ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 トップページ > 組織で探す > 総合企画部 > 広報広聴課 > 知事記者会見録・令和2年6月17日実施分

本文

知事記者会見録・令和2年6月17日実施分

ページ番号:0013121 更新日:2020年6月19日更新

知事記者会見録一覧へ

日時 令和2年(2020年)6月17日(水曜日)
11時30分~12時40分
場所 県庁2階 記者会見室

発表項目

知事

 皆さん、こんにちは。
 本日は2件あります。
 まず、一つ目。令和2年度の6月補正予算のうち、新型コロナウイルス感染症対応緊急経済対策分について、ご説明をいたします。
 初めに、この補正の編成の考え方についてであります。
 本県におきましては、県民の皆さま、また事業者の皆さまの御協力によりまして、5月6日以降、新型コロナウイルスの新たな感染は確認をされておりません。
 一方で、感染が確認されている地域が依然としてありますことから、本県といたしましては、感染の再拡大、これをしっかりと防いでいって、現在の状態を維持すると、このために引き続き、感染拡大の防止対策に万全を期して取り組む必要があります。
 そしてこれからは、新型コロナとの共存を前提に、日常の生活、また、県内の経済を段階的に引き上げていく、社会全体の仕組みを変えていく取り組みを進める時期に来ています。
 今回の補正予算におきましては、感染拡大の防止対策等につきましては、まず、新型コロナウイルス感染症の第2波、第3波に備えていく、このことを引き続き対策を講じてまいります。
 そして、その上で、ダメージを受けました県内経済を回復していく、活性化に導く、そのための消費需要の喚起対策ですとか、ICT(情報通信技術)等を活用して、今回の新型コロナのような事態にも対応可能となる社会への変革を進めていく取り組みなど、新型コロナとの長期戦が見込まれる中、県民の皆さま、そして事業者の皆さまに安心して日常生活や経済活動を送っていただくため、国の補正予算にも呼応して、この状況下において、本県として実施すべき取り組みを盛り込んで編成を行ったところであります。
 補正予算のうちですね、今回の新型コロナ対策の総額はこちらにありますとおり、2132億円ということであります。4月の補正予算で過去最高としましたけれども、今回それをさらに超えまして、過去最大という規模の補正予算の措置ということにしております。
 また、このうち国の、下に書いていますが、2次補正の予算関連分ということで、683億円を計上しております。
 内容について、さらに見ますと、今回、これまでの「感染拡大の防止」、「県民生活の安定」、「県内経済の下支え」、この3本柱に、新しく「消費需要の喚起」ですとか「社会変革の推進」、この二つの柱を加えた5本の柱を基に組み立てを行っています。
 主な取り組みについて、5本の柱に基づいて説明を行います。
 まず、「1 感染拡大の防止」ですけれども、PCR検査(遺伝子検査)機器を検査実施機関に追加設置をいたしまして、現在1日当たり160件としておりますけれども、これを約倍増の310件ということに整備を拡大を行います。それから、入院患者の病床数につきましては、これも423床ということに確保してまいります。そして、ここには書いてませんけれども、救急搬送患者等に対しまして、判定時期が短く、早急な検査が可能となる抗原検査についても導入して、新型コロナウイルスの感染拡大の第2波、第3波に備えた検査体制を構築してまいります。さらに身近な地域において、迅速、そしてスムーズにPCR検査を行えるように、従来の帰国者・接触者外来に加えまして、新たにかかりつけ医等の判断に基づきまして検体採取を行う地域外来・検査センターにつきまして、8医療圏ごとに1カ所以上の設置を促進して、必要な資機材の整備ですとか運営経費を支援してまいります。
 また、新型コロナウイルス感染症の感染リスクなど厳しい環境下にありましても、感染対策を講じながら医療ですとか、介護、障害福祉サービスなどの業務を継続している施設従事者等に対しまして、1人当たり5万円等の慰労金を支給することにします。
 また、同様の環境の下、国ですとか、われわれ県の方からの要請も受けて、子育て支援にご尽力をいただきました、ここに書いてますが、保育所とかですね、放課後児童クラブの従事者の皆さま、そうした方々に対しましても、県独自の対策といたしまして、1人当たり5万円の応援給付金を支給することにします。
 次に、「2 県民生活の安定」では、新型コロナで中止となったインターハイ、また県の高校総体、県高校総合文化祭等の代わりとして県独自の「やまぐち高校生2020メモリアルカップ」、また「やまぐち高校生2020メモリアル文化発表会」を開催しまして、部活動を頑張ってきた生徒、特に3年生にとって成果を発揮できる集大成の場をつくってまいります。
 さらに、大会情報や激励メッセージ、部活動の思い出画像の投稿等を掲載する特設サイトを開設して、部活動で頑張る高校生を応援します。
 併せて、高校生の大会の感染症対策に加えて、中学生の大会で必要な感染症対策の支援も行います。
 また、やまぐち子ども・子育て応援ファンドの子ども食堂特別枠に、新しい生活様式に対応する経費を対象に加えまして、間隔を保った食事の場所の提供など、感染予防に配慮した活動を支援します。
 次に、「3 県内経済の下支え」です。県内中小企業等における資金需要が引き続き増大をしています。このことを踏まえまして、国の緊急経済対策を活用した有利な資金であります「新型コロナウイルス感染症対応資金」の融資枠について、先日専決処分をした分を含めまして、4000億円に拡大をして、併せて経営安定資金の融資枠を1200億円に拡大します。
 その結果、融資枠の合計は5200億円となります。
 また、新しい生活様式の実践に向けて感染拡大防止対策を実施する飲食店について、県独自の「新型コロナ対策取組宣言飲食店応援制度」を創設し、取り組み宣言店を新たに開設するウェブサイトで広く県民に紹介することで個々の事業者を応援するということと、県民が安心して店舗を利用できる環境づくりを推進します。
 また、購入型クラウドファンディングによりまして、利用者が応援したいお店で使える20%のプレミアム付きチケットをあらかじめ購入する仕組みを構築することによりまして、県内の店舗への資金支援と消費喚起、これを併せて行います。
 また、事業活動の再始動に向けまして、新しい生活様式に基づく働き方への対応や新たな販路開拓など、中小企業の意欲的な取り組みを支援します。
 そしてここからは、「消費需要の喚起」、また「社会変革の推進」の新しい二つの柱でありますが、まず「4 消費需要の喚起」では、「行こうよ。やまぐちプレミアムキャンペーン」といたしまして、県内の宿泊施設に対する割引率50%のプレミアム宿泊券等の発行によって、宿泊施設を軸とした需要創出を行うほか、効果的な情報発信や民間企業と連携したプロモーションの実施などを通じまして、感染拡大の影響により落ち込んだ観光需要の喚起に取り組みます。
 また、外食需要の冷え込み等によって、大きく需要が減少した和牛や地鶏、日本酒、花き等の500円割引を中心に、山口の農林水産物を応援する「みんなでたべちゃろ!キャンペーン」を展開するなど、「やまぐちブランド」等の味や品質に優れた農林水産物の地産・地消対策の推進を通じまして、多くの方に生産者への応援をいただきながら、県産の農林水産物の需要の回復・拡大を図っていきます。
 次に、「5 社会変革の推進」では、県立学校における児童生徒の1人1台タブレット端末、これを本年度中に整備をして、新型コロナのような事態により臨時休業等が生じても、ICTを活用した児童生徒の学びを保障する環境を早急に構築をします。
 併せて、オンライン学習支援サービスの導入によって、長期間に及んだ休業等による学習の遅れを取り戻すための支援を行います。
 また、就職・採用活動が感染拡大の影響を受けていることから、県内の中小企業が行う採用活動のオンライン化など、ウェブを活用した取り組みを支援しまして、若者等、また県内の中小企業における就職や採用機会の確保に取り組んでまいります。
 補正予算の主な内容は以上でございます。
 新型コロナとの共存を前提とした新しい日常、その確立に向けまして、新しい生活様式の実践によって、感染拡大の防止を徹底する、それを行いながら、同時に社会経済活動を回復をして活性化させていくということと、さらにこれまでの社会の仕組みを変革すること、このことに取り組んでいかなければなりません。県といたしまして、この困難な課題を克服するため、県民や事業者の皆さまとしっかりと連携をしながら、さまざまな対策を前に進めていけるように、今回の補正予算を通じて、全力で取り組んでまいりたいと思います。
 次に、今年度創設しました「幸せ舞い米!多子世帯応援事業」について、ご説明させていただきます。
 本事業は、社会全体で子どもや子育て家庭を応援する機運を醸成するため、本年4月1日以降に、第3子以降のお子さんを出産されたご家庭に対して、お祝い状と山口県産米1俵、60kgを贈呈するものです。
 5月29日までに受付をした220件のご家庭に、お祝い状とお祝品の贈呈を本日開始をします。
 おいしい県産米をご家族で食べていただくことで、お子さまの健やかな成長とご家庭により多くの幸せが舞い込みますようにお祈りをいたしております。
 私からは以上です。

KRY(山口放送)

 まず、2132億円という大きな額ですけど、まずこれに対する受け止めをお伺いしたいと思います。

知事

 はい。それぞれの皆さまのお取り組みのおかげで、5月6日以降、本県において感染者は出ていないという状態が続いております。しかし、全国においては、感染が引き続き出ております。そうした中で、これから来ると言われている第2波、第3波、このことにしっかりと備えながら、一方でこの間、大変打撃を受けた傷んでいる地域の経済がしっかりと維持されるように、そしてまた、回復軌道に速やかに乗せていけるようにしていかなければいけません。そのために、事業の継続、またこれからの発展、そして需要の回復のためにさまざま措置を講じることにいたしました。その結果、2132億円という過去最大の規模の補正予算を講じることにしたところであります。ここは大変な危機でありますので、経済がしっかりと回復をして軌道に再度乗せられるように速やかに手を打っていきたいと思います。

KRY(山口放送)

 今、大変な危機という言葉がありましたけど、えっと、これを組むに当たって県の財政状況もかなり危機的なのかなと思うんですが、まあその辺り、どういう形でこう編成したかというのをお聞かせください。

知事

 そうですね。今回の予算の編成に当たりまして、特に、県の財政というのは、どこまでも借金ができるわけではありません。これは制度に基づいてできるものは限られていますから、ある財源をしっかりと活用していくということ、それから、国から来る交付金、これもフルに活用していくということを行っていかなければいけません。財政の健全化も図っていくということをこれまで進めてきたわけですけれども、この非常事態において、いったんここについては凍結をした上で、今やるべきこと、ここは速やかに手を打っていかなければ、大胆に取り組みを進めていかなければ、県の経済が回復できなくなってしまう非常な危機だと思っております。ですので、ある財源については最大限かき集めながら、国の交付金を最大限活用しながらできることを
しっかりと大規模に進めていくということを意識して編成しております。

KRY(山口放送)

 具体的に、知事の言葉から、どのくらいの基金を取り崩して、今どのくらい残っているのでしょうか。

知事

 基金の数字はちょっと。

財政課長

 57億円。

知事

 残高が今9億円。

KRY(山口放送)

 その9億円というのは、今どう受け止められていますか。

知事

 そうですね。今はある財源をしっかりと活用をして、県内の経済、生活、これを維持して回復するために最大限取り組んでいかなればいけないときだと思います。当然平時であればこの基金というのはしっかりと積み上げていって有事に備えるということでありますけれども、まさにこうした有事のための基金でありますので、ここは大胆に投入をしていくという判断が必要だと思います。これからまた国の財政支援等についても引き続き要望等もしながら、また、財政についても、きちんとこれは回っていけるようにしていかなればいけないのは当然のことでありますけれども、この局面においては、ここはしっかりと財源を入れて県内の経済を守っていくということがまず第一であります。その先に、また、財政については再建をしていく、改善をしていくということをしていかなければいけないと思います。

KRY(山口放送)

 9億円に対する危機感というのは、今知事の中でありますか。

知事

 財源的には、これは使えるものは最大限使っていくということを今しなければいけないということです。まあ9億円という残高というのは、おそらくこれまでにないぐらいの少ない規模だというふうに思います。そうした点はありながらも、ここは財源をしっかり投入をして県内の経済を支えていく、また、回復軌道に速やかに落としていくということが先決だと思っています。

KRY(山口放送)

 消費需要喚起が26億円。まあ先ほどキャンペーンの説明もありましたけど、ようやくこの段階に入ってきたのかという、その辺り、もっと足りないのか、その辺りはどうでしょうか。

知事

 えっと、20。

KRY(山口放送)

 この26億。消費需要喚起26億円がずばり、その辺りは、ようやくこのぐらいの額が投入できるのか、それより、これ以上もっと今後も必要なのかというのはどうでしょうか。

知事

 そうですね。このコロナの今の状況から、いかに速やかに経済が戻せるのかというところに関わってくると思います。今回需要をしっかりと喚起をして弾みをつけていかなければいけないと思います。まあ皆さん、外出の、特に緊急事態宣言発令下において外出自粛ですとか、いろんなものを控えられている中で、まだまだ慎重に考えられておられるし、まあ当然感染のリスクというのを意識してそうしたことはやっていただく必要があるわけでありますけれども、また一方で、新しい生活習慣の中で生活をどんどん戻していただく、そうしたことをしながら感染予防に気を付けながら、しっかりと経済を回復をしていくということをしていかなければいけませんので、そのための誘導策、弾みをつけるものとして今回の措置を行ってます。ぜひこれを機に、経済の回復に向けた需要が再度軌道に乗るような形に持っていきたいと思いますし、その先に、県内経済が元通りに速やかになるようにしていきたいと思います。今後また必要なものがあれば追加をしていくということは当然考えておりますけれども、まずこれをしっかりと行って、速やかに地域の経済が回復軌道に乗るように力を入れていきたい、そのように思います。

財政課長

 すみません。基金の取り崩し、57億と言いましたけれども、56億。

NHK

 今の質問にちょっと関連してなんですけれども、基金の残高が9億になるということですが、一時的にそのまま、秋口にまた国からの交付金等で補填されるというふうに 財政課から説明を受けているんですけれども、一時的とはいえ、欠けることに関連して、これから大雨のシーズン、災害等の可能性は拭えないところはあるのかもしれないですけれども、そういった突発事案が起きた場合の県の対応としては、特に問題はないのでしょうか。

知事

 もちろん財政的な余力はあればあるほど安心ではありますが、今の緊急事態において、財政出動をしっかりと行わなければいけないということもあります。ですので、こうした形で措置をするわけですけれども、おっしゃるとおり、災害等のリスクって常にありますから、それへの備えもしていかなければいけません。災害時においては、これは地方債の活用ですとか、さまざまな財政措置がありますので、たちまちそれで何かができなくなるということはないというふうに思いますし、当然それが起きれば、いろんなもの、財源をかき集めて、これはその時必要なものはちゅうちょなくしていかなければいけませんので、そこは万全の対応を現に起こった際にはしていく、そうした考えであります。

NHK

 ありがとうございます。

防府日報

 予算全般のことでお伺いしたいのですけれども、ちょっと拝見をしていますと、いろいろこうやらなきゃいけないことがあるというのは十分理解できるんですけれども、なんかこうやらなきゃいけないことをこう積み上げていくっていう印象を、要は予算を組むというよりは、あれもこれもこう積み上げていっているというようなちょっと印象を受けるんですけれども、今回予算編成に当たって、知事として、一番最初の段階でどういったことを、特にどの点に重点を置いて取り組むようにというような指示をされたのかというのをお聞かせいただけますでしょうか。

知事

 まず前回の補正予算と今回と根本的に違うのは、前回は極端に感染拡大の防止対策ですね、コロナ拡大を防いでいく、そのことがほぼ全て、メインでありました。
 今感染については5月6日以降生じていないという中で、引き続き、感染防止対策は、これはしっかりやっていかなければいけません。PCRの検査機器もさらに拡充しますし、それぞれの医療圏において検査ができる体制、検体の採取ができる体制っていうのもセンターを設けてやっていくということで、第2波、第3波に備えて万全の対応をしていくということは、これはこれで引き続きやっていくわけですけれども、一方でこの間に傷んだ地域の経済、これは速やかに回復をさせていかなければいけませんので、ここは今回の補正予算において、大きく取り組みを前に進めていかなければいけない。そういう大きな切り替えを行っています。ですので、予算の規模もさらに前回よりも大きくなってきているわけでありますが、制度融資についても当初予定していたものをはるかに上回る規模でこの需要が出てきております。それだけ地域の経済が大変に傷んでいるということでありますから、ここはしっかりと維持をさせていくということとともに、需要を回復させて回復軌道に速やかに乗せていくということが何より重要であります。このことを特に今回の補正予算においては力を入れて、速やかにやっていかなければいけないものと捉え編成をしている、そうしたものであります。

防府日報

 で、まあ実際の補正額に関しては、制度融資の枠の拡大というのがかなりの部分を
占めていると思うんですけれども、まあ実際、需要喚起策とかというところについては、まあ財源もあってなかなか厳しいところもあると思うんですけれども、現時点ではこの対策ということなんでしょうけれども、さらに先を見たときに現時点から準備しておかなければいけない、まあ新たなその需要喚起策っていうのとか、回復に向けた二の矢、三の矢みたいな対策というのは今の時点でどういうふうに考えていらっしゃいますか。

知事

 そうですね。今回の予算は、規模としてはかなりの規模でありますから、これをしっかりと執行して速やかに回復軌道に乗せていきたいと思いますが、まず、われわれ県内の需要を、落ち込んでいる部分をしっかりと回復をさせていくということが何より重要です。ですから、それを誘導するための措置を今回さまざま、農林水産物についても、観光についても設けているわけですね。これでまずはしっかりと需要を喚起をして通常の形にできるだけ早く戻していきたいと思っています。それがまた今後の状況によって、またコロナがどういうふうに感染が広がっていくのか、収まっていくのか分からないところもありますので、それによって、また当然経済も影響を受けます。その状況を見ながら、必要な対策は追加してやっていかなければいけないと思います。まあそれについては、また財源も国の方からまだ交付金について、今回の補正で組まれているものはまた追加で来る部分もあると思いますので、そうしたものも活用しながら、必要な対策をその都度講じていくということを行っていきたいと思います。

防府日報

 最後に、今交付金の話が出ましたけれども、えっと最初の1兆円のうちの7000億円ぐらいの部分は確定がしているということですけれども、その後の追加になった2兆円の分のですね、その部分についてはまだ確定していないということですけれども、そのまあ、だいたい見込みとしていくらぐらい入ってきそうかとか、あるいは、いくらぐらいまあ欲しいという言い方は良くないかもしれないですけれども、あったら何とかなりそうだというところの知事の見解というのはいかがでしょうか。

知事

 あのう、まだ配分基準は示されていないですね。だから何とも言えないところはありますが、常々言ってるのは、今回コロナの影響っていうのは感染が広がっている地域、特に大都市部とか地方においても特に感染者が多いエリアも、例えば、北陸とかありますけれども、地域の経済が傷んでいるのは、これは感染状況にかかわらず同じように、感染が比較的少ない山口県においても打撃は同じですので、これはそうした観点で配分をしてもらわなければいけないということは、国に常々私の方から意識をして意見を申し上げております。ぜひ、そうした感染者数でもって需要を図る、もちろんそれに伴う需要もあるでしょうけれども、地域経済の打撃というところは、やはり国、経済全体がとどまっていれば皆同じように影響を受けますので、そこについてはそうした観点で考慮をして配分される、そうしたことをやっていただきたいと思っております。

防府日報

 分かりました。ありがとうございました。

毎日新聞

 コロナ対策に起債を使うっていうことはされないのか、何かできないのか。それとそれに関係しまして、今、県の起債の残高、1兆円を超える額かと思います。その中、
改めてこの基金が10億円を切った、9億円という状況になっていて、4月補正、6月補正も数十億単位の基金を崩さないと成立しなかったと思います。で、2波、3波が来てまた大型予算を組まなければいけないという可能性があるかと思うんですけれども、今おっしゃられたように大丈夫だとおっしゃられるその根拠をもう1回お聞かせいただきたい。基金がここまで落ち込んでも大丈夫なんだ、県民安心しててくださいと言える根拠をお聞かせください。

知事

 まず、県の財源、最初に地方債の話がありました。まあこれは制度の問題ですけれども、地方財政法の中で、地方が借金できる場合っていうのは限定列挙されています。一番一般的なのは建設事業ですね。道路をつくるとか、そう言った場合に限定をされていて、一般的な、何て言いますか、今回のような観光ですとか、農林水産物の需要振興みたいなもの、そういう消費的な需要には使えないということになっていますから、その目的で地方債を起こすということは制度的にできないわけですね。そうすると県の今ある財源、その年の税収だったり、あるいはその、これまで積み重ねてきた基金、そうしたものを崩してやるか、国から別途財源的なものが手当てをされてそれを活用するかということぐらいしかないわけですね。いろんな切り詰めはもちろんしますけど、それで大きな財源が直ちに出るわけではありませんから、基本的には、その年の財源プラス基金、それから、国によって別途措置される補助金、交付金等のものを活用していくことになります。そういった意味で言いますと、今の直近で言いますと今回の補正予算によって基金の残高というのは、かなりほぼ枯渇しているという状態になっておりますけれども、今後の対策については、一つは先ほどからちょっと出てますが、国の今回2兆円の臨時交付金が措置をされましたので、額は分かりませんが一定、山口県の規模に見合う配分ってされるんだろうというふうに思いますので、それを、今、予算に計上していませんから、これは活用をして追加の対策を行っていくということになると思います。さらに足りなければ、これはまたさらに国の方に財源を求めていくか、さらなる県の中での見直しっていうのはしていかなければいけませんけれども、ここはなかなか今は厳しい現実がありますので、国の方で今後の状況に応じて、またさらなるその財政措置というのを求めていくということも場合によってはやっていかなければいけないと思います。

毎日新聞

 保育所、幼稚園のスタッフ、あるいは、医療関係者、介護施設関係者等に出される応援金だとか慰労金が5万円かと思います。この5万円とされたその積算根拠をお聞かせいただきたいということと、これが、県内には朝鮮学校がありますが、そちらの先生方には出るかどうかっていうところ、もう一点、先日、イベント、コンサート等を裏方として支えている照明に当たる方だとか、音響に当たる方だとかでつくる団体の方が県庁の方に支援をお願いしたい、3カ月ほど収入がないということで支援をお願いしたいということで、県文化振興課の方に支援を求めてらっしゃるかと思います。こういった業界の方に対する補助というのは今回何か盛り込まれていらっしゃるかどうか。

知事

 今の話で言いますと、先に、朝鮮学校ですとか、今回の先ほどのあの音響の方ですとか、そういったところへの措置は今回計上していないところであります。通常の需要喚起策なり、あるいは制度融資ですとか、さまざまな支援メニューありますけれども、事業の維持についてはいろんな形で幅広い業種に対して支援をしていこうと思いますけれども、この個別についての手当てということではありません。で、今回のこの5万円の支給の考え方ですけれども、ちょうど今出てますけど、この医療従事者ですね、医師とか看護師、これは国の方の今回の予算措置でこれは行われているということです。これはコロナにおいて医療をしっかり支えていただいたというところから慰労金を支給ということでありますけれども、われわれ考えるのは、保育所ですとか放課後児童クラブですとか、こういったところもコロナが本当にまん延、広がっている中で、これは国だけじゃなくて県の方からも開所、開いてこの機能を維持してもらうということを要請もしました。コロナの感染のリスクがある中で、そうした社会生活の維持のためにそれぞれの施設の従事者の皆さま方に大変頑張っていただきました。山口の子育てを支えていただいたという、そうした思い、感謝の思いを込めて国の措置と同額の5万円の措置をするということを行うことにしたということです。

YAB(山口朝日放送)

 先ほど、消費需要のところで50%の宿泊助成というのがあったんですけれども、こちらについては、イメージとして県内の方に向けてなのか、それとも、間もなく首都圏とかの往来自粛が解けるんですけれども、その中で積極的に全国からの観光促進を促せというものか、どういったこう、思いがあるのでしょうか。

知事

 えっとですね、まずこれ、スケジュール的には、予算が成立をしてから7月中には販売が開始できるように進めていきたいと思っております。ぜひですね、多くの県民の皆さまにご利用いただきたいと思いますので、この宿泊券については、まず、県内で先行販売をするということにしたいと思います。つまり、県民の皆さまを対象にということを先行して行って、その後、他県に広げていくということを行っていきたいと思っております。特に、県民の皆さま、ずっと自宅での生活が長く続いていらっしゃると思いますけれども、この機会にですね、改めて県内のおいしい食ですとか、それぞれの地域の魅力を再発見をしてもらう、また、それを楽しんでもらうと、そうしたことをしていただきながら県内の経済を回復させていくと、そうしたことに、ぜひつなげていきたいと思います。

YAB(山口朝日放送)

 県外からは、まだ、ちょっと段階としては。

知事

 県外からももちろん、先行のあとは、県外を対象にしていきますけども。あとは、答えますか。

観光政策課長

 感染のフェーズ等に沿って、どんどん拡大していきたいと考えています。

山口新聞

 まず、予算、今回県内経済の回復にも予算を盛り込んだということなんですけれども、前回の4月の臨時会では自民の県議からですね、当面の感染防止対策に力を入れてるけれども、今後の経済対策にはまだ不十分で、県民の不安解消にはまだ不十分だという指摘もありましたけれども、そういうことを意識されてというか、今回のこの経済対策に盛り込んだそこの部分というのをもう一度、改めて教えてもらってもよろしいですか。

知事

 前回4月の補正では、先ほども触れましたが、感染対策のところに主眼を置いてつくりましたし、まさにそれがその時点で必要なことでありましたので、そこを重点に措置をしました。その時点では、事業回復とかそうしたものは講じていなかったわけですけれども、先ほども申し上げましたとおり、今、フェーズとしては、この感染を抑えていくということをしながら、この間、傷んできた経済をしっかりと回復に、これを速やかにもっていくということが重要です。ですので、そのための予算を組んでいくという考え方で、今回の措置、大規模な措置を講じることにしたものです。幅広い業種、もちろん経済を維持するためにさまざま分野の運転資金の確保もそうですけれども、このコロナの社会に対応できるような変革、新しい取り組みについても幅広い業種について支援をするということ、それから、事業回復に向けましては、農林水産物ですとか、飲食ですとか、あるいは観光をですね、そうした部分について具体的な喚起策、かなり大幅な措置を講じてこれを速やかに回復させていきたいという思いで、そういう思いで措置をしておりますので、ぜひこれが、しっかりと県民の皆さまに活用していただきながら、県内の経済ができるだけ早期に回復軌道に戻せるように成果を上げていきたいと思っています。

山口新聞

 あともう1点。行革(行財政構造改革)に、県の財源を見直しということも先ほど言われてましたけれども、午後の会議もありますけれども、いろんなコロナの対策に力を入れることで、他の事業がストップしてしまうということもあると思うんですけれども、知事としては、さまざまな事業がコロナでストップするということで、今後もその他の事業への方向性というのは、今のところどのようにお考えでしょうか。

知事

 そうですね。もちろん、経済の課題はコロナ対策だけではありませんから、さまざまな分野についてしっかりと進めていかなければいけない部分もあります。そうした中で、例えば、当面はこのコロナへの対応、しっかりと防いでいくということと経済を回復させていくということの2点が目下の最重要課題でありますから、そこにまず財源をしっかりと投入をしていかなければいけません。
 一方で、県の総合戦略(まち・ひと・しごと創生総合戦略)ですとか、プラン(やまぐち維新プラン)がありますから、そこについては、しっかりとその目標が達成できるようにどんな工夫ができるのかということを考えながら、それぞれ執行してほしい、進めてほしいということは、先日幹部会議でも、庁議でも各部長に申し上げたところですけれども、そうしたことも進めていかなければいけませんが、当面は、コロナが拡大しないように、また、経済が速やかに回復するようにというところをですね、最重点、最重要の課題として取り組んでいくということになります。

山口新聞

 行革もそうですが、今、言われた維新プラン、総合戦略、総合計画ですかね、いろいろあると思うんですけれども、それの目標の達成については、現時点では、やはり、このままいくと難しいというところなんでしょうか。

知事

 そこは、必ずしも予算がなければいけないもの、そういったものもありますけどね、そうでない部分もありますので、これは、何て言いますか、そこは手を緩めることなく、それはそれとしてしっかりと目標は追求していかなければいけませんし、ただ、ものによっては、進めづらいものもあるかと思う、例えば、インバウンドの目標と言っても、今、ただでさえそれは達成できませんので、そういった部分の修正は必要になってくる場面もあるかと思いますけれども、それは、コロナに伴って必然的に出てきます。そういったものはありますけれども、そうでない部分はしっかりと、それぞれ県政さまざまな課題がありますので、そこについては支障がないものはしっかり進めていくということが必要ですから、物によってそこは考え方をよく整理をして進めていかなければいけないと思います。

山口新聞

 あともう1点。先ほども出た往来自粛の関係なんですけども、19日に全面解除ということになると思うんですが、現時点で北九州の話もそうですし、東京ですね、この辺についてもまず19日に解除するのかどうか、今の知事のお考えを教えてください。

知事

 明日、対策本部会議(「山口県新型コロナウイルス感染症対策本部」第16回本部員会議)を開いて、その点は決定したいと思います。直近の状況を見て、また福岡においては、北九州ですとかそうした中でどうしたものを今後、それぞれの自治体において住民の皆さんに求めていくのかというところの兼ね合いもありますので、そこを見極めて判断をしていきたいと思います。

朝日新聞

 先ほどもありましたが、今後、経済の経済対策としてカバーしていかないといけない分野として、今、既にお考えのものがあればお願いします。

知事

 まず、特に人が動かなくなったことに伴ってですね、特に影響大きい飲食ですとか、あるいはその観光ですね、8割9割減ということになっています。実際にこの間に、三つのホテル等が閉めることになったということもありますけれども、大変な打撃を受けているところは、そういった部分に端的に表れていると思いますので、そこについては今回、プレミアムクーポン等によって需要をしっかりと取り戻して、回復させていこうということであります。それからその他の産業分野についても、当面の資金の手当てもそうですし、新しいチャレンジ、取り組みについての支援も今回新たなメニューも設けて行うことにしておりますので、そうした部分をしっかりと支援をして回復させる、あるいは、今後のコロナの時代に対応した形での仕事の仕方、あるいは商品、開発、さまざまな投資については支援をするということにしておりますので、そうしたものをフルにぜひ活用していただいて、本県の経済の維持や発展、回復につなげていきたいと、そのように思っております。

朝日新聞

 分かりました。制度融資の件で、また今回大幅に増額されましたが、本来、特にその資金繰りで悩まれている方への融資ということで、当然回収ができるかどうかというのもあると思うんですが、その辺のお考えはいかがでしょうか。

知事

 そうですね。これは、融資するときには当然審査をしておりますので、そこの見込みを一定立てながらやってるということでありますけれども、当然それは、回収不安があるケースも、当然出るわけですね。そこについては、当然それぞれの分担に応じて補填をしていくというか、埋め合わせをしていくことになってきているものであります。これは、ルールがあらかじめ決まっておりますので、それにのっとって対処していくということになります。

朝日新聞

 今後も、その需要が続く限りは、制度融資の総額も増やしていくという、そういう考えでしょうか。

知事

 そうですね。今回の措置によって当面、今年度いっぱいですかね、必要と見込まれるものは措置をしておりますけれども、当然、これがさらに広がるとなれば、そこを検討していかなければいけないと思います。

朝日新聞

 分かりました。予算の話じゃないんですけど、アショア(イージス・アショア)の関係で、大臣(防衛大臣)の来県の日程は、どうなっているか説明をお願いします。

知事

 今、事務的に調整中です。まだ固まっているものはありません。

朝日新聞

 報道では19日っていうのが出ているようですけど、その点はいかがでしょうか。

知事

 そうですね。そういった報道で出ておりますけれども、まだ確定しているというわけではなくて調整中だと聞いています。

朝日新聞

 今月中にはというところでしょうか。

知事

 そうですね。近いうちにということのご意向でしょうから、そうした時期にだと思いますけども。

朝日新聞

 地域の住民の方からは、防衛省は、もともと前提としていたところを覆していてうそつきだというような声もあったりしますが、前回の知事への取材のときには、受け止めについて限定的な表現をお伺いしたかと思うんですが、住民からそういった声が出ていることを踏まえて、改めて受け止めを聞いてもいいでしょうか。

知事

 まず、ブースターの落下の問題というのは大変重要なところでありますから、そこについては、これまでも文書等で照会をしてきたわけですね。これは技術的に敷地内に落とすことは可能であるし、それをシステム化していって実現をするんだということでありました。その技術的にできるという部分については、そうだったわけですけども、実際それを実装しようとすると、コスト・期間の面で大きな課題が分かって、これは乗り越えられないという、そういった説明だというふうに思っております。自らできると言った部分はですね、その後、よく検証してまた判断をその時点で、したということ自体は、それはそれで多としますけれども、説明をする前にしっかりと、そこは精査をしていただきたかったというふうには思っています。

朝日新聞

 大臣が来られたときに、知事として求めていくものっていうのは、既に何かあれば。

知事

 説明自体はですね、今回の新たに分かった課題について、これを解消はできないので、このプロセスを停止をするということでありますから、そこについてのお話だと思いますけれども、そこに至った経緯については、まだこれから詳しく聞いていかなければいけないと思いますので、それについてよくお聞きをしたいというふうに思います。

朝日新聞

 知事としては、今後の配備停止っていうことについては、どういった対応を求めていきますか。

知事

 そこについてもですね、その考え方について、大臣の方から説明があるだろうと思いますし、なければ私の方から聞きますけれども、それを聞いて思うところを伝えたいと思います。

朝日新聞

 説明がなければ聞くということですが、具体的にどういったことを聞きたいと思っていらっしゃいますか。

知事

 つまり要は、そのプロセスが停止をするという、プロセスを停止するという話ですので、それは具体的にどういうことであるのか、またそれをどのようにこれから具体的な結論と言いますかですね、私にどういうプロセスで持っていくのかというところを、まず確認する必要があると思います。

朝日新聞

 知事としては、具体的にどういうふうに進めていってほしいかというのはあるんでしょうか。

知事

 大臣が言われているのは、NSC(国家安全保障会議)にかけて、その上でまた判断するということですから、そのあたりの具体的な話っていうのは聞けるのかと思います。

朝日新聞

 知事としてはどういうふうに進めていってほしいというのはありますでしょうか。

知事

 進めてほしいというプロセスは政府の中での意思決定ですので、そこについてどういうふうにするのかということを確認するということだと思います。

朝日新聞

 分かりました。

読売新聞

 関連して、イージス・アショアの中止についてお尋ねをしたいんですけど、昨日、阿武町長がですね、この計画の、今説明があった、大臣からの説明はプロセスは停止ということですけれども、ちゃんと白紙撤回をですね、計画の撤回を求めるというお考えであるということを検討もされているんですけれども、知事は具体的に、そういうところを求めるというお考えはございますでしょうか。

知事

 プロセスの停止というところがですね、要はまだ最終決定ではないという意味なのかと思います。それは、実際の大臣の説明においても、今は、いったん、そういうふうに考えているが、NSCでも諮らなければいけないし、その上で判断ということだろうと思いますが、そういう途中段階ということでそういう表現になっているんだろうと今の時点では理解していますが、そこの説明もお聞きをしたいというふうには思っております。ただ、いずれにしてもですね、ブースターをその域内に落とすことができると言ったわけですけれども、それをやろうと思ったらコスト・期間の点で課題があるからそれはできないというふうな説明を受けているわけですね。そうしますとブースターを域内に落とせない。つまりは、その周辺のエリアの住民の安全が守れないということでありますので、そうしたものは、配備をするということは認められないと考えていますので、そうした考え方で大臣の話をお聞きしたいと思います。

共同通信

 アショアの関連なんですけども、今、今回のプロセスの停止というところで、国の方でも、例えば、政府与党の中でも根回しが不十分だという声があると思うんですけれども、われわれ、その山口としても質問状出してそれに対して確実に落下させますというふうなところで止まってたと思うんですけれども、途中段階でソフトウェアだけじゃなくてハードの改修が必要になったとかそういう、何でしょう、検討の段階というのは提示されてなかったと思うんですけど、その辺の、こう、まずコミュニケーションの、自治体とのあり方というところに何かご不満とかはなかったでしょうか。

知事

 これは説明聞かないと分かりませんけれども、新しく課題があることが分かって精査をしてその結果、これは困難だと判断をしたのに至ったので今回説明があったんだろうというふうに思います。その途中段階でというのは、またそれをきちんと精査できてなかったかもしれないし、その途中で意思決定もできなかったということなのかもしれませんので、その途中での説明というところはなかなか難しい面もあったのかもしれませんが、ただ、そもそもの話としてですね、そういった部分を精査をした上で、できる、できないってのは言うべきではないかと思いますので。言ったあとで精査を引き続きしていたというところは、それはそれで評価もしますけれども本来であれば、まずはきちんと技術的にできるだけじゃなくて、その他の面も含めて、可能どうかというところはきちっと精査をした上で説明されるべきだと思います。

朝日新聞

 昨夜なんですけれども、安倍総理大臣もですね、官邸での各社の取材に、アショアの問題、なぜ、という決定に至ったのかとあった際に、地元に説明してきた前提が違ったんだと、これ以上進めるわけにはいかないということを総理も発言されました。改めて、防衛省だけでも政府全体の意思決定である、総理もそのような発言されたということで受け止めを聞かせていただけますか。

知事

 説明を受けるわれわれとしてですね、この説明の前提が変わっていたということであれば、当然、判断を変えるというのは当然のことだと思いますし、まずそういった前提が変わらないような説明をですね、しっかりと精査をしてやるということがまず基本的に必要だろうというふうに思います。そこは、また大臣からここに至る経緯の説明があると思いますけれども、そうした思いは持っておりますので、そういう頭を持ちながらどういった説明をされるのかお話は聞きたいと思います。

朝日新聞

 2018年ごろからですね、何度か防衛省は、政務3役含めですね、中国四国防衛局含めて県に説明をする機会、地元の萩・阿武両市町含めて説明する機会というのは繰り返しあったわけなんですが、その中でブースターというのは演習場内に確実に落下させる措置を講じますという点は、繰り返し知事もお聞きになられてきたフレーズだと思うんですね。その中で、実は防衛省は、2018年からですね、どのようにそれを落下させるかという点については、ソフトを改修する方針を検討していたということがこの度明らかになっています。

 その当時なんですけれども、説明を聞きながら知事自身がですね、落下させるんだと説明を聞いて、ソフトの改修ないし、そのハードの改修が、まだ途上段階にあるものなんだという認識を当初お持ちだったかどうかというのはいかがでしょうか。

知事

 ソフトとかハードとか、そこの状況については、当然そこまで考えているというか、想像、考えを及ぼすことはできないですね。われわれとしては、それは技術的に、まずできるのかどうなのか、それをしてもらえるのかどうかというところが最大の関心というか、そこをどのように実現するのかというのが、それは先方の問題であって、できるのかどうかと、やってもらえるのかということですので、そこを聞いていたわけですね。

朝日新聞

 落下させる措置を講じますという説明を、そうすると、それがなるほどというふうにお聞きになられていたということですか。

知事

 技術的に可能だという説明ですね。当然、ここはいろんな照会事項しましたけれども、これは特に重要なところだと思います。当然、そのブースターが落ちてくるっていうのは、住民の皆さまの命に直接関わるところですから、これはしっかりと演習場内に落とせるのか、できないのかというところは、大変重要なポイントだと思っておりますので、繰り返し聞きもしましたし、この間文書で、これまでも確認をしてきたところです。技術的にできるという説明ですし、それをやるということですので、それは当然、防衛省もしっかりと検討した上で、そういう反応されてるんだろうと思いますし、これ自体、大変高度なシステム、大変高速で飛んでくるミサイルを撃ち落とすということですから、これはかなり精度をもってやらなければいけない技術が、その中に相当盛り込まれているはずですから、ブースターのコントロールも、そうしたことではできるということが、そうなのかもしれないとはいうふうには素人考えでは思いますけれども、そこは重要な点ですので、防衛省に文書でもしっかりと聞いてきたところであります。今回の国が示したものというものを、精査をして、判断を変えたというのは、大変それはそれで勇気のいることだと思いますけれども、まずはそうしたことも含め、これは自分の命に関わることなので、しっかりと実現可能性も含め、精査をした上で、回答すべきだったというふうには、そこは強く思います。

朝日新聞

 いったんは説明を聞かれて、演習場内に落としますというのは、本当にやってくれるんだろうかというような疑念を、ずっと抱かれていたという、そんな意味合いの受け止めでよろしいんでしょうか。

知事

 当然そこについて、できるのかどうなのかというところが重要ですから、そこはしっかりと確認をする必要があると思っていました。

朝日新聞

 地元の住民の皆さんには、不安を感じられて反対をされた方はもちろんなんですけど、地域振興になるならいいんじゃないかという形で、国防のためならということで、容認のお考えをお持ちの方もいらっしゃって地元は二分されている状態なんですけど、容認をされている住民の方の中にも、だまされたんだというお考えをお持ちの方もいらっしゃいます。知事はそういうお考えはありますか。

知事

 防衛省の中で、実際にどういう検討がされていたのかというのを聞かないと、何らかの意図を持ってやったのかどうかというところは、判断をしがたいところはあると思いますが、ただ配備するにしても、当然周辺地域の安心とか、安全が守られるというのが大前提で、このことはずっと言ってきたわけですね。ブースターが落ちるかどうかというのは、安全に直結する話ですから、大変重要なポイントです。ですので、ここについては何度も言いますけれども、しっかりと技術的な可能性だけじゃなくて、実際の実装できるのかどうかというところも含めて精査をした上で、示されるべき、それだけ大変重要な、命に関わるテーマだと思いますので、そこについては、防衛省の精査が十分足りない段階で示されたというものではないかと思いますので、そこは大いに反省をしていただきたいと、そのように思います。

朝日新聞

 演習場内に落とせるかどうかが、開発途上である、検討途上である、対策が万全でなかったという面を、2018年当初から説明してほしかったなというお気持ちはありますか。

知事

 開発のところとは、ソフト、ハードというところは、情報としては、もちろんその結論に至るものとしては必要なんですけれども、われわれとしては、できるのか、できないのかというところですね。やってくれるのか、くれないのかというところについては、きちんと精査をして、これで大丈夫だというもので、説明をしていただきたかったと思います。

朝日新聞

 近く大臣もいらっしゃるということですけれども、その辺り、これまでの説明との整合性、どこまで地元に対して、住民が不安に思っていることを明らかにしてきてくれていたのかという点を、大臣に問いただすお考えはありますか。

知事

 そこは大臣がどのように説明をされるかということだと思いますが、私が今言ったような観点を持っておりますので、そうした観点で大臣の説明を聞いて、私の方からも何らかの話をしたいと思います。

朝日新聞

 ありがとうございます。

中国新聞

 かねて阿武町の花田町長が、このイージスの受け入れについて反対を示しておられまして、萩市の藤道市長も、今回のこの停止というものが覆ることはないだろうという見解を報道陣に示されました。その中で、知事にも大臣からおわびの電話が入って、首相も地元に説明してきた前提が間違った以上、進めるわけにはいかないだろうと言っておられると。もう全ての材料がそろったと思うんですけれども、知事はこの段階で、このイージスの受け入れについて、いわゆる賛否の立場を、今この場で表明すべきではないかと思うんですけれど、いかがでしょうか。

知事

 先ほども言いましたけれども、安全、安心を守るというのは、これは最重要なところであります。今回の説明で新しく分かったこととして、演習場内にブースターを確実に落とすことは担保できないということですから、これは周辺の地域に住まれる方々の安全を守れないということですので、そういったことであれば、配備は行うべきではないと考えます。

中国新聞

 もうこのシステムについては、今この現状のシステムについては、もう受け入れは容認できないということでよろしいですか。

知事

 今の説明で、周辺地域の安全が守れないということなわけですから、そうしたものについては、配備することは認められない。

中国新聞

 それを大臣に今度伝えるということですね。

知事

 そうですね。そういったことを考えておりますので。

中国新聞

 分かりました。

共同通信

 1点確認なんですけど、知事がおっしゃっていることでだいたいニュアンスは伝わっているんですけども、ブースターの落下について、事前にちゃんと精査して言うべきだったというご発言があったと思うんですけれども、これは例えば、どれぐらいのその知事の憤りなのか、望ましかったというニュアンスなのか、そこも憤っているのか、どれぐらいのお考えなのか。

知事

 何て言いますか、確信犯ではないとは思いますけれども、それは当然説明をした後、その場を自分たちで本当に大丈夫かってやったというところからすると、そこはしっかりできるのかというところを、自ら考えられたんだろうと思いますので、それをだまそうと思って言っているわけじゃないと思います。であれば、精査していないはずですから、ではないとは思いますけれども、ただその、これは何と言いますか、西台の高台の高さが違ったとかいうものとは、レベルの違う話だと思います。演習場内に落とせるかどうかというのは、周辺の住む方々の命そのものに直接関わるわけですから、ここは慎重に精査をした上で、結論を出していただきたかったと思います。

読売新聞

 この計画が浮上して以来、本当に配備を、山口、秋田にしても安全なのかということを、国だけじゃなくて、山口県の方も、知事もハワイに行って実際に視察をされたりとか、防災危機管理課の職員の皆さん、担当理事の方々も含め、いろいろこう検証をされてきたかと思います。この計画が進んでいなければ、必要なかった例えば経費とか、そういったものもあったかと思うんですけれども、それを先ほど知事もおっしゃったように、事前にもうちょっと十分に検討すべきだった重要なテーマを、今頃になって、すみません、ちょっと無理でしたと、なかったことにしてくださいみたいな、これで全てが、説明に来られるんでしょうけど大臣が、詳細をその辺についての、何かその県側からこう求めるということは、補償ではないんですけれども、何らかの形で、これまでのこのかかった経費とかを、そういったことについての補償なり、何らかの形で国に求めるものというのは何かございますか。

知事

 財源的なものを求めるという考えは、何かかかった経費とか、そうしたものを求めるという考えはないです。これは国の方も必要だという考え方で話をこちらの方にされてきたわけですし、われわれも、それは来たものは来たものとして受け止めてやらなければいけませんので、真剣に検討してきたということであります。ちょっと、ここに至る説明の仕方なり、精査という問題については、今まで申し上げたように、大変問題意識を持って、問題だし、防衛省の方にしっかりとこれは反省をしていただきたいと思うことは多くありますけれども、そのことについて何かしようとか、そういったことを求める考えはありません。大臣の方も、大変申し訳ないということを、電話ではかなり強く言われましたので、そうしたことは、また直接来られて言われるんだと思いますので、それをよくお聞きをしたいと思います。

朝日新聞

 大臣から電話で説明を、申し訳ないという点があったとおっしゃっていましたが、その謝罪する中で、地域の住民の方たちのイージス配備停止へのリアクションと、知事の今の発言とで温度差があるように感じているんですけれども、それはその、もう防衛大臣からある程度説明を受けていて、知事としては、もうふに落ちているからというふうに理解していいんでしょうか。どの程度の説明が、電話で既にあったんでしょうか。

知事

 電話であったのは、報道でもされているような内容ですね、先ほどから言っていますが、ソフトウェアの改修で済むと思ったところが、ハードの改修までも必要であって、それをやろうと思ったら、大変な金額、また期間がかかってしまうので、それはできないと判断したので、プロセスを停止するということにしたいという話ですね。で、そのことについて、また改めておわびと説明に来られたいということでありましたので、分かりましたという話をしたということころですね。それ以前にあったわけではないし、それだけのことですけれども。

朝日新聞

 知事としては、その電話で大体5分間ぐらいということでしたけど、5分間の説明で、ひとまず理解できているというお考えなんでしょうか。

知事

 納得という意味ではなくて、大臣から伝えたい趣旨は分かったということですね。頭で理解したということです。

朝日新聞

 5分間という時間は、どういうあれなんでしょうか。大臣の方から、時間なのでというような形で、5分間で切られてしまったという。もう少し説明を受けてもいいのかなという。

知事

 そこは改めて説明に行くということでしたので、その電話で趣旨は分かりましたので、また改めて説明があるものだろうというふうに思いましたし、大臣に、これはどういった形で世の中に出るんでしょうかと聞いたら、5時半から会見をするということで、恐らく時間も直前でしたから、それはまた改めてお話を聞くものだということで、その段階では電話を切りました。

朝日新聞

 知事の方からは、特に先ほどおっしゃっていたように、しっかり精査してから進めてほしかったということは、言われたわけではないんでしょうか。

知事

 その段階では話を聞いたということですね。また説明に来るということですので、分かりましたということです。

朝日新聞

 そのタイミングでそういったことを言わなかったのは、どういうお考えでいらっしゃったんでしょうか。

知事

 何と言いますか、改めての大臣から、実際にこちらに来られて、間違いなくオープンな場で説明があるわけですから、それをしっかりと聞いて、その場で私として、その説明を受けて、考えていることを正しく伝えたいと思います。

朝日新聞

 分かりました。

中国新聞

 すみません。別件なんですけど、田布施町で内部告発をした職員を、1人だけの畳部屋に異動になった事案というのがあったんですけども、知事として受け止めをちょっとお聞きしたいんですけど。

知事

 そうですね、報道されていて、町の方にも、いろんな苦情なり何なりの電話が多くいっているというふうには承知をしておりますが、あくまでも、その町の職員の配置とか転任に関するものでありますので、町において、適切に対処されるべき問題だと思います。

中国新聞

 そういった処遇をしたというのは、知事の受け止めとしては適切な対応だったと思われますか。

知事

 その方についての評価なり、処遇について、さまざまなことがあって、総合的に考えられてのことだと思いますから、今報道されていることだけを見て、そのことの評価をするということは控えるべきだと思います。

中国新聞

 例えば、県庁でそういう内部告発する職員が出てきた場合は、どういった知事としては対応をとられてということはあるんでしょうか。

知事

 これは内部告発等についても、それはしっかりと保護されるべきものですから、そのルールもありますので、それにのっとって行われるべきだと思います。

中国新聞

 しっかりと保護されていくということですか。

知事

 そうですね。県においても備えているものもありますけれども、そういったさまざまな対応について、取り扱うべきルールにのっとってやらなければいけないと思います。

中国新聞

 ありがとうございます。

中国新聞

 客観的に見ても、保護されていない状況で、町長もこのたび事態の収拾を図るために、この職員を別の複数人がいる部署に戻させる考えを表明しているんですけれども、これ客観的に見ても間違っている問題だと思うんですけれど、知事は客観的に見られて、この件どのようにお考えでしょうか。

知事

 客観的にというのは、ちゃんといろんな事実を確認した上での話ですから、実際に報道とか見て、私もそれだけを見たら驚きはしますけれども、それはよく事情を知らない者が、それについて断じることはできないと思いますので、町の方でも第三者委員会を設けるとか、そういった動きもあるというふうに聞いておりますので、しっかりと適切に、町において判断されるべきものだと思います。

中国新聞

 おかしいなって思われましたか。

知事

 いやいや、普通は起きることではないでしょうから、そういった何があったのかなとは思いますけれども、ただそれを、たまたま出ている情報だけでもって、こうですと断じることは、私はするべきではないだろうと思います。

毎日新聞

 予算の方面のお尋ねです。4月、5月くらいに、コロナの影響でいろんな行事ごと、できなかったものっていうのがたくさんあるかと思うんですけれども、そのできなかったことに伴って、ある程度浮く予算があるんじゃないかなと、それがこういくらぐらいになるかというのが出ませんかということと、それはうまく活用できそうですか、どんなことに使われますかというのが一つと、先ほどちょっとすみません、伺った朝鮮学校の関係とエンタメ業界の関係、今回対象には含まれないということですけれども、これはなぜ含まれないか、コロナのリスクの中、教育にあたってくださってるということであるとか、収入が途絶えて苦しい状況にあるエンタメ業界の方、ただそういった状況は変わらないかと思うんですけれども、今後検討されるのか、今回この対象に入れなかったのは予算がないというようなことなのか、予算さえあれば何か考えていただけるのか、次9月だとかで何かまた新たなものを考えているとか。

知事

 今回、保育所等については、基本的にそれを維持していただきたいということで要請を県の方からしている、リスクにさらされる中で、われわれの要請も受けて開いていただいたというところでありますので、そうした観点で見ているということです。それ以外のいろんなこのコロナの影響を受けているところありますけれども、個別個別に、これは話があったところは見るという事ではなくて、全体的に資金繰り支援だったり、全体的な需要喚起であったり、あるいはそのコロナを乗り越えるためのいろんな工夫についてのサポートというのは、これは分野限らずに支援をしますので、そうした中で、全体的に対応していくべきものだと思っております。
 それから財源の話ですね。当然コロナが起きた関係で、いろんなイベントが中止になったり、それに伴って予算的に執行しなくて済むものがあります。これは財政課にも言っていますが、よくそれをしっかりと精査をして、かき集めて、コロナの財源等に振り向けられるようにということは指示をしておりますけれども、今それは進行中ですので、精査をこれからもしっかりとそれをつかまえて、活用していかなければいけないと思いますが、ただ財源的にそう大きなものになるわけではないと思います、いろんなイベントの経費ということですので、抜本的に強力な財源になるというような、今の対策をしていることの規模からすると、ではないと思いますが、しっかりそういったものは有効活用していく必要はあると思います。

おいでませ知事室へに戻る

Adobe Reader<外部リンク>
PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe社が提供するAdobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。(無料)