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知事発言集・平成30年度本庁部課長・出先機関の長合同会議 知事訓示

ページ番号:0011297 更新日:2018年4月6日更新

 皆さん、お早うございます。
 今日は、新年度のスタートに当たりまして、職員の皆さんと「志」を一つにして、これからの県政運営を行っていくために、私の考えを申し上げたいと思います。

1 全庁的な取組の推進

新たな県づくりに向けて

 今年は明治維新から150年という、大変大きな節目の年です。
 新たな県づくりをスタートさせていく重要な年だと考えています。
 150年前、我々の先人たちは、大変な苦難を乗り越えて、明治維新、そして極めて短期間での近代化を成し遂げました。
 今、日本、各地方は、様々な困難に直面しています。山口県だけではなく、日本の多くの地方が、人口減少等、大変な課題に直面しています。この「明治維新胎動の地」である山口県だからこそ、先人たちの「志」や「行動力」、これに改めて学んで、私達自身の熱意や行動にしっかりと変えていかなければならないと考えています。
 そして、新しい時代に向けたスタートラインに立って、これからの県づくりをしっかりと進めていかなければなりません。
 そのために、我々は何をすべきか。山口県の活力を高めていくためには、まず我々山口県庁自身が大いに活性化をしなければなりません。そして山口県庁が活性化するためには、各部署のマネジメント、携わる皆さん一人ひとりがそれぞれの力を存分に発揮して、いかに大きな力を発揮できるか、これに大きく懸かっています。是非、150年の今年、これからの県づくりのスタートラインに立って、そうした意識を強く持って、一人ひとり、皆さんに是非奮闘していただきたいと思っています。
 そうした中で、私の方から、具体的に4点について考え方を申し上げさせていただきます。

「3つの維新」への挑戦

 まず、「3つの維新」についての挑戦です。
 これまでの4年間、チャレンジプランに基づく取組を進めてきました。観光、産業振興、様々な分野において、目に見える成果が現れてきています。
 しかしながら、県政の最大の課題である人口減少には、歯止めがかかっておらず、県政は、まだまだ多くの困難な課題に直面しています。これまで進めてきた県づくりの成果の上に立って、山口県の新しい150年に向けて、明治維新をリードしたこの山口県から、新しい時代を切り拓いていく。そのために「産業維新」「大交流維新」「生活維新」、この「3つの維新」への挑戦を力強く進めていかなければいけません。

産業維新

 まず、「産業維新」では、瀬戸内の産業集積をはじめとする、本県の強みを最大限に活かして、活力の源となる産業力を大きく伸ばしていきます。
 バイオ関連産業など成長分野における新たなイノベーションの創出や中堅・中小企業の成長支援体制の強化、また県内の就職支援拠点の抜本強化による女性や高齢者も含めた幅広い世代の就職や定着の支援、そして強い農林水産業の育成等の取組を進めていきます。
 また、産業力の更なる強化に向けて、新たな産業戦略指針を策定して、官民一体となった重点的、そして戦略的な取組を進めていきます。
 私達はこれまでも、産業インフラの充実強化等によりまして、本県の大きな強みである瀬戸内の基礎素材型産業、また自動車関連産業等の強化を図ってきたところです。こうした高度な産業集積や技術開発力をはじめ、地域中核企業の持つ優れた独自の技術や、医療、環境・エネルギー等の取組成果やJAXAとの連携など、本県産業の持つ優位性やポテンシャルを最大限に活かして、本県が伸ばしていくべき分野をしっかりと見極めながら、成長分野や成長投資の拡大に向けた戦略的なイノベーションの展開を図っていきます。
 3月に開催しました産業戦略本部の全体会合におきまして、策定方針を決定しました。この方針の下、先導的、戦略的なプロジェクトの構築について精力的に検討していただきたいと考えています。

大交流維新

 そして「大交流維新」では、本県の潜在力を活かし、人やモノの流れを飛躍的に拡大して、山口県を活性化する、そうした大交流を実現していきます。
 「やまぐち幕末ISHIN祭」等の観光キャンペーンの積極展開や「平成の薩長土肥連合」と連携した広域観光プロジェクトの推進、山口宇部空港の国際交流拠点化、また地域商社と連携した首都圏での販路の拡大、県産農林水産物等の国内外への売り込みの強化などを進めていきます。

生活維新

 そして「生活維新」では、県民誰もが、将来に希望を持って、そしていつまでも安心して暮らし続けることのできる山口県の基盤をしっかりと作っていきます。
 「希望を叶えるくらしづくり」「人材の育成と活躍への支援」、「安心・安全で活力ある地域づくり」、この3つの視点から、子育て支援や働き方改革の推進、新時代を創造する人材の育成、防災・減災対策等の取組強化、中山間地域の厳しい現状を踏まえた周辺集落等の活性化に向けた取組の支援などを行っていきます。
 今年度は厳しい財政状況の中、全ての事業の見直しにより捻出した財源も活用しながら、「3つの維新」への挑戦を力強く始動する予算を編成しています。
 職員の皆さんには、それぞれの事業の効果を最大限に発揮して、成果をしっかりと積み上げていくように取り組んでいただきたいと思います。

新たな総合計画の策定

 次に、新たな総合計画の策定についてです。
 今年度の半ばを目途に、これまでのチャレンジプランに代わる県政運営の指針となり、山口県の発展の礎となる新たな総合計画を策定し、本県が目指すべき姿と施策の方向性を定め、これを県民の皆様をはじめ、様々な主体と共有して、「3つの維新」の取組を戦略的に進めていくこととしています。

 3月には、本部会議を開催して新計画の策定方針を決定しました。そして私から、計画の策定に当たって重視していただきたいことを3点申し上げました。
 1点目は、山口県の強みを活かし、潜在力を引き出して大きく伸ばしていくことです。
 本県には、産業の集積と優れた技術力、素晴らしい観光資源や農林水産資源、そして豊かな自然、誇るべき歴史や文化、多くの強みがあります。本県の新しい魅力を引き出して大きく成長させ、これを新たな強みとしていきたいと考えています。
 そのために、改めて、様々な分野における本県の現状を掴んで、国内外の様々な動きや国の政策の動向などに目を向けて、山口県の成長の可能性を見出して、強みと潜在力を活かした、山口県だからこそできる新たな施策を構築していただきたいと思います。

 2点目は、県民の暮らしを守っていくために、県民の目線に立った施策を提示していく、ということです。
 中山間地域の集落機能の維持など、県民の暮らしを守る取組を進めるためには、現場にしっかりと寄り添って、きめ細かく対応してくこと、これが不可欠です。
 市町や県民、関係団体などとしっかりと対話して、これを通じて、現場の実情、課題、こうしたことをしっかりと把握して理解を深め、直面する課題の原因は何なのか、どのようにすれば解決できるのか、その糸口がどこにあるのか、今一度よく考えて整理して取り組んでいただきたいと思います。
 その上で、課題の解決に向けた最善の方策が何であるか、これを実行し、実現するための手法などについて、各部局で是非しっかりとした議論をして、実効ある取組を進めていただきたいと思います。

 3点目は、県内の様々な主体の力を結集することです。
 新たな県づくりを進めていくため、また、今直面している様々な課題を解決していくためには、県の力だけではなく、市町、また大学、企業、金融機関、様々な主体と連携して取り組むことが必要です。そうした施策の構築や、関係団体等が一体となった全県的な仕組みづくりなどを是非検討していただきたいと思います。
 本県が目指すべき姿や施策の方向性を様々な主体と共有して、連携して取り組んでいく、そのことが新たな計画の重要な役割の一つです。これをしっかりと果たせるように、策定の段階からこうしたことを是非強く意識して、取り組んでいただきたいと思います。

 私は、この「3つの維新」は「挑戦」であると、そのように考えています。国内外との色々な競争に打ち勝っていかなければいけません。現状に満足することなく、更なる進化・向上を目指していく。現状の様々な困難を克服するために、色々な固定観念に囚われることなく、大胆に発想を転換して、新たな展開、取組を考えていく。こうしたことを通じて、山口県の総力を挙げて、本県の未来を切り拓いていく。そのことに「挑戦」して、山口県の新しい活力を創り出していきたいと考えています。
 これまで申し上げた3点について、是非しっかりと考えて、実効ある計画となるように、全庁を挙げて策定に取り組んでいただきたいと思います。

行財政構造改革の推進

 次に、こうした「3つの維新」への挑戦を支えるため、新たな総合計画においても柱の一つに位置付けて進めることとしている、行財政構造改革についてです。
 これまで「行財政改革統括本部」を中心に、全庁的な検討、取組を行って、平成30年度の予算編成を通じ、収支の均衡した持続可能な財政構造への転換に一定の道筋をつけることができました。
 しかしながら、これを実現するためには、今後、平成33年度までの改革期間において、この取組を着実に実行して、その成果を積み上げていくことが不可欠です。
 このため、引き続き、統括本部において適切な進行管理を行って、改革効果の確実な実現を図っていくこととともに、全ての取組についての不断の検証と見直しを行うなど、全庁を挙げて徹底した改革の取組を進めることが必要です。
 職員の皆さんには、是非、山口県の揺るぎない行財政基盤を創っていくために、行財政構造改革の確実な実現に全力で取り組んでいただくようお願いします。

山口ゆめ花博

 最後に、今年、明治150年プロジェクトの中核イベントとして実施する「山口ゆめ花博」についてです。
 9月14日の開催まで、161日と迫ってまいりました。この「山口ゆめ花博」を新たな「県づくり」の起爆剤としていかなければなりません。そのためにも目標の入場者数50万人を達成するとともに、国内外から高く評価されるイベントとして必ず成功させていく、そうした決意です。
 私は、未来の山口県を切り拓いていくのは人であり、「人づくり」が非常に重要であると考えています。このため、明治150年プロジェクトでは、将来を担う若い世代を中心とした人材育成を柱の一つとして取り組んでいくこととしています。この「山口ゆめ花博」における県民参加の様々な取組やその成果も、本県の未来の発展の基礎となる「人づくり」につなげていきたいと考えています。
 「山口ゆめ花博」の成功に向けては、全庁を挙げた取組が必要であり、職員の皆さんには、それぞれの立場で、素晴らしいイベントとなるように、しっかりと取り組んでいただくようにお願いします。

2 職員としての心構え

 県政運営に関する基本的な考え方をこれまで申し上げてきたところですが、皆様の仕事を進めていただく上での取組や心構えについて、2点お願いをしておきます。

 1つ目は、私が就任以来常々申し上げています、「現場重視」・「成果重視」・「スピード重視」、この3つの取組を改めて意識して、それぞれの仕事の中でしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 これまで、私自身も、「元気創出!どこでもトーク」などを通じ、できる限り県民の皆様とお会いして、直接にお話をお伺いすることに心掛けてきました。
 先ほど、新たな総合計画の中でもお願いしましたけれども、職員の皆さんには、是非現場の声をしっかりと聞いて、現場の状況・課題を正しく十分に把握した上で、職務に当たられるようにお願いします。
 そしてその上で、仕事の取組として「何をどれだけ行ったか」というアウトプットではなくて、「どのような成果が得られたのか」、あるいは「県民の皆さんにどれだけ満足していただけたのか」、そうしたアウトカム、成果重視の視点を持って、取組を検証・改善して、しっかりとした成果が得られるように是非取り組んでいただきたいと思います。
 そしてまた、国においては少子高齢化の克服に向けて、「人づくり革命」における全世代型社会保障制度への改革や教育の無償化、「生産性革命」などの新たな取組も進められています。
 そうした国の動きも含めて、社会、経済、本県を取り巻く環境は今大きく変化しています。そうした中にあるからこそ、様々な変化をしっかりと捉えて、遅れることなく、的確に対応できるように、職員の皆さんそれぞれが自らの感度を高めて、スピード感を持って職務に取り組んでいただきたいと思います。

 次に、危機管理についてです。
 頻発する豪雨災害などの自然災害、鳥インフルエンザの発生、北朝鮮の弾道ミサイル発射への対応等、事態が発生した場合には、まずしっかりと初動対応を行っていくことが極めて重要です。我々が最初にしっかりとした的確な対応を取ることができるかどうか、それによりまして、被害を防ぎ、また、その軽減をいかに図ることができるか、その結果に大きく影響してまいります。
 職員一人ひとりが、緊張感を持って、予測できない事態がいつでも起こりうるという気持ち、十分な心構えと備えをしておくことが必要です。
 県民の皆様の安心・安全を第一に、各職場において、常日頃から、様々な情報の収集や管理に努め、不測の事態に迅速かつ的確に対応するための準備を怠ることのないように、お願いいたします。

3 終わりに

 以上、今年度の県政運営に対する私の考え方を申し上げました。
 初めに話をしましたように、今年度は、明治150年の年です。これを契機に、新しい150年に向けた県づくりをスタートさせていく重要な年と考えています。
 「3つの維新」への挑戦、新たな総合計画の策定や行財政構造改革の推進、そして「山口ゆめ花博」の成功に向けては、職員の総力を結集し、高い組織力を発揮することが不可欠です。それぞれの職場で仕事への思いや目標を共有して、職員それぞれが持てる力を存分に発揮して、この山口県庁の組織が最大限に持てる力を発揮できるように、皆さん一人ひとりに是非しっかりとした取組をお願いしたいと思います。
 私自身も、先頭に立って「活力みなぎる山口県」の実現に向けて、全力で頑張っていきます。

 今年度一年間、共に頑張っていきましょう。