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平成26年 (2014年) 8月 27日

国際課

CIRレポート 5月号

スペインの伝統的な服装~過去と現在

国際交流員 ホルヘ ガルエ(スペイン)


皆さん、こんにちは!

スペインのCIRのホルヘです。最近暑くなってきましたね。


前回のレポート以降、私は山口で多くの体験をしました。2月は萩市の椿まつり、4月は山口市の一の坂川の桜など、山口県の色々な魅力を満喫できているのはとても幸運だなと思います。


今回のCIRレポートでは、山口の色々なイベントや祭りで日本の伝統的な民族衣装を見て、興味が湧いたので、皆さんにスペインの伝統的な服装を紹介しようと思います。


テーマは「スペインの伝統的な服装~過去と現在」です。



16世紀のスペインの服装~独特な服装としての誕生


“太陽の沈まない国”と言われた16世紀のスペイン。

当時の優れたスペインの芸術、習慣と流行は欧州に広く影響を及ぼしました。その時から「Traje Español(トラヘ エスパニョール)」(スペイン流の服装)という言葉が使われ始めました。


女性と男性ともに、真っ黒の洋服で上品なスタイルが流行していました。


16世紀のスペイン社会では、人々の服装により、その人の社会的な階層や経済情勢を知ることができました。


その例として王家や富裕階級の人々の肖像画があります。

16・17世紀に世界中で知られていたエル・グレコやベラスケスというスペイン王家の宮廷画家による油絵から、宮廷人の間の流行が分かります。


スペイン黄金世紀に流行った服装を着ているフェリペ2世の似顔絵



右の「ラス・メニーナス」という絵画では、男性の控えめで暗い洋服と、女性達の贅沢なドレスや髪形が見てとれます。


宮廷人の洋服の好みが変わる度に、当時の流行も活発に変わりました。

この状況が最も顕著だった所は帝国の都のマドリードでした。


宮廷人は定期的に新しい流行を生み、ヨーロッパ各地へ広がりました。





エスキラーチェの暴動


1766年のマドリード、カルロス3世の時代に、犯罪を減らすため、特定の服装を禁じる政策がとられました。


当時のスペインの冬によく使われた長いケープやchambergo(チャンベルゴ)という帽子、この洋服のアイテムを合わせたembozo(エンボーゾ)というスタイルは顔と体を隠すため犯罪者にとっては都合が良かったのです。


エスキラチェ伯爵という政治家はフランスのファッションを取り入れようとしましたが、スペイン、特にマドリードの市民は大変反対しました。

暴動の結果、エスキラチェ伯爵がイタリアのナポリへ追放されて、エンボゾのスタイルは守られました。

しかし、数年後、様々な流行を取り入れていったスペインの市民たちは、エンボゾの習慣を捨てました。


フランシスコ・デ・ゴヤの「Maja y los Embozados(マハ イ ロス エムボザドス)」

(エスキラチェ暴動の発端となったembozoを着た男達の絵)



ゴヤのマハ~スペインドレスの誕生


世界中に知られたスペインの服装は、フランシスコ・デ・ゴヤという画家の絵画によって、広まりました。

ゴヤの色々な絵画やイングレービング(画法の一つ)でスペインの伝統的な女性と男性の服装が分かりました。

特にゴヤの「着衣のマハ」は19世紀のスペインの代表的な服装を表した絵の一つです。


ゴヤの「着衣のマハ」(プラド美術館:マドリード)



その後に、ゴヤの作品は欧州中で有名になり、特にフランスの画家には、スペインをテーマにした絵画の人気がありました。


パリ出身のEdouard(エデュアール) Manet(マネ)のスペインドレスの絵画はすぐ大人気になりました。

その時から、闘牛のマタドールの衣装やフラメンコ等の衣装はスペインのアイデンティティの一つになりました。


スペインドレスに対する関心が高まり、スペインの各地方のドレスは有名になっていきました。




スペインの伝統的行事に着る服装


「Fallas(ファジャス)」(火祭り)とは、スペインのバレンシアで毎年3月に開催される祭りです。

19日の聖ヨセフの日に張りぼての人形を燃やし爆竹を使い、春の訪れを祝います。


この祭りの中心となる人物を「falleras(ファジェラス)」といいます。


バレンシアの有名な絹で作られるバレンシアドレスを着ているファジェラスは火祭りの魅力のひとつです。

左の写真はバレンシアドレスを着たファジェラスの写真です。


彼女たちはバレンシア州の代表者として、全国の様々なイベントに参加します。


スペイン人はいつでもどこでも歓迎します。




また、右の写真で女性達が着ている服は、スペインの復活祭の時、女性達がよく着るマンティーリャドレスという服です。


スペイン櫛の上に付ける「Mantilla(マンティーリャ)」と呼ばれるレースのベール、頭と肩を覆う女性用スカーフはスペインの女性の服の象徴です。


復活祭の教会に行ったり、行列に参加したりする時に真っ黒のマンティーリャドレスの姿がよく見られます。




そして、おそらく、スペインで一番有名な伝統的な衣装は、「フラメンコドレス」です。

フラメンコ音楽やアンダルシア州の民族衣装の影響で色あざやかで、派手な装いです。


体にぴったりして、フラメンコの踊りに合わせたフリルが袖とスカートに付いており、とても独特なデザインです。

フラメンコを踊る時だけではなく、アンダルシア州の色々な祭りでフラメンコドレスを着ている姿が見られます。

セビーリャの「4月の祭り」でフラメンコドレスを着た少女達



今回のレポートで、スペインの伝統的な服装について、少し詳しくなりましたね。

地方によりドレスや服装が変わりますから、他の地方の衣装も調べてみてください。

マドリードには服装博物館があります。とても面白いです!


(英語版)http://museodeltraje.mcu.es/index.jsp?lang=eng


スペインの服装等について質問があれば、是非気軽に尋ねてくださいね!


¡Hasta(アスタ) Luego(ルエーゴ)!




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