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平成26年 (2014年) 9月 3日

国際課

CIRレポート 9月号

スペインの完全なるサッカーチームの真髄

国際交流員 ホルヘ・ガルエ(スペイン)


1.挨拶


¡Muy buenas a Todos!(皆様こんにちは!)



初めまして!私はJorge Galué (ホルヘ・ガルエ)と申します。スペインのマドリードからやって参りました。今回は私の初めてのCIRレポートなのでまず自己介したいと思います。


私はマドリードの郊外にあるフエンラブラダ市で育って、大学生の時から今年の7月までマドリードに住んでいました。フエンラブラダ市の中央付近に5人の家族で育って、小さなアパートに住んでいました。兄が2人いて両親と一緒に幸福に暮らしました。フエンラブラダはマドリードから14キロメートルしか離れていませんから小さい時から、何時でもマドリードへ家族と遊びに行きました。マドリードは山口と比べたら、結構違っています。完璧な歴史的建物群を持つ世界的なまちです。ちなみに、私は料理が大好きですからマドリードの伝統的料理や多国籍料理などのレストランが知りたければいつでも聞いてください。


山口にやって来て以降、たくさん観光できて山口を満喫出来た1ヶ月間でしたよ!提灯祭りや関門海峡花火大会や秋穂の海老狩り世界大会など全て楽しくてためになる活動でした。もう既に山口市には私のお好みスポットがたくさんあります!カフェや居酒屋から博物館や公園まで楽しめる所が多いです。今から皆様との触れあいの機会を楽しみにしています。


2.FCバルセロナのラ・マシタ寮:スペインの完全なるサッカーチームの真髄


さて、今回のレポートで話したいテーマはサッカーに関することです。最近スペインの男子サッカーチームは、「なでしこジャパン」と一緒で非常に優れたチームになってきました。今日はその成功の訳の秘訣について学びましょう!


FCバルセロナ(バルサとも呼ばれる)の成功について聞いたことありますか?スペイン・バルセロナを本拠地とするサッカークラブです。近年、とても優れたサッカーチームになって来ました。



国際サッカー歴史統計連盟によると、バルセロナF.Cは1991年以降、世界で最も好結果を残したサッカーチームです。バルサの成功の一例を挙げます。2009年、バルサは参加したトーナメント全てに優勝し、それが世界新記録となりました。これは「六冠」と呼ばれています。この成功の秘訣はいったいなんでしょうか?


FCバルセロナの最近の大成功の理由は結構多いですが、今日その様々な要因のうちの重要な一つについて学びましょう!


ラ・マシア・デ・カン・プラネス(La Masia de Can Planes)またはラ・マシア(La Masia)はレス・コルツ地区にあるFCバルセロナの旧選手寮であり、FCバルセロナの下部組織の総称でもあります。La Masiaという言葉は「カタルーニャ地方の農家」を意味し、練習場の名称としても使用されます。この選手寮はFCバルセロナのホームスタジアムであるカンプ・ノウに隣接して建っています。


ラ・マシア寮の建物は田舎風の住宅として1702年に建てられましたが、1957年のカンプ・ノウスタジアムの落成式の際に建て替えられ、クラブの本部を置くために拡張されました。クラブの規模が徐々に拡大されるのにつれて、クラブの本部としては手狭になり、1979年10月20日に下部組織の若い選手が生活するための選手寮に変えられました。開所から30年で500人以上の選手がラ・マシア寮で生活しました。


一般的にヨーロッパの他のサッカー・クラブでは下部組織に在籍している選手は宿屋に泊まらせますが、バルサでは、バルセロナに住んでいない少年選手達はラ・マシア寮で生活します。これはFCバルセロナの機構の主な特徴です。


ラ・マシア寮は70人以上を収容することができ、現在約60人の選手が暮らしています。ラ・マシアはヨーロッパでもっとも贅沢な下部組織の一つであり、ラ・マシア寮の運営などに年間500万ユーロ(5億円以上)の費用がかけられています。下部組織の最年少者は6歳であり、毎年1000人以上の6歳から8歳の選手が入学試験を受け、そのうちの上位約200人の選手が入学を許されます。トレーニングウェア、スパイク、タオルなどはクラブから支給され、私立学校の学費もクラブが負担します。ラ・マシアのFCバルセロナB 以下の12のカテゴリーには300人以上の選手が在籍しており、20人以上のコーチ(いずれも元プロサッカー選手)が指導に当たっています。コーチ以外にも医師、カウンセラー、栄養士、料理人、理学療法士など50人以上の専門職員が働いています。FCバルセロナBはトップチームと同じ4-3-3フォーメーションを採用しています。プロチームであるFCバルセロナBは午前と午後に練習し、フベニールA以下のカテゴリーは学校での勉強を終えた夕方以降に練習します。基本的にはカデッテAまでは飛び級でプレーすることはなく、同年齢の選手たちとプレーします。


この少年達の日常生活はいったいどんなだろうか?



ラ・マシアに住んでいる若い選手たちは朝早く起きて、一日の準備したり豊富な朝ごはんを食べたりします。それからバスで学校へ行きます。ラ・マシアの選手の教育はサッカーだけではありません。勉強は少年達にとってなくてはならない部分です。選手達の通っている学校とラ・マシアは緊密に連携しています。ある選手の学業成績がうまく行かなければ、その選手は試合やトーナメントに参加することを許されません。少年の振る舞いやマナーも徹底的に監視されます。


ラ・マシアのジョアン・ファレス学長によると、ラ・マシアの卒業生のうち、スペインリーグのレベルでプレーする選手は12%しかいないそうです。「サッカー選手ではなく、市民を育てることは一番大切なことです。」と言いました。学校から帰って、昼ごはんのあと2時間の昼休み「シエスタ」があります。その間、みんなは宿題をします。そして5時から練習です。「トーナメントがある場合、学校は特別な速成カリキュラムを準備します」ファレス学長が言いました。練習の後は夕飯を食べて、自由時間です。10時半に選手たちは就寝します。



スペインリーグのトップチームから6歳の子供達のチームまでこんなに複雑な組織をなぜわざわざ運営するのでしょうか?おそらくこの質問への答えはグアルディオラ監督の言葉の中にバルサの哲学として表現されています:


ラ・マシアを出た選手は、他の選手とは違うものを持っている。それは子供のころからバルセロナのユニフォームを着て競ってきたことでのみ得られるものだ。(ジョゼップ・グアルディオラ監督)



左から、ギジェルモ・アモール、アルベルト・フェレール、ジョゼップ・ムソンス、ジョゼップ・グアルディオラ。この写真は、ラ・マシアの食堂の入り口に、長年にわたって掲示されていました。この署名が入った写真には、カタルーニア語で、将来のバルサの選手たちを激励するように「1992年のマジックイヤー:スペインリーグ、チャンピオンズリーグ、オリンピックで優勝。努力と犠牲によって、あなたもそれに達することができる。そのために努力する価値があるよ!」と書いてあります。


かつてテクニカル・ディレクターを務めていたペップ・セグーラさんは成功の秘訣を「プレーの哲学」だと表現し、「クラブの頂点から底辺までひとつの哲学だけがあり、ひとつのメンタリティだけがある」と述べました。この哲学はヨハン・クライフを擁したオランダ代表が具現化させたトータル・フットボールとスペインの伝統的なプレースタイルであるワンタッチプレー(ティキ・タカ)を組み合わせて形成されています。


ラ・マシアでは選手のテクニックに焦点が当てられ、細かなパス交換能力が必要不可欠とされています。しばしば持ち出されるFCバルセロナの成功の理由の一つに、パス&ムーブの哲学への傾倒があります。トップチームでは中盤の前目の位置で起用される有名な選手シャビやイニエスタであっても、ラ・マシアでは中盤の底の位置で起用されることが多かったです。また、ボールだけでなく選手たち自身も流動的に動き回ることで、ポジションに縛られない自由なプレーが心がけられています。今、このプレースタイルは「ティキタカ・スタイル」と呼ばれます。これはアメリカンクラッカーというおもちゃの音から来たスペインの擬音語で、ショートパスを繰り返しながら、選手たちがダイナミックに動く様子を表現しています。


ラ・マシアの出身者は誰ですか?


ラ・マシアの成功を説明するためにラ・マシアの有名な卒業生について話しましょう!


ゴールデン・トリオ



2010年のFIFAバロンドール(最優秀選手賞)を受賞したリオネル・メッシ選手をはじめ、シャビ、イニエスタと最終候補3人をラ・マシア出身者で独占しました。シャビはこのことを「下部組織とクラブの哲学の勝利」と表現しました。この3人の選手はチャッンピオンズリーグやワールドカップで優勝しても、謙虚な態度を取り続けて、スペインでチームワークの結果の見本となってきた最強のトリオです!


ラ・マシアの方法は少しずつ世界中に広がっている!福岡でバルサのスタイル学べます。


FCバルセロナのプレーのしかたや価値観は世界中に拡大しています。最初はバルセロナ市にあった学校が進出して、バレンシア州のクイエラ市とアンダルシア州のカディス市に新しいFCBESCOLA「エフ・シー・ビー・エスコラ」という学校が開かれました。2000年にペルーに設立されたFCBESCOLAから国際化が始まりました。現在、FCBESCOLAは6カ国にあります。日本の福岡市にもFCBESCOLAがあります!世界にFCバルセロナの哲学や価値観を伝え、バルサのブランドを拡張しようというコンセプトで、国際規模で広がっています。FCBESCOLA福岡についての情報は次のリンクにあります。


http://www.fcbescola-fuk.jp/


たまに成功は短い間に遂げられることもありますが、普通は成功するためには長い時間が必要です。30年前にヨハン・クライフさんが想像した夢は、今ではヨーロッパNo1のサッカーチーム下部組織として結実しました。さらに、この成功の印として、今年の6月、バルセロナの下部組織は新しいスポーツ施設に引っ越しました。



2011年6月にできたばかりのジョハン・ガンパー・スポート・シティに位置する「マシア」です


ラ・マシアに通っている日本人はいますか?


¡Si!(はい!) 東京・八王子市の小学5年生が日本人として初めてバルサの下部組織「カンテラ」に入団しました。バルセロナの「カンテラ」に入団が決まったのは、東京都八王子市の小学生・野島快王(のじまかいき)くん、11才です。近い将来、バルサでプレーするラ・マシア出身の日本人スーパースターが現れるかもしれません!


今回はスペインのサッカーチーム・バルサについて紹介しました。皆さんの参考になったことを願っています。


それでは、また!HASTA LUEGO!



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