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山口県内の主要な野生鳥獣(ツキノワグマ)

ページ番号:0022170 更新日:2016年10月28日更新

ツキノワグマ

 ツキノワグマはユーラシア大陸の東部からヒマラヤ山脈の南麓、本州・四国・九州・台湾・海南島に分布し、温帯から亜寒帯の森林に生息しています。
 日本での分布域は、冷温帯落葉広葉樹林の分布にだいたい一致し、四国・中国地方に少数が生き残っています。現在は東北地方から中部地方北部・北陸地方が分布域の中心となっており、全国での生息頭数は約1万頭前後と推定され、西中国山地の生息頭数は五百頭前後と推定されています。

生態

 植物食性の強い雑食で、春はウド・アザミなどの高茎草本、ブナの新芽、夏は様々な植物の他、昆虫などの動物質を多く摂食します。越冬前の秋の重要な食物として、クリ・ミズナラ・ブナなどの落葉広葉樹の堅果に強く依存しています。堅果類が不作の年は、餌を求めて里山・低地への出没が増加するので注意が必要です。
 行動圏は、成体のオスが50~100平方キロメートル、メスが30平方キロメートル程度であり、生息密度は1平方キロメートル当たり約0.1~0.3頭です。12月頃から4月頃まで冬眠をしますが、越冬場所としては、ブナ・ミズナラ・トチノキ・天然スギなどの大木にできるうろを利用することが多いですが、岩穴を利用することもあります。越冬内に1、2頭の仔を出産します。メスの出産間隔は2~3年です。

被害と防除

 山口県内のクマによる被害の発生地域は、中国山地に連なる県北東部に限定されていますが、県中部でも目撃情報が報告されていますので注意が必要となります。
 農林業被害としては、果樹の被害報告が出ていますが、被害額は減少傾向にあります。農林業被害の他、里山内でクマに遭遇して襲われ怪我をするなどの人身被害がありますのでご注意下さい。
 農林業被害の防除方法としては、電気柵(ネットタイプ)(トタン・ワイヤーロープ)等による侵入防止柵の設置の他、果樹被害の防止策として樹幹にトタンを巻き付けることによって、クマの木登りを防止する方法などがあります。
 なお、出会いがしらによる人身事故が報告されていますので、山に入る時はクマよけの鈴等で人間の存在をクマに知らせて出会わないようにしましょう。