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平成26年 (2014年) 8月 8日
林芙美子 (はやしふみこ) (1903~1951) 小説 下関市
【主な著作】
『放浪記』(改造社、昭和5年)
『晩菊』(河出書房、昭和26年)
『林芙美子全集』全16巻(文泉堂出版、昭和52年)
林芙美子肖像(提供:新宿歴史博物館)
林芙美子(本名、フミコ)は、関門の地に生まれ、行商の養父・母に伴われて流れ歩く不幸な幼少時代を過ごした。成人して上京した後も、女中、売り子、女給、そして男達と人生遍歴を体験。そうした中から身につけた強靱な生命力と庶民性によって、出世作「放浪記」にみられる明るさと詩情をたたえた独自な文学世界を創出。戦時中は報道班員として意欲的に活動、戦後も旺盛に執筆を続け、林文学の集大成と称される「浮雲」を完成の後、新境地「めし」の連載半ばにして急逝。ひたむきに生きた47年余りの生涯であった。(清永唯夫)