまり厳密なものではないって言えばないですけれども、しかしできれば100億っていう規模は一つの目標として取り組んでいきたいと思っておりますので、そこを早く回復をするということをですね目指していきたいなと思います。

朝日新聞

 国からもそういう災害時に何か支援はあるのでしょうか。

知事

 大きな災害があれば、例えば国の補助率が上がったりとかですね、ということもあるし、地方債の手当てがあったりとかっていうことがあります。そういうのをいろいろと使いながらですねやっていかなければいけないと思っておりますので、財源的にもですね、もちろん財源的にあるに越したことはないんですよ。ないから何もできないじゃなくて、いろんなことはやり方はありますけれども、ただやっぱり安心できるものとしてですね100億っていうのは一つ目安にして、そこはしっかりと守っておきたいなと思います。

朝日新聞

 今回財源不足の穴埋めとして、退職手当債の発行をされたと思いますけれども、これは来年度以降にも同じように発行されていくご予定なのかということが一つ、あと、今回企業局からの繰り入れが50億あったんですが、市町振興基金から10億というのもあると思うんですが、このあたりはいつまででも借りられるものではないので、今後はどうなるのか教えていただけないでしょうか。

知事

 最初の質問は、退手債ですね。
 もともと何でこの制度があるかというとですね、職員にですね、何と言いますか世代間のばらつきって言いますか、いびつな形になってですね、退職間近の職員が結構多くいるっていう全国的にそういった構造ですね。職員の規模に対して退職手当っていうのは普通に年齢構成がですね同じような形であればだいたいこのぐらいが退職手当っていうのが分かるんですけれども、平成17年ぐらいからそこが増えていってるんですね。通常の職員の構成に対して、退職金の額っていうのが多いっていうのがしばらく続くんですね。それからスタートしてずうっとこれが超えていて、だいたい10年ぐらいでまた元のところに戻るんじゃないかってことで、退職手当債の制度っていうのはできています。これは臨時的に増える部分っていうのは、いきなりそこでお金を追加して出していくっていうのは大変だから、そこは地方債で手当てをして、また落ちた時にそれを返していきましょう。そういったことで特別に認められているものです。
 ですが、全国的にはそういうふうにですね10年間経てば元に戻るというぐらい、標準的にはたどり着くっていうことなんですけれども、山口県はそれがまだ高い水準です。都道府県全体としてそういう結果が出ますのは、教職員とかのですね退職ピーク時といったらもっと後になったりとかしますので、市町村の方は少しピークが落ちても、県の方はまだピークが先だということは、いろんな県でも起きてますし、山口県でもそういう状況にあります。そういう中でですね、いきなりこの退職手当債がないとなるととてもじゃないけどいきなり全部現金でっていうのは無理ですということをわれわれも一生懸命国に対して伝えてきました。実情を何度も何度も話をしに行きました。そういう中で、今回延長が一定期間されたということであります。これもいずれですね、だんだんだんだんとフェードアウトしていきますので、徐々に徐々に経過措置というのは、圧縮されていくっていうそんな形になりますけれども、しばらくの間はちょっと続くっていうことになります。ですから、来年度発行して、また再来年度もですね制度としては経過措置として残っておりますので、これはしっかりと活用をしていかなければ、なかなか財政運営は難しいなというふうに思っております。
 そういう中で、他方で地方債自体をですね減らしていくという、それを個別に退職手当債で借金を発行しているけれどもトータルではですね、減らしていって将来の負担自体をですね、全体として減っていく中でやっていきたいなというふうには思っております。
 それから、臨時的財源。企業局のお金とか臨時的に使っているものがあります。それはですね1回限りのものでありまして、恒常的に入ってくるわけじゃあないわけですね。ですから、これはもう28年度は繰り入れられても、29年度は使えない財源ということでありますので、そういう意味では、さらに29年度その分苦しくなるっていうことであります。ですから、そういう意味でも29年度はまた大変な予算をですね、厳しい予算編成になるということは、今から分かるわけであります。多分ですね、その基金が枯渇してしまっては予算が組めませんから何とかしてそこはですね、しっかりとこの予算を歳入歳出をうまくこう調整をつけてですね組めるところに当然29年度以降もやっていかなければなりませんから、それに向けてですねしっかりと検討をまたしていきたいなと思います。

朝日新聞

 素朴な疑問ですけれど、今回220億足らなくて大変だったなあということですけれど、基金を取り崩したり、繰り入れしたり、何とかいろんなところが足りるようになったんで、削る方は、例えばですけれど、極端な話、本当に厳しければ新規事業を何もやらないとか、公共事業とかお金がすごくかかるところを大きく減らすとかっていうこともできると思うんですけれども、あまりそういうのは見えない気がしたんですが、これは全部必要な事業でこれ以上減らせなかったっていうのが事実なのか、それともまだちょっと余地はあるという感じなのか、そのあたりはいかがでしょうか。

知事

 そこは、財政の状況と言いますか、基金とかですね財政の健全性っていうのはしっかりと確保しながら、新しいことはいろいろやっていかなければいけないと思います。今言った人口減少とか、あるいは医療とか介護とかですね福祉とかですね、本当に日常のこともあるわけです。そこを例えば医師不足とかですね、そういったものに対して何もしなければお金はいらないわけですけれども、じゃあ医療なくていいんですかっていうのに対して、それはやっぱりそうはいかないわけですね。
 ですから、財政を常に最優先にしてですね、とにかく基金100億残して後はどうでも良いんだということではこれはいけないわけですね。やっぱりいろんな県民サービスも必要なものはしっかりと確保しなければいけないし、これからの山口県においてしっかりとした投資もしていかなければいけません。産業をつくる、雇用を確保する、子育て環境をつくっていくっていうのはですね、今直ちに山口県にとってですね、どうかっていうのはありますけれども、これは将来に向けてはですね、しっかりと山口県の強みを伸ばしていく、そして子育てしていくっていうことにつなげていくためにはですね、必要な予算だと思います。
 そういったことをですね見ながら組んでます。特に新規事業についてはですね、今回、国の交付金もですね最大限とにかく使ってですね取り入れてやろうということでですね、財源的にはいろんな努力をしながらやっているところでありますので、それをですね今回事業をやるけれども財源はちゃんと確保していこうということをやろうとしています。
 それから、公共事業の関係もですね、国の全体の公共事業の規模だったり、あるいは山口県全体の経済のですね維持っていうのもありますけれども、公共事業自体はですね、かなり財源的には地方債が多くを占めております。そこをですね100減らしたから100お金が出るわけではないんですね。そういう財源的な部分もありますけれども、一定進めてきている事業を止めるんじゃなくて、しっかりとやることによって成果があるっていう、インフラだって災害に対応するためのですね、いろんな河川の改修だったり、道路もですね災害時に機能するような道路っていうのを造っていかなきゃなりません。お金がないから止めるっていうんじゃあ造ってきたやつをですね、効果を発揮しないまままったく全部無駄になってしまいますね。それはできて初めて効果を一気に発揮するわけですので、これはですね着実に進めていかないといけない部分であります。ですから、そういった全体ですね、進めていくべきもの他方で我慢しなきゃいけないものそれを見ながら、財政の状況と両にらみでですね、バランスを取りながらやるっていうことをですね常にやっていかなきゃいけないので、そういったことにいろいろと考えた結果、今の形にきているということであります。

朝日新聞

 最後に1点、昨年1年前のこの会見の時は、6つの分野で日本一を目指すって結構日本一というワードが印象的だったんですけれど、今年はあまり日本一っていう言葉を聞かれなかったんですが、1年間日本一に向けて動いた成果と今後の日本一に向けた取り組みっていうのをどのように考えてらっしゃるのでしょうか。

知事

 これちょっと予算の資料でも日本一は引き続き取り組むとは書いてるんですが、言わなかったから印象があんまりあれかもしれませんけれども、日本一自体はですね、私もその時、去年の会見でも随分と言ったかもしれません。地域間のいろんな競争が激しい中でですね、みんな同じ課題を抱えているわけですね。その中でやっぱり山口県の特徴と言いますか、ここがとにかく山口県というのは優れているよと、施策も充実しているよっていう部分をしっかりと出していかなければですね、なかなかこの山口県が元気になっていくということは難しいかなと思っています。ですから、例えば農林水産業の担い手で言えばですね、山口県は特に担い手が減っているところが多いわけで、ここが特に他の地域と比べても重要なわけですね。そこをしっかりと担い手支援日本一というのを出していって進めていくとかですね、そういったこともやっていかなければいけないと思いますし、さっきも同居・近居の関係もですね、山口県は特にウィークポイントとしてあるわけですね、そこをしっかりと企業も含めて取り組みをしていくことによって伸ばしていくという部分、特に山口県が課題となっている部分に対しては、特に力を入れてですね、日本の中でトップだったり、全国をリードするような取り組みというのをしっかりしていかなければいけないので、その思い自体を持って今回の予算もつくっているつもりです。
 農林水産業の関係もいろんな相談の件数とかもすごい増えているし、移住の関係も相談の件数もすごく増えてきておりますし、結婚の関係もですね、いろいろとサポートセンターを作ったりして、今非常に渋滞している状況で、これもですね、もっともっとうまく流れていくように体制も強化しなきゃいけないかなとも思ったりしていますけれども、そういった形で具体的にはですね、やっている部分の成果というのは出てきていると思っております。方向として目指す方向はですね、これまで繰り返し言っているとおりでありますので、その成果が上がるように今回の予算でもしっかりと実施する段階で、特に成果という部分を意識しながら、予算つけたら終わりじゃなくて、これをいかにうまく、いかに意味のあるお金として使っていくかという部分は、執行する段階での工夫だったり、思いだったり熱意だったりするので、そこをしっかりとやるように進めていきたいと思います。

KRY(山口放送)

 社会保障の事なんですけれども、お金がどんどん出ていくという面もあると思うんですけれども、基本的には今回予算組まれるに当たっての基本的な哲学というか、今後も見越した上での村岡県政の哲学、姿勢というものをちょっと教えていただけますか。

知事

 基本的にですね、当面、社会保障は伸びていきますし、公債費、借金の返済も高い数字でずっと推移をしていきます。その一方で、財源的にはですね、増えないという状況です。これはですね、国の方の方針でもありますけれども、地方財政自体は一般財源というのは、基本的には同水準で維持をさせようということです。
 ただですね、社会保障が本当は伸びているので、社会保障部分は増やしてくれればですね、例えば地方交付税を増やすとかしてくれれば、そこはそこで財源が増えていきながら、他の施策をやっていけるわけですけれども、今申しましたように山口県の財政構造というのは、社会保障が伸びているけれども、公債費は高い水準でずっといくと、財源はトータルで、基本的には国の方針で増えないということでありますから、常に見直し見直しをしていかなければいけないという状況、まずその構造があります。自治体によっては借金の返済がだんだんだんだん減っていって、社会保障は増えるけれども、そこはうまく吸収できるというところも多くありますけれども、山口県は残念ながらそういう状況になっていないので、常に見直しというのをしていかなければいけないということであります。
 そういう中で、もともとこの歳入歳出のギャップがあるし、さらにそれもどんどんどんどん広がっていく、つまり、歳入が増えないけれども、歳出は義務的なもの、社会保障中心に増えていくということでありますので、だからダブルで苦しむわけですね。ギャップを埋めても、なおさらに見直しを毎年しなきゃいけないということでありますから、そういう二重の苦しみがあると思ってますけれども、そういう中でですね、他方で財政を破綻させるわけにはいきませんから、しっかりと収支がですね、ちゃんと釣り合った予算というのを組んでいかなければいけません。ですので、財政健全化に向けた取り組みはですね、これからさらにまた、いよいよもう、この基金のですね、残高についても100億を切っている状況ですので、これを崩すことを前提とした財政運営というのはなかなか難しくなってきていますから、これを早期に回復させなければいけないと、そのための見直しを着実に進めていくということが必要です。
 他方で、限られた財源をいかに有効に使うかということです。山口県の皆さんの暮らしがしっかりと安定をして、そして将来に向けても意味のあるお金の使い方というのをしていかなければいけないと思っておりますので、今回の予算はですね、財源的にはいろいろ工夫をしながらですね、国の財源をとったり、あるいは少ない経費で大きな効果があげられるような、例えば子育てでも、地域のみんなの力を使っていこうとか、同居、近居というので親子の関係でもって子育て環境を整えていこうとかですね、そういう、予算としては少しの経費で効果としては大きなものを狙っていくということをですね、いろいろと知恵を出してやっていかなければいけないと思っております。
 目指したいことはですね、活力のある山口県の実現。そういう中で、産業をつくって、子育て環境を整えてということでありますけれども、それをですね、いかに少ない経費で効果の高いことをやっていくか、その知恵を出していくということがですね、重要だと思っておりますので、その部分、財政の健全化と、知恵を出していくということをですね、しっかりと取り組んでいって、意味のある、効果のある予算をこれからもつくっていきたいなと思います。

KRY(山口放送)

 新三本の矢の一つが社会保障ということで、安倍政権打ち出していらっしゃいますよね。その辺の何か、今回工夫されたこと、安倍政権とリンクした形で取り組まれたことってありますかね。

知事

 新三本の矢、GDPを伸ばしていくということと、少子化の関係ですね、希望出生率を実現する、あと介護離職ゼロということですけれども、国の政策もですね、もちろんいろいろ呼応してやっています。当然、出生率を上げていくというのは、県も人口ビジョンの中で目標を持ってですね、県の希望出生率を実現していくというために、妊娠から結婚、出産、子育てまでのいろんな支援をしていこうと、今回もまとめてますけれども、それの充実も図っていったりですね、GDPの関係で言うと、当然、県の経済を良くするために取り組みをしていくということもあります。介護の関係もですね、当然、国のいろんな事業に対応して県でもですね、予算を組んでやっていくということでありますので、もちろん国全体の方針、方向と同じ課題を抱えておりますから、その財源なんかもうまく使いながらやっていっていますし、新三本の矢の関係はですね、地方創生の取り組みともですね、だいたい軌を一にしていると思っております。地方創生の、われわれ戦略も作りましたけれども、その中で、具体的には経済を活性化したり、子育て環境を整えていったりですね、いろいろと安心できる介護の環境とかですね、つくっていくということを進めるというのは、これは大きな方針として県も推し立てておりますので、それに沿って僕らも予算を編成したつもりです。

中国新聞

 大概出た感はあるんですけど、あらためてお伺いします。財源の確保と、それからやるべき事業のバランスというのがですね、今回非常に難しかった予算なんだと思いますので、知事としては平成28年度当初予算で、そのバランスというのは、今できる段階の中で最大限、一番いいバランスでとられたという認識でしょうか。

知事

 そうですね。いろんな事業の見直しもですね、できるだけ県民の皆さんの生活とかサービスに影響がない範囲でどこまでできるかということを追及していったところでありますし、その結果足りない部分については基金を崩しましたけれどもですね、70億という規模ということであります。100億を切っておりますけれども、直ちにこれが大きな支障として出てくるかというとですね、そういった水準ではなくて、できるだけ、もちろん早くこれを回復するということをしていかなければいけませんけれども、そういう意味ではですね、財政的にも少し基金を割り込んだけれども、大きな影響はない形にはしたつもりですし、県民の皆さんのサービスという部分をしっかりと守れるように、そういった形にして、さらに前向きなこともしっかりと取り組めるようにですね、そういったものを全体、バランスとしてこの辺が一番適しているのではないかというところでは組めたのではないかなと思っています。

中国新聞

 昨年度の予算でですね、今年度の27年度予算には6つの日本一を掲げながら、基金残高も100億をキープするということで、かなりわれわれが見てですね、インパクトのある予算だったと思います。そういう意味では、少し両にらみに、両方にバランスをとった結果ですね、なんとなく両方とも踏み込み不足とまでは言いませんけれども、インパクトに欠ける部分も出てしまったのかなと率直に思うんですけど、そのあたりはいかがですか。

知事

 私は新規事業についてはですね、いろいろと思い切った取り組みと言いますか、今不足している部分はちゃんと手当をしたつもりです。今年度の予算は実際にチャレンジプランをつくって最初ということでありますので、まさにこれからの方向性、われわれの意欲も含めてしっかりと示していく、そういった予算であったと思います。だから打ち出しの仕方もですね、日本一ということで大きく掲げているわけですけれども、それ自体は別に変わっているわけではありません。やるべき課題をしっかりと受け止めて、これについて他の地域に負けないような取り組みをしていこうという思いで今回の予算も組んでおります。
 ただ27年度当初予算でやる部分、それは継続的に進めていってさらに何が足りないかっていう部分をですね、考えて今回の、打ち出していますので、そういう意味じゃ今年度と来年度という部分を同じように比べるというのは、当然、これは一つの大きな方向の中でですね、最初に出ていく部分、それからさらに足りない分を足していく部分というのがありますから、これとこれというのは意味合いも違うわけですので、そういう意味では意気込みということはですね、全く変わりませんけれども、そういった年度の進めていく段階で不足する部分を補っていくという形で、そういった受け止めをされたのかなとも思いますけれども、われわれの思いとすれば、そこは一向にこれから力強く進めていくという部分は変わっておりませんので、その面は今回の予算でしっかりと必要な部分はやっていけるというふうに思っています。
 それから基金も100億を維持したいということであります。そこは残念ながら70億ちょっととなりましたけれども、これは構造的にずっと減ってきているので、大きく抜本的にですね、何か状況の変化でもなければですね、ずっと基金の残高というのはこれまで減ってきているということでありますから、それがさらに推移してきているということであります。ただですね、今までは100億だったところが70億ですので、これをとにかく回復をすると、目指していこうということをですね、一つこれからの取り組みとしては掲げていかなければいけませんので、残念ながら守りたかったけれども、いろんなことを考えて今回70億ぐらいまできましたけれども、これをできるだけですね、回復に向けてしっかりとしたいろんな検討をですね、これからしていきたいなと思います。

中国新聞

 そういう意味で去年組んだ予算とは延長上にあるということで、任期折り返しの本格編成二度目の予算ということになりますから、過去の蓄積を踏まえたものであるということは認識をします。任期折り返しを迎えて結果を出していく一年にされるというのが、今年冒頭からずっとおっしゃっていらっしゃると思うんですけれども、今回の予算も実際の県づくりにどう具体的にですね、実効性のあるものに執行していくかというところが問われると思うんです。で、27年度の、例えば細かい話ですけど、先日、2月に女性学生向けの就職説明会を広島と福岡で開かれたと思うんですけど、ちょっと参加が10人前後とかですね、少なかった事業もあったりしたので、そういう執行段階でどう実効性の上げていくものをやっていきたいかという意気込みをお伺いしてもいいですか。

知事

 私、特に今の予算、今ある課題というのは、予算を組んで終わりじゃなくて、執行の段階でいかに成果を挙げるかということを追求しなきゃいけないと思います。
 これはどんどんインフラを整備していく時代とかですね、ということであれば、例えば道路を造ったら道路を造っただけの効果があるわけですね。交通が円滑になったり。とにかく予算というのを、組めば、あとそれを執行すれば期待していた効果が挙がるという時代とは今は違うと思います。いろんな課題があって、これはなかなか予算をつけたら、それで一気に解決というものはなくて、とにかく予算をつけたらその取っ掛かりをするためのまず前提条件であってですね、例えば子育てのいろんな環境づくりもそうですし、移住の関係の促進もそうですし、また農林水産業の担い手支援でもですね、これはもちろん予算でですね、担い手の確保するための充実した制度を作るのも大事ですけれども、これをしっかりうまくPRをするとか、必要なところにしっかり情報を届けるとかいうことがされなければ、活用もされないわけですね。観光なんかもそうですけれども、しっかりとPRをする部分ですね、持てる素材はいいものがあるんだけれども、何で来ないのかなじゃなくて、これはいかにうまく見せていくかとかですね、そういったことをやっぱり戦略的に必要なところは必要な情報を届けるとかですね、そういったことをやっていかなければいけないというふうに思っております。
 それ以外には、創業の支援とかだってそうですね、いろんな事業を選ぶ上でも、本当にこれは山口県の活性化のために重要だなというやつをちゃんと支援対象として選んでいくということもありますから、単に予算を組んだらそれで成果が必然的にくるというものはほとんどたぶん今は新しいものはないと思います。そういう意味では、貴重な財源を無駄にしないように、いかに執行段階で具体的な成果につなげていくかということが重要だと思っておりますので、これは、いろんな執行する段階でもよく調べたりとかですね、どういったニーズがあるのかとか、どのへんに課題があるのかということもちゃんと分かった上で執行しなければいけないと思っておりますので、ぜひそこは、個別の予算それぞれやることは違いますけれども、そこは特に意識してやらないとですね、せっかくこの貴重なお金というのが生きてきませんので、限られた財源の中ではですね、本当にそこは最小の経費で最大の効果を挙げる、これは地方自治の基本ですけどね。それをしっかりと、あらためて意識をしてやっていくことが必要かなと思います。

中国新聞

 もう一点、災害対応の関係で、100億を切ることでですね、やっぱりちょっと不安に思われる県民の方もいらっしゃると思うんですけど、あらためて災害が仮に起きてもきちんと対応するというですね、基金が100億を切ったけれども、こういう形で対応していくんだというメッセージというかですね、そこをお伺いできますか。

知事

 もちろん100億をできれば維持したいと思っていましたけれども、70億ということで、一定の規模はですね、あるわけであります。さらに言うと、災害時の対応というのはですね、いろんな国の手当てだったり、地方債のいろんな制度が使えたりということもありますので、そういった部分でですね、しっかりやらないといけないところはうまく活用しながらやっていきたいというふうに思っております。そういう中でですね、できるだけこの財源自体も、もっともちろん多い方が安心ができるわけでありますから、そこは回復に向けて取り組んでいきたいと思いますけれども、たちまちですね、起こったからといって何もできないということではありませんので、そこはぜひ、ご安心いただきたいと思いますし、そういう意味でですね、中長期的に皆さんが安心できるという意味では、しっかり基金を持っておくという部分は、もちろん重要だと認識していますから、その回復に向けていろんな歳入歳出の見直しをさらにしっかりと努めていきたいと思います。

中国新聞

 万全の対応はとるということですよね。

知事

 もちろんとります。

時事通信

 細かいことをお聞きするんですけれども、厳しい財政状況の中で国の交付金を活用して事業に取り組むと思うんですが、地方創生加速化交付金ってまだ交付決定がされてない中で、2月補正予算に計上したんですけれど、交付金獲得できなかった場合の対応についてはどのようにお考えですか。

知事

 それはですね、個別の中身によると思いますけれども、もちろん交付金をちゃんと確保するようにですね、われわれも自信を持っている事業ですので、全部これは交付金の趣旨に合っているし、他にもですね、模範となるような、リードできるような取り組みをしっかりと掲げておりますので、まずこの交付金をしっかりと取ってくるということが基本であります。その上でですね、取れなかった部分は、当然それはお金がないから、それは見直していかなければいけないですね。ある事業を止めるだったり、あるいは他の事業からの財源とうまくやりくりをしてですね、必要な部分はしっかりと進めると、そういう峻別をしてやらなきゃいけないと思います。
 つかなかったから一律止めるとかですね、ではなくてどうしても必要なものは、いろいろ財源上やりくりをして進めるという部分もあると思いますし、止めなければいけない部分もあると思います。まずはしっかりと財源を国からとってくると、これに注力したいと思います。

時事通信

 あと一点なんですけど、先ほど組織改正の話ありましたけれども、今回の2月定例会の方で改正部制条例案というのがないんですけれども、新年度予算の執行に向けた新しい、強化する上での新しい部というのは作られないという話になるんですか。

知事

 部を作る場合、条例がいりますので、今回出していませんから、部というのはないです。それから実際の組織、進めていく実施部隊となるそれぞれの課とかそういうレベルはですね、しっかりと充実をしていくということで今考えています。

KRY(山口放送)

 予算とちょっとリンクするかもしれないですけど、あらためてこの2年間、県政運営されてきてですね、活力みなぎる山口県、ゴールに向かって今どのあたりにいるんですか。

知事

 今ですね、活力みなぎる山口県に向けてということで、私自身がそれを一番の大きな目標ということで掲げてやっています。それに向けていろんなチャレンジプランを作ったり、地方創生の取り組みもしてきましたし、具体的な事業も組んでやってきております。そういう中で成果も上がってきていると思っています。
 例えば、これは予算とは直接関係ないですが、企業誘致もですね、とにかく働く場所を作っていくという意味では、企業誘致をしっかりとやっていきたいと思っていますし、私自身もトップセールスで個別の企業の会長や社長にも話をしてですね、じゃあ山口でと決めてもらったものもあります。
 そういう中で、例えば企業誘致の件数を、昨年は一年間で30件ということで、過去20年間で言うと、一番じゃなかったですが、二番目に多い件数も確保してきましたし、観光はいろいろと、大河ドラマがあったり、世界遺産登録があったり恵まれた部分もありましたけれども、観光力も伸びてきている。これもしっかりとうまくつなげていかなければいけないと思いますし、そのためにDMOとか瀬戸内の機構とかですね、今回自転車の関係もありますけれども、さらなる取り組みでしっかりとそこをつなげていきたいなというふうに思っております。あと移住の関係もですね、東京と大阪にセンターを設けて、これも相談件数がぐっと増えてきておりますし、今回移住する方へのいろんなサポートの仕組みも整えていくというところでありますので、目指している方向についてはですね、必要な部分というのはしっかりと取り組んできているつもりですし、その成果もですね、徐々に挙がってきているなというふうに思っております。それをさらにですね、伸ばしていくための取り組みというのを、これからしっかりしていかなければいけないと思います。

KRY(山口放送)

 どうなんですか。マラソンで例えていいのかどうか分からないですけど、ゴールに向かって今どのあたりなんですか。スタートは切っているんですか。

知事

 なかなか数字で表すというのは難しい面があると思います。もちろんチャレンジプランで言うといろんなKPIとかですね、数値目標掲げておりますから、それが全部達成されればですね、当面予定していたものは達成できるんだというふうになると思います。これは達成が順調にいっているもの、あるいはもう予定を超えたもの、例えばクルーズ船の誘致なんていうのは、もともと予定していたものを超えましたので、これまたさらに高い目標にしていこうということでありますけれども、届いていないものもありますから、それをですね全体的にどうかというのは一概には言えませんけれども、一定の目標をすでに達成したものもあれば、まだまだもう少し力を入れなければというものもありますから、そこは地方創生全体のKPIをつくっていますからですね、それの達成というのをしっかりとやっていきたいなと思います。それぞれ熟度、進捗と言いますか、たどり着いているところはまちまちであります。

KRY(山口放送)

 県民から活力みなぎったなって聞いてことありますか。

知事

 元気になってきたねっていうことは聞くことはあります。それは別に県の施策だけじゃない部分もありますよ、もちろん。大河ドラマだって、レノファがJ2にいったりとかですね、いろんなことがありますから。ただ元気になったねということは、聞くことはあります。そうじゃないこともあるかもしれませんけれども、それは私に言わないだけかもしれませんけどね、あると思いますので、それしっかりと、声が増えるように取り組みをこれから力強く進めていきたいなと思います。

KRY(山口放送)

 DMOについてなんですが、DCであったり、維新150年が迫っている中で、DMOの確立に向けてのスピード感というのはどういうふうに描いていらっしゃるのかというのと、今のその県の観光の特性であったり、欠点であったりを踏まえて、そこにどういう役割を特に期待されますか。

知事

 やっぱりですね、DMOのスケジュールについて言うと、これは国の方で地方のDMOについて登録をするという仕組みを作ろうとしています。これは今年度中かな、登録する仕組みが、まだDMOそのものじゃない、DMOの準備組織と言うか、そこに向けていく組織を登録をしていくというのがあるので、まずそれをしっかりとやっていって、あとは国の方で地方のそれぞれのDMOについてのいろんな要件とかがまた提示があるから、それに合ったものが、まず国の方のしくみを作ってもらわないと、これにどう合わせつけられるかというのがわからないんですけど、スピード感を持ってやっていきたいというふうには思っています。ちょうど世界遺産もできましたし、150年というのも迫ってきておりますし、デスティネーションキャンペーンもありますし、瀬戸内の機構も立ち上がるということで、いろんな環境が整っていますから、これをとにかくスピード感を持ってやっていきたいと思っています。
 DMOに期待するものということでありますけれども、これはやっぱりですね、需要をうまく掘り起こして、もちろんそれぞれの磨き上げもいりますけれども、きちんと需要を呼び込んで来るということだと思います。どうしても行政なり個々の事業者で言いますと、やっぱり自分のところが良いよ良いよと思っても、それを全体としていかにこう見せればうまく誘客ができるか、自分たちがこれが良いと思っているものをぶつけるんじゃなくて、相手が欲しがっているものをちゃんと提供するということをやっていかなければいけません。そのためにはやっぱり、民間のそういった専門のノウハウを入れていくことがまず重要だと思いますから、今回のDMOの予算でも、そういうスーパーバイザーという形でですね、その道のプロの方にしっかりと付いてもらって、実際に来る側、呼ぼうとしている側が求めているものをしっかりとPRをしたり、あるいは関係者を巻き込んで作っていくということが重要だと思っておりますので、そういう視点を持って、そしてそれを着実に成果を挙げていくための体制というものをですね、つくっていきたいなと思います。

NHK

 2年目と比べると、全体としては緊縮財政になったかと思うんですけれども、ご自身のこれまでの2年間を含めてですね、カラーを出したりとかですね、大きな効果なりにつながるという自身はありますか。

知事

 大きな。

NHK

 大きな効果。緊縮財政にはなったけれども、厳しい予算にはなりましたけれども、いろんな工夫とかですね、ご自身これまでの2年間を踏まえて、カラーを入れてですね、大きな効果につながるという自信のある予算にはなったんでしょうか。

知事

 そうですね、大きな効果を挙げていかなきゃいけないと思っております。緊縮財政ということでありますから、もちろん財源があればあれもできるな、これもできるなというのはあります。それができないのは悔しい思いもあります。ですけれども、それはもう、そういう状況にありますからですね、限られた財源の中で成果を挙げていくということをやらなければいけません。そういう中で、先ほどからずっと言ってますけれども、少ない経費で効果を挙げるという部分をしっかりとやっていく必要がありますので、何でもかんでも予算をつけてやるということよりも、むしろいろんな民間の力だったり地域の力だったり、そういったものを使っていくということが必要だと思います。先ほどからその子育ての関係は何度も例に出しておりますけれども、企業、それから地域のシニアの方、自分の親とかですね、そういった形で支えあいの仕組みというのを作る部分で、行政で全部お金出してやるよりももっと、例えば親だったら、自分の孫をかわいく面倒見てくれるわけですね。子どもの立場、孫の立場で面倒を見てくれるということになるわけですね。そういうふうに、何と言いますか、経費をかけずに、よりそのニーズに合った形で仕組みができるとかですね、そういったものもしっかりとやっていかなければいけないというふうに思います。
 例えば企業の誘致でもですね、これは補助金をどんどん増やしていけば、もちろんそれは企業誘致も増えると思いますけれども、そうじゃない、しっかりと自分自身がトップセールスをするとか、あるいは山口県に来た企業がきちんとサポートを受けられるように、これ立志応援団というのを作ったんですけどね、山口に進出した企業の人たちが新しく来た人をサポートする。つながりも何もないところで、いろんなビジネス面でのアドバイスをしたり、あるいはネットワークづくりをサポートしてあげたり、進出している企業だから分かるいろんな自分が苦労した点、あるいはそこで培った部分、それをしっかりと新しく来た人に提供するとか、そういうふうに仕組みを作ることによって効果を挙げる部分というのもあるわけです。
 ですから、予算が厳しいけれども、じゃあ何ができるかということをですね、予算を使わないけれども、仕組みを作るとかですね、そういった部分がですね、特に知恵を出していかなければいけない部分かなというふうに思っております。そういう意味ではですね、いろんな仕組みはできてきていると思うし、それを役に立てているということもですね、大変声を多く聞きます。企業立地のサポートもですね、あれのおかげで今こういう話が進んでいるという話も私も聞いています。ですから、そういう形ではですね、予算はないけれども、成果を挙げるという部分はありますから、そういう部分も含めてですね、全体として成果を挙げるように努力をしていきたいと思いますし、とにかく山口県がどんどん人口が減っていますから、これ成果を挙げなきゃいけないと思っておりますので、いろいろ知恵を出して、また工夫をして、あるいはいろんな人の力を借りてやっていくということをですね、進めていきたいなと思います。

作成:山口県総合企画部広報広聴課

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