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明推協委員のエッセイ

◆つばめの子育て

山口県明るい選挙推進協議会副会長 安光 真裕美

 夕時、帰宅を急いだ私の車が停まる定位置のすぐ上に、今では空巣になったつばめの巣がある。ふと無意識に見上げたものの、あのにぎやかだった住人の姿はもうそこにはない。つい先日まで、その巣で育つ雛を時間の許す限り見守ることが、私の日課だった。この巣は昨年訪れたつばめ夫婦の作品で、大小2つの巣が横に並んだ形をしている。大きな巣の方で1羽の親つばめが卵を温め、もう1羽は小さな巣で眠っていた。そして、昨年はこの巣から、5羽の子つばめが巣立つ姿をしっかりとこの眼に焼きつけることができたのだった。

 今年も、春先から4羽の雛を懸命に育てる親つばめの姿を毎日楽しみに見つめ続けた。その誠実な子育てに、心温まる感情と自然界での生きる営みの尊さを垣間見た気がした。特に、巣立ちのときの親つばめの必死さから目が離せなかった。巣立ちを躊躇する最後の1羽の前で、何度も何度も鳴きながら羽ばたきを続ける親つばめ。見つめる私にも思わず力が入った。そして、ついに意を決したように飛び立った子つばめ。私はふっと安堵のため息をもらした後、「来年もまたここへおいでね!」と心の中で呼びかけていた。

 今、子育て環境・親子関係・少子化などのさまざまな問題をかかえる人間社会で、子育てや子育て支援を考えるとき、個人ではどうしようもないことも多々ある。しかし、政治が社会が個人がと、それぞれが責任転嫁をするのではなく、まず自分自身の心の中を覗いてみてほしい。私はこの社会の一員としてどう歩むのか?と、いつも自分に問うことを忘れないでいたいと思う。

 情報は溢れ、考え方も複雑になった。しかし、単調とも見えるつばめの子育てを見つめながら、大切な何かが見えた気がする。わが家の子育ても巣立ちの真最中。選挙権を持つ社会人としての羽ばたきを始めている。

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