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知事発言集・令和8年度本庁部課長・出先機関の長合同会議 知事訓示

ページ番号:0343055 更新日:2026年4月7日更新

 皆さん、おはようございます。

 新しい年度がスタートしました。今年度も、全庁挙げて一丸となって、県民のため、しっかりと県政を前に進めていきましょう。よろしくお願いします。

 令和8年度のスタートに当たり、今年度の県政運営に関する私の考えを申し上げたいと思います。

新たな未来に向けた県づくり

 長期化する物価高は、県民生活や事業活動に深刻な影響を及ぼしております。加えまして、中東情勢の緊迫化を背景としたエネルギー価格の急激な変動などによりまして、状況はますます混迷を深めております。日々の暮らしや将来に対する不安が一段と高まってきていると考えています。

 こうした中にありまして、県民の皆様の暮らしをしっかりと守り安心を確保していくことは、県政に課せられた最も重要な責務です。

 職員の皆さんには、当初予算において講じた物価高対策や賃上げ支援を着実かつ速やかに実行していただくとともに、今後の情勢や国の動向等を十分に注視をしながら、あらゆる状況変化に対して機動的に対応できるように、想定し得る対策を予め検討するなど、不断の備えを進めていただくように、改めてお願いします。

 そして、県政の最重要課題であります人口減少は、厳しさを増しております。昨年の出生数は10年連続で減少が見込まれるほか、若者の転出超過数も拡大をしており、今後、経済規模の縮小に加えて、地域活動の担い手不足や生活サービスの維持が困難となるなど、その影響は様々な分野において一層深刻化していくことが強く懸念をされます。

 こうした難局に真正面から立ち向かい、目の前の課題への対処にとどまることなく、デジタル化や脱炭素化の進展といった、新たな価値や成長を生み出す社会変革の潮流を的確に捉えながら、将来を見据えて、本県の活力を維持・向上させ、県民誰もが安心して希望を持って暮らし続けることのできる山口県を築いていかなければなりません。

 これを成し遂げるための道筋が、「成長と安心の好循環」です。

 私たちの暮らしを守り、将来にわたって支え続ける原動力となる強い産業の構築を通じて経済を「成長」させ、その成果を県民一人ひとりの暮らしに確実に届けることで、「安心」を実感をしていただきます。

 そして、こうして生み出された「安心」が人材の確保・定着や経済活動の拡大を促し、次の「成長」へとつなげ、「成長」と「安心」が相互に高め合いながら、社会全体を持続的に発展させていきます。

 私は、この好循環の創出を今後の県政運営の基軸に据え、県づくりを新たなフェーズへと進め、果敢に挑戦していく決意でおります。

 こうした新たな県づくりを着実に進めていくためには、本県が目指すべき将来像を明確に示すとともに、その実現に向けた施策の基本的な方向性を定め、戦略的かつ計画的に取組を推進していくことが不可欠です。

 このため、私は、今後の県政運営の指針となる「新たな総合計画」を、本年度中に策定することとしています。

 総合計画の策定にあたっては、国の地域未来戦略や新たな地方創生の観点を踏まえつつ、社会経済構造の変化や顕在化しつつある課題など、本県を取り巻く環境を的確に把握し、県民の皆様と共に、将来に希望を持って暮らし続けられる山口県の姿を描き、その実現に向けた実効的な取組を構築していきたいと考えています。

 職員の皆さんには、県民の皆様の思いを確かなかたちとして結実させることができるように、計画策定に積極的に取り組んでいただくようにお願いします。

 併せて、本県の強みや特色をさらなる「成長」へとつなげる、先駆的で実効性の高い施策の立案や、人口減少下における限られた人的・財政的資源を全体最適の視点から有効に活用し、「安心」を確保する新たな仕組みづくりなど、未来を見据えた県づくりへの取組を、それぞれの立場で検討を重ね、着実に推進していただくようお願いします。

今年度の施策推進方針

 今年度は、今申しました「成長と安心の好循環」の実現に向けた第一歩として、「未来をつくる「稼ぐチカラ」の強化」と「人生100年を支える「安心」の確立」の2本の柱の下で、新たな県づくりを速やかに始動させてまいります。

1 未来をつくる「稼ぐチカラ」の強化

 1つ目の柱は、「未来をつくる「稼ぐチカラ」の強化」です。

 これまでの取組によって、企業誘致における新規投資額が3年連続で過去最高を更新したほか、半導体・蓄電池関連企業の集積や、コンビナートにおける企業間連携の取組が進むなど、目に見えた成果が現れています。

 こうした成果を基盤として、各産業分野における「稼ぐチカラ」を飛躍的に伸ばしていくことにより、人口減少下においても揺るがない、県民の生活を守る力となる、強靭で持続可能な産業基盤を構築をしていきます。

<世界と戦える成長産業の戦略的な集積

 まず、「世界と戦える成長産業の戦略的な集積」として、GX産業拠点の形成を目指します。そのため、国のGX戦略地域の選定に向け、産学公金の総力を結集し、万全の対策を講じていくとともに、カーボンニュートラルコンビナートへの転換を加速するため、先進的な実証試験や設備投資等への支援を強化します。

 また、更なる県内投資に向けた戦略的な企業誘致や、半導体等の成長産業の集積に向けた研究開発の促進や販路拡大等の取組を強化していきます。

<地域経済を支える中小企業の強化>

 「地域経済を支える中小企業の強化」としては、物価高などにも耐えうる収益基盤の構築や生産性向上を後押しするため、適切な価格転嫁や販路の多角化に向けた支援、成長段階に応じたデジタル化やロボット導入を推進します。

<強い農林水産業の育成>

 次に、「強い農林水産業の育成」として、次代を支える担い手の確保・育成を図るため、新規就業者に対する支援金の拡充など、日本一の担い手支援策を一層強化します。

 また、生産力を向上させるため、農業における気候変動下においても収益力の向上が見込まれる品種の導入促進や、県産木材の品質向上に係る総合的な支援、水産業の収益力強化に向けた支援など、県産農林水産物の付加価値向上等に取り組んでいきます。

<観光産業の振興>

 次に、「観光産業の振興」として、山口デスティネーションキャンペーンやピックルボール国際大会の開催など、本県が国内外から大きな注目を集める好機を最大限に活用し、戦略的なプロモーションの展開や魅力的な観光地域づくりに取り組み、将来にわたる持続的な「稼ぐチカラ」の向上につなげていきます。

 また、旺盛なインバウンド需要を本県に確実に取り込むため、重点5市場や欧米豪市場に対し、近隣自治体等とも連携しながら積極的な誘客対策を進めるとともに、外国人観光客を直接取り込むクルーズ船や、国際定期便・チャーター便の誘致に向けた取組を強化していきます。

2 人生100年を支える「安心」の確立

 次に、「人生100年を支える「安心」の確立」についてです。

 産業力の強化によって得られた成長の果実を、子育てや教育、医療、福祉、地域交通など、県民生活を支える様々な分野へ確実に行き渡らせ、県内各地に暮らす方々の生活をしっかりと守り、不安なく暮らせる基盤を整えていきます。

 こうした取組を通じて、県民誰もが、人生のどの段階においても安心を実感しながら歩み続けられる、人生100年を支える「安心」を確立していきます。

​​<子育て支援の充実>

 まず、「子育て支援の充実」として、妊娠・出産から子育てまでを切れ目なく支えるため、第二子以降の保育料無償化や不妊治療の負担軽減など、全国トップクラスの子育て支援に引き続き取り組むとともに、妊産婦への交通費支援や、保育士・保育所への支援の充実を図っていきます。まず、本県経済の持続的な成長を実現をするためには、その基盤となる強い産業力をつくることが極めて重要です。

<教育の充実

 「教育の充実」としては、多様な学びのニーズに応える特色ある学校づくりを進めるため、学校・学科の再編に必要な施設整備等を計画的に推進するとともに、生成AIを活用した学びの充実など、教育現場のデジタル学習環境を整備していきます。

 また、いじめ・不登校対策として、児童生徒の段階的な教室復帰を支えるステップアップルーム設置校の拡大をはじめ、支援体制を一層強化していきます。

<若者の県内就職の促進、柔軟で働きやすい職場づくり

 次に、「若者の県内就職の促進、柔軟で働きやすい職場づくり」として、インターンシップの受入体制強化や働きがいに着目した職場づくりを推進するとともに、生涯を通じて働ける環境づくりを支援するなど、多様な人材が活躍できる環境づくりを推進します。

<暮らしを支える地域づくり>

 次に、「暮らしを支える地域づくり」として、地域公共交通については、その確保と活性化に向け、全県を対象とした地域公共交通ビジョンを策定するとともに、バス・タクシー運転士の確保や、地域公共交通DXの促進による業務効率化など、利便性・生産性・持続可能性向上に向けた取組を進めることとし、併せて、美祢線のBRT転換による交通機能の早期回復に向け、着実に取り組んでいきます。

 また、依然として若年層を中心とした社会減が拡大し、特に女性の流出が大きい傾向にある状況を踏まえ、若者の県内定着を促進するとともに、女性をターゲットとした移住促進に向けた取組を一層強化していきます。

 併せて、若者にとって魅力があり、暮らしやすく、住み続けたいと思える社会の実現に向け、自動運転技術をはじめとする、将来を見据えた先進的なデジタル技術の実装を進めていきます。

<防災・減災、国土強靭化の推進>

 次に、県民の命と暮らしを守る「防災・減災、国土強靱化の推進」として、橋梁の耐震化や耐震強化岸壁の整備等を推進するとともに、南海トラフ地震に係る被害想定を踏まえた津波等に対する早期避難体制の整備や、避難所の環境改善に資する資機材の充実等を図っていきます。

<医療・介護の充実強化>

 最後に、「医療・介護の充実強化」として、全ての地域・世代の方々が、必要な医療・介護を受けながら安心して生活できる体制の構築を目指し、新たな地域医療構想の策定に着手します。

 併せて、地域医療提供体制の確保や地域包括ケアシステムの強化に向け、重点医師偏在対策支援区域における承継・開業や医師派遣による医師確保等を支援するとともに、介護テクノロジーを活用した業務効率化やサービスの質の向上に取り組む事業者への支援、質の高い外国人介護人材の円滑な受入・定着を推進していきます。

3 新たな行財政改革の着実な推進

 こうした新たな県づくりを着実に進めていくためには、その取組を支える行財政基盤の一層の強化に向けて、新たな行財政改革を推し進めていかなければなりません。

 職員の皆さんには、この点を改めて認識をしていただき、それぞれが担う役割を自覚した上で、主体的かつ積極的に取り組んでいただくようお願いします。

職員としての心構え

 以上、今年度の施策推進方針を申し上げました。

 ここで、皆さんが、今後仕事を進めていく上での心構えについて、2点、お願いをします。

1 共創による県づくりの推進

 1点目は、共創による新たな県づくりの推進です。

 人口減少の加速度的な進行や社会構造の急激な変化など、本県を取り巻く環境が大きく転換する中にあって、将来を見据えた新たな県づくりを進めていくことは決して容易なことではありません。

 こうした状況を乗り越えて、社会全体が持続的に発展をしていく「成長と安心の好循環」を創出していくためには、従来の枠組みにとらわれない発想と取組が、これまで以上に求められています。

 さらに、複雑化、高度化する諸課題に対して、行政のみで最適解を見い出すことには限界があります。地域に関わる多様な主体が一丸となって取組を進めることが一層重要になってきます。

 このため、これからの県づくりにおいては、市町や県民の皆様をはじめ、企業、大学、関係団体などとの対話を丁寧に重ね、それぞれが有する強みや専門性、ネットワークを結集して、知恵と発想を出し合いながら、新たな価値や解決策を共に創り上げて、着実に実行していくことが大切です。

 このことが、それぞれの取組の持続可能性を高めるとともに、より大きな成果へとつながっていきます。

 職員の皆さんには、常に県民ニーズを起点に物事を考え、多様な主体との連携を一層深めて、従来にない発想や手法も積極的に取り入れながら、本県の様々な分野において、新たな価値や魅力の創出に取り組んでいただくようにお願いします。

 そして、自らが新たな県づくりを担っていく自覚を強く持って、それぞれの立場と役割において、その責務をしっかりと果たしていただくようにお願いします。

2 危機管理の徹底​

 2点目は、危機管理の徹底です。

 大規模地震をはじめ、気候変動による集中豪雨などの自然災害、新興感染症の感染拡大、サイバー攻撃など、近年、私たちを取り巻くリスクは多様化・複雑化し、予測が困難な事態が増大しています。

 こうした不測の事態に際し、県民の皆様の命と暮らしを守り抜くためには、まず平時における備えが何よりも重要です。

 職員の皆さんには、日頃から危機管理への意識を強く持ち、情報の的確な収集・管理や関係機関との連携の強化などに不断に取り組み、いざ危機事象が発生した際に、迅速に、また、的確に行動ができる体制づくりを、改めて徹底していただくようにお願いします。​

終わりに

 以上、県政運営に関する私の考えを申し上げました。

 今年度は、冒頭から申し上げているとおり、将来を見据えた新たな県づくりのスタートの年であります。

 人口減少をはじめ、県政が直面する様々な課題を克服して、「成長と安心の好循環」を創出することにより、「安心で希望と活力に満ちた山口県」の実現に向けて、全力で取り組んでまいりたいと考えています。

 職員の皆さんにも、私と志を一つにして、それぞれの持ち場において果敢に挑戦を重ねていただきたいと思います。県民の皆様の期待に応えていけるように、この一年、共に頑張っていきましょう。よろしくお願いします。​