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おもしろ統計・171 山口県の完全失業率はなぜ低い?
171 山口県の完全失業率はなぜ低い?(令和7年11月20日掲載)
日々の報道などで「完全失業率」という言葉を耳にすることはありませんか。
働く意欲のある人のうち、完全失業者(職がなく、求職活動をしている人)が占める割合をいい、雇用情勢を示す重要な指標です。
総務省「労働力調査」の結果として、毎月、全国値が公表されていますが、今回は都道府県別の完全失業率(モデル推計値)に着目してみましょう。
直近(令和6年)の完全失業率が最も低い福井県、最も高い沖縄県分も併せ、本県の過去20年間の推移をグラフにしてみました。
各県とも長期的に完全失業率は低下傾向にありますが、本県の完全失業率は福井県と同様、継続的に全国値を下回って推移しており、沖縄県はほぼ常に全国値より高くなっています。
このような地域的特徴はなぜ生じるのでしょうか。
完全失業率の地域差には様々な要因がありますが、一つには地域の産業構造の影響があると言われます。
一般的に製造業は長期の安定雇用が期待できるとされ、製造業を始めとする第二次産業従業者の比率が高い県は、失業率が低い傾向にあるのです。
総務省「令和4年就業構造基本調査」結果を見てみると、やはり、沖縄県の第二次産業従業者比率は約15%と全国値の23%を10ポイント近く下回る一方、福井県は約32%と高く、本県も約26%で高めの比率となっています。
本県の産業構造の特徴である製造業の強さが、低めの完全失業率に表れているといえるでしょう。

171 山口県の完全失業率はなぜ低い? (PDF:328KB)

