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ローカル山だより/ローカル山だより・県林業士会が視察研修を実施!
山口県林業士会では、会員の技術・知識の向上に資すため、毎年、先進地視察研修を実施しています。今年は、9月2日(月曜日)~3日(火曜日)に会員17名が鳥取県西部の日野町及び日南町を視察しました。
日野町では、本年6月に開催された全農主催の乾椎茸品評会で農林水産大臣賞を受賞されたばかりの鳥取県指導林家・上谷春さんのほだ場を視察し、ご本人から良質な原木椎茸生産のポイントなどについて、お話をいただきました。
日南町では、日南町役場を訪問し、農林課職員の方々から様々な取組について説明を受けました。日南町では、町有林を主体にFSC森林認証を取得し、環境に配慮した森林管理を実施しています。また、認証を受けた森林のうち間伐地を対象にJ-クレジット(※1)を取得、周辺企業などへ売却して得た資金を林業振興等に活用されています。
さらに今春には、町立の「にちなん中国山地林業アカデミー」を開設し、約670haの町有林を演習フィールドに、実習を主体とした体系的な森林教育を実施し、人材育成にも取り組んでいます。
当町の豊富な森林資源を活かしたこれら先進的な取組を、視察に参加した林業士会会員の皆さんは関心高く聞き入っている様子でした。
視察の最後は日南町役場に近い「道の駅にちなん日野川の郷」を訪れました。ここは、全国初のFSC認証の道の駅として約3年前にオープンし、木造部分の多くは、町有林の認証材が使用されています。また、町有林のJ-クレジットを活用し、道の駅での二酸化炭素排出量を全量、カーボン・オフセット(※2)しているとのことです。道の駅で扱う全商品に1円のクレジットを付けて販売しており、道の駅利用者は同町の森林整備に貢献することになり、また、環境貢献意識の向上も期待されています。
県林業士会では、今後も各地の先進地視察を引き続き実施し、技術及び知識の向上に努め、本県林業振興や担い手の育成に貢献していくこととしています。
※1 対象森林における二酸化炭素吸収量を認定し、その売買を可能とした制度。
※2 企業活動などで排出された二酸化炭素を、他の場所の吸収・削減量で埋め合わせて相殺すること。
良質な原木椎茸生産現場を視察
集合写真(日南町役場エントランスにて)
道の駅にちなん日野川の郷