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特集「山口県のローカル線めぐり」
JR小野田線 後編


「山口県のローカル線めぐり」/JR小野田線 後編

居能(いのう)駅(宇部市)と小野田駅(山陽小野田市)を結ぶJR小野田線。今回は、小野田港(おのだこう)駅から小野田駅までの見どころをご紹介します。

趣のある石垣が目を引きます! 小野田港駅

本山支線を後にして、本線に戻り、小野田港駅へ。
ホームの側面は趣のある石垣になっています。
小野田港駅、という名前にふさわしく、海沿いの工場がよく見えます。

小野田港駅のホームの写真

小野田港駅のホーム

車窓から見える周辺の工場の写真

車窓から見える周辺の工場

セメントを生み出していた徳利窯 南小野田駅

セメント製造会社の近くに位置している南小野田駅。小野田港駅からは、わずか600メートルの距離です。 この駅のすぐ近くに、国の重要文化財があるのです。

車窓から見える南小野田駅付近の写真

もうすぐ南小野田駅。なにやら見えてきましたよ

南小野田駅の駅名標の写真

南小野田駅

それがこの「旧小野田セメント製造株式会社竪窯(たてがま)」です!

旧小野田セメント製造株式会社竪窯の写真

旧小野田セメント製造株式会社竪窯

この施設は明治16(1883)年に建造された最初のセメント焼成用の竪窯の一つで、形が徳利に似ていることから「徳利窯(とっくりがま)」と呼ばれています。(平成28(2016)年3月31日までは工事のため見学できません。見学は4月1日から可能です。)

日本初の民間セメント製造会社ができたことにより、干拓地に人が集まり、行き来が生まれ、町になりました。今でも「セメント町」という地名が残っています。小野田線は大正4(1915)年、セメントの原料となる石灰等を運搬するために小野田駅からセメント町駅間を開業したのが始まりです。セメント町駅は南小野田駅の近くにありました。この民間セメント製造会社を創設した笠井家がなければ小野田線は存在しなかったと言えます。平成28(2016)年2月、笠井家の山陽小野田市の発展への貢献をたたえ、現存するセメント関係の文化財とともに笠井家が残した遺産が「小野田セメントと笠井家」として山陽小野田市ふるさと文化遺産に登録されました。

JR宇部線 後編」でご紹介した「宇部・美祢・山陽小野田産業観光バスツアー-大人の社会派ツアー-」では、徳利窯など、山陽小野田市のセメントに関する産業遺産をめぐるコースも予定されています。

関連リンク:文化財(山陽小野田観光協会)

米穀店で切符を買えます! 南中川駅

南中川駅は小高い場所にあり、町を見下ろせるので視界が広く感じられます。
ここ、南中川駅では、駅前の商店「江原米穀店」でJR線の切符を委託販売しています。

南中川駅ホームからの眺めの写真

南中川駅ホームからの眺め

江原米穀店の写真

切符の委託販売をしている江原米穀店

めでたい! めがでる! 目出駅!

目出(めで)駅のそばには有帆川(ありほがわ)が流れています。
少しの間ですが、川を眺めながらの電車旅が楽しめます。

有帆川対岸から見る目出駅ホームの写真

有帆川沿いを走ります


目出駅は、「朝(厚狭)からめで(目出)たい」「朝(厚狭)から芽(目)が出る」という語呂合わせから、縁起の良い駅として、過去に厚狭駅から目出駅行きの記念乗車券が発売されたこともあります。

目出駅入場券の写真

タイの印が押された目出駅入場券

厚狭駅から目出駅行きの記念乗車券の写真

厚狭駅から目出駅行きの記念乗車券

山陽小野田市は窯の町。目出駅の近くに市の指定文化財となっている窯があります。
それが「旦の登り窯(だんののぼりがま)」です。
この登り窯は硫酸などの容器を作る際に使われていたそうです。なんだか映画に出てきそうな雰囲気!

旦の登り窯の写真

旦の登り窯

窯の内部の写真

窯の内部

関連リンク:旦の登り窯(山陽小野田市ホームページ)旦の登り窯((一社)山口県観光連盟)

大人も子どもも楽しめる公園 小野田駅

小野田駅に到着。電車はまたお客さんを乗せて宇部新川駅へ引き返して行きます。
かわいい書体の駅名札がなごみます。

小野田駅ホームの写真

小野田駅ホーム

駅名札の写真

かわいい書体の駅名札

ここから、ロマンチックな江汐湖や豊かな草木、花を見られる江汐公園(えじおこうえん)に向かいます。小野田駅からバスで約10分ほどの「江汐公園」停留所から徒歩5分ほどで到着。
ここには芝生の広場やアスレチック、キャンプ場等があります。

グリーン広場の写真

グリーン広場

江汐大橋の写真

江汐大橋

公園内はとても広く、5万本のコバノミツバツツジをはじめ、各種ツツジが毎年、順次咲き乱れる様子は必見です! また、アジサイやバラなど季節によって様々な植物も楽しめます。大きな遊具もあるので、お子様連れの方にもオススメですよ。

ツツジの写真

ツツジ

バラの写真

バラ

お城の遊具の写真

お城の遊具

ローカル線の出会い人 江原米穀店 江原公子さん

南中川駅前の商店で、今では珍しいJR切符の委託販売をされている江原公子(えはら きみこ)さんにお話を伺いました。

「昔は新聞や牛乳なんかも売っていたからついでに切符もね。でも最近は切符を買うお客さんは一日に10人いるかいないか。前は近くに会社や飲食店もあって、お酒を飲むために車ではなく電車で行き来する人も多かったの。今は病院のお見舞いの人や、サッカーの試合がある時に小学生が大勢で買いに来ることもあるのよ。最近だと電車が好きな人がインターネットで調べてわざわざ東京や大坂から来て、収集用にここで扱っている切符を1枚ずつとか、子ども用の切符を買って行ったわね。

昔は社会勉強として子どもたちを電車に乗せる小学校の先生もいたんだけど、最近はそういうことがないから、お子さんに電車を体験させたいという親御さんが切符を買いに来ることもあるの。

委託販売を辞めようと思うこともあるんだけど、元気でいるために続けてるのよ。」

約50年間にわたる様々な人との出会いを語ってくださった江原さん、これからもお元気で切符の販売を続けていただきたいです。

江原公子さんの写真

江原公子さん

委託販売専用の切符の写真

委託販売専用の切符(常備軟券乗車券)


【沿線グルメ紹介】
くろまる
くろまるの写真
厚狭毛利家10代元美(もとよし)の正室で、女子教育の先駆者としても活躍した山陽小野田市にゆかりのある毛利勅子(もうり ときこ)をイメージしたお菓子が「くろまる」です。
このお菓子は、地元の菓子店と山口県立厚狭高等学校(明治維新後に勅子が開設した学校が前身)の生徒の協力のもと、生まれました。勅子の黒髪と黒留袖から外側を「くろ」、勅子の生徒への包み込む愛情を「まる」で表現し、餡には青海苔(あおのり)を練りこんでいます。

JR小野田線路線図
JR小野田線路線図