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海鳴りネットワーク・山口県水産業の概要

ページ番号:0021907 更新日:2021年11月1日更新

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1 概況

山口県は、本州の最西端に位置し、三方が日本海、響灘及び瀬戸内海の3つの海に開けている。海岸線の総延長は、全国第6位の1,503kmに達し、屈曲に富んでいることから、漁港整備、水産資源の増養殖のための自然条件に恵まれ、古くから漁業が盛んである。
日本海側は、海岸線は一般に単調で急深であるが、中部海域は、湾入、島しょに富み、天然礁が数多く点在しており、また、大陸棚が遠く対馬、朝鮮半島まで達している。このため、イサキ、カサゴ、アワビ等の定着性魚貝類を対象とする釣、はえ縄、採貝漁業等のほか、イワシ、アジ、サバ、イカ等の回遊性魚種を対象とする、まき網、敷網漁業(棒受網、すくい網漁業)等が営まれている。
また、日本海で操業するフグ・アマダイはえ縄、下関漁港を基地とする沖合底びき網漁業などの沖合漁業や、ブリ、マダイ、ヒラメ等の魚類養殖業、ワカメ養殖業等が営まれている。
瀬戸内海側は、潮位差が大きく、西部海域を中心に広大な干潟を形成している。
このため、西部海域では、エビ類等を対象とした小型底びき網漁業やアサリ、ナミガイ(シロミル)等を対象とした採貝、潜水器漁業等とともに、ノリ養殖が営まれている。
一方、中東部海域には数多くの島々が点在し、岩礁域に富んでおり、マダイ、クロダイ、フグ、カレイ、タコ、ナマコ等の各種魚介藻類の繁殖に適しているため、小型底びき網、建網、釣、はえ縄等を主体とした漁業が営まれている。
内水面漁業は、12河川に漁業権が免許され、アユ、ウナギ、モクズガニ、マス等の漁業が行われている。

2 漁業構造

(1)漁業経営体について

平成25年の漁業経営体数は3,618経営体で、平成20年の4,553経営体に比べ935経営体(20.5%)の減少となった。また、内訳を見ると、日本海が1,866経営体、瀬戸内海が1,752経営体となっているほか、そのほとんどは零細な個人経営で、全体の97.7%を占めている。

経営組織別経営体数(平成25年度)(単位:経営体)

区分

合計(構成比%)

日本海

瀬戸内海

合計

3,618経営体(100.0%)

1,866経営体

1,752経営体

個人経営

3,534経営体(97.7%)

1,808経営体

1,726経営体

団体経営

84経営体(2.3%)

58経営体

26経営体

山口農林水産統計年報

(2)漁業就業者について

平成25年の漁業就業者数は5,106人で、平成20年に比べ1,617人減少した。また、男性の漁業就業者のうち、60歳以上の占める割合は67.9%と高く、年々高齢化が進行している。

漁業就業者の推移(平成25年度)(単位:人)

区分

昭和58年

昭和63年

平成5年

平成10年

平成15年

平成20年

平成25年

14,488人

12,429人

9,783人

8,033人

6,815人

5,770人

4,513人

60歳以上

3,177人

3,519人

4,179人

4,394人

4,056人

3,625人

3,066人

40~59歳

7,808人

6,337人

4,379人

2,892人

2,157人

1,634人

1,051人

40歳未満

3,563人

2,573人

1,225人

747人

602人

511人

396人

3,723人

3,049人

2,233人

1,746人

1,269人

953人

593人

合計

18,211人

15,478人

12,016人

9,779人

8,084人

6,723人

5,106人

年齢階層別漁業就業者数

3 生産動向

海面漁業・養殖業生産量は、平成2年までは20万トン台を維持してきたものの、平成4年を最後に遠洋漁業が撤退したことや沖合漁業の不振等により、生産量は急速に減少し、平成27年には30,895トンとなった。また、漁業生産額も同様に減少しており、平成27年は約167億円となった。

部門別漁業生産量・生産額の推移(単位:トン、億円)

区分

昭和63年

平成5年

平成15年

平成20年

平成25年

平成27年

海面

漁業生産量

244,562トン

135,544トン

60,093トン

50,202トン

31,838トン

30,895トン

 

遠洋漁業

10,918トン

65トン

沖合漁業

159,765トン

81,550トン

28,403トン

沿岸漁業

56,045トン

40,776トン

24,724トン

沖合+沿岸漁業

46,578トン

28,980トン

28,977トン

養殖業

17,834トン

13,135トン

6,966トン

3,624トン

2,858トン

1,918トン

漁業生産額

721トン

537トン

276トン

245トン

161トン

167トン

山口県漁業の動き、山口農林水産統計年報

部門別生産量

主要な漁業種類別生産量(平成27年の上位10漁業種類)(単位:トン)

区分

沖合
底びき網

船びき網

まき網

小型機
船底び
き網

その他
の網

敷網

刺網

その他
の釣

採介藻

のり類
養殖

平成26年

4,569トン

4,001トン

3,118トン

3,314トン

2,622トン

1,611トン

2,288トン

1,704トン

1,833トン

1,300トン

平成27年

4,562トン

4,110トン

3,791トン

3,205トン

2,988トン

2,131トン

2.124トン

1,435トン

1,427トン

1,305トン

海面漁業生産統計

漁業種類別

主な魚種別生産量(単位:トン)

区分

カタクチ
イワシ

マアジ

イカ

サバ

ブリ

チダイ・
キダイ

サワラ

カレイ

マダイ

ウルメ
イワシ

平成26年

4,799トン

2,570トン

1,734トン

908トン

1,766トン

1,230トン

864トン

883トン

857トン

994トン

平成27年

5,523トン

2,588トン

2,487トン

1,862トン

1,341トン

1,150トン

968トン

882トン

805トン

483トン

山口農林水産統計年報

魚種別

4 流通・加工

水産加工品生産量の推移(単位:トン)

区分

平成5年

平成10年

平成15年

平成20年

平成25年

平成27年

ねり製品

49,674トン

63,455トン

61,408トン

47,250トン

43,720トン

生鮮冷凍水産物

27,768トン

20,934トン

10,576トン

7,857トン

3,695トン

3,843トン

冷凍食品

5,741トン

6,861トン

7,381トン

10,707トン

12,759トン

14,842トン

素干・塩干・煮干

10,449トン

8,347トン

6,009トン

5,726トン

5,605トン

5,677トン

その他

20,376トン

21,290トン

13,255トン

10,603トン

加工品別

(1)水産物の流通について

県内には、産地市場・消費地市場を合わせて24の水産物卸売市場があり、このうち地方卸売市場は17、その他の市場が7となっている(平成29年4月1日現在)。平成27年度の本県における産地水揚量は、漁港港勢調査によると約30.7千トンで、このうち約55%が県内消費に回り、残る45%が県外に搬送されている。また、産地水揚の大部分は、下関、長門及び萩の日本海側主要産地市場で扱われている。

(2)水産加工について

水産加工は従来から盛んに行われており、ウニ・フグなどの加工品やかまぼこ等は全国的な知名度も高く、本県を代表する特産品にもなっている。平成20年の水産加工品の生産量は約82千トンで、冷凍食品は、生産体制の見直しやフライ等需要が拡大している商材加工への生産シフトの影響により大幅に増加、冷凍食品以外については減少傾向となっている。

山口農林水産統計年報
※「x」:統計数値が公表されていないもの

5 その他

(1)漁港について

県内の漁港数は97港で、全国で9番目の順位となっている。これら漁港の内訳を見ると、第1種漁港が57港、第2種漁港が34港、特定第3種を含めた第3種漁港が3港、第4種漁港が3港となっている。海域別では、日本海側が43港、瀬戸内海側が54港であるが、日本海側には大規模漁港が、瀬戸内海側には小規模な漁港が集中している。

種類別漁港数

第1種

第2種

第3種

特定第3種

第4種

合計

57港

34港

2港

1港

3港

97港

(2)漁業協同組合について

漁業協同組合は、13の沿海漁協と17の内水面漁協がある(内水面漁協数には、地区が山口・広島にまたがる芸防漁協を含む)。これらの漁協のうち、平成18年9月に県漁連及び県信漁連から事業譲渡を受けた山口県漁協以外の漁協は全般的に規模が小さく、経営基盤が脆弱な組合が多い。

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