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知事発言集・就任式知事訓示(平成30年2月23日)

ページ番号:0011298 更新日:2018年2月23日更新

 皆さん、お早うございます。
 今日から私の新しい任期が始まります。本日は、新たなスタートに当たりまして、今後4年間、私が取り組んでいく、その考え方について、皆さんにお話をしたいと思います。

 まず、「活力みなぎる山口県」の実現に向けまして、「3つの維新」の推進についてです。
 この4年間、チャレンジプランを掲げまして、「活力みなぎる山口県」の実現を目指して様々な取組を進めてまいりました。産業や観光、また県民の皆様の暮らし、様々な分野について、123の成果指標を設けて、皆さんに取組を進めていただきました。そして、この123の成果指標は、今のところ8割を超える目標が達成の見込みです。様々な分野で、目に見える成果が現れてきているところであり、この4年間の取組における皆さんの大変な努力に敬意と感謝を申し上げたいと思います。
 しかしながら、山口県は人口減少等ますます深刻な状況になってきております。8割の目標達成をしているとはいえ、山口県が抱える課題は大変大きくなってきている、そのように認識しています。そうしたことを、これから更に力を入れて克服していかなければなりません。
 今年は、明治改元から150年、明治維新から150年の節目の年です。この新しい時代に向けてのスタートラインに立って、「3つの維新」を力強く進めていきたいと思います。
 1つ目は「産業維新」です。山口県の強みをしっかりと活かして伸ばしていく、それによって山口の活力の源である産業力を大きく伸ばしていくことです。そして2点目は「大交流維新」です。山口県の持てる潜在力をしっかりと引き出して伸ばしていく、そのことによって人やモノの流れを大きくして、山口県を活性化していくことです。そして3つ目は「生活維新」です。県民の皆様の暮らしの安心や安全の確保、山口県に住み続けたいと思えるような地域づくり、安心して暮らせる地域づくり、その基盤づくりをしていかなければなりません。
 この「3つの維新」を力強く進めていくことによって、活力があって、今を安心して暮らし、将来に向けては希望を持って暮らせる、そうした山口県を必ず実現していきたいと考えております。
 その上で皆さんに、この「3つの維新」を進めていく上で留意していただきたい点、特に意識していただきたい点について、いくつかお話をしたいと思います。

 まず、今、人口減少等、特に地方は厳しい状況にあります。しかしながら、一方で地方には様々なチャンスがあります。
 山口県には、国内外に誇れる素晴らしい産業の集積、技術の集積があります。また、優れた立地環境があり、多くの企業もそうしたことに関心を寄せて、山口県に進出してきております。また、魅力的な観光資源、豊かな農林水産資源、そして自然や暮らしやすい環境、素晴らしい魅力や潜在力がこの山口県にはあります。是非、そうした潜在力をしっかりと引き出して、伸ばしていく。山口県の強みをしっかりと伸ばしていく。そのことが、山口県を活力ある地域にする上で不可欠な視点であると思っています。
 そのために、様々な国内外の動き、世の中の動きはどんどん変わってきております。今、山口県には素晴らしい資源がある、魅力があると言いましたけれども、例えば観光でも、農林水産物でも、そうした資源はみんな地方にあります。今インバウンドが増えておりますけれども、日本の地方にどんどん人が向かってきている。また、日本の素晴らしい産品を海外の人が欲しがっている、そうした資源はみんな地方にあるわけです。地方の暮らし良さを求めて、地方に移り住んで、地方で頑張ろうという人も増えてきております。そういった意味では、人口減少がどんどん進んでおりますが、今は非常に地方にチャンスがある。地方にこそチャンスがある、そのように思っています。是非皆さんには、その国内外の色々な状況の変化にしっかりと目を向けて、そして山口県にどんな可能性があるのか、どんな強みがあるのか、そういったところをそれぞれの持ち場でしっかりと見て、考えて、そこから具体的なアクションを起こして、山口県の力を伸ばしていくことに是非つなげていっていただきたいと思います。

 そして2点目は、人口の減少への対応、特に若者の定着の課題です。
 人口減少が全国的に進んでいます。日本全体も人口がどんどん減ってきているわけですが、特に地方の人口減少が厳しい。中でも、山口県の人口減少、とりわけ人口の流出は厳しいものがあります。中四国9県の中で、山口県が最も人口の流出超過が大きい県になっていますし、またそれも、去年は一昨年からもっと拡大している。大変深刻な課題に我々は今直面しています。
 人口が減っていくと、当然ながら地域の担い手が減っていくわけです。将来的に地域の活力はどんどん奪われていく。高齢化が進む中で、地域の社会保障を支える人もどんどん減っていく。ますます地域が疲弊し、ますます住みづらくなる、そういった悪循環が進んでいくわけです。
 これを食い止めなければいけませんし、特に今、日本の経済もそうですが、山口県もだんだん経済の状況が良くなってきて、人手不足の状況にあります。経済が伸びていける、そうしたことが、人がいないことがネックになって、なかなか伸びていくことができない。そういったことを我々は少しでも食い止めていかなければいけません。
 そのためには、やはり若い人たちが、しっかりと山口県に残って、そこで頑張るという、そうした地域づくりを進めていかなければいけません。山口県には、先程も言いましたが、素晴らしい産業の集積があります。魅力的な仕事の場、世界と戦っている企業、これから伸びていく様々な産業の集積があります。そうしたものを、しっかりと若い人たちの定着に結び付けていく。就職もそうですし、進学もそうです。「大学リーグやまぐち」等も作りましたけれども、進学や県内への就職、定着の点で、できる取組をしっかりとやっていかなければいけません。若者が、山口に何もないと、そういった声を、そういうイメージを持って言っているわけですが、実はそんなことはない。まだまだ知らない山口県の魅力や仕事の魅力、また様々な働く場所、活躍できる場所がある。そういったことを知らないまま、県外へ流出していくのは大変もったいないことであります。是非、そういった魅力を磨きながら、しかもそれを若い人たちに伝えていく、そうした努力をきめ細かくしていかなければいけませんし、また同時に住みやすい環境も作っていかなければいけません。できる努力はまだまだあります。そうしたことをしっかりと、それぞれの分野、それぞれの仕事の中で、取り組んでいただきたいと思います。

 それから3つ目は、皆様の暮らしの安心・安全の確保です。地域を元気にしていく取組と併せて、皆様が山口県に安心して暮らし続けられる、また希望を持って暮らし続けられる、そうした地域にしていかなければいけません。
 これも大変様々な分野での取組が必要です。防災・減災対策、また医療や介護・福祉、そして子育てや教育、皆様の暮らしに関わる分野は大変幅広いものがありますし、どれもおろそかにできるものではありません。そうした住みやすい環境、安心して住み続けられる魅力的な環境を、是非しっかりと築いていかなければいけません。皆様が安心して暮らせる基盤づくり、特に今どういう課題があるのか、そうしたことに目を向けながら、しっかりとそれに対応して、皆様が暮らしやすい、将来に希望を持って暮らせる地域づくり、そのことに是非とも力を注いでいただきたいと思います。

 そして4点目は、行財政改革の推進です。
 今年度、大変深刻な財政状況の中で、「行財政改革統括本部」を設けて、全庁的な取組を行ってまいりました。おかげさまで、先般発表した予算と同時に、行財政構造改革の取組についても公表することができました。5年間で収支均衡した安定した財政構造に持っていく、そのことについても一定の目途をつけることができました。これも皆さんの大変なご努力があったと思います。皆さんの取組に心から感謝をしたいと思います。今、この項目に取り組んでいけば、5年後には収支均衡した形での財政構造に持っていけると、そうしたことを組み立てることができました。
 しかし、これを実際に実行していかなければいけません。実施段階で様々な課題に直面することも多いと思いますけれども、これは将来に向けて避けて通れない課題です。山口県の安定した行財政基盤をしっかりと作っていく、そのために、今組み立てた行財政構造改革の取組を是非着実に、確実に実行していただきたい。そのために、皆さんに更に力を出していただきたい、そのように考えております。

 今、「3つの維新」の取組を進めていく上での基本的な考え方を申し上げましたが、皆様の仕事を進めていく上での取組について、これからまたいくつかお話をさせていただきたいと思います。

 1つは、私は就任以来言っていますが、現場重視・成果重視・スピード重視、この3つの取組を改めて意識して、更にその取組を強化していただきたいと思います。
 現場重視では、やはりそれぞれの仕事の対象としている分野、抱えている課題、それについてしっかりと、現場で実際に何が起きているのか、どういった課題に直面しているのか、そうしたことにしっかりと目を向けていただきたいと思います。県が良い仕事をしていく上では、当然良い取組をしていかなければいけませんが、そのためにはしっかりと現状を認識する、どういった課題があるのかを、単に惰性で、今までやっているからこれをやるというのではなくて、今起こっていることは何なのか、そのことをしっかりと自分の目で見て、肌で感じて、そして考えてという、そのステップがまず重要だと思っています。私も今回の選挙で各地域を回りました。中山間地域は更に深刻な状況になってきております。大変切実な問題が、県内至る所にあります。そうしたことに是非目を向けて、そうしたことを解決することこそ、我々山口県庁が果たすべき役割です。是非、課題についてしっかりと、目を逸らすことなく捉えて、それについて自分たちは何ができるのか、そのことをしっかり考えて、成果を出せるよう、スピードを持って取り組んでいただきたいと思います。

 それから2点目は、様々な主体の力を結集しながら取組を進めていただきたいということです。
 様々な課題がありますが、特に人口がどんどん減っていく中で生じる課題に対しては、きめ細かく対応していかなければなりません。様々な主体の力を借りながら、一緒になって取り組んでいくことで、初めて大きな成果が得られる分野があります。今、「大学リーグやまぐち」も作りましたし、また「やまぐち子育て連盟」では、企業も含め様々な主体が一緒になって環境を整えていく、そうした取組も進めているところですけれども、やはり今抱えている多くの課題は、県庁だけが頑張って何とかなる、それだけで解決するというものはそう多くありません。やはり様々な主体が一緒になって、それぞれが得意分野や役割を活かして、連携して取組を進めていくということが、成果を上げていく上では不可欠です。是非、そうした連携を更に強化していく、また様々な主体の力を結集して、取組を進め大きな成果を得る、そうした視点で取り組んでいただきたいと思います。

 最後は、危機管理の徹底です。
 幸い、ここのところ山口県には大きな災害もありませんが、しかし全国的には熊本地震や九州北部豪雨もありました。いつどこで大きな災害が起こるかわからない状況です。そうしたことへの備え、そしてまた自然災害だけでなく、鳥インフルエンザが長門市で数年前に発生しましたし、全国的にもまた発生している状況です。そうした災害以外の事象、また北朝鮮のミサイルの問題等々、我々が常に意識しておくべきリスクは多くあります。是非、そうした動きに対して常に緊張感を持って取り組んでいただきたいと思います。
 やはり、危機管理、何か起きた時には、初動が特に重要です。初動するのは我々です。我々が最初にしっかりとした対応をするかどうかによって、そうしたリスクに対しての対応が十分になるのかどうかが大きく分かれてまいります。特に緊張感を持って、様々な事態に迅速に、的確に対応できるようにしていただきたいと思います。様々な情報の収集や管理、また常日頃から何かあった時にはこのように対応するんだと、迅速・的確に対応ができるように、それぞれの所属・職場において特に意識して、常日頃から心掛けていただきたいと思います。

 以上、2期目に当たり、考えを申し上げました。
 先般発表しました新年度予算は、「『3つの維新』発進予算」として、「『明治150年』の開花と未来への継承」、「新たな『3つの維新』の始動」、「財政健全化に向けた行財政構造改革の確実な具現化」の3つの柱を掲げています。
 この3つの柱の下で取り組んでいく新年度が、新しい時代、新しい150年に向けてのスタートの大きな年になります。先程から「3つの維新」について申し上げましたが、大きく言うと、山口県の強みをしっかりと伸ばしていく、山口県を元気にしていく、その「攻め」の部分と、それから県民の皆さんの暮らしの安心・安全、将来に希望を持って暮らせる地域づくりをしていく、そういう「守り」の部分、その「攻め」と「守り」の両方をしっかり取り組んでいかなければいけません。
 この「3つの維新」を力強く進めることによって、活力があり、また、今を安心して、将来に希望を持って暮らせる、そうした山口県を必ず実現していきたい、そのような強い覚悟で、これからの4年間、取り組んでいきたいと思います。
 どうか職員の皆さんにも、是非その思いを共有して、同じ目標を持って、それぞれの所属、それぞれの職員が力を存分に発揮していただきたいと思っています。皆さんの積極果敢なチャレンジを大いに期待しております。そうした期待を申し上げまして、私の次の4年の取組に向けての、就任に当たっての皆さんへの訓示とさせていただきます。
 共に頑張っていきましょう。