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CIRレポート・0904_04_theme

ページ番号:0017561 更新日:2021年11月1日更新

CIRレポート 第7号(テーマ:私の国から見た国際金融危機)

ジェニファー

世界中の国々と同じく、未曾有の国際金融危機がアメリカに悪影響を及ぼしています。絶対破綻しないと思われていた会社や銀行が突然に破綻した時、従業員を始め、殆どのアメリカ人が大ショックを受けました。どうしてそのようなことが起これたか理解できませんでした。ショックを受ける上に、多くのアメリカ人は怒りました。信用してきた会社や銀行に騙された感じがしました。欲張りのせいで何の罪もない人々は失業し、苦しんでいます。政府がその会社や銀行を救うための法案を作った時、一般を騙した会社や銀行を救う必要がないと思った人がたくさんいました。現在も、破綻する可能性の高い会社や銀行の社長などに同情しない人もきっと少なくないでしょう。

その会社や銀行が破綻した後、いくつかの会社が破綻やリストラし、何万人が失業しました。別の会社に勤めている人もいますが、まだどこにも勤めていない人も多いです。それで失業率がどんどん上がってきましたが、けっして失業した人は就職活動をしていないというわけではありません。失業率が高いので、採用する人の人数が増えてきたというわけです。それに対して、経済がよくないので就職難です。つまり、仕事が足りません。就職難のせいでたくさんのお金を儲けた事務職員はしかたがなく、時給のバイトをする場合も少なくありません。給料さえあれば、バイトでも仕事でも何でも良いと思う人が増えてきたと思います。

いつか失業する恐れがありますので、一般人は自分で節約するように心がけています。アメリカ人は欲しいものが不可欠なものかどうか決めなければならないことになりました。例えば、毎日有名なチェーンのコーヒーを飲むのは本当に不可欠なものかと考え始めた人がたくさんいます。どこで買い物をしたり、何を買ったりすることについて考え直した人もたくさんいます。質はもちろん大事ですが、値段も大事です。それから、家計を考え直した家もたくさんあります。例えば、家族と旅行するのは高いですので、遠くに旅行しない・全然旅行しないことを決定した家が少なくありません。

貯金について心配している人も多いです。たくさんの人は早く退職できるように貯金してきましたが、ウォール街の株が下落しましたので、投資利益が減りました。その下落で人は何百・何千ドルの損をしている場合が少なくありません。もう退職している人は持っているお金が足りるかどうか心配しています。退職しているのに、お金のためにまたアルバイト・仕事をすることになるかもしれません。まだ働いている人は早く退職できるかどうか心配しています。しかも、退職した後、貯金したお金が足りるかどうか分かりません。責任を持ち、ちゃんと将来のために企画を立てた人がそのような不安な状況の下で生活するのはとても悲しく、不公平だと思います。

現在の経済状態が長く続く不景気にならないように、大統領と国会はさまざまな法律を可決しました。これからもっと法案も提出されると思います。大統領と国会はアメリカ人にとって経済の回復が何よりも大事だと分かっています。そして、殆どのアメリカ人は経済の問題が簡単に解決できないことも分かっていますが、一日でも早く経済の回復ができるように、政府に頑張って続けて欲しいです。

サンティアゴ

残念ながら今回はイヤな話題になってしまいました。嫌でも現在の不況からは誰も逃げられませんのでいろいろな話ができる国際的なテーマです。
アメリカの不良サブプライムローンがきっかけで現在の状態が現れました。今日の経済は国と国に分かれているわけではなく、どの小さい地方でも世界につながっていますので経済の強い国(例えば米国)が「経済風邪」をひいたら離れた所でもくしゃみをするとスペインではよく言われています。

米国でもスペインでも日本でも問題は同じです。最大手の企業をはじめ中小企業までは売上げが急激減少してしまいました。そのため会社が銀行に払わないといけないローンを払えなくなって流動不足で保険会社も銀行も困難状態になってしまいました。会社がお金の問題があるとより労働者に賃金を支給するのも難しくなります。そうすると解雇してしまうので職を失う労働者が増える一方です。失業した人は収入がなくなって消費もできません。会社が提供する商品やサービスを買える人数も減ってしまいます。その結果、みんなが不景気のひどい目に直面しています。

今年から売れなくなった不動産

国それぞれ独自の悩みがありますが、スペインの場合は建設業界について述べないといけません。過去15年住宅価格が大幅に上昇しました。ある所では3から4倍まで値上げしてしまいました。しかし賃金額は15年前から20%しか上がっていませんので独立したい若者はとても困ります。その反面、その期間に投機熱でローン契約を結んで不動産を買って転売してその利益でまた不動産を買ってお金持ちになった人は少なくありません。みんな投資として不動産を買ったので本当の値段の何倍も高くなりました。でも住む所が必要な人はどうにか生活していくしかありません。そんな不当なトレンドはいつ逆戻りするだろうと考える人もたくさんいました。その中にはわたくしも。

さて、国際金融危機が始まってスペインの非現実な不動産経済は急に大変になりました。とりあえず去年まで狂ってしまった不動産価格はどんどん下がってきています。現在の不況でどの種類の会社でも困っています。スペイン厚生労働省の調べで3月に失業者の人数は労働力の13.5%で300万人に達しました。さらに欧州委員会によりますと2011年までに18.7%に上がるそうです。

バルセロナの日産工場での抗議

世界中に進出している日系企業にもリストラが実行されています。例えば10月13日に日産のバルセロナ工場では従業者1,680人を削減する計画がありましたが、労働組合との激しい交渉の後、人員削減より余儀ない対策として生産を停止することになりました。不景気の時の低い需要の自動車業界は特に苦しいです。他の自動車メーカーのリストラも続いています。

政府の対策の一つは公的で大規模なインフラ建設を推進することです。その計画に野党は厳しい批判をしています。効果があるかどうかが分かりませんが、早ければ来年には対策の結果が明らかになると思います。

こんな悪いニュースばかりの現状の中にはいいことでもあって、なにか心がちょっと休まる報告もあります。次のようです

  • 欧州中央銀行は利率を大幅に下げましたので返さないといけないローンは払いやすくなります。
  • 低くなった国際需要のため燃料代も下がってきましたので生活費がとりあえず上がりませんので消費者はある程度安心です。

国際不況はいつ終わるのでしょう。

米国サブプライム危機に端を発した世界規模の金融危機は、依然として拡大と深化を続けている。国際経済環境の中での不確定で不安定な要素は多く、中国に対する影響も日増しに明らかになっている。現在実体経済への影響も深まっている。

中国経済の現状

2008年10月以降、国際金融危機影響は中小企業から大企業へ、輸出セクターからその他のセクターへ、沿岸から残りの地域へと拡大している。

  • 経済成長の減速 07年 13% 08年 9% 第4四半期 6.8%
    09年1月22日に国内総生産(GDP)などの主要な経済指標が中国国家統計局から発表された。その中で、中国の08年第4四半期実質GDP成長率は前年同期比6.8%増にとどまり、01年第4四半期の同6.6%増以来の低い伸びとなった。
  • 景気悪化、輸出減速(特に対米輸出)、企業の倒産・経営難、雇用悪化、不動産市場低迷
    農民工(出稼ぎ労働者)は、本年の春節で農民工1.4 億人の50%が帰郷し、春節後その約80%が都市部に戻り、そのうち、4,500 万人が職に就いたが、1,100 万人が未就職である、当面就業情勢は非常に厳しい。
  • 消費が堅調、内陸経済が沿岸部より元気、農村の所得・支出の伸びが初めて都市を上回る等、明るい面もある。

動き出した景気対策

  • 中国は08年7月から従来の引締め政策から方向転換。景気刺激策(財政出動、金融緩和)に変わった。
  • 08年11月に、10年までに政府で4兆元(約57兆円)の投資の実施計画を設定。また、全人代で内需拡大のため1兆1800億元を新規計上する。
  • 輸出促進政策により、輸出税還付の引上げ、企業と個人の所得税減税5000億元を実施、人民元の対ドル安定化。
  • 「家電下郷」、「汽車下郷(自動車)」についての補助金制度。
  • 積極財政で09年度予算は9500億元の赤字、過去最大。地方債2000億元を省クラス財政予算に組み入れる。
  • 2009年度の雇用対策に420億元(約6100億円)を投じること。
  • 大卒者の就業を促進するための補助金支給や、失業者などへの就業訓練、起業の支援などを行う。

金融危機下の中国経済のゆくえ

温家宝首相は政府活動報告で次のように語りました。「今年はわが国の経済発展にとって最も困難な1年となり、改革・発展・安定の任務もかなり重い。」また「今年の国内総生産の成長率を8%程度とし、経済構造をさらに最適化する。都市部の新規雇用を900万人以上とし、登録失業率を4.6%以下に抑え、消費者物価上昇率(CPI)を4%程度にする。」という目標を出した。
今回の金融危機が起きた後も、中国経済は依然成長を続けている。07年に比べ、成長率は幾分減速しているが、それは金融危機の影響だけではなく、国内の景気循環と政策運営の失敗にも原因である。すなわち、5年間も続いた二桁成長はそろそろ調整期に入ろうとしている。
また、4兆元の投入は毎年GDPの1%の増加を維持できると予想している。だから、大きな政策の失敗がなければ、いろいろな困難を直面しているが、経済が8%成長を続けることは問題ないはずだ。
国際金融危機が全世界の金融システムと経済発展に大きな影響を与えている現在、国際社会は全力を挙げて協力し合い、共に金融危機に対応すべきだ。

近頃、定額給付金の話で周りの人たちが盛り上がっています。家計に役に立つと思ったら有難いことですが、ここまでして経済を活性化させなければならない現実が私たちを悲しませます。多様な景気浮揚策を繰り広げている国は日本だけではありません。戦後最大の危機とも言われる今回の経済危機は特定地域だけではなく、全世界的に悪影響を及ぼしています。

もちろん韓国も例外ではありません。早くも新規卒業者の就職難が始まりましたし、会社員もいつクビになるか不安の気持ちを抱えたまま毎日を過ごしています。幸いに友人達は職を見つけて安定していますが、仕事がある場合も韓国経済が下向きになっている現在では気を緩められません。
特に問題になっているのは株価の下落に伴った株主たちの被害です。直接株を持たなくてもファンド口座などを開設して運用している場合が多いので、その被害は計りしれません。結婚資金として運用していた人たちは急に襲ってきた金融危機のせいで結婚式を景気回復後に後回しすることが多くなりました。一生に一度の祝福されるべき日が経済状況によって決められることは悲しい限りです。

しかし最も大変な問題は去年の10月から始まったウォン価値の下落です。韓国は輸入に依存する産業が多いのでウォン価値の下落は物価上昇に繋がります。そのためほとんどの日用品が10%程値上がりしてしまって家計に多大な打撃を与えています。

その反面、円高のため韓国を訪れる日本人観光客が増えたことは望ましいです。ソウルや釜山一帯はどこに行っても日本人観光客が溢れていて、観光客向けのお店の売り上げは前年度より伸びているそうです。厳しい経済状況ですが、節約ばかりするのではなく、余裕のある人はどんどん消費して現金が市場に回るようにしなければなりません。

春になっても経済は厳しい状況が続くと予想されますが、こういうときだからこそ根性を発揮して乗り越えましょう。