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令和3年2月定例会 請願 「休日のまとめ取り」のための1年単位の変形労働時間制導入の条例制定ではなく、教職員の長時間過密労働を解消する施策を求めることについて
件名
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「休日のまとめ取り」のための1年単位の変形労働時間制導入の条例制定ではなく、教職員の長時間過密労働を解消する施策を求めることについて
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請願者
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山口市大手町2-18 教育会館4F 山口県高等学校教員組合気付
子どもと教育をまもる山口県民会議 代表 熊野 譲
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紹介議員
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木佐木 大助、藤本 一規、宮本 輝男、中嶋 光雄、井原 寿加子
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要旨
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山口県教育委員会は、「休日のまとめ取り」のための1年単位の変形労働時間制を、県内の公立学校へ導入可能とするための条例の制定を県議会に上程することを表明した。
「1年単位の変形労働時間制」は、業務の繁閑を見込み、それに合わせて年間の労働時間を配分する制度で恒常的な時間外労働がないことを前提とする。また、客観的な時間外勤務の把握や、適正な休憩時間の取得ができる業種に限って導入される特異な制度であることから、前提条件が満たされていない公立学校への導入には無理がある。
文科省は「休日のまとめ取り」を「目的とする場合に限り」この制度を導入するとしているが、長期休業期間中といえども教職員には様々な業務があり、土曜授業の振替や夏季休暇等の取得すらままならないのが実態である。「休日のまとめ取り」を一律に押しつける制度の導入は、「働き方改革」に逆行するものであり、このような制度を、労働基本権を制約された公立学校の教員に対し、条例によって導入できるとしたことは、労働法の大原則を壊す重大な問題である。
学校では、恒常的に時間外勤務が行われ、緊急の打合せや子供の指導等が入ることが頻繁にあるが、制度では対象期間の勤務日及び勤務時間を30日前に通知しその変更はできないとしている。また、適用する職場でも時間外労働が多い教員には適用しないことも可能にするなど、教員にとっては混乱と不公平をもたらす制度である。
文科省は制度導入に関し「まず各学校で検討の上、市町村教育委員会と相談し、市町村教育委員会の意向を踏まえた都道府県教育委員会において…条例等を整備する」と答弁している。「1年単位の変形労働時間制」導入は、重大な勤務条件の変更に当たる。地方公務員法にのっとり「勤務条件に関する事項は職員団体との交渉事項であり、書面による協定を結ぶことができる」「導入に当たっては、職員団体との交渉を踏まえつつ検討」「都道府県で交渉団体との話合い、市町村での話合い」は「担保される」などの国会答弁が実行されるべきである。
今、教育行政が行うべきは、感染防止に必要な支援を行うこと、教職員の長時間過密労働を解消するための実効ある施策を進めることである。そのためにも、必要に応じて少人数の編成で授業を行うことができるよう、教職員やスタッフの増員、教室の整備などが不可欠である。業務量の削減ができれば条例化の必要はない。
教職員の命と健康を守り、どの子にも行き届いた教育を進める立場から、下記事項について請願する。
記
1 公立学校に「1年単位の変形労働時間制」を導入するための条例制定を行わないこと。
2 教職員の長時間過密労働を解消するための施策を緊急に講じること。
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