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製薬・化粧品の製造販売について
1 はじめに~法規制の概要~
(1)化粧品の定義
化粧品は以下のように定義されており、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(以下「薬機法」という。)の規制を受けます。
化粧品の定義(薬機法第2条)
この法律で「化粧品」とは、人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、又は皮膚若しくは毛髪を健やかに保つために、身体に塗擦、散布その他これらに類似する方法で使用されることが目的とされている物で、人体に対する作用が緩和なものをいう。ただし、これらの使用目的のほかに、第一項第二号又は第三号に規定する用途に使用されることも併せて目的とされている物及び医薬部外品を除く。
(2)化粧品の効能の範囲
化粧品の形態はファンデーション、口紅、石けん、化粧水、シャンプー等、様々ですが、化粧品の効能の範囲は表1のとおりです。
石けんや化粧水のように使い方が同じでも「ニキビを防ぐ」や「皮膚の清浄、殺菌、消毒」のように特定の効果を期待するために有効成分を配合した化粧品は、いわゆる「薬用化粧品」に分類され、医薬部外品に該当します。
化粧品の効能の範囲(平成23年7月21日薬食発0721第1号)(PDF:51KB)
(3)化粧品の基準
化粧品に使用できる成分については、「化粧品基準」により、化粧品への「防腐剤、紫外線吸収剤及びタール色素以外の成分の配合の禁止・配合の制限(以下、「ネガティブリスト」という。)」及び「防腐剤、紫外線吸収剤及びタール色素の配合の制限(以下、「ポジティブリスト」という。)」定めており、基準の規定に違反しない成分については、企業責任のもとに安全性を確認し、選択した上で配合できることとしています。
化粧品基準(平成12年9月29日付け厚生省告示第331号)(PDF:145KB)
2 化粧品の製造販売・製造について
化粧品を自ら製造(輸入)し、国内で流通させる場合は「化粧品製造販売業」と「化粧品製造業」の2つの許可(知事許可)を受ける必要が必要となります。
「化粧品製造業」は化粧品を実際に製造することができますが、製造した化粧品を流通(販売等)をすることはできません。
「化粧品製造販売業」は、製造された化粧品を市場に流通することができますが、薬機法に基づき、出荷された化粧品の出荷管理業務、副作用情報の収集・報告及び品質不良等による自主回収、等、製品の品質及び安全性の最終的な責任を持つことになります。
化粧品の製造を他社に委託する場合は、化粧品製造業の許可は必要ありませんが、委託した製造業者が製造業の許可を受けている必要があります。
その他、化粧品製造販売業者は、製造販売する化粧品の品目毎に届け出なければなりません。(化粧品製造販売届書)
3 化粧品製造販売業許可申請について
(1)許可の要件
(1) |
申請に係る化粧品の品質管理の方法が、化粧品の品質管理の基準(GQP)に適合していること。 |
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(2) |
申請に係る化粧品の製造販売後安全管理(品質、有効性及び安全性に関する事項その他適正な使用のために必要な情報の収集、検討及びその結果に基づく必要な措置をいう。以下同じ。)の方法が、化粧品の製造販売後安全管理の基準(GVP)に適合していること。 |
(3) |
申請者が薬機法第5条第3号に規定する欠格事項に該当しないこと。 |
(4) |
総括製造販売責任者を設置すること。
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(2)申請書類
申請書の作成については、申請ソフト(FD申請)による作成をお願いします。申請ソフトは以下のURLからダウンロードしてください。
※FD申請ソフトダウンロード(厚生労働省ホームページ)(別ウィンドウ) <外部リンク>
また、申請前に業者コード登録票を県薬務課に提出し、業者コードを取得してください。
※業者コード登録票様式(PMDAホームページ:「その他様式」)(別ウィンドウ) <外部リンク>
(1) |
申請書 |
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(2) |
申請者が法人にあっては、その組織図 |
(3) |
品質管理(GQP)に係る体制に関する書類 |
(4) |
製造販売後安全管理(GVP)に係る体制に関する書類 |
(5) |
申請者が法人であるときは、登記事項証明書 |
(6) |
申請者(申請者が法人であるときは、薬事に関する業務に責任を有する役員)に係る医師の診断書 ※申請者(申請者が法人であるときは、薬事に関する業務に責任を有する役員)が精神の機能の障害により業務を適切に行うに当たって必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができないおそれがある者である場合に必要。 |
(7) |
現に製造販売業の許可を受けている場合にあっては、当該製造販売業の許可証の写し |
(8) |
総括製造販売責任者を雇用するときは、雇用契約書の写し、その他使用関係を証する書類 |
(9) |
総括製造販売責任者の資格を証する書類 |
(10) |
GQP、GVP及びQMS体制調査事前調査票 |
(11) |
製造販売品目一覧表 |
(12) |
製造販売業者の組織とGQP及びGVP組織の関係が分かる組織図 |
(13) |
GQP及びGVP管理文書の一覧表 |
(14) |
主たる機能を有する事務所の場所を明らかにした図面 ・事務所付近の略図 ・事業所敷地内の建物の配置図 ・事務所の平面図 |
(3)申請手数料
64,950円(山口県収入証紙による納付)
(4)申請書提出先
薬務課製薬指導班
(5)その他の申請等手続について
以下のリンクを参照してください。
更新申請・変更届・廃止届の手続について
4 化粧品製造業許可申請について
(1)許可の要件
(1) |
その製造所の構造設備が、薬局等構造設備規則に適合していること。 |
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(2) |
申請者が薬機法第5条第3号に規定する欠格事項に該当しないこと。 |
(3) |
責任技術者を設置すること。
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(2)製造業の許可区分
許可区分は、一般及び包装・表示・保管の区分があり、各許可区分に対する構造設備規則は以下のとおりです。
一般:化粧品の製造工程の全部又は一部を行うもの
一 |
当該製造所の製品を製造するのに必要な設備及び器具を備えていること。 |
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二 |
作業所は、次に定めるところに適合するものであること。 イ 換気が適切であり、かつ、清潔であること。 ロ 常時居住する場所及び不潔な場所から明確に区別されていること。 ハ 作業を行うのに支障のない面積を有すること。 ニ 防じん、防虫及び防そのための構造又は設備を有すること。 ホ 床は、板張り、コンクリート又はこれらに準ずるものであること。 ヘ 廃水及び廃棄物の処理に要する設備又は器具を備えていること。 |
三 |
製品、原料及び資材を衛生的に、かつ、安全に貯蔵するために必要な設備を有すること。 |
四 |
製品等及び資材の試験検査に必要な設備及び器具を備えていること。ただし、当該製造業者等の他の試験検査設備又は他の試験検査機関を利用して自己の責任において当該試験検査を行う場合であつて、支障がないと認められるときは、この限りでない。 |
包装・表示・保管:化粧品の製造工程のうち、包装、表示又は保管のみを行うもの
一 |
製品等及び資材を衛生的かつ安全に保管するために必要な構造及び設備を有すること。 |
---|---|
二 |
作業を適切に行うのに支障のない面積を有すること。 |
三 |
製品等及び資材の試験検査に必要な設備及び器具を備えていること。ただし、当該製造業者の他の試験検査設備又は他の試験検査機関を利用して自己の責任において当該試験検査を行う場合であつて、支障ないと認められるときは、この限りでない。 |
(3)申請書類
申請書の作成については、申請ソフト(FD申請)による作成をお願いします。申請ソフトは以下のURLからダウンロードしてください。
※FD申請ソフトダウンロード(厚生労働省ホームページ)(別ウィンドウ)<外部リンク>
また、申請前に業者コード登録票を県薬務課に提出し、業者コードを取得してください。
※業者コード登録票様式(PMDAホームページ)<外部リンク>
(1) |
申請書 |
---|---|
(2) |
申請者が法人であるときは、登記事項証明書 |
(3) |
責任技術者を雇用するときは、雇用契約書の写し、その他使用関係を証する書類 |
(4) |
責任技術者の資格要件を証する書類 |
(5) |
製造所の構造設備に関する書類
|
(6) |
製造使用とする品目の一覧表及び製造工程に関する書類 |
(7) |
申請者が他の区分の製造業の許可を受けている場合にあっては、当該製造業の許可証の写し |
(4)申請手数料(山口県収入証紙による納付)
許可区分:一般 44,250円
許可区分:包装・表示・保管 37,450円
(5)申請書提出先
薬務課製薬指導班
(6)その他の申請等手続について
以下のリンクを参照してください。
更新申請・変更届・廃止届の手続について
5 化粧品製造販売届について
化粧品の製造販売業者は、化粧品の製造販売をしようとするときは、あらかじめ品目ごとに「化粧品製造販売届」を届け出る必要があります。
製造販売届の作成については、製造販売業許可申請等と同様にFD申請ソフトにより作成し、薬務課製薬指導班に提出してください。
化粧品製造販売届作成上の注意事項については、以下の通知を参考にして作成してください。
改正薬事法の施行に伴う製造販売の承認を要しない医薬品等の取扱い等について(平成17年3月31日薬食審査発第0331015号)(PDF:20KB)
6 化粧品の表示事項について
化粧品の直接の容器又は直接の被包には薬機法61条に基づき以下の事項の表示が必要です。
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記載事項 |
備考 |
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(1) |
製造販売業者の氏名又は名称及び住所 |
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(2) |
名称 |
「製造販売届出」で届け出た製品の名称 |
(3) |
製造番号又は製造記号 |
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(4) |
全成分の名称 |
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(5) |
厚生労働大臣の指定する化粧品にあつては、その使用の期限 |
(1)アスコルビン酸、そのエステル若しくはそれらの塩類又は酵素を含有する化粧品 (2)(1)のほか、製造又は輸入後適切な保存条件のもとで3年以内に性状及び品質が変化するおそれのある化粧品 |
(6) |
第四十二条第二項の規定によりその基準が定められた化粧品にあつては、その基準において直接の容器又は直接の被包に記載するように定められた事項 |
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(7) |
前各号に掲げるもののほか、厚生労働省令で定める事項 |
外国特例承認取得者等の氏名等 |
その他、化粧品に関する表示の特例(薬事法施行規則第221条の2)及び化粧品公正取引協議会が定める「化粧品の表示に関する公正競争規約」についても注意すること。
7 化粧品の輸入について
化粧品製造販売業及び製造業を取得して、化粧品を輸入する際には、通関の都度、税関に化粧品製造販売届(写)と業許可証等(写)を提示する必要があります。
以下の通知を参考にしてください。
医薬品等輸入手続質疑応答集(Q&A)について(平成28年11月17日事務連絡)(PDF:317KB)
また、薬機法第14条の承認を要しない化粧品の外国製造業者については、化粧品外国製造販売業者・外国製造業者届書を医薬品医療機器総合機構(PMDA)を経由し厚生労働大臣に届け出る必要があります。