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世界文化遺産推進室・錦帯橋の世界遺産暫定一覧表記載資産候補提案書の提出
県では、錦帯橋の世界文化遺産登録に向けて、岩国市と協力して、取組を進めています。
世界文化遺産としてユネスコへ推薦する前提となる「世界遺産暫定一覧表」に錦帯橋が記載されるよう、錦帯橋の顕著な普遍的価値などを「世界遺産暫定一覧表記載資産候補提案書 錦帯橋」として取りまとめ、文部科学省へ提出しました。
提案書提出の概要
- 日時 平成30年12月19日(水曜日)
- 提出先 文部科学大臣 柴山昌彦
- 提出者 山口県知事 村岡嗣政
山口県議会議長 柳居俊
岩国市長 福田良彦
岩国市議会議長 藤本泰也
提出に際してのコメント
1 村岡県知事
錦帯橋が世界文化遺産登録にふさわしいことを、さまざまな点から整理を重ね、研究を行ってきた。
このたび、景観美とか構造の美しさ、世界唯一の構造などを顕著な普遍的な価値として整理し、真実性、完全性の検証も行った上で、このたび提案書を取りまとめた。
今後、世界遺産暫定一覧表への追加記載の動きがあれば、錦帯橋についてもぜひ追加記載をお願いする。
2 福田市長
岩国市民は、約340年という長い年月にわたって錦帯橋を守ってきた。今では、錦帯橋の世界遺産をめざし、「錦帯橋を世界文化遺産に推す会」という団体を組織し、講演会や啓発の冊子の作成など、様々な活動を行っている。
また、2年前には、県と市、県議会、市議会、観光協会、商工会議所、市民団体とで錦帯橋世界文化遺産登録推進協議会を立ち上げ、活動している。
錦帯橋は岩国の宝であり、シンボルである。これを世界の宝として、世界文化遺産へとよろしくお願いする。
3 柳居県議会議長
錦帯橋は、春は桜、夏は鵜飼、秋は紅葉と風光明媚。「岩国錦帯橋空港」と空港の名前にも付けられ、地元の人々に大変愛されている。世界遺産の宮島や原爆ドームに大変近く、世界遺産登録は地域の活性化につながる。世界遺産登録が実現するよう御指導のほどをお願いする。
4 藤本市議会議長
市議会としても「岩国市錦帯橋世界文化遺産登録推進議員連盟」を立ち上げ、前文化庁長官による講演や、フォトコンテストなど企画し、市民啓発、市民活動につなげるよう、努力しているところである。
世界遺産暫定一覧表への追加記載をよろしくお願いする。
5 文部科学大臣
錦帯橋は極めてユニークで、しかも風光明媚。今、顕著な普遍的な価値、真実性、完全性等について説明いただいた。
今日、いただいた提案書をしっかりと拝見させていただいて、必要に応じて技術的、専門的な指導や助言等について行っていきたい。
提案書の概要
1 目的
この提案書は、「錦帯橋」が世界遺産暫定一覧表への追加記載にふさわしいものであることを提案するもの。
2 構成
世界文化遺産への登録を目指し、「世界遺産条約履行のための作業指針」で規定された「登録推薦書」の構成に準じた構成としている。
3 内容
世界文化遺産登録に必要な、登録基準を満たす顕著な普遍的価値とともに真実性の証明や完全性の充足、資産を保護するための措置が図られていることを記載。
(1)登録基準を満たす顕著な普遍的価値(P56,P57)
登録基準(1)人間の創造的才能を表す傑作である。
⇒錦帯橋が持つ景観美、構造美により証明
登録基準(4)歴史上の重要な段階を物語る建築物、その集合体、科学技術の集合体、或いは景観を代表する顕著な見本である。
⇒世界唯一の構造(錦帯橋式アーチ構造)により証明
(2)真実性の証明及び完全性の充足(P58~P61,P57)
資産「錦帯橋」の形状、機能等は創建当時から変わっていないという真実性を、江戸時代から残る古図面等により証明。
資産「錦帯橋」は、顕著な普遍的価値を説明するのに必要な全ての構成要素(アーチ橋、桁橋、橋脚、橋台、護床工)を含んでいるという完全性を充足。
(3)資産の保護措置
- 資産及び緩衝地帯の範囲(P4,P5)
資産である錦帯橋(橋台、護床工を含む)の効果的な保護のために必要な周辺部を緩衝地帯(バッファーゾーン)に設定。 - 資産の適切な保全を図る法令(P80~P85)
資産:文化財保護法(名勝指定)
緩衝地帯:都市計画法、景観法、屋外広告物法、文化財保護法、森林法、河川法 - 保存管理に関する計画(P87~P89)
資産の保存管理は、平成20年(2008)策定の「名勝錦帯橋保存管理計画書」に基づき実施。現在、「名勝錦帯橋保存活用計画」として改訂作業中。
また、資産及び緩衝地帯を対象とした「包括的保存管理計画」を策定予定。
※提出した提案書は次のとおりです。