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平成29年 (2017年) 12月 26日
水銀による地球規模での環境汚染を防止するため、平成25年10月、「水銀に関する水俣条約」が採択されました。水銀等が人の健康及び環境に及ぼすリスクを低減させるため、水銀等に対して産出、使用、環境への排出、廃棄等そのライフサイクル全般にわたって包括的な規制を行う条約であり、大気への排出規制もその内容に含まれています。
これを受け、水銀等の大気中への排出を規制するため、「大気汚染防止法の一部を改正する法律(大気汚染防止法の一部を改正する法律に基づく改正後の大気汚染防止法、以下「改正法」という。)」が平成27年6月に公布され、平成30年4月1日から施行されます。
《概要》
改正法においては、環境中を循環する水銀の総量を地球規模で削減するという条約の趣旨に沿って、水銀等の大気排出量をできる限り抑制することを目的としています。
このため、排出基準の性格や測定値の評価等について、従来の大気汚染物質の規制の在り方とは異なっています。
改正法に基づき、水銀排出者に対し、排出基準の遵守、水銀濃度の測定及び測定結果の保存等を義務付けています。
《改正内容》
一定の水銀排出施設の設置又は構造等変更をしようとする者は、都道府県知事に届け出なければなりません。
届出対象の水銀排出施設の排出口の水銀濃度の排出基準を定め、当該施設から水銀等を大気排出する者は排出基準を遵守しなければなりません。都道府県知事は、当該施設が基準を遵守していないときは、必要に応じ勧告・命令ができます。
届出対象外であっても水銀等の排出量が相当程度である施設について、排出抑制のための自主的取組を責務として求められます。
平成30年4月1日
改正法の詳細については、環境省HP(外部サイトへリンク) (別ウィンドウ) をご覧ください。
《参考》用語
「水銀等」とは、水銀及びその化合物をいう。(改正法第2条の12)
「水銀排出施設」とは、工場又は事業場に設置される施設で水銀等を大気中に排出するもののうち、条約の規定に基づきその規制を行うことが必要なものをいう。(改正法第2条第13項)
「水銀排出者」とは、水銀排出施設から水銀等を大気中に排出する者をいう。(改正法第18 条の28)
「要排出抑制施設」とは、規制対象施設以外であっても、我が国において水銀等の排出量が相当程度多い施設であって、その排出を抑制することが適当であるものをいい、規制対象施設に準じた排出抑制取組(自主的取組)を求めることとされている(改正法第18条の32)。