
本文
明けましておめでとうございます。
皆様には、新しい年を健やかにお迎えのことと、謹んでお慶び申し上げます。
県議会では、県政の諸課題や議会改革に果敢に取り組んでいるところであり、新たな年をむかえ、決意も新たに、活発な議論を通じた政策立案能力の向上や提言機能の充実、公正で円滑な議会運営など、「開かれた県議会」に向け、そして、県民誰もが未来に希望が持てる山口県を切り拓くべく、一層精進を重ねてまいりたいと考えています。
昨年を振り返りますと、元日に能登半島地震が発生し、家族のだんらんが一瞬にして奪われる緊迫した年明けとなりました。活気ある能登を取り戻すため、復旧、復興の取組の加速化が求められます。
また、8月には宮崎県南部を震源とする地震発生後、気象庁から初めて南海トラフ地震臨時情報が発表され、本県でも関係課が24時間態勢で警戒に当たる特別警戒体制が敷かれました。
自然災害が激甚化・頻発化し、地域住民の生命・財産に対するリスクが高まる中、過去の教訓を改めて胸に刻み、県民の安心・安全を守るという強い信念の下、引き続き、防災・減災対策の充実に取り組んでまいる所存です。
一方、夏には2024パリオリンピック・パラリンピックが開催され、本県ゆかりの選手をはじめ日本選手団の目覚ましい活躍により、多くの県民の皆様に夢と感動を与えていただきました。
世界に目を向けますと、今年戦後80年という節目を迎え、平和を重んじ、戦争の惨禍を決して繰り返さないという私たちの思いに反し、長期化するロシアのウクライナ侵攻や、混迷を深める中東情勢など、従来の法の支配に基づく国際秩序が揺らぐ中、我が国を取り巻く安全保障環境についても、周辺国の軍事活動の拡大・活発化等によって、戦後最も厳しく複雑なものとなっています。
こうした中、国政では、およそ3年続いた岸田内閣から衆議院議員総選挙を経て、第2次石破内閣が発足したところであり、政治の信頼回復はもとより、治安・防災や外交・安全保障への対応、地域・経済の活力回復など、日本の安心・安全を守り、日本の未来を創るための確かな政策を着実に推進していただきたいと思っています。
県政では、加速度的に厳しさを増している人口減少の克服に向けて、村岡知事のもと、産業、医療、福祉、教育など多くの分野で深刻さを増す人手不足対策をはじめとする社会減対策や、自然減の流れを止めるための少子化対策、医療・介護提供体制の充実や大規模災害に備えた防災・減災対策の強化など、人口減少下にあっても持続可能な地域社会づくりの取組が進められています。
県議会としても、「少子化・人材育成確保対策」と「産業脱炭素化推進」の二つの特別委員会を設置し、将来にわたって地域経済や県民生活が豊かなものとなるよう調査研究を進め、昨年12月に村岡知事にそれぞれ政策提言を行いました。
また、観光・文化や物産、産業、教育といった幅広い分野における県勢発展に向けて、これまで友好交流を深めてきたハワイ州や台湾、ベトナム等と人的なつながりを深めるなど、さらなる交流の深化を図ったところであり、今後とも、二元代表制の一翼を担う県議会として、重要課題に係る政策立案・提言、国際交流等に積極的に取り組むなど、その役割を的確に果たしてまいります。
加えて、県議会では、県民の関心・理解を高め、より身近な存在となるよう取組を進めており、昨年は、その一つとして高校生を対象に実施してきた模擬議会「やまぐち高校生県議会」が第10回という節目を迎えたところであり、引き続き「開かれた県議会」を目指して努力を重ねてまいります。
今年の干支は、「乙巳(きのとみ)」で、積み重ねてきたものが芽吹き、花開くと一気に最大限まで伸びるという意味がこめられています。
私は、県民の皆様からの多様な声をしっかりとお聴きし、「夢と情熱」をもって、本県の振興・発展、県民福祉の向上に全力を尽くす決意です。
本年が、皆様にとりまして、輝かしく素晴らしい年となりますよう念願いたしますとともに、本県議会に対しまして、変わらぬご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げ、新年のごあいさつといたします。
山口県議会議長 柳居 俊学