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診療報酬・介護報酬・障害福祉サービス等報酬及び保育等の公定価格の大幅改定を求める意見書
令和5年9月定例会
(令和5年10月6日)
少子・高齢化が急速に進展する中、国民・県民が将来への不安を感じることなく、安心して住み慣れた地域で、良質な医療、介護、障害福祉サービス、保育等が受けられる体制を構築することは極めて重要である。
そのサービス提供体制を現場で支えるのが、医療機関や福祉施設、保育施設に従事する「人」であり、これらの方々は、3年を超えた厳しいコロナ禍においても、現場の最前線で国民・県民の命と健康、暮らしを支え続けてきた。
こうした中、国・政府においては、デフレ経済からの脱却、賃上げが当たり前となる経済に向けた道筋を着実なものにするため、経済界にも賃上げの実現を強く働きかけを行うなどされ、国内産業全体で3.58%という30年ぶりの高い水準の賃上げが進んでいる。
一方、診療報酬、介護報酬、障害福祉サービス等報酬、保育等の公定価格など、公的制度により収入が決定される医療機関、高齢者施設、障害者施設、保育施設等に従事する方々の給与は、経済成長や民間企業の賃上げに連動した仕組みになっていないこと等から、我が国経済全体に好循環が生まれている中にあっても、他分野に比べて給与の引上げが思うように進んでいないという厳しい実態にある。
折しも来年春には、診療報酬、介護報酬、障害福祉サービス等報酬の同時改定と保育等の公定価格の改定が行われる予定になっている。昨今の物価高騰等により医療・福祉・保育関係事業者の経営環境が厳しい状況にある中、そこに従事する方々の給与を他分野と同様に引き上げていくためには、事業所の収入となる各報酬・公定価格の大幅な改定が強く求められる。
全国の全産業就業者の約13%を占める医療・福祉・保育関係従事者給与の引上げによる処遇改善は、良質なサービス提供体制の維持と人材確保はもとより、賃上げの実現による地域経済のさらなる好循環を生み出していくためにも欠かせないものである。
よって、国においては、医療・福祉・保育関係従事者の適正な給与の引上げによる処遇改善と地域経済の底上げを実現するため、診療報酬・介護報酬・障害福祉サービス等報酬及び保育等の公定価格の大幅な改定を行うよう強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
(提出先)
衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、財務大臣、厚生労働大臣、内閣官房長官