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劇症型溶血性レンサ球菌感染症について
劇症型溶血性レンサ球菌感染症が増加しています。
全国的に劇症型溶血性レンサ球菌感染症の感染者の報告数が増加しています。国内の2024年の報告数は、1999年に統計を取り始めて以降過去最多の報告数となっています。
山口県でも、2024年第37週時点で13人となり、過去最多の報告数となっています。
劇症型溶血性レンサ球菌感染症の患者数が増加している理由は必ずしも明らかではありませんが、2023年の夏以降、A群溶血性レンサ球菌による急性咽頭炎の患者数が増加していることが要因の一つである可能性があると考えられています。
劇症型溶血性レンサ球菌感染症とは
劇症型溶血性レンサ球菌感染症は溶血性レンサ球菌による感染症です。
溶血性レンサ球菌は、一般的には急性咽頭炎(のどの風邪)などを引き起こす細菌ですが、まれに引き起こされることがある重篤な病状として、劇症型溶血性レンサ球菌感染症(STSS)が知られています。
劇症型溶血性レンサ球菌感染症は、突発的に発症し、敗血症などの重篤な症状を引き起こし急速に多臓器不全が進行することがある重症感染症であり、その死亡率は約30%とされていますが、重症化するメカニズムはまだ解明されていません。
症状
初期症状は、咽頭痛、発熱、消化管症状(食欲不振、吐き気、おう吐、下痢)、全身倦怠感、低血圧などの敗血症症状、筋痛などが見られます。
発病から病状の進行が非常に急激かつ劇的で、発病後数十時間以内には筋肉周辺組織の壊死(えし)を起こしたり、血圧低下や多臓器不全からショック状態に陥り、発病後数十時間で死に至ることも少なくありません。
※四肢の疼痛、腫脹、発熱などの感染の兆候が見られる場合は、速やかに医療機関を受診してください。
予防方法
手指衛生や咳エチケットなど基本的な感染防止対策が有効です。
また、手足等の傷口から感染する場合があるため、傷口を汚れた手で触らないなど、清潔に保つことが大切です。