山口県章
きらら山口タイトル

KIRARA yaamguchi

広報広聴課のホームページへ
山口きらめーる
山口県の「きらめく元気」を発信
 

「ヤマグチ・パワー人名録」ファイティングスピリットの故郷 ガラスびんを環境共生製品へ再資源化 山口県発。ゼロエミッション社会へ 岡本豊之

平成九年度から施行された容器包装リサイクル法を機に、環境ビジネスを全国で展開している会社が山口県にあります。全てのガラスびんをリサイクルできる低価格かつ高機能な車載型の再資源化機を全国に先駆けて開発。砕いたガラス片はビオトープ(※注2)づくりにも役立つ、環境にやさしい製品に再資源化するなど、アイデア製品を続々と開発。何が新しいものを生み出すエネルギーとなっているのか、(株)トヨ・システムプラントの岡本豊之社長に話を伺いました。

(株)トヨ・システムプラント 代表取締役社長
岡本 豊之(おかもととよゆき)
1947年 下関市生まれ。東海大学卒。ミシガン州立大学修学。1994年(株)トヨ・システムプラントを創業。平成9年度中国ニュービジネス大賞環境賞、平成9年中小企業創造活動促進法山口県知事承認、平成10年度第4回山口県産業科学技術振興賞を受賞。(株)日本再資源化研究所代表取締役社長、豊関(ほうかん)異業種交流共同組合理事長、山口大学経済学部非常勤講師、山口県環境アドバイザーなども務める。本社/山口県下関市秋根西町2-2-4

※注1 ゼロエミッション
何も無駄にしない、すべての廃棄物に付加価値を見出して利用し尽くす技術。
※注2 ビオトープ
ドイツ語の生物(bio)と場所(tope)の合成語で、生物の生息空間のこと。多様な動植物が共存して生息できる良好な空間を指す。

ガラスびんのリサイクルに着目されたきっかけは?

岡本豊之社長の似顔絵イラスト岡本 沖縄で居酒屋を営む友人から「空きびんの処理に困っている」と平成八年に持ちかけられたのが始まりです。よく居酒屋でキープしたボトルにサインをしますが、サインしたボトルや着色びんはリサイクルできないので業者は回収してくれません。そこで安全にびんを割るものが作れないかと相談を受けたわけです。
 ただ頼まれたものだけを作るなら、そこで終わるところですが、私が他の人と違うのは情報化が身についていたことにあります。当時はまだインターネットがなかったのでニフティを使って「ガラス破砕」「再資源」といったキーワードで過去の新聞などを検索したところ、平成九年度から始まる容器包装リサイクル法のことを知り、そこで県や通産省へ行って空きびん処理機を作りたいのですが、と相談したわけです。すると当時の
空きびん処理機は非常に大型で、しかも一基七〜八千万円以上と高価格。そのため新しい法律が施行されてもうまくいかないのではと懸念されていたことが分かり、業界団体とも話すうちに低価格で実用的なものが求められていることが見えてきたのです。

そして作られたのが全国初、
移動できる車載型ガラスびん再資源化機だったのですね。

岡本 車載型になったのは実は偶然なんです。那覇の産業祭りで発表することになったのですが、ガラスびん再資源化機を梱包して船で運ぶと数百万円もかかることが判明。そこでクレーン付きの車に乗せて運ぶことにしたのですが、会場が混んできたため車から機械を降ろせずにいたら、それを見た人が「車のまま移動できる機械とはすごい!」と(笑)。もちろん車に積めるということは小型で低価格ということ。沖縄県知事から特許部門の大賞をいただき、東京からもたくさんの方が見に来てくださったのですが、同時に厳しい指摘もたくさんいただいてしまったんです。
 ところがその年の末、平成八〜九年度通産省ガラスびん再資源化研究委託費六千三百万円を助成してもらえることになり、その研究委託費で指摘されたことを全て改良し、車載型ガラスびん再資源化機「スーパー大砕神」が完成したのです。

平成九年度、容器包装リサイクル法施行。
画期的な機械として全国に売れたそうですね。

岡本 ええ。価格が安く、移動式であること。そして新しい法律が始まったことがぴったりはまって売れたというわけです。
 でも、ガラスびん再資源化機は全国で売れたものの、ガラスを砕くだけで終わってしまうところが多かった。そのことに気付いた私は、砕いたガラスをどう再利用するか、最終商品化するところまで全力を尽くそうと決めたのです。実は今そこにあるものが、ガラスを再利用して作ったものなんですよ。

これは一見、軽石に見えますが?

岡本 それはガラスびんのリサイクルで生まれた軽石状の軽・重量発泡浄化材・土木骨材で、水質を浄化する働きがあるのです。

ガラスびん再資源化機で砕かれたガラス破砕片

観葉植物を植えたものもありますね?

岡本 この発泡浄化材は保水性もあるので霧吹きで水をやるだけでいいんですよ。下関市立水族館「海響館」の盛り土にも実はこれが使われています。海響館は埋め立て地にあり、この軽い発泡浄化材は軽いので地盤沈下を起こさないのです。
 私の目的は環境と共生できる再生商品をつくること。我々の機械を買って下さる方に、機械から生じる破砕物は我々が買い取って資源化しましょう、と安心していただくため、全国に再資源化工場を十社つくりました。
 また、資源ゴミを出すときは、びん・缶・ペットボトルも一緒に出しますよね。そこで一台の車で分別しながら減容していく車載型三種減容機(※注3)も開発。回収したペットボトルを再利用した選挙用ポスターボードも製品化したんですよ。

※注3 減 容
輸送コストを削減するため、びん・缶・ペットボトルを破砕し容積を減らすこと

空きびんを再資源化した軽石状の軽・重量発砲浄化材・土木骨材「ネクストワン」観葉植物も栽培できる。

本当にいろいろなアイデアをお持ちなんですね。

岡本 製品化は一人で行っているのではなく、インターネットなどで呼び掛けると国内外からさまざまな会社が協力に応じてくれます。私の会社で今行っている商品化の九十八%は、そうしたコラボレーション(協働)からできたものです。
 ほかにも年六回ほど全国各地で展示会を行っていて、会場に来られる方もいろんなアイデアをくださいます。展示会などでは普通、コンピュータグラフィックスや絵でプレゼンテーションすることが多いと思いますが、私は軽・重量発泡浄化材を用いた水槽などの、ミニチュア模型を実際に作って展示会へ持っていきます。だから説得力があるんです。

発泡浄化材を入れた水槽は、普通の水槽とどう違うのですか。

岡本 この発泡浄化材を入れた水槽で魚やホタルを飼っていますが、もう二年近く水を替えていません。
でも水はきれいだし、アオコも生えていないでしょう?この発泡浄化材を河川整備などに使えば、微生物の活性化を図ることができ、水質浄化に役立ちます。

左・中/水質を浄化するのでホタルの飼育もできる。 右/水をきれいにする栽培用土。ミネラルもいっぱい。空きびんリサイクルから生まれた。(栽培用土)

今後の課題を教えてください。

岡本 今年は全国二十カ所に再資源化工場ができます。再資源化機を購入された方が今後も事業として成り立っていくよう力を入れていきたいし、社会に本当に貢献できるものを作っていきたいですね。

業績も好調ですね。
ベンチャーが成功するために必要なものは何だと思われますか?

岡本 得意な専門分野をもたないこと。その方が選択肢が広くなると私は思います。資金の問題については、日本には創造力のある事業だと認められれば利用できる低利の融資制度があり、そうした国や県などのサポート制度はもっと活用した方がいい。日本はチャンスにあふれた国だと思いますよ。また地元の金融機関と情報をいかにディスクローズ(公開)しながらいい関係を築けるか。でも、一番大事なのは、同じ価値観をもつ人とどれだけ出会え、それを大事にできるか。それが次へつながっていくと思うのです。私はまだ成功したとはいえませんが、そうしたことが成功への第一歩ではないかと思っています。

 



イラスト/松村 俊
下関市出身。グラフィックデザイン全般、造形デザイン、意匠設計デザイン、商業施設開発プロデュース、デザインを活用した経営戦略、総合デザインコンサルティング。近年では中国某都市の都市計画をプロデュースなど、その領域は広いマルチデザイニスト。
(社)山口県デザイン協会会長、山口県商工対策審議委員、
(有)スタジオ・ブレイン代表取締役、
(株)システムブレイド専務取締役〈主席研究員〉。

参照サイト

山口県広報広聴課課


〒753-8501
山口県山口市滝町1-1
TEL 083-933-2566
FAX 083-933-2598
E-mail
a11000@pref.yamaguchi.lg.jp
きらら山口の紹介  
読者のページ アンケート
All right Reserved.2002 Copyright. © 山口県
ギャラリー&コラム やまぐちえいよう館 おいでませ山口へ やまぐちInfo 魅せます・山口 特集1 元気元景やまぐち・ファイティングスピリットの故郷 おいでませ山口へ やまぐちInfo 魅せます・山口 特集2 「ヤマグチ・パワー人名録」喝采・熱血チャレンジャー ギャラリー&コラム やまぐちえいよう館