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CIRレポート・1203

ページ番号:0017593 更新日:2021年11月1日更新

CIRレポート 3月号

再見、山口

国際交流員 張 静(中国)

光陰矢の如し。もうすぐ帰国の日になります。
去年6月1日、東京でのオリエンテーションが終わって、他の県に行く中国交流員と別れ、山口宇部空港に到着しました。
出口から出たら、大きなスーツケースを持って、呆然とした顔をしている私に、「張さん!張さんですか。」と担当者が嬉しそうに声を掛けてくれました。緊張半分また期待半分の気持ちで、迎えてくれた担当者の車に乗って、県庁所在地の山口市へ向かって来ました。
自分のふるさと聊城市は平野で、子供の時からずっと山に憧れていました。山口県の延々と広がった緑いっぱいの山を見て、何となく嬉しくなってきました。青い空、緑の山、静かな町、このような山口に一目惚れをしてしまいました。

着いてから一週間が経ち、ホタル祭があり、ホタルが舞っていました。一の坂川で人生の中で初めて本物のホタルを見ました。小さくて暖かい光と清らかな水は互いに照って映え、よく聞くと、水の流れまで聞こえました。綺麗というより、ロマンチックでした。
更に一週間経ち、国際交流員として色々なところに行くようになりました。初めての任務は雨天決行の「海岸清掃支援」でした。当日、本当に大雨(豪雨かも)が降り、応援しに来たちょるるさんも含め、みんなびしょ濡れになってしまいました。当時は大変だなと思いましたが、後々考えると、意外と面白い思い出になりました。

その後、国際交流協会で中国語講座を行なったり、学校訪問に行ったり、チャイナフェスタ等のイベントに参加したりしました。初体験のことがいっぱいありました。初めて中国語の先生になりました。一回目はすごく緊張しましたが、後は皆と仲良くなり、毎週楽しみになってきました。中学校では、初めて水餃子を作りました(ちょっと恥ずかしいですが…)。また、初めて作文コンテスト授賞式の司会者を務めました。小学校では初めてよさこいの踊りを練習しました。仕事って、こんなに楽しいことなんだと初めて感じました。

山口県と山東省は1982年に友好提携して以来、活発な交流をやってきました。10ヶ月間という短い間でしたが、山東省から貿易、環境、観光等、各分野の訪問団に動向できました。国体の時も、山東省から視察団が来て、私は通訳として同行させてもらいました。国体の開幕式まで見学できて、年齢を問わず、皆一丸になって頑張った姿に感動しました。

もちろん仕事だけではありませんでした。8月に、辛さん、ホズミさん、ホルヘさんと一緒にちょうちん祭に行きました。屋台で買ったおにぎりを食べながら、提灯街になった商店街をぶらぶら歩きました。「山口」の文字の形に並んでいる提灯を背景に交流員の集合写真を。ちなみに、張静の浴衣姿初デビューでした(笑)。

再見、山口の画像1

観光地もできる限り訪れました。緑の夏、もみじの秋、白雪の冬、桜の春、一年中綺麗な瑠璃光寺五重塔、さすが国宝文化財です。県庁の近くにあるので、いつでも見に行けました。エメラルドグリーンの海と白浜に囲まれた美しい角島、着物の着付けもできる菜香亭、中国風の公園が整備された楊貴妃の里、高い草が風に揺れる秋吉台…。

一番印象深いのは明治維新の胎動の地である萩でした。150年前の地図が使える城下町を散策することで何となく落ち着けます。そして、明神池の魚や鳶、そして池の畔に住んでいる猫達、行くたびに元気がもらえます。更に、親睦旅行で見島まで行きました。美味しいうに、サザエ、お肉等、ごちそういっぱいでした。
山口と言えば、温泉は欠かせません。湯田温泉、湯本温泉等、温泉地を満喫し、心まで癒されました。

今振り返ってみると、楽しい思い出でいっぱいです。美しい風景よりも、皆の優しさで山口が大好きになりました。仕事のことも日常生活のことも、いつも熱心に教えてくれる同僚。一緒にわいわいしていた交流員達。学校で中国を紹介するパワーポイントを見せるとき、積極的に反応してくれる子供達。頑張って中国語を勉強し続ける可愛い生徒達。70代のおばあちゃんから一年生の子供まで。皆さんと楽しい時間を送りました。

あっという間に、別れの4月になります。今度、香山公園で県庁国際課の皆さんと花見をします。花見をするのはずっと昔からの夢でした。帰国の前に満開の桜を見ることができると思うと、何より楽しみです。私にとって、山口県は綺麗で住みよいところだけではなく、いつも夢を叶えてくれる不思議なところです。
美しい景色を写真に撮り、持って帰ります。美しい出会いは心に刻んで持って帰ります。10ヶ月間、本当にお世話になりました!

中国では、分かれる時「さよなら」ではなく、「再見」と言います。「また会いましょう」という意味です。4月18日に帰国しますが、また山東省聊城市外事弁公室に戻り、国際交流の仕事をやり続けます。必ずどこかで皆に会えることを信じています。皆さん、再見!山口、再見!

再見、山口の画像2