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輝く女性管理職ネットやまぐち・「輝く女性管理職ネットやまぐち」の活動について
スタートアップ記念講演会(平成28年8月3日開催)
企業の枠を超えて、県内事業所の女性管理職が集まり、相互交流と研鑽を行う「輝く女性管理職ネットやまぐち」の創設を記念して、日本政策金融公庫との共催によりスタートアップ記念講演会を開催しました。
福岡市で働く女性向けの情報誌を発行している株式会社アヴァンティ代表取締役社長の村山 由香里氏を講師に迎え、「女性活躍の時代に」と題し、講演していただきました。
村山氏は福岡県男女共同参画センター「あすばる」の館長に就任した際、企業に対して男女共同参画を積極的に発信し、経済界を巻き込んだ男女共同参画を実践されました。
講演では、日本の女性の現状について、決定権のある立場(管理職、社長、政治家)にある女性が少ない、男女の賃金格差、非正規雇用・離職率の高さ、夫の家事育児時間の少なさなどの課題を挙げられました。
これを踏まえ、企業で女性が活躍するためには
- トップ自らがメッセージを発信すること
- 管理職が意識を変えること
- 女性自身が一歩前にでる勇気を持つこと
に加えて、固定的役割分担意識の改革や男性の家事育児の参画が重要とのことでした。
また、先進事例として福岡県の女性管理職ネットワーク「WE-Net福岡」を紹介され、企業の中で少数派の女性管理職が企業の垣根を超えて交流することや女性管理職の可視化など、女性就業者のネットワーク化の効果についての説明がありました。
村山 由香里氏の講演
第1回勉強会(平成28年9月14日開催)
勉強会の開始にあたり、まず中国地方での女性活躍推進の取組について、日本政策金融公庫中国ブロック女性活躍推進専任者の岸口 紋子氏より説明がありました。
日本政策金融公庫では女性活躍推進の観点から地域の行政や各機関、地域企業との深耕をはかっており、女性経営者、女性農業従事者、女性創業者などに対し、女性活躍推進の取組を幅広く支援していること、他県での女性ネットワークの取組事例について紹介がありました。
また、理想的なロールモデル(=仕事も家庭も完璧に両立)を追うのではなく、部分的なロールモデルとして、等身大の多様な女性管理職像を示すことが、女性が管理職を目指しやすくなるきっかけになるとの説明がありました。
続いて、有限会社サイズ・コミュニケーションズの高見 真智子氏を講師に迎え、女性の活躍に向けた企画立案に向けた勉強会を行いました。
高見氏からは今回の勉強会のような期間限定のプロジェクト型の業務について、成功に導くためのポイントについて説明がありました。その後、企画発表に向けてのスケジュールを確認し、スタートアップ実習として各グループが女性の活躍に向けた課題について話し合い、テーマ・役割分担を決定しました。
平成28年度「輝く女性管理職ネットやまぐち」参加者名簿(1期生)[PDFファイル/129KB]
高見 真智子 氏の講義
グループワーク
第2回勉強会(平成28年10月14日開催)
第2回目の勉強会では有限会社ケイ・アンド・ワイの温品 富美子氏を講師に迎え、マネジメント層に必要な「聴き方」のポイントや話し合いの場での意見が活発になるコツ、自分と違う考え方を理解し、合意形成に導くテクニックについて学びました。
その後のグループワークでは、各人が持ち寄った情報を共有し、企画の方向性について話し合いを行いました。
ある程度課題が出てきたところで、ワールドカフェ方式でグループ間を移動し、意見交換を行いながら、テーマに対する課題を明確にしていきました。
1対1で聴き方・話し合いの技法を学ぶ
グループを移動し意見交換
第3回勉強会(平成28年11月17日開催)
第3回目の勉強会では講師の有限会社ケイ・アンド・ワイの温品 富美子氏から、自分のコミュニケーション傾向を診断し、アサーティブ(お互いが尊重しあい自己主張をすること)に相手と関わるポイントについて説明がありました。その後、聴き手を意識したスピーチやプレゼンテーションのコツについて学びました。
グループワークでは、前回出た課題について、各人から出されたアイデアを基に解決策を出し、企画案を発表するためのプレゼンテーション資料の作成を行いました。
温品 富美子氏の講義
プレゼンテーション資料の作成
事前プレゼンテーション(平成29年1月11日開催)
チーム活動とは別に、前回までに作成したプレゼンテーション資料を基に、実際の企画発表会を想定した事前プレゼンテーションを行いました。参加者は温品講師から、分かりやすく伝えるための改善点などのアドバイスを受け、資料の最終調整を行いました。
企画発表会及び知事との意見交換会(平成29年1月20日開催)
女性管理職としての立場から「働く現場での問題点」を提起し、企業における女性の活躍に向けた企画発表会と、知事と参加者が、グループ活動の振り返りや各企業に係る女性の活躍に向けた取組や課題についての意見交換を実施しました。
企画発表の概要
グループA「介護現場におけるより良い職場環境づくり」[PDFファイル/882KB]
多職種で年齢層が幅広く、人員不足、心身の負担の大きい介護の現場において、全職員が活き活きと働くために、子育てや介護など仕事と家庭生活の両立に課題を抱える職員を夜勤のない他の事業所へ異動するなどの柔軟な人事管理や、信頼できる管理職員の配置によるメンタルサポートなど、医療・福祉・子育て支援が一体となった阿武町の取組を紹介し、今後の介護職場のモデルケースとして提言しました。
グループAの企画発表
グループB「女性が働き続けられる職場にしていくためには」[PDFファイル/464KB]
子育て環境が厳しく、子育て女性は育児休業制度の十分な活用やフルタイム勤務ができないこと、子育て女性が多い職場では両立支援制度の利用者が増え、支える側の不公平感が生まれることを課題として挙げました。
解決に向けて、経営者は両立支援策を福利厚生ではなく、経営戦略と位置づけること、支えてもらう人と支える人が気持ちよく働くことができるよう「お互い様精神」を持つこと、行政は、多様な子育て環境の整備を推進することにより、行政・経営者・従業員が三位一体で働きやすい職場づくりにつなげていくことを提案しました。
グループBの企画発表
グループC「中小企業において女性が働き続けるためには」[PDFファイル/1.38MB]
山口県の企業の99%以上を占める中小企業では、代替要員や就業規則がないこと、身近に女性管理職がいない状況であり、職場の理解・子育て環境の整備・男女意識の相違があることを課題として挙げました。
解決に向けて、経営者の意識改革のため、今回参加企業のトップ対談やイクボスの浸透、柔軟な働き方に対応できる保育所の整備、女性自身が働き続ける意思を示すことやキャリアアップへの努力、また悩みを抱え込まないで気軽に相談できる公共SNSの設立などを提案しました。
グループCの企画発表
村岡知事との意見交換
参加者からは「異業種の方との交流がとても刺激になった」、「女性が働きやすい環境づくりに向けた制度や中小企業に対する支援などを知ることができた。」、「後に続く人のためにも引き続きネットワークづくりに取り組んでいきたい。」との意見がありました。
村岡知事からは「女性の活躍には、社会全体の意識改革と働きながら子育てできる環境づくりが重要。皆さんの意見をくみ上げ、山口県の働き方の改革につなげていきたい。今後は皆さんがロールモデルとして、また山口県のトップランナーとして更に頑張っていただきたい。」との話がありました。
知事との意見交換
集合写真