本文
岩国基地における空母艦載機着陸訓練(FCLP)に関する要請結果について
本日(26日)、山口県基地関係県市町連絡協議会(構成自治体:県、岩国市、柳井市、周防大島町、和木町)として、県と構成自治体の首長が、国及び米側に対し、下記のとおり、今後、岩国基地において、FCLPを二度と実施されることのないよう文書要請しましたので、その内容をお知らせします。
記
1 防衛省への要請結果
(1) 日時 9月26日(金曜日) 12時00分から12時30分
(2) 場所 防衛省
(3) 相手方 防衛大臣 中谷 元(なかたに げん)
(4) 要請者 山口県基地関係県市町連絡協議会
山口県:副知事 平屋 隆之(ひらや たかゆき)
地元市町:岩国市長 福田 良彦(ふくだ よしひこ)
柳井市長 井原 健太郎(いはら けんたろう)
周防大島町長 藤本 淨孝(ふじもと きよたか)
和木町長 坂本 啓三(さかもと けいぞう)
(同行者)岩国市議会議長 片岡 勝則(かたおか かつのり)
柳井市議会副議長 平井 保彦(ひらい やすひこ)
周防大島町議会議長 荒川 政義(あらかわ まさよし)
和木町議会議長 兼本 信昌(かねもと のぶあき)
(5) 要請内容 岩国基地における空母艦載機の着陸訓練に関する要請
※別紙要請書のとおり
(6) 回答
○今般の米空母艦載機着陸訓練(FCLP)について、皆様方から訓転開始前に加え、訓練実施中にも連日、中国四国防衛局へご要請いただいたことについては、重く受け止めている。
〇FCLPは、空母艦載機のパイロットが着艦資格を取得するため、陸上の飛行場の滑走路を空母の甲板に見立てて着陸する必要不可欠な訓練である。
〇防衛省としては、この訓練は、我が国の防衛や地域における米国の抑止力・対処力の強化のため、非常に重要な意義があると考えているが、地元の皆様への影響は最小限にとどめるべきは当然である。
〇ご指摘のあった祝日における訓練の実施や訓練時間帯の件については承知している。米側からは、訓練の日時については、天候や航空機の維持整備上の問題といった不測の事態により変更があり得る旨通知を受けているところであるが、防衛省としては、米側に対し、飛行時間の限定などに関する岩国日米協議会における確認事項を遵守するとともに、訓練による民間航空機への影響が出ないことを含め、周辺の皆様に与える影響が最小限となるよう、あらためて求めた。
〇また、地元の皆様の負担が軽減されるよう、恒久的な施設が完成するまでの間は硫黄島でFCLPを実施するよう、引き続き米側に求めてまいる。
(7) 質疑
○硫黄島の火山活動のその後の経過や施設復旧の見通し、今後のFCLPの実施場所について
→・硫黄島において9月1日に発生した噴火については、地震の回数の減少は見られるものの、現在も火口から常時噴煙が上がっている状況と認識している。
・施設の復旧に関しては、現在、噴火活動の影響により、硫黄島航空基地に燃料を供給するパイプライン等の施設に被害が出ており、噴火活動の動向を踏まえながら、今後、施設の復旧に取り組んでいく考えである。
・その上で、今回のように硫黄島が使用できない状況となった場合には、その時点における最適な実施場所を米側において判断することとなると承知をしており、現時点においては、何ら決定されていないものと承知している。
・いずれにせよ、皆様から頂いた厳しいご意見を重く受け止めており、FCLPの実施については、米側に対し、引き続き出来る限り多くの訓練を硫黄島において実施するよう、求めてまいる。
○馬毛島の施設が整備された後の岩国基地のFCLPの予備施設指定の扱い
→・恒久的訓練施設完成後の予備施設の指定については、米軍の運用に関することであり、現時点においてお答えすることが困難であることを御理解いただきたい。
・そのうえで、馬毛島の施設整備事業の完了は令和12年3月末となる見込みであるが、早期の運用開始を目指し、最低限必要となる施設については、先行して完成させる考えである。
・運用開始時期の見通しについては、現時点で確定的なお答えができる段階にはないが、早期の運用開始に向けて、引き続き施設整備を進めてまいる。
(8) 終わりに(防衛大臣)
〇本日は、今般の岩国飛行場におけるFCLPによる岩国市を始めとする周辺住民に与えた影響について伺うとともに、その実施についての厳しいご意見をいただいた。本日の要請を受けて、米側に対し、改めて、恒久的な施設が完成するまでの間は、硫黄島で実施するよう求めるとともに、引き続き、地元の皆様方との意思疎通を密にしながら、真摯に対応してまいる。
○また、硫黄島の状況を注視し、同島における可及的速やかな施設の復旧にしっかりと取り組むとともに、馬毛島における恒久的なFCLP施設について早期運用開始を目指し、引き続き施設整備を進めてまいる。
〇いずれにせよ、米軍機の運用にあたっては、安全に最大限配慮するとともに、地元に与える影響が最小限となるよう今後も求めてまいる。今後とも、皆様方のご理解とご協力を賜るようよろしくお願い申し上げる。
2 外務省への要請結果
(1) 日時 9月26日(金曜日) 13時50分から14時25分
(2) 場所 外務省
(3) 相手方 外務副大臣 藤井 比早之(ふじい ひさゆき)
(4) 要請者 上記1の要請者と同じ
(5) 要請内容 上記1の要請内容と同じ
(6) 回答
○FCLPは、我が国の防衛や地域における米国の抑止力・対処力の強化のため、重要な訓練であると認識している。
〇岩国市の皆様を始め、既に地元の皆様には大変な御負担をおかけしている。追加的な騒音を伴うFCLPは、本来であれば、硫黄島で実施すべき訓練であるが、今回、硫黄島の噴火という特殊な状況を踏まえ、米側から、苦渋の決断として岩国飛行場で実施せざるをえない旨の説明があった。
〇訓練期間中の騒音により、地元の皆様から厳しい御意見を頂いたと承知している。祝日である9月23日の訓練については、米側から、訓練の日時は、天候や航空機の維持整備上の必要等により変更があり得る旨の説明を受けていたが、政府としては、祝日にFCLPが実施されたことを含め、米側に対し、周辺住民の皆様に与える影響が最小限となるよう、くり返し求めてきた。
〇本日の御要望をしっかりと受け止め、今後の在日米軍による訓練に際して、地元の皆様への影響が最小限となるよう、外務省としても、防衛省と緊密に連携し、全力で取り組んでいく。また、馬毛島におけるFCLPの恒久な訓練施設の早期整備にもしっかり取り組んでいく。
3 岩国防衛事務所への要請結果
(1) 日時 9月26日(金曜日) 11時00分から11時20分
(2) 場所 岩国防衛事務所
(3) 相手方 岩国防衛事務所 所長 木下 惠介(きのした けいすけ)
(4) 要請者 山口県基地関係県市町連絡協議会
山口県:岩国県民局次長 二橋 康治(ふたはし こうじ)
岩国市:基地政策担当部長 石本 英二(いしもと えいじ)
(5) 要請内容 上記1の要請内容と同じ
(6) 回答
○地元の皆様からの厳しいご意見を頂いたことを重く受け止める。
○要請の内容については、直ちに上級機関に報告するとともに、米軍に対し、改めて硫黄島でFCLPを実施するよう求めてまいる。
4 中国四国防衛局への要請結果
(1) 日時 9月26日(金曜日) 14時30分から14時45分
(2) 場所 中国四国防衛局
(3) 相手方 中国四国防衛局企画部長 有賀 元宏(ありが もとひろ)
(4) 要請者 上記3の要請者と同じ
(5) 要請内容 上記1の要請内容と同じ
(6) 回答
○地元の皆様からの厳しいご意見を頂いたことを重く受け止める。
○要請の内容については、直ちに上級機関に報告するとともに、米軍に対し、改めて硫黄島でFCLPを実施するよう求めてまいる。
5 在日米国大使館への訪問
(1) 日時 9月26日(金曜日) 10時00分から10時30分
(2) 場所 在日米国大使館
(3) 相手方 クリス・アリソン 政務担当公使
(4) 訪問者 山口県副知事 平屋 隆之(ひらや たかゆき)
岩国市長 福田 良彦(ふくだ よしひこ)
岩国市議会議長 片岡 勝則(かたおか かつのり)
(5) 訪問内容
○岩国基地に関する様々な意見交換をする中で、岩国基地で実施されたFCLPが基地周辺住民に与えた影響等について説明し、二度と実施しないよう要請した。
6 その他
駐日米国大使、在日米軍司令官、在日米海軍司令官及び第5空母航空団司令官あての要請書については、9月26日付けで郵送した。