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知事記者会見録・令和7年12月24日実施分
発表項目
〇年末に当たっての所感について
〇山口県職員カスタマーハラスメント対応方針について (PDF:837KB)
〇2027年国際園芸博覧会への出展について (PDF:3.65MB)
知事
今日は、今年最後の記者会見ということになります。
報道関係の皆さま方には、この一年、大変お世話になりました。ありがとうございました。
本年は、これまで積み重ねてきた成果を基盤に、新たな県づくりの取り組みを県政の各分野で着実に進展させることができたと、そのように考えています。
産業分野では、企業誘致において、過去最大の投資となるマツダ株式会社の新工場の建設が決定されるなど、実績を伸ばし、新規投資額は、3年連続で過去最高を更新して、2,000億円に迫っているところです。
基盤整備も進み、徳山下松港では大水深桟橋の運用を開始し、ケープサイズ級の大型船も入港しており、今後さらなる輸送の効率化が期待されます。さらに、下関北九州道路については、昨日、都市計画を決定し、早期事業化に向けた取り組みを進めることとしています。
観光では、来年の山口デスティネーションキャンペーンに向けて、10月からプレキャンペーンを開催するとともに、観光コンテンツの造成や磨き上げを行い、本県が世界に誇る豊かな自然や歴史、文化を活かした魅力ある観光地域づくりが着実に進んでいます。
また、本県の魅力を国内外に発信するため、大阪・関西万博への出展を行い、多くの来場者を迎えて、本県の多彩な魅力を直接お伝えすることができました。万博でも紹介したMine秋吉台ジオパークは、ユネスコ世界ジオパークへの認定を「承認」する勧告が決定され、来年4月には正式に認定される見込みとなっています。
さらに、交流拠点の施設としての整備を進めている山口きらら博記念公園では、中国地方最大級のフラワーガーデンや大型複合遊具広場「きららんど」などがオープンし、多くの県民の皆様に利用され、子育て世代からも高い評価をいただいています。
一方で、人口減少は深刻さを増しています。その克服に向け、社会減対策として、本県からの転出超過が最も多い福岡県への暮らしと仕事の相談拠点「YY!テラス福岡」の設置や、就職活動やインターンシップに係る交通費等の全額補助など、若者の県内就職・定着を図るための取り組みを強化しました。
少子化対策では、結婚応縁センターの会費無料化や大規模婚活イベントの開催のほか、全県的な産後ケア提供体制の構築など、安心して子どもを生み育てることができる環境づくりの取り組みを充実させたところです。
また、長期化する物価高に対しては、医療・福祉施設の光熱費への支援などに取り組んできたところですが、この度の国の総合経済対策を活用した追加対策を速やかに実行し、県民生活と事業活動をしっかりと支えていきたいと考えています。
来年も、こうした取り組みをさらに前に進め、本県をより高いステージへと押し上げていく、県民誰もが豊かさと幸せを実感できる山口県の実現を目指して、全力で取り組んでまいります。
次に、「山口県職員カスタマーハラスメント対応方針について」でございます。
カスタマーハラスメント、いわゆるカスハラについては、県では、全ての労働者が安心して働くことができる環境を整備するために、事業者・消費者それぞれに対し、カスハラ対策の周知・啓発に取り組んでいるところです。
こうした中で、私は、カスハラ対策について、県自らも積極的に取り組んでいく、このことが重要であると考えています。本年6月に実態把握のための職員アンケートを行いました。
その結果、過去3年間にカスハラを受けた経験のある職員は41%というふうに結果が出まして、職員が対応に苦慮している状況も明らかになってきました。そうしたことで、対策は急務というふうにとらえてきたところです。
言うまでもなく、カスハラは、職員の心身の健康を脅かすだけでなく、職場環境の悪化、そして通常業務の停滞など、行政サービスの低下につながりかねない重大な問題です。
このため、カスハラ行為から職員を守り、良好な職場環境を確保するとともに、行政サービスを適正に提供するため、カスハラには毅然とした態度で組織的に対応すること等を定めました、「山口県職員カスタマーハラスメント対応方針」を策定しました。
方針では、まず、カスハラの定義を、「当該クレーム・言動の要求内容の妥当性に照らして、当該要求を実現するための手段・態様が社会通念上不相当なものであって、当該手段・態様により、職員の就業環境が害されるもの」とし、要求内容の妥当性、要求の手段・態様が社会通念上相当か、の2点の判断基準を定めました。
その上で、カスハラへの対応として、その行為を8つの類型に分類し、具体的な対応要領を明確化しました。
これ(資料3ページ目)に8つ書いているんですけれども、これは目安ですので、全てこれで一律にやるということではなくて、こうしたものを目安にやっていきましょうというところです。例えば、時間拘束型で言いますと、長時間の電話にとられるということが非常に多いわけですね。それが何時間も場合によっては続くわけです。一定の経過、概ねここでは30分ということを一つの目安にして終わらせるということ、これを一つの目安にしている。リピート型、繰り返し何度も来るということもあります。同じことですね、一回の対応は概ね3回をもって対応を終わるですとか、そうしたことを目安にするということですね。あと暴言型とかいろんなものがあります。これは、非常に多くの職員が経験をしていると思いますけれども、私も実は、国で働いているときですとか、自治体に勤務したことがありますので、大変こういったことにも苦慮した経験もあるわけですね。例えば時間拘束型ということで言いますと、金曜日の深夜まで働いて、仕事が終わらないんで、翌日昼に来て仕事をしようと思ったら、席に着いた途端にクレームの電話がかかってきて、それで3時間も4時間もとられて、その日はそれで終わったということもありましたけれども、やっぱりそういったことで非常に仕事の時間をとられるのもありますし、内容的に繰り返し何度も何度も同じことを言われるですとか、そうしたことへ対処する、これはもう相手方も非常に気持ちが高ぶっていたりもするので、なかなかこちらも無下には切りづらいというところがありますけれども、やっぱりこういった目安があることによって、それをもって自分が判断できる、あるいは相手に伝えることもできるということで、一つの対応がやりやすくなるということがあります。そうしたことで、ぜひこうしたもので、一つの目安を作ってやっていく、職員も認識をして、相手方にも理解をしてもらうということをぜひ進めていきたいと思いますし、これは働くことのモチベーションを保つことにもつながってまいります。やっぱりこういったことが続きますと、メンタル的にかなりやられてしまったりですとか、働くモチベーションですとか、そうしたものが奪われるということになってきます。やっぱり働きやすい職場、そして働きがいのある職場ということをやっていく上では、こうした基準をしっかりと組織として作って、対応できるようにしていくということが大変重要だと思っています。
合わせまして、カスハラを受けた職員の心のケアのための相談体制の強化ですとか、各種研修の充実、これによる職員の対応力向上等にも努めていきたいと思っています。
そして、カスハラの防止に向けまして、このポスター、これを作りました。このポスターを各所属に掲示をして、カスハラに対する県職員の対応姿勢、これを周知するとともに、職員の名札の顔写真を止めて名字のみ記載するということで、職員のプライバシーに配慮した見直しを行います。今は顔写真を入れてフルネームで書いているわけですね。これは、県民の皆さまに対するサービスということで、こうやっていたわけですけれども、例えば、これ(名札)をそのまま写真に撮る人とかいるわけですよね。なので、顔が分かって、名前を全部知られてるというところが、一方的に撮られてしまうということが現実に起きていまして、非常に職員としてはそれで怖い思いをする、今からどんなことがあるんだろうかということで、非常に不安を抱えることにつながってまいりますので、これからは、顔写真を止めて苗字を表記するというふうに改めたいということで、見直しを行うことにします。
そうしたことで、県としては、行政サービスを適正に提供する姿勢は堅持しながら、カスハラ行為には毅然として対応し、職員が安心して働くことができる、そうした職場環境をしっかりと作っていきたいと考えておりますので、皆さま方のご理解をぜひともよろしくお願いしたいと思います。
続きまして、2027年3月から9月にかけて開催されます「2027年国際園芸博覧会」への出展についてです。
この度、開催されます国際園芸博覧会は、国際園芸博覧会の中で最も上位に位置付けられております。国内では、大阪で1990年に開催された「国際花と緑の博覧会」以来、2回目の開催ということになります。
開催場所は、神奈川県横浜市であります。期間中に約1,500万人の参加者が見込まれ、今年開催された大阪・関西万博に引き続き、開催される「万博」として、注目をされています。
博覧会の会場には、博覧会のテーマであります「幸せを創る明日の風景」を実現する、5つの「Village(ビレッジ)」と、花や緑の美しい風景が楽しめる3つの「ゾーン」が設けられることになっています。
このうち、右下(資料3ページ目)の「日本ゾーン」の一部に自治体の屋外出展エリアが設けられることになっています。
山口県としては、県産花きの普及、また県の多彩な魅力を発信する貴重な機会と、これをとらえまして、この屋外エリアに出展することといたしました。今月12日に、博覧会協会と屋外出展にかかる基本協定を締結したところです。
出展の目的は、「山口きらら博記念公園」に整備した、中国地方最大級のフラワーガーデンを全国に向けて発信し、来場者の拡大につなげるとともに、本県オリジナル花きを展示し、PRすることにより、県産花きの振興を図ってまいります。
こちらが、山口県が出展する作品のイメージということになります。
このイメージ図は、県内の造園や花きの専門家等で構成された「アドバイザリー会議」で頂いたご意見を基に、作成しています。
また、出展する作品は、世界ジオパークへの認定が見込まれている秋吉台をはじめとした“豊かな自然”を表現するとともに、「山口きらら博記念公園」のフラワーガーデンや、県独自に品種開発したオリジナル花きなど、“花と人の親しみ”の風景を一つの庭園に凝縮して表現をしています。
今後、この出展を通じて、山口の魅力をしっかりと伝えていきたいと考えていますので、多くの皆さま方にご来場をいただきたいと思っています。
私からの説明は以上です。
【質疑応答は後日追加します】

