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特定外来生物・アルゼンチンアリについて

ページ番号:0020678 更新日:2021年11月1日更新

アルゼンチンアリについて

 南米原産のアルゼンチンアリは、物資や人の移動に伴い、世界各国に分布を広げてきました。
 日本では、平成5年に広島県廿日市市で初めて生息が確認され、全国各地で新たな生息地域が確認されています。
 山口県内においては、平成13年に岩国市及び柳井市、平成20年に宇部市、平成21年に光市、令和4年には周防大島町で生息が確認されています。

アルゼンチンアリの特徴

アルゼンチンアリ写真1

 アルゼンチンアリの働きアリは、体長が約2.5ミリメートルと比較的小さく、細長い体形で長い触覚や足をもっています。動きが大変すばやく、えさを採るときは多数の働きアリが行列を作り行動します。遠目に行列を見ると黒色に見えますが、近づいて見ると、実際の体色は茶褐色です。
 アルゼンチンアリと他のアリを区別することは、一般的には難しいようです。県内各市町の生活衛生担当課や県健康福祉センターにおいてもアリについての相談を受けていますので、アリによる被害でお困りの方がありましたら、ご連絡ください。

アルゼンチンアリの生態

 アルゼンチンアリは繁殖力が強く、女王アリは、条件が良ければ1日に約60個の卵を産むことができます。一般のアリと異なり一つの巣の中に多数の女王アリがおり、複数の集団(コロニー)として一緒に生活しているため、繁殖力も高くなります。
 巣は、他のアリと異なり、地中に作られることは希で、植木鉢やプランターの下、石や木・枯葉の下、コンクリート構造物などの亀裂等、物の隙間などに作られ、街中での生息が可能です。

アルゼンチンアリの被害

 アルゼンチンアリ自体には毒があるわけでもありません。しかし、家屋内に侵入すれば、不快な感じを受けることもありますし、大量のアリが発生すれば、日常生活に不便をきたすこともあります。また、普通のアリと同様に人を咬むこともあります。
 アルゼンチンアリは、アブラムシやカイガラムシなどが分泌する甘露を好むため、これらを外敵から保護します。結果としてこれらの昆虫による農作物への被害を、アルゼンチンアリが助長する可能性があります。
 アルゼンチンアリは、競争力・繁殖力が非常に高く、侵入した地域にいるアリを攻撃し、駆逐することがあり、地域の生態系に影響を及ぼすことが懸念されています。

アルゼンチンアリの防除:殺虫剤による駆除

 アルゼンチンアリは繁殖力が強いため、完全な駆除は困難ですが、殺虫剤には弱いので、市販の殺虫剤等を上手に利用することで数を減らし、家屋への進入を防止し、日常生活に被害を与えないようにすることから始めていくことが大切です。
 殺虫剤には、スプレー型、液体型、えさ型、粉末型などがあります。使用する際は、それぞれの特性を考え、効果的な方法で使用しましょう。また、殺虫剤に定めてある使用方法をよく読んで、正しい使い方で駆除しましょう。

その1

スプレー型殺虫剤
コンクリート構造物の亀裂、建物の壁の隙間などに吹き込むことで効果があります。
ノズルを奥まで差し込み、十分内部にいきわたるように吹き込みます。
また、ドアや窓枠に吹き付けることで、これらの隙間からの侵入防止に効果があります。

スプレー型殺虫剤の画像

その2

液体型殺虫剤(遅効性タイプ)
アリの行列に散布したり、巣穴に直接流し込むことで効果があります。
これは、アリがお互いに体を舐め合う性質(グルーミング)を利用したもので、直接殺虫剤に触れたアリから別のアリに殺虫成分が伝わることで、巣全体への効果を期待できます。

液体型殺虫剤(遅効性タイプ)の画像

その3

えさ型殺虫剤
アリの巣穴周囲や行列付近に置くことで、効果があります。
これは、働きアリがえさを巣に持ち帰り、仲間に分け与える習性を利用したもので、巣全体に作用するので、アリの巣を丸ごと駆除したいとき等に効果的があります。

えさ型殺虫剤の画像

その4

粉末型殺虫剤
建物の中へ侵入しようとするアリをブロックしたいときに効果があります。
建物の壁際へ隙間の無いよう、建物を一周取り囲むよう帯状に散布してください。
(※殺虫剤の写真提供はいずれも廿日市市)

粉末型殺虫剤の画像

アルゼンチンアリの防除:生息しにくい環境作り

 アルゼンチンアリは物の隙間や人手が加わった場所に好んで巣を作るため、そのような場所を作らないようにすることが、個体数を減らすことにつながります。
 たとえば、(1)植木鉢・プランターなどを地面に直接置かず台や棚の上に置く、(2)ゴムマット、コンクリートブロックなど巣の原因になりそうな物を地面に置かない、(3)剪定・除草作業により生じた木や草は速やかに片づける、(4)シーリング材などで、巣穴となるような隙間を埋めるなど、普段から心がけて行うようにしましょう。雑草対策のために敷いたシートが、格好の巣となる例もありますので、気をつけましょう。
 また、アルゼンチンアリの侵入経路を遮断することで、建物への侵入を防止することも大切です。屋内でアリを発見したら、行列をしっかりと観察し侵入口を見つけましょう。侵入口を見つけたら殺虫剤を使用し、再びアリが侵入することのないようシーリング材などを使用して埋めてみてください。
 もちろん、アリに餌を与えない環境を作ることも大事です。(1)室内に長い時間食べ物を放置しない、(2)食べ物は密封できる容器や冷蔵庫などに入れて保管する、(3)残飯などは密閉してから捨てる、など、餌となるものをアリに発見されないようにしましょう。また、テーブルの下や流し台やレンジ周りなどは、見えにくい小さな食べ物かすが散らばっています。アリに気づかれる前に、普段から掃除をするように気をつけてください。

アルゼンチンアリの防除:未生息地への侵入防止

 アルゼンチンアリは一般のアリと違い結婚飛行を行わず、巣分かれすることで生息範囲が拡がっていきます。また、歩いて分散し、水面を渡ることはできません。道幅の広い舗装道路では、通行する車がアリの行動を阻害することも考えられます。
 既に生息が確認された土地から、アルゼンチンアリの分布を拡大させないようにするためには、巣を含む可能性のある植木や資材等を移動させる場合に、必ずアリの有無を確認するようにしましょう。

外来生物法

 アルゼンチンアリのように、もともと日本に存在していないのに、海外から入ってきた生物を外来生物といいます。
 平成17年6月に施行された「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(外来生物法)」では、外来生物のうち、生態系、人の生命・身体、農林水産業へ被害を及ぼす、あるいは及ぼす恐れのあるものを「特定外来生物」に指定し、アルゼンチンアリについては、外来生物法の施行と同時に、生態系に被害を及ぼす外来生物として、特定外来生物に指定されています。また、環境大臣は、防除を行うため、防除の目標、防除を行う区域及び期間などを定めた「アルゼンチンアリの防除に関する件」を公示しています。
 また、アルゼンチンアリは、Iucn(国際自然保護連合)の「世界の侵略的外来種ワースト100」、日本生態学会の「日本の侵略的外来種ワースト100」に指定され、外来侵入種による生物学的侵入が原因となる生物学的多様性の損失が懸念されています。
環境省「外来生物法」のホームページへ<外部リンク>

アルゼンチンアリ対策広域行政協議会

 アルゼンチンアリ対策を推進するため、山口、広島の関係自治体により平成18年3月に「アルゼンチンアリ対策広域行政協議会」を設置し取り組みました。
 (山口県、広島県、岩国市、柳井市、宇部市、光市、廿日市市、大竹市、広島市、府中町で構成、平成24年6月18日現在)
 これまで、協議会ではアリに係る調査を実施し、情報の共有化を図ってきましたが、平成20年度から22年度まで、国の「生物多様性保全推進支援事業」を活用し、各市の一定地区内において、住民参加の自主防除をモデル的に実施しました。また取組の成果として、自治会向けの「アルゼンチンアリ一斉防除マニュアル」を作成しました。

アルゼンチンアリ一斉防除マニュアルはこちら

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