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令和8年3月県議会定例会知事議案説明要旨
はじめに
本日は、令和8年度当初予算その他の諸案件につきまして、御審議をお願いするため、お集まりをいただき、厚くお礼を申し上げます。
今定例会は、知事選挙後、初の定例県議会となりますので、議案の説明に先立ち、私の今後の県政運営に関する所信を申し述べさせていただき、議員各位並びに県民の皆様の御理解と御協力をお願い申し上げたいと思います。
私は、この度の知事選挙におきまして、多くの県民の皆様から御支援をいただき、引き続き県政を担当させていただくこととなりました。大変光栄なことであり、心より感謝を申し上げます。
本日、知事として、伝統ある山口県議会の議場に再び立ち、改めて、これから4年間の県政を担う、その責任の重さに身が引き締まる思いです。県民の皆様から寄せられた御期待をしっかりと受け止め、これにお応えするため、これからの県政運営に全力で取り組んでまいります。
さて、我が国全体が人口減少局面にあり、東京一極集中が進行する中、全国よりも速いスピードで少子高齢化が進む本県においては、人口減少対策と地域活力の維持が最重要課題となっています。
このため、私は、知事就任以来、人口減少による停滞と縮小の負の循環を何としても断ち切りたいという一心で、活力の源である産業力の強化をはじめ、様々な挑戦を重ねてまいりました。
その結果、半導体関連企業等の成長産業の集積や、県産農林水産物等の輸出拡大、移住者数の増加など、本県の未来に向けた成果を積み上げるとともに、持続可能な行財政基盤を確立してきたところであり、これまでの3期12年間で、山口県の流れは確実に変わってきています。
私は、これからも、直面する課題に果敢に挑戦して乗り越えていくとともに、変化した流れをより力強いものとし、山口県の確かな未来に繋げることに、全力を尽くしてまいる覚悟です。
私が目指すのは、強い産業による経済面での成長と、その成長を暮らしの安心へと繋げ、互いに高め合いながら、社会全体が持続的に発展していく「成長と安心の好循環」の実現です。
私たちの暮らしを守り、将来にわたって支え続ける原動力となるのは、雇用の創出や所得の向上をもたらす強い産業です。
いま世界では、DXの進展や生成AIの急速な進化により、半導体需要が急拡大するとともに、脱炭素投資が成長を続けるなど、産業構造は大きな転換期を迎えています。
こうした変革は、本県の強みを活かして、「稼ぐチカラ」を飛躍させる大きなチャンスであり、これまでの成果を基盤に、GX産業拠点の形成や半導体等の成長産業の集積などを加速させてまいります。
また、農林水産業や観光など、国内外に向けて大きな可能性をもつ本県の力を最大限引き出すとともに、地域経済の主役である中小企業を守り、伸ばしながら、本県の「稼ぐチカラ」を押し上げていきたいと考えています。
そして、「稼ぐチカラ」を高めるだけでなく、その果実を暮らしの隅々にまで行き渡らせることが、県政の重要な役割です。
子どもを産み育てるとき、働くとき、また、年を重ねても、人生のどの段階においても、不安なく歩み続けられる山口県を創り上げなければなりません。
そのために、育ち、育てる「安心」、働ける「安心」、豊かに暮らせる「安心」、長く健やかに生きる「安心」、この4つの「安心」を柱として、切れ目のない施策を講じ、人生の全てのステージを、確かな「安心」で支えてまいります。
私は、「成長と安心の好循環」により、県民の誰もが豊かさと幸せを実感できる山口県を実現するため、自ら先頭に立ち、県民の皆様方と力を合わせて、全身全霊で取り組んでまいる所存でありますので、議員各位並びに県民の皆様の、より一層の御理解と御協力をいただきますようお願い申し上げます。
令和8年度当初予算
それでは、令和8年度の当初予算編成について、御説明申し上げます。
まず、我が国経済は、米国の通商政策による影響が自動車産業を中心にみられるものの、緩やかに回復しているとされています。
一方、先行きについては、今後の物価動向や米国の通商政策をめぐる動向などの景気を下押しするリスクに留意するとともに、金融資本市場の変動等に引き続き注意する必要があるとされています。
こうした情勢の下、国においては、昨年11月に策定した総合経済対策に基づき、生活の安全保障・物価高への対応や危機管理投資・成長投資による「強い経済」の実現、防衛力と外交力の強化を推進するとしています。
このような考え方の下、国の令和8年度一般会計予算案は、経済対策の裏付けとなる令和7年度補正予算での対応に続き、「強い経済」を実現するための予算として編成されました。その総額は、前年度に比べ、6.2パーセント増の122兆3,092億円となっています。
次に、令和8年度の地方財政については、一般財源総額について前年度を上回る額が確保され、また、地方交付税総額は前年度を上回り、臨時財政対策債は新規発行額が2年連続でゼロとなるなど、地方財政の健全化も図られたところです。
また、いわゆる教育無償化に係る地方負担について地方財政計画の歳出に全額計上されるともに、物価高への対応や防災・減災対策の推進等に必要な措置がなされるなど、地方の重点課題に即した対策が講じられ、その結果、地方財政計画の規模は、前年度に比べ、5.5パーセント増の102兆4,427億円となっています。
こうした諸情勢を背景に、来年度予算の編成に当たったところですが、まず、物価高が長期化する中、県民生活や円滑な企業活動を維持・発展するためには、物価高騰の影響を緩和する実効性の高い対策を講じるとともに、安定的に物価上昇を上回る賃上げが実現できる環境を整備することが不可欠です。
また、産業力の強化によって本県の「稼ぐチカラ」を高め、その成果を活かして、県民の人生100年の「安心」を支える「成長と安心の好循環」を実現するため、やまぐち未来維新プランに沿って進めてきた県づくりの成果の上に立って、新たな取組を速やかに始動させなければなりません。
さらに、様々な行政課題に的確かつ機動的に対応できるよう、デジタル技術等の活用により「やまぐちワークスタイルシフト」や県民の利便性向上に向けた取組を進めるとともに、新たな取組を支える収支均衡した財政構造の維持・向上を図るなど、行財政改革を着実に進めていく必要があります。
このため、来年度予算においては、「物価高・賃上げへの集中的な支援」、「「成長と安心の好循環」に向けた取組の始動」、「県政運営を支える行財政改革の着実な推進」の3つの柱に沿って、予算を編成したところです。
最初に、1つ目の柱である「物価高・賃上げへの集中的な支援」について御説明します。
足元の物価高の負担軽減を図り、賃上げが物価上昇を上回る環境を実現するため、国の重点支援地方交付金を最大限活用し、賃上げ支援の拡充や、食材費・光熱費等の上昇を踏まえた生活者や事業者へのきめ細かな支援など、本県独自の対策を集中的に講じます。
まず、地域の雇用を支える中小企業が持続的に賃上げできる環境づくりを進めるため、賃金引上げを実施した中小企業に対する奨励金について、対象を若年層の常勤雇用から全年齢の常勤雇用及びパート労働者に拡大するとともに、支援上限額も引き上げます。
また、多様な雇用ニーズを踏まえ、非正規労働者等から正規社員への転換に取り組む中小企業に対して新たに奨励金を支給することにより、賃上げ環境の一層の整備を図ります。
次に、現下の物価高に対する生活者支援として、家計への影響が大きい米の価格が高騰する中、県民の皆様にしっかりと県産米を食べていただけるよう、5キロ袋の購入に対して1キロを増量するキャンペーンを実施します。
また、家庭のエネルギー費用の負担軽減を図るため、省エネ性能の高い家電製品等の購入者に対し、購入品目に応じたポイント等を還元します。
このほか、学校や保育所等における給食の材料費等に係る増加経費への支援などを行います。
次に、事業者支援として、厳しい経営状況に置かれている医療機関や社会福祉施設等に対して、高騰する光熱費や食材料費に係る支援金等を支給します。
また、農林水産業における対策として、県産酒米や配合飼料等の高騰分に係る補助を行うとともに、住宅等リフォーム時の県産材利用や漁業者の省エネ対策への支援などを実施します。
さらに、公共交通事業者に対して燃料価格高騰分に係る補助を行うほか、商工会議所等が実施する需要喚起イベントの開催などを支援します。
次に、2つ目の柱である「「成長と安心の好循環」に向けた取組の始動」について御説明します。
大きく、「未来をつくる「稼ぐチカラ」の強化」と「人生100年を支える「安心」の確立」の2つの方向で施策を推進してまいります。
初めに、「未来をつくる「稼ぐチカラ」の強化」についてです。
「成長と安心の好循環」を作っていく原動力となる「稼ぐチカラ」を押し上げるため、成長産業、農林水産業、観光産業を成長の柱に位置付け、産業集積や生産性向上、需要拡大などを推進するとともに、「稼ぐチカラ」を生み出す土台である中小企業を力強く後押しします。
まず、「世界と戦える成長産業の戦略的集積」については、本県経済を大きく伸ばす千載一遇のチャンスであるGX戦略地域の選定に向けて、コンビナート企業が検討を進めている新事業への支援など、官民一体となった取組を強力に推進します。
また、コンビナートにおける先進的な実証試験や設備投資等に対する補助制度を拡充し、カーボンニュートラルコンビナートへの転換を加速します。
さらに、新たな道路整備計画を策定するとともに、道路や港湾、産業団地等の産業基盤の整備を重点的に進めます。
このほか、戦略的な企業誘致や、半導体や蓄電池、再生医療等の成長産業に対する研究開発支援などに取り組みます。
次に、「強い農林水産業の育成」についてです。
生産基盤の整備や新技術の導入、担い手の確保・育成などを通じて安定生産を確立するとともに、県産農林水産物の国内外での需要拡大を図ります。
まず、県産米の安定供給に向けて、高温耐性品種の種子生産体制の強化や需要に応じた水稲の作付拡大を進めるとともに、農業の担い手確保・育成のため、新規就業者に対する支援金を拡充します。
また、未利用資源の飼料利用拡大に向けた調査・実証支援や県産木材の品質向上に資する機械導入への補助、大型マグロの鮮度管理向上に係る実証支援を行います。
さらに、県産農林水産物の需要を一層拡大するため、海外の新規市場調査などによる輸出先の多角化の推進や直売所等への共同出荷体制の構築、2027年国際園芸博覧会等を契機とした県産花きの販路拡大を図ります。
次に、「多彩な魅力を活かした観光産業の振興」についてです。
本県の豊かな自然・歴史・文化、また大型観光キャンペーン開催や世界ジオパーク認定という好機を活かし、本県観光の認知度や魅力度を飛躍的に向上させます。
まず、本年10月から開催される山口デスティネーションキャンペーンの効果を最大限に高めるため、市町や関係団体と緊密に連携しながら、全国からの誘客と県内周遊を促進する戦略的なプロモーションを展開します。
また、観光地周辺エリアのにぎわいを創出するため、モデル性の高い地域等に対して、専門家による伴走支援や、魅力的な空間づくりに要する経費への補助を行います。
さらに、Mine秋吉台ジオパークのユネスコ世界ジオパーク認定を契機とした観光資源の付加価値向上のため、秋吉台ビジターセンター等の拠点施設を改修するとともに、秋吉台の魅力を生かした体験プログラムを実施します。
このほか、本県で6月に開催されるピックルボール世界大会と合わせた観光物産・ニュースポーツフェスタの開催や、インバウンド拡大に向けた外国人観光客の誘客促進、クルーズ船用のツアーコンテンツ造成などに取り組みます。
次に、「地域経済を支える中小企業の強化」についてです。
地域経済の主役である中小企業の持続的な成長を促進するため、賃上げ環境の整備や経営基盤の強化、生産性の向上、創業やスタートアップなどへの支援を強化します。
まず、賃上げや賃金体系の見直し、正規社員への転換などの賃上げ環境整備を支援するとともに、物価高や米国の関税措置の影響に適応するため、中小企業の適切な価格転嫁をサポートする専門家の派遣や、販路開拓に対する支援を行います。
また、デジタルの活用による中小企業の生産性向上を後押しするため、省力化・自動化に資するAIロボット導入に対する補助制度を創設します。
さらに、スタートアップの更なる創出・成長に向けて、本県ゆかりの起業家等と連携し、若手起業家等への立ち上がり支援とネットワーク形成を進めるとともに、専門家による伴走支援により、成長性のあるスタートアップを重点的に支援します。
このほか、Y-BASEによるDXコンサル・技術支援や、生成AI・セキュリティ講座等による多様な女性デジタル人材の育成支援など、中小企業のニーズを踏まえた施策を展開してまいります。
次に、2つ目の方向である「人生100年を支える「安心」の確立」についてです。
このうち、「育ち、育てる「安心」」については、第二子以降の保育料無償化や不妊治療の経済的負担軽減など、全国トップクラスの支援を土台として、妊娠・出産から子育てまで、切れ目なく子育てを支える取組を更に充実するとともに、全ての子どもが自分の力を最大限に伸ばせる教育を進めます。
まず、自宅から遠方にある分娩取扱施設等までの移動時間を要する妊産婦等を支援するため、産婦健診や産後ケア、乳幼児健診などに伴う交通費を新たに助成します。
また、多子世帯の多様なニーズに対応するため、第三子以降が出生した世帯への祝品について、県産米や家事代行クーポン、子育て用品から希望に応じて選択できるよう制度拡充します。
さらに、保育士の更なる確保に向けて、その中核的拠点となる「保育士・保育所支援センター」に就業継続支援コーディネーターを新たに配置して、保育所設置者や保育士に寄り添ったサポートを行うなど、保育士の就業支援体制を強化します。
教育分野では、まず、教育現場のデジタル学習基盤の整備を進めるとともに、プリント学習における本県独自の生成AIサポートなど、デジタル技術を有効活用することで、教職員が児童生徒と向き合う時間を確保し、個別最適な学びを充実します。
また、公立高校の魅力を一層向上するため、高校教育改革に向けた実行計画の策定や地元企業と連携した専門高校のPBLの推進に取り組むほか、今後5年間で恒常的に使用する全ての特別教室に空調を設置するなど、教育環境の整備を加速します。
さらに、中学校部活動の地域展開や地域クラブ活動を支援するため、地域クラブ活動の指導者研修や人材ポータルサイトの機能強化を実施するとともに、市町の認定を受けた地域クラブ活動の休日の活動費等に対する補助を行います。
このほか、私立高校の授業料無償化や小学校の給食費支援、コミュニティ・スクールの強みを生かした地域の創り手育成、学校と地域産業等との連携によるキャリア教育の充実、いじめ・不登校対策の強化などに取り組みます。
次に、「働ける「安心」」についてです。
都会から戻ってきても、ライフステージが変わっても、自分らしく働き、活躍できる山口県を実現するため、若者等の県内就職支援や、仕事のやりがい・成長実感を高める職場づくりなどに係る施策を推進します。
まず、本年度から強化した学生のインターンシップ参加や新卒・第二新卒者の県内就職活動に伴う旅費の実質全額補助や、福岡県・広島県に配置したキャリアコンサルタントによる県外の大学・学生への積極的なアプローチを通じ、引き続き、若者の県内就職を促進します。
また、就職活動の早期化に対応するため、インターンシップについて、専門家による県内企業の受入プログラム構築支援やAIを活用した企業と学生のマッチング対策、大学の低学年層をターゲットとした周知イベントを実施します。
さらに、県内企業における働きがいを高める職場づくりを促進するため、企業の課題可視化をサポートする本県独自のセルフチェックツールを構築するとともに、従業員の意識や働きがいを把握できるデジタルツールの導入を支援します。
このほか、生涯を通じて働ける職場づくりを推進するため、高齢者雇用に関する企業向けセミナーの開催や、専門家派遣による企業の受入環境整備の支援に取り組みます。
次に、「豊かに暮らせる「安心」」についてです。
住み慣れた地域で、便利に、快適に、そして安全に暮らし続けることができるよう、地域公共交通の利便性向上やデジタル実装による暮らしの基盤強化、人の流れの創出・拡大、災害に強い県づくりなどに取り組みます。
まず、地域公共交通の利便性や持続可能性を高めるため、全県を対象とした地域公共交通計画の策定や、交通データ基盤の構築、交通事業者によるシステム改修・労働環境整備への支援を行うほか、美祢線のBRT転換に向けて、法定協議会が主体となり事業実施計画を策定します。
また、自動運転バスの実装に向けた実証や、県内企業・市町における生成AIの利活用支援など、デジタル実装による暮らしの基盤強化を進めます。
さらに、人の流れの創出・拡大に向けて、女性移住者の増加を図るため、女性をターゲットとした情報発信の強化や市町による女性移住者の居場所づくりの取組への支援を行うとともに、若者を対象にした住宅ローンの利子補給期間を延長します。
また、山口きらら博記念公園の交流拠点化として、体験学習・アーバンスポーツ施設や森の学習館の整備など、未来ビジョンに沿った取組を着実に進めます。
災害に強い県づくりについては、南海トラフ地震に係る被害想定の見直しを踏まえた津波に対する早期避難体制づくりや、避難所の環境改善に資する簡易ベッドやテント式パーテーションの確保、災害医療体制の強化に向けた県版ローカルDMATの養成などを行います。
また、ハード対策として、幹線道路網の整備や道路施設等の老朽化対策、河川改修などの国土強靱化の取組を着実に推進することにより、ソフト・ハード両面から防災・減災対策に万全を期するとともに、道路の草刈りや白線の整備、河川浚渫に係る予算を大幅に増額し、県民の安心・安全を確保します。
次に、「長く健やかに生きる「安心」」についてです。
子どもから高齢者まで、県民誰もが全てのライフステージを通じて健康に生活でき、各地域で安心して医療・介護を受けられるよう、地域医療体制の確保や地域包括ケアシステムの強化、医療・介護人材の確保・育成を進めてまいります。
まず、現行の地域医療構想の実現に向けた取組が目標年次を迎えたことから、今後の更なる高齢化や人口減少の進む2040年とその先を見据え、地域のあるべき医療提供体制の構築を目指す新たな構想を策定します。
また、本県医療の中核的役割を担う県立総合医療センターや環境保健センターの建替えと機能強化を着実に推進します。
さらに、医療機関の減少スピードが速い重点医師偏在対策支援区域における医療提供体制を確保するため、医療機関が医師派遣や代替医確保に要する経費等に対して補助します。
介護分野では、介護現場の生産性を向上するため、介護テクノロジー導入に対する補助制度を拡充するとともに、介護事業所間のケアプランのやりとりをデジタル化するデータ連携システムの利用を促進します。
また、医療・介護提供体制を支える人材確保に向けて、若手医師確保対策などに加え、看護教員への相談体制の構築による看護教育体制の強化や、外国人介護人材の受入れに係る制度理解・受入環境整備などの切れ目ない支援を新たに実施します。
次に、3つ目の柱である「県政運営を支える行財政改革の着実な推進」について御説明します。
まず、行政DX・新たな価値を創出する働き方改革の取組としては、業務特性に応じた生成AI利用や実地検査・指導業務でのタブレット導入などを通じて業務効率化を進めるほか、収入証紙の廃止に伴う新たな収納窓口の設置やオンライン確認が可能な開発登録簿の作成などにより、県民の利便性を一層向上してまいります。
また、持続可能な財政基盤の確立については、「成長と安心の好循環」に向けた独自の新規施策を構築した一方で、編成過程における経費削減や歳入確保等の取組により、最終的な財源不足額については34億円となったところであり、財源調整用基金の取崩しにより対応した結果、来年度末の基金残高の見込みは、目標の100億円を上回る約162億円となりました。
また、県債についても、引き続きプライマリ―バランスに着目した財政運営に努めた結果、県債全体・一般分いずれも黒字を堅持したところです。
今後も収支均衡した財政構造の維持・向上を図り、新たな県づくりを支える行財政基盤の強化に取り組んでまいります。
以上、主な歳出について御説明申し上げましたが、これらの結果、一般会計の総額は、前年度当初予算に比べ、6.3パーセント増の7,862億9,500万円となったところです。
一方、歳入予算のうち、まず、県税収入については、軽油引取税の暫定税率等の廃止により減収となる一方で、法人二税や個人県民税、地方消費税の増収が見込まれることから、前年度当初予算に比べ、2.6パーセント増の1,988億2,700万円を計上しています。
また、地方交付税については、地方財政対策に伴い、前年度当初予算に比べ、3.9パーセント増の1,873億1,200万円を見込むとともに、県債については、特別分である臨時財政対策債の発行額が2年連続でゼロとなる一方で、高校再編に伴う学校建設費の増加等により、前年度当初予算に比べ、3.2パーセント増の473億1,800万円を計上しています。
以上が、議案第1号に係る令和8年度一般会計予算の概要です。
次に、議案第2号から議案第18号までは、特別会計及び企業会計に関するものであり、その予算規模は、母子父子寡婦福祉資金特別会計ほか16会計を合わせ、総額3,149億5,100万円となっています。
条例、事件議決
議案第19号から議案第38号までは、いずれも条例の一部を改正するものであり、市町から徴収する国民健康保険事業費納付金の算定方法の変更等を行うため、それぞれ関係条例の一部を改正するものです。
議案第39号から議案第45号までは、工事請負契約の締結等に係る事件議決に関するものであり、それぞれ県議会の議決をお願いするものです。
議案第46号は、人事案件に関するものであり、収用委員会の委員及び予備委員の任命について、県議会の同意をお願いするものです。
収用委員会委員 守田正史氏、田中悟氏、伊藤洋一氏及び同予備委員 鈴木朋絵氏は、来る3月31日をもちまして、いずれもその任期が満了いたします。
また、同委員 野村雅之氏は、任期途中ではありますが、去る令和6年9月30日をもちまして辞任され、同予備委員 渡部学也氏が同委員に就任されました。
つきましては、後任の委員の任命を要するのですが、私としては、収用委員会委員には守田正史氏、渡部学也氏、伊藤洋一氏及び同予備委員には鈴木朋絵氏の再任をお願いするとともに、新たに収用委員会委員には小林友則氏、同予備委員には本間紫乃氏を最適任と考え、ここにお諮りいたします。
なお、各氏の御経歴は、配布しました履歴書のとおりです。
令和7年度補正予算等
議案第47号から議案第63号までは、令和7年度の各会計に係る補正予算に関するものです。
議案第47号は、一般会計補正予算です。
今回の補正予算は、国の総合経済対策に対応した事業の追加等を行うほか、県税収入等の歳入財源の確定見込み及び各事業の最終見込みにより、所要の補正を行うものです。
まず、歳入予算のうち、県税収入について、個人県民税や地方消費税などの増収等が見込まれることから、32億8,100万円の増額補正を行っています。
また、地方交付税については、国の補正予算に伴う再算定等の結果、85億5,900万円を増額するとともに、国庫支出金及び県債等については、歳出予算との関連など、確定見込みにより、それぞれ所要の補正を行っています。
次に、歳出予算については、国の総合経済対策に対応し、介護支援専門員の確保や居宅介護支援事業所の経営改善に対して補助するとともに、今春以降のクマ出没に備えるための緊急銃猟体制の整備支援や、公立高等学校教育改革促進基金の創設を行うなど、合わせて36億500万円を計上しています。
このほか、災害復旧費における最終整理、その他事業の最終見込みによる所要の補正を行うとともに、地方財政法の規定に基づく令和6年度決算剰余金の積立など、年度間の財源調整を図るため、財政調整基金に88億6,100万円を積み立てることとしています。
以上の結果、議案第47号に係る一般会計補正予算の総額は、272億2,700万円の減額となり、補正後の予算額は、7,603億9,200万円となっています。
なお、建設事業等に係る繰越明許費については、国の補正予算への対応や用地補償交渉の遅延等により、9月及び11月補正予算での設定分の変更と合わせ、627億4,100万円を予定しています。
議案第48号から議案第63号までは、特別会計及び企業会計に関するものであり、中小企業近代化資金特別会計ほか15会計について、いずれも最終整理による所要の補正を行うものです。
議案第64号は、令和7年度に県が行う建設事業に要する経費の最終確定に伴い、市町が負担すべき金額を変更することについて、県議会の議決をお願いするものです。
その他
この際、御報告申し上げます。
この度の衆議院議員総選挙等の執行に係る経費を措置するために一般会計予算を補正すること、工事の請負契約の一部を変更すること、訴えの提起をすること及び交通事故等による損害賠償の額を定めることについては、専決処分により、処理をいたしました。
また、地方独立行政法人山口県産業技術センターの常勤職員の数について、地方独立行政法人法の規定により、別添のとおり報告します。
以上、提出議案等について、その概要を御説明申し上げました。何とぞよろしく御審議のほど、お願い申し上げます。

