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松くい虫被害と対策
マツ林の現状
本県の松林は、海岸部から内陸部まで広く分布し、県土の約12%、7万1千haを占め、地域色豊かな美しい景観を形成しています。
また、松林は、暴風・防潮・飛砂防止・土砂流出防止・林地崩壊防止など、私たちの身近な安全や安心を支えるとともに、その材は古くから建築材としても利用されてきたことから、県民の愛着も深く、アカマツは「県木」に指定されています。
県内の松くい虫被害は、昭和19年に初めて確認され、昭和53年度の被害材積7万1千立方メートルをピークに減少傾向にあります。
松くい虫被害量の推移
美しい海岸線とマツ林(光市・虹ヶ浜)
マツが枯れる原因
松の枯損の原因が、アメリカから松材とともに侵入した、体調1mmにも満たないマツノザイセンチュウであることや、マツノザイセンチュウを松から松へと運び、被害をまん延させる媒介者がマツノマダラカミキリという昆虫であることが判明したのは、昭和46年頃です。
松を守るためには、このマツノマダラカミキリを駆除する必要があります。
マツノザイセンチュウ
マツノマダラカミキリ
樹幹注入の実施
被害対策
山口県では、大切な松林を守るため、関係市町と協力し、「予防」「駆除」「樹種転換」に取り組んでいます。
予防
薬剤の地上散布や樹幹注入を実施し、大切な松を守ります。
駆除
枯れた松の中にいるマツノマダラカミキリの幼虫を薬剤や焼却により駆除し、被害の拡大を防ぎます。
樹種転換
大切な松林を守るため、その周囲の松林を、松以外の木又はマツノザイセンチュウに耐性のある松(きらら松)の森林に転換し、感染源の除去や松林の再生を図っています。