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平成22年11月定例会 環太平洋経済連携協定(TPP)交渉参加に関する意見書

ページ番号:0024699 更新日:2010年12月17日更新

環太平洋経済連携協定(TPP)交渉参加に関する意見書

平成22年11月定例会
(平成22年12月17日)

 去る11月9日、政府は、環太平洋経済連携協定(TPP)について、関係国との協議を開始することを閣議決定した。
 このTPPは、米などの重要品目を例外扱いし、国内産業に悪影響を与えないよう最大限配慮されてきたこれまでの経済連携協定(EPA)と異なり、関税撤廃の例外を認めない完全な貿易自由化を目指す非常に厳しい内容のものである。
 我が国の農林水産業が、担い手の減少・高齢化、水産資源の減少、生産物価格の低迷、耕作放棄地の増加など極めて厳しい状況にある中で、農林水産業に対する十分な影響緩和策を講じないまま、このTPPに拙速に参加した場合、国内農林水産業は壊滅的な打撃を受け、食料自給率の向上や安心・安全な食料の安定供給といった、これまでの官民を挙げた取り組みが水泡に帰し、食料の安全保障を脅かす、国家の根幹にかかわる重大な事態に立ち至ることが、十分に予見される。
 また、農林水産業は、「食」を支えるだけでなく、関連産業も含めて地域における雇用の創出や経済の活性化に寄与しているほか、国土の保全や水源の涵養等の多面的な機能を担っていることを考えれば、交渉参加の影響は、農林水産業のみにとどまらず、農山漁村を中心とする地域社会の崩壊をももたらしかねず、社会全体に大きな影響を及ぼすことが懸念される。
 県内総生産に占める輸出額の割合が高い本県にあっては、TPPへの参加により関税が撤廃されれば、輸出関連企業を中心に、相応のメリットが期待されるものの、農林水産業では、海外からの安い農林水産品が大量に流入し、農産物で340億円、水産物で41億円もの生産額の減少が見込まれるほか、県内に広大な中山間地域を抱える本県においては、農業の多面的な機能の喪失に伴う環境への影響も懸念されるところである。
 よって、国におかれては、今後、TPP交渉への参加を検討するに際しては、農業をはじめとする各分野への影響を十分に考慮するとともに、完全自由化に対応できる農林水産業への構造改革の道筋や、農山漁村の維持再生の方向性を明確にした上で、適切な国内対策の先行実施等影響緩和策を早急に確立するなど、各界各層の幅広い合意が得られる取り組みをもって慎重に対応されるよう強く要望する。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

(提出先)
 衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、外務大臣、財務大臣、農林水産大臣、経済産業大臣、内閣官房長官

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