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8月29日に「やまぐちデザインシンキングカレッジ」のオープニングイベントを、やまぐちDX推進拠点「Y-BASE」で開催しました。当日は、浅沼デジタル監のビデオメッセージの紹介や、デザイン思考における国内トップレベルの講師陣による講演・ワークショップなどが行われました。
最初に村岡知事から開講あいさつがありました。
「やまぐちデザインシンキングカレッジ」は、デジタル改革でより高い成果を出すためにはデザイン思考が非常に重要で、これを身に着けて実践できる人材を育成すべきとCIO補佐官の提言を受けて創設されたことが紹介され、カレッジを通じてデザイン思考を普及・定着させ、利用者の目線に立ったDXによって、これまで以上の豊かさと幸せを実感できるデジタル社会の実現に向けて取り組みたいとあいさつしました。
続いて、デジタル庁の浅沼デジタル監からのカレッジ開講へのビデオメッセージが紹介されました。
その中で、DXの起点は顧客や社会のニーズを理解するということであり、それはデザイン思考の基本的なアプローチ。DXにはデータやデジタル技術と同じ位デザイン思考が重要。また、県が主導してデザイン思考の理解と実践の場づくりを行うことは画期的な取組であり、デザイン思考の普及・人材育成を進めるとともに、その知見や成果を活かして、行政サービス・まちづくり・産業発展・地域活性化につなげてほしいとの期待も示されました。
続いて、株式会社コンセント代表で武蔵野美術大学教授の長谷川敦士氏による特別講演「DXの推進とデジタル思考」を行いました。
講演では、デジタル技術の進展によって新製品・サービスが生まれる中でUXのデザインが重要となってデザイン思考が誕生したことや、社会問題の解決やイノベーションにも使えるのではないかと見出されてサービスデザインへと発展してきた経緯、社会のためになり社会の行動力を高めるイノベーションを起こそうというソーシャルイノベーションとの関係、福岡県の地域文化商社や山形県の中小企業などにおけるデザイン思考の実践事例などが紹介され、ソーシャルイノベーションの時代においてこそ、地方や中小企業においてデザイン思考を活用する意味があると語られました。
本カレッジのアドバンストプログラムも担当される慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科(慶應SDM)の広瀬毅氏と中田実紀子氏を講師とした講演・ワークショップを行いました。
講演では、人の認知には「見たいモノしか見ない」バイアスがかかっていることを認識することが重要であり、VUCAの時代には既存の枠を超えたイノベーティブな思考が大事であることや、あらゆるものをシステムとして捉える「システム思考」と問題解決にアプローチする姿勢である「デザイン思考」を掛け合わせた慶應SDM独自のアプローチである「システム×デザイン思考」について講義が行われ、後半は、デザイン思考に基づいて「見たことも聞いたこともないスポーツ(競技)を考えてみよう!」というワークショップを実施しました。
その後は、カレッジ運営事務局から今後のプログラムの詳細説明があり、その後、講師と現地会場参加者との交流タイムが実施されました。
当日の様子は「デジテック for YAMAGUCHI」の事務局note<外部リンク>にも掲載しています。