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平成24年度当初予算編成方針
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平成23年(2011年)10月28日 総合政策部長通知
加速化プランと県政集中改革の総仕上げ
県づくりの実行計画である「住み良さ日本一元気県づくり加速化プラン」の計画終期を平成24年度に控え、平成23年度当初予算については、これを加速化プランの「総仕上げ予算」と位置付け、プランに掲げた重点事業の目標達成を図るため、その優先順位を明確化し、徹底した財源確保対策の上に立って、最大限の予算措置を行いました。
また、諸施策を継続的に実施することができるよう、その土台となる行財政の基盤固めを行うため、同じく平成24年度までを計画期間とする県政集中改革の「総仕上げ」にも取り組むこととし、特に、公社改革については、本年度末での土地開発公社、道路公社そして住宅供給公社の三公社の廃止に向けて、所要の措置を講じました。
現在、この2つの「総仕上げ」を確実に成し遂げるため、全庁的な進行管理体制の下、各般の取組みが着実に進んでいるところです。
地方財政の状況
こうした中、現在、我が国は、東日本大震災及び世界的な金融経済危機という二つの危機に直面しており、国の平成24年度予算においては、本年8月に閣議決定した中期財政フレームを遵守しながら、東日本大震災からの復興・復旧と我が国経済社会の再生に全力を尽くすこととしています。
しかしながら、いわゆる「ねじれ国会」の下、国の予算編成や各種マニフェスト政策の見直し、震災復興増税を含む税制改正等の行方など、国政の動向は、極めて不透明となっています。
また、中期財政フレームにおいては、平成24年度から26年度までの間、「地方の一般財源の総額については、平成23年度の水準を下回らないよう実質的に同水準を確保する」とされているものの、本年9月に示された地方財政収支の仮試算では、今年度を上回る規模の臨時財政対策債が計上されています。
このため、地方は、引き続き多額の借入金に依存した財政運営を余儀なくされることとなり、地方税財源の充実確保に向けた抜本的な対策の姿は、未だに見えていません。
毎年度増嵩する社会保障関係経費の財源を含め、地方公共団体の安定的な財政運営に必要な一般財源総額の確保は、予断を許さない状況です。
本県の財政事情
地方財政全体がこうした厳しい局面にある中、本県においても、明年度の歳出面では、義務的経費である公債費や社会保障関係経費の増大が見込まれる一方で、現下の経済情勢から県税収入等の歳入を的確に見込める状況になく、国補正予算等で創設した基金の多くが平成23年度をもって期限を迎えるなどの減収要素も見込まれます。
明年度の国の地方財政対策等も不透明であるため、財政収支を見通すことは困難であり、相当の財源不足が生じることも懸念されます。
さらに、社会保障と税の一体改革については、本年6月に成案が取りまとめられたものの、財源確保の対象としての地方単独事業の範囲や社会保障給付の全体像の明確化など、多くの課題が残されています。
予算編成の基本的な考え方
これらのことを踏まえ、平成24年度当初予算は、引き続き、徹底した財源確保対策に取り組みながら、加速化プランと県政集中改革の「総仕上げ」の進捗を踏まえ、その成果を見極めながら、その上に立って、さらに多くの目標達成を目指し、より高い達成水準の実現に取り組む通年型予算として、編成を行います。
具体的な方針は、下記のとおりですが、当面の編成作業を円滑に進めるため、別添の「見積作業基準」をお示ししますが、各部局におかれては、限られた財源の効率的な予算配分の観点から、事業の厳選を徹底し、その必要性、費用対効果について十分精査・検証した上で、的確な見積りを行うよう、お願いします。
また、国の予算や地方財政対策が明らかとなり次第、必要に応じて、見積改めを求めることもあり得ますので、ご留意願います。
記
1 平成24年度当初予算は、通年型予算として編成する。
2 総括的な事項
(1) 加速化プラン関係
- 加速化プランに掲げる重点事業の実現を図り、「住み良さ・元気指標」の一つでも多くの目標達成を果たすため、これらに資する事業については、財源確保対策のこれまでの成果とさらなる取り組みの上に立って、本年度に引き続き、予算の集中的・重点的な配分を行うものであること。
なお、見積りに当たっては、事業費の精査を行うとともに、目標の達成・懸案事項の解決までの具体的な取組内容、スケジュール等を再検証すること。 - 予算配分に当たっては、継続的な取組みによる成果の確実な確保と充実を優先的に扱うものとし、新規事業は、加速化プランの目標達成に直結し、かつ、事業効果の速やかな発現が見込まれるものに限り、対象とすること。
(2) 県政集中改革関係
- 費用対効果の視点に基づくコスト意識を徹底し、必要最小限の所要額を見積ること。
- 施策の実施に当たっては、直接の事業費だけではなく、職員人件費等の間接的なコストも含めて所要経費を適切に認識し、外部委託も視野に入れながら、最も効率的な実施手法を検討すること。
- 施策の効果については、過大に見込むことのないよう、過去の実績等も踏まえて、適切な情報収集と検討を行うこと。
- 事業の取捨選択と、優先順位付けの徹底を図り、限られた財源の有効な活用に努めること。
また、常に県民の視点に立ち、施策・事業の見直しの際は、県政世論調査等を通じて把握した県民の意見等を十分参考とすること。 - 「外部委託推進ガイドライン」に沿って、民間との役割分担や効率性、サービスの質の確保等の点に十分配意の上、民間、NPO等への事務事業の委託を積極的に推進すること。
- 外郭団体、第三セクター等への財政支出については、公益法人制度改革を踏まえ、当該支出を伴う事業の実施方法や当該団体への支出の妥当性等を見直し、見積りに的確に反映させること。
(3) 国の制度変更等への適切な対応
- 国の制度・政策の変更に対しては、その内容等を的確に把握・分析の上、県としての対応を検討する必要がある事業については、国と地方あるいは県と市町の役割分担、県の既存施策との重複や整合性等を改めて検証し、県として果たすべき役割や、実施すべき事業のあり方等を見積りに的確に反映させること。
- 平成23 年度で期限を迎える基金を活用した事業については、原則として基金の終了に合わせて廃止すること。
3 歳入に関する事項
(1) 県税
今後の経済情勢や税制改正の動向等に十分留意しつつ、課税客体の的確な捕捉に努めるとともに、引き続き、徴収対策の強化を図ること。
特に、個人県民税については、市町と一体となった効果的な徴収対策に努めること。
(2) 国庫支出金
- 国の概算要求内容等を踏まえ、国庫支出金の廃止・縮減、一般財源化の動向に十分留意し、予算編成に支障が生じることのないよう、適切に対応すること。
- 国制度の枠内において、積極的に財源を確保するため、情報収集等に努め、必要な国庫支出金については、出来る限りの導入確保を図ること。
- 地域自主戦略交付金(「ひも付き補助金」の一括交付金化)については、対象事業や配分方法等の国の制度設計の動向を注視し、適切に歳入を見積ること。
なお、必要に応じて、対象事業の全体調整を行うことも考えられること。
(3) 使用料及び手数料
受益者負担の公平、適正化の観点から、既定分の見直しを含め、実態に即した適正な料金設定を行うこと。
(4) 分担金及び負担金
事業内容に応じた受益者負担の適正化等を推進するとともに、各種負担金の収納率の向上に努めること。
(5) 財産収入
- 各種基金については、金利動向を踏まえ、適正かつ効率的な運用を図ること。
- 未利用財産については、「未利用財産処分計画」(平成20 年10 月策定)に沿って、積極的な処分を進めるとともに、直ちに処分が困難な物件については、貸付等による有効活用に努めること。
(6) その他の収入
- 全事業について、きめ細かな洗直しを行うこととし、可能な限りの歳入確保に努めること。
- 貸付金等における未収金対策については、全庁的な取組みとして、適切な債権保全と回収に向けた対応の強化を図ること。
- 県有施設、広報誌等への企業広告の更なる導入や、ふるさと納税の促進など、新たな収入確保の取組みを一層推進すること。
4 歳出に関する事項
(1) 職員給与費等
- 「新・県政集中改革プラン」に沿って、組織体制の見直しと定員削減をさらに推進し、総人件費を着実に削減すること。
- 新規増員は、既存事業の整理または定員の再配置により対処すること。
- 業務の実態に応じた臨時職員、非常勤職員の配置の必要性、職員数の妥当性について、徹底的に検証すること。
(2) 公共事業等
- 国の公共事業予算の動き等を踏まえ、限られた財源で効率的な整備を図るため、事業の必要性や優先性、投資水準、投資効果等を十分検討すること。
その上で、実施箇所の重点化や事業間の連携の強化等を図り、効果の早期発現に配意することとし、継続箇所の早期完成を優先すること。 - 公共事業の効率性・透明性の向上を図るため、再評価等を通じて、これまで以上に費用対効果の分析に努め、これを予算編成に適切に反映させること。
- 政策入札制度の拡充や品質確保の観点を踏まえつつ、計画・設計から維持管理までの総合的なコスト縮減に努めること。
(3) 国庫補助事業等
- 国の予算編成の動向に十分留意し、適切に対応すること。なお、国庫補助金の廃止、縮小に際して、単純な県費振替は認めないものであること。
- 本県における必要性、事業効果、超過負担の状況等を十分に検討の上、導入すべき事業については、積極的な確保を図ること。
(4) 補助金
- 団体育成支援や各種産業振興など、対象者の自立・発展を支援するための施策に係るものについては、結果として恒常的な支援が必要とならないよう、過去の施策効果の検証も含め、支援の対象や負担割合、支援期間等の仕組みを十分検討し、自立・発展に向けた計画やプロセスを明確にすること。
- 新たな施策への転換、廃止、統合・メニュー化、補助率の改定、融資制度への切替えなど、整理合理化を積極的に推進すること。
(5) 貸付金
金利動向や資金需要、関係金融機関の貸付状況等を踏まえ、廃止、縮小、貸付条件の改定等について検討すること。
(6) 物件費及びその他の経費
- 「行政コスト節減対策実施要領」を踏まえ、部局ごとに設置している「支出削減推進チーム」を中心に、内部経費の一層の節減合理化等を図ること。
- 施設管理、運営等の委託を行っている事業については、「新・県政集中改革プラン」に沿って、施設の移管・廃止や指定管理者制度の導入等を進めるほか、NPO等の活用や受託団体の自助努力による収益確保等を図るなど、委託することのメリットについて十分検討し、コスト縮減につなげること。
- 受託事業については、人員増、超過負担を招くことのないよう留意するとともに、原則として人件費相当額を対象経費に算入すること。
5 その他の事項
- 債務負担行為は、将来における財政硬直化の大きな要因となるので、緊急不可欠なものに限り見積りを行うこと。
- 特別会計及び企業会計の見積りは、一般会計に準じて行うこと。