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令和7年11月定例会 請願 2026年度山口県予算に学校法人山口朝鮮学園への補助金を計上することについて

ページ番号:0328679 更新日:2025年12月12日更新

件名

2026年度山口県予算に学校法人山口朝鮮学園への補助金を計上することについて

請願者

全国一般労働組合全国協議会山口連帯労働組合 執行委員長 三輪 力也

紹介議員

木佐木 大助、藤本 一規、河合 喜代、中嶋 光雄、井原 寿加子

要旨

​​ 私たちは山口県民として、山口県政が2013年度より学校法人山口朝鮮学園(以下、山口朝鮮学園)への補助金(私立外国人学校特別補助金)を停止していることについて、その差別性と違法性に、憂いと憤りを覚えるものである。補助金の停止とその継続は、山口朝鮮学園で学ぶ子供たちをはじめ、保護者・教職員に深い傷を負わせている。
 山口県政が補助金を停止した2013年度は、東京の新大久保や大阪の鶴橋等でヘイトスピーチが横行し始めていたときであり、補助金停止という行為は、こうした差別行為と軌を一にしたもの、あるいは助長したものと言える。2014年、国連人種差別撤廃委員会は「朝鮮学校へ支給される地方政府による補助金の凍結」に対して是正を勧告した(2014年8月29日国連人種差別撤廃委員会「日本の第7-9合同報告書に関する総括所見」19-(b))。また2015年以降、各県弁護士会などが次々と、補助金停止は憲法や国際法に対する違法行為であるとの声明を表した。
 遡ると山口県議会は、2004年2月定例会において「国連勧告を尊重し、外国人学校・生徒への処遇改善を求める意見書」を、衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、内閣官房長官、総務大臣、法務大臣、外務大臣、文部科学大臣、厚生労働大臣、国土交通大臣宛てに提出した。ここでいう「国連勧告」について意見書は、「差別やいじめなどをなくすための一層の改善措置」と「在日朝鮮、韓国人児童・生徒等に関して『社会的差別と闘い、基本的サービスへのアクセスを確保するため、締約国が、とりわけ教育・意識啓発キャンペーンを通じて、あらゆる必要な積極的措置』をとる」ことであると述べた。その上で意見書はさらに、「他民族のアイデンティティーを尊重し、教育機会の均等を図ることは、国際交流において欠かせない貴重な意義を持つものである」と、民族教育の重要性を自ら唱え、国に「国連勧告を尊重し、外国人学校・生徒への処遇を改善されるよう強く要望する」とした。このとき意見書採択は「全会一致」という重要な決断として表された。そして、2009年度より山口県政は補助金支給額を4万円から5万円(生徒1人、年間)に増額した。すなわち、山口県政による山口朝鮮学園への補助金は、民族教育を受ける権利を保障しようとしたものであり、それは様々な政治状況があろうとも保持するべきものであったと言える。
 しかるに、県庁学事文書課から山口朝鮮学園への通知文書「朝鮮学校補助金について」(2013年2月20日付)並びに「私立外国人学校特別補助金について」(2013年2月25日付)によれば、補助金停止の理由を、「1.朝鮮学校を高校授業料無償化の対象外にしている国の考え方、2.補助金支給に対する他県の動向、3.朝鮮民主主義人民共和国の様々な行動に対する国内外の受け止め、これらを総合的に勘案し県として、県民の理解が得られないと判断した」という。これらの理由は、前述したかつての山口県政が表明した意見書やそれに基づく法令に照らす時、合理的な理由とは到底言えるものではなく、欺瞞であり差別的かつ違法なものだと言わなければならない。
 また、日本国政府自身も、教育基本法はもとより、子どもの権利条約を1994年4月に批准し(1994年5月発効)、国内法としては2023年4月、こども基本法を施行、さらに2023年12月、こども大綱を閣議決定した。そしてこれを受け2025年3月山口県内各自治体でも、こども計画が策定された。子どもの権利条約の4つの柱は、差別の禁止、子どもの最善の利益、生命、生存及び発達に対する権利、子どもの意見の尊重、としている。そして日本国憲法は、締結した条約を公権力が遵守することを課している(第98条)のである。
 来る2026年度には、高校無償化制度が拡充され、私立学校を含めた無償化の対象が拡大する予定となっている。朝鮮高級学校が対象外のままとされれば、格差・差別がさらに広がることが懸念される。電気、ガス、米をはじめとする食料品、生活必需品の物価急騰で、日本で暮らす庶民の生活は逼迫している。在日朝鮮人・韓国人も納税の義務を果たしているのである。「私立外国人学校特別補助金」の開始当初の目的であった、「外国人子女の教育を目的とする私立の各種学校の教育条件の維持向上」(民族教育を受ける権利の保障)と「修学上の経済的負担の軽減を図る」という、国内外法令を踏まえた観点に立ち返り、山口朝鮮学園への補助金の予算計上を求めるものである。
 以上のことから、下記事項について実現されるよう請願する。
 
                       記
 
 2026年度の予算に、学校法人山口朝鮮学園への補助金を計上すること。

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