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ライドシェア導入に対する慎重な検討を求める意見書
平成30年11月定例会
(平成30年12月14日)
少子高齢化が急速に進展する中、高齢者、障害者等の交通弱者にとって、通院・買い物など地域での日常生活を送るために、公共交通機関はなくてはならない移動手段である。また、その中でもタクシー事業は、利用者の個々の移動ニーズに柔軟に対応するとともに、地元自治体の要望を踏まえた乗り合いタクシー等を展開しており、本県においても地域住民の貴重な移動手段として重要な役割を果たしている。
一方で、これらの公共交通サービスは、ドライバー不足や利用者のニーズの多様化、過疎地域でのサービスの存続などさまざまな課題に直面しており、タクシー業界においても、ユニバーサルデザインタクシーの充実や過疎地における乗り合いタクシーの運行など課題解消に向けた取り組みを進めている。
このような中、政府においては、少子高齢化という困難に立ち向かい、さらなる経済成長を実現するため規制改革を積極的に推進している。その上で、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会なども契機として、地域における公共交通サービスを確保・維持していくため、いわゆる「ライドシェア」など多様な移動ニーズに応える新たな公共交通サービスの実現についても、幅広く議論を進めているところである。
しかしながら、ライドシェアについては、運行管理や車両整備等について責任を負う主体を置かないままに、自家用車の運転手だけが運送責任を負う形態を前提としており、このような形態の旅客運送を有償で行うことは、安全確保、利用者の保護等の観点から課題が多く、タクシー事業ばかりでなく、路線バスや鉄道を含めた地域公共交通の存立に深刻な影響を及ぼしかねない。
よって、国におかれては、ライドシェアの導入に対して地域交通の実情や関係団体等の意見も踏まえながら慎重な検討を行うよう、強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
(提出先)
衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、総務大臣、国土交通大臣、内閣府特命担当大臣(規制改革)