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平成26年 (2014年) 9月 3日

国際課

CIRレポート 10月号

福を招く福券(ホ゛ックォン)

国際交流員 辛 裕美(韓国)


ヨロブン、アンニョンハセヨ!皆さん、こんにちは!

山口国体、総合優勝おめでとうございます。10月の山口といえば48年ぶりの国体開催や悲願の天皇杯獲得などもあり、非常に盛り上がりましたが、韓国では人気の宝くじが久々に多額のキャリーオーバーとなり、全国に宝くじフィーバーが巻き起こりました。

それぞれ熱気も少し収まったところで、今回は韓国の宝くじ、福券について話してみたいと思います。


韓国の宝くじ、福券について


宝くじは東西古今を問わず愛されていますが、もともとはその収益で国家事業の展開、国民の福祉支援などをまかなうために考案されたのです。宝くじの起源はローマ時代にさかのぼります。アウグストゥス皇帝が主催する宴会には豪華な景品があり、飲食代を払った招待客は抽選でその景品がもらえたそうです。暴君ネロの時代には帝国の永続を祈念する抽選会を通じて、仕事、土地、奴隷または船舶がばらまかれたといわれています。


中世から近世になるときも宝くじは社会発展に役立ちました。イギリス植民地時代のアメリカでは民営化された宝くじの基金で教会、学校、道路、港、橋などを整備しました。その基金は大学の設立にも用いられ、誰もが知る世界有数の名門大学の礎になります。


東洋では秦の時代に万里の長城建設や国防費のために宝くじが発行されたという記録が残っています。日本をはじめ、台湾、タイ、シンガポールなどでも宝くじを発売していますが、収益の大半は政府財政資金として運用されています。


◎韓国の福券


公式的な福券は第14回ロンドン五輪への参加経費を調達するため、1947年に発行された大韓五輪委員会の五輪後援券がその始まりだといわれています。その後は災害復興や博覧会の資金を集めるために不定期的に発行されました。


定期的に発行するようになったのは1969年9月、韓国住宅銀行が発売した住宅福券です。週1回の発売で、抽選会もゴールデンタイムに生放送で行われていたので、お茶の間の人気番組になりました。


住宅福券の当せん金は住宅1戸の平均購入金額なので、大体当時の不動産事情なども窺えます。左は1975年の住宅福券の宣伝ですが、1等800万ウォン、2等100万ウォンと書いてありますね。





◎最高額の当せん金は?


10月末のキャリーオーバー額は400億ウォン(現時点、30億円相当)になりましたが、1等に当たった人が13名もいて最終的には一人あたり3億ウォンという寂しい結果となってしまいました。


ロト6が発売されて間もないときの2003年4月、18回目の抽選で当選者がおらず次回にキャリーオーバーされました。当然、次回は福券を購入する人も急増し、1等の当せん金はなんと407億ウォンにまで上りました。しかし、19回目の1等はたった一人。税金を引いても317億ウォンという大金を当てた人は地方警察署所属の警察官でした。普段から誠実だった彼は、当せん金の1/10を寄付するなど、善意を施しながら自分の仕事を続けようとしますが、全国にその名が知られた挙げ句に、野次馬や寄付を求めて押し寄せる人たちに耐えきれず、結局海外に移住してしまいました。やむを得ず仕事をやめ、韓国から離れて海外まで行かざるを得ない状況に追い込まれたのはとても気の毒です。


 

よく当たると噂の宝くじ売り場にはこんな行列も・・・



韓国の宝くじ、福券について


一見矛盾に見える「年金福券」という宝くじが今年の6月から発売されています。


新しい福券のおかげで前年比売上高は10%以上、増加したようですが、近年続いている不況も反映しているようで少し切なくなります。


◎宝くじなのに年金?


2008年の金融危機以来、不況が続く世の中で、世間の人々の間では安定を求める傾向が強くなってきました。韓国の国民年金(日本の厚生年金にあたる)の財政問題などにより退職後が不安になってきた人、もしくは働いているにもかかわらず、子どもの養育費や教育費で苦労する人々が増加してきました。


経済面での不安は一攫千金よりは生活安定をモットーとする宝くじ登場の背景になります。例えば、まとめて大金をもらった場合には、金目当てにすり寄る不審な団体や知り合いなどで迷惑をかけられる可能性が高いです。しかし、普段どおり仕事しながら一定の収入が給料に加えられる程度なら自分の生活も邪魔されずに、余裕のある生活ができると思われ、発売開始時から爆発的な人気を集めています。


福券基金


福券基金は福券の販売額から当せん金と運営費を差し引いた収益金、基金の運用で生まれた収益、受領時効となった当せん金などで運営されます。2009年度の収益率は40.4%でした。つまり1,000ウォンの福券が売れたら、そのうち404ウォンは福券基金として造成されます。2010年度に造成された基金は9,153億ウォンにも達するそうですが、基金は様々な公益事業に役立てられています。


基金は法律に基づいて使い道が決まっており、35%は自治体や国家機関へ分配され、65%は社会貢献事業の財源に充てられます。



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