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愛宕山関係・愛宕山地域開発事業について
1 概要
(1)事業着手から中止まで
愛宕山地域開発事業は、岩国基地沖合移設事業への土砂提供と跡地を住宅団地として開発したいという岩国市の要望を受け、県が事業促進と財政の面から協力することとし、山口県住宅供給公社を事業主体として平成6年度から事業を開始しました。
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 開発面積  | 
 約102ha  | 
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 事業期間  | 
 平成6~22年度  | 
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 計画戸数  | 
 約1,500戸 (戸建て住宅:約850戸、集合住宅:約650戸)  | 
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 計画人口  | 
 約5,600人  | 
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 事業費  | 
 約850億円  | 
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 開発手法  | 
 新住宅市街地開発事業(都市計画事業) ※平成10年3月事業認可  | 
土砂搬出事業については、平成19年3月に土砂の搬出が完了し、平成19年度をもって所期の目的を達成することができました。
一方の住宅団地開発事業については、地価の下落や住宅需要の低迷等により、事業を継続した場合には多額の収支不足が見込まれるとの試算結果が出たことから、県と岩国市で協議した結果、平成19年6月、事業を中止し、赤字解消を最優先に用地を他の用途に転用することで合意しました。
事業中止後の愛宕山開発用地については、約4分の3の区域は国家プロジェクトに協力してきた経緯を踏まえて国に買取を求め、残る約4分の1の区域は岩国市が周辺環境に配慮したまちづくりを進めこととし、平成21年2月に愛宕山新住宅市街地開発事業の廃止等に係る手続きを全て完了しました。
位置図(岩国市)

(2)用地処分
(1)国への売却(愛宕山開発用地の約3/4)
国家プロジェクトに協力してきた経緯を踏まえ、平成19年より国による買取を要望していましたが、愛宕山開発用地の買取要望をすることにより岩国基地が普天間基地の県外移設先候補の一つの判断材料につながることが懸念されたため、平成21年12月、買取要望を「封印」することとしました。
一方、国においては、平成22年度予算案に米軍再編関係経費として愛宕山開発用地の買取経費を計上され、平成22年9月に具体的な施設配置案を提示し明確に米軍再編関連施設用地として買い取る意向を示された後、平成23年10月には買取価格の提示と岩国市からの要望に対する回答をされました。
国から示された米軍家族住宅を含む愛宕山開発用地の配置案については、全体として了とし国に売却する方向で検討するという地元岩国市の意向を尊重し、県・市で協議した結果、国が米軍再編に対する県・市の基本スタンスを守ることを前提に、平成24年3月、国に米軍再編関連施設用地として売却しました。
(2)まちづくり区域への売却(愛宕山開発用地の約1/4)
岩国市が進める「周辺環境対策に配慮したまちづくり」の実現を図るため、幹線道路・防災センター・多目的広場等の整備、岩国医療センター・特別養護老人ホーム「灘海園」の移転等、岩国市が策定した土地利用計画に沿って、平成24年3月までに用地を売却しました。
愛宕山開発用地の土地利用計画図(平成24年3月)

(3)債務処理
愛宕山地域開発事業に係る債務については、平成23年3月末時点で残高が約262億円でしたが、平成24年3月末までに用地を全て売却した結果、その売却収入等により全てを償還することができました。
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 年月  | 
 内容  | 
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 平成2年3月  | 
 岩国市総合計画に「愛宕山周辺の宅地開発」が位置づけられる  | 
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 平成4年9月  | 
 岩国市長が知事に「県による愛宕山の宅地開発実施」を要望  | 
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 平成5年3月  | 
 岩国市が「開発適地調査及び基本構想」を策定  | 
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 平成6年4月  | 
 県・岩国市・県住宅供給公社が協定書を締結 
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 平成10年3月  | 
 新住宅市街地開発事業認可告示・工事着手  | 
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 平成14年8月  | 
 住宅需要調査結果の公表  | 
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 平成17年2月  | 
 1期施工区域に係る整備方針を策定  | 
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 平成18年11月  | 
 愛宕山地域開発事業検討協議会(第1回)  | 
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 11月  | 
 愛宕山地域開発事業検討協議会(第2回)  | 
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 12月  | 
 11月定例県議会総務企画委員長報告 
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 平成19年6月  | 
 県・市協議 
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 8月  | 
 県・市協議 
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 10月  | 
 9月定例県議会総務企画委員会委員長報告 
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 10月  | 
 知事・岩国市長協議 
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 10月  | 
 県・市協議 
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 11月  | 
 政府要望(愛宕山開発用地の買取りについて) 
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 平成21年2月  | 
 愛宕山新住宅市街地開発事業の廃止手続完了  | 
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 6月  | 
 岩国市長・市議会議長が「周辺環境対策に配慮したまちづくり」に関して知事へ要望  | 
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 6月  | 
 政府要望(岩国医療センターの移転について) 
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 12月  | 
 政府が平成22年度予算案に愛宕山開発用地の買取経費を計上  | 
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 平成22年9月  | 
 防衛副大臣が知事に「愛宕山用地における施設配置(案)」を説明  | 
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 平成23年10月  | 
 防衛副大臣が知事に「愛宕山開発用地の買取価格」を提示  | 
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 11月  | 
 岩国市議会全員協議会  | 
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 11月  | 
 岩国市が愛宕山用地に関する今後の対応方針に関する住民説明会を開催  | 
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 11月  | 
 政府要望(岩国基地に係る安心・安全対策と地域振興策の実施について) 
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 11月  | 
 知事・岩国市長協議 
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 12月  | 
 知事・岩国市長協議 
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 12月  | 
 知事・岩国市長が米軍再編に係る防衛省の見解について文書照会  | 
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 12月  | 
 防衛省が知事・岩国市長に米軍再編に係る見解を文書回答  | 
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 12月  | 
 知事・岩国市長が防衛大臣に「愛宕山開発用地を国に売却する」旨を伝達  | 
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 平成24年2月  | 
 「米政府が在沖縄海兵隊の一部を岩国基地に移転させることを打診」との報道  | 
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 2月  | 
 知事・岩国市長が外務・防衛両大臣と面談し、「売却留保」を伝達  | 
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 3月  | 
 外務・防衛両大臣政務官が知事に「日米協議の状況等」を説明  | 
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 3月  | 
 知事・岩国市長が米軍再編に係る外務・防衛省の見解について文書照会  | 
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 3月  | 
 知事・岩国基地関係市町長協議 
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 3月  | 
 外務・防衛両大臣が知事・岩国市長に米軍再編に係る見解を文書回答  | 
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 3月  | 
 知事・岩国市長が外務・防衛両大臣に「売却留保の解除」を伝達  | 
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 3月  | 
 県住宅供給公社と国が売買契約を締結  | 

