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全国で初めて人工ふ化したシロアマダイの養成魚からの採卵・種苗生産に成功しました!
1 概要
水産研究センターでは、平成29年から希少性が高い超高級魚であるシロアマダイの種苗生産技術開発に取り組んでいます。その一環として、採卵用の天然魚の確保が困難である問題を解決するため、令和2年から人工ふ化した種苗を用いて親魚までの養成試験を実施しています。
この度、全国で初めて養成魚からの採卵及び種苗生産に成功しましたので、その成果について、次のとおり公開します。
今回のシロアマダイの養成魚は、令和2年に天然魚から得られた卵から生まれ、これまで水産研究センター内の水槽で育成してきたものです。
2 日時
令和5年6月22日(木曜日) 午前11時から12時まで
【参考】
- シロアマダイについて
- あまだい類の中で最も大型の種で、最大で全長60cmを超えます。
- 希少性が高く、市場ではキロ単価3から5万円で取引されることもあり、1尾10万円を超えることもある超高級魚です。
- 国内では、紀伊水道から豊後水道の太平洋沿岸、瀬戸内海、若狭湾から九州西岸の日本海・東シナ海沿岸に分布しています。
- 水深50から100m程度の砂泥域に生息し、延縄や底びき網等で漁獲されます。
- 研究成果の概要
- 県水産研究センターでは、平成29年度からシロアマダイの生態把握や種苗生産技術開発に取り組んでいます。
- 令和元年に天然魚から採卵した卵で、全国で初めて種苗の大量生産に成功し、これまでに13.4万尾の種苗を生産してきました。
- 一方で、天然魚を用いた採卵は漁獲状況に左右され、卵の確保が非常に不安定という問題を抱えています。
- 上記問題を解決するため、令和2年に人工ふ化した種苗を用いて親魚養成試験を開始し、今年、6尾の養成魚から全国で初めて96万粒の卵を採卵することができました。
- 採卵した卵の一部を用いて、当センターで小規模の種苗生産試験を実施し、500尾の種苗の生産に成功しました。
- また、この種苗生産試験により生産上の問題がなかったことから、現在、養成魚から採卵した卵に一部天然魚から採卵した卵を加え、合計15.6万粒の卵を用いて山口県外海栽培漁業センターの水槽で量産試験を実施しています。
- 量産試験で得られた種苗は、7月の放流を予定しています。
- なお、本研究の成果は、水産庁委託事業(さけ・ます等栽培対象資源対策事業)で得られたものです。
3 場所
山口県水産研究センター 外海研究部(長門市仙崎大泊2861-3)
4 内容
養成魚及びその卵から生産した種苗の水槽展示を行います。
5 問い合わせ先
山口県水産研究センター外海研究部
担当者:企画情報室 天社(てんしゃ)、増殖加工グループ 阿武(あぶ)
連絡先:0837-26-0711