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「農林業産学公連携プラットフォーム」大径材の加工・利用に向けた研修会を開催しました。
研修会の概要
花粉発生源対策やカーボンニュートラルの実現に向けて、本県が推進している「伐って、使って、植える」森林資源の循環利用の取組を進める上で、課題となる高齢級の森林から産出される大径材の利用促進を図るため、令和5年10月16日に(国研) 森林総合研究所四国支所 産学官民連携推進調整監 伊神裕司氏を講師に迎え、標記研修会を開催し、専門アドバイザー、外部連携会員、製材事業者、県関係者 約60名が参加しました。
講師紹介
(国研) 森林総合研究所四国支所 産学官民連携推進調整監 伊神裕司氏
【略歴】
・愛知県出身。1991年3月名古屋大学大学院農学研究科修了後、同年4月森林総合研究所入所。
・加工技術研究領域 木材機械加工研究室長、木材加工・特性研究領域長等を経て、
2023年4月より現職。
・専門分野は製材加工。
・現在、(公社)日本木材加工技術協会 常任理事、
製材の日本農林規格の制定等の原案作成検討会委員長 他
講演の内容
- 大径材の流通・利用の現状
- 大径材利用の取組(研究プロジェクト、各地域の取組)
- 国産材製材工場の現状をふまえた大径材製材の方向性
- 帯鋸目立て士の育成について
※講習内容の概要 (PDF:277KB)
【主な質疑応答】
〇本日参加された製材業者(8社)のうち、大径材を利用している業者はどのくらいあるのか?
→4社が利用
〇ヤング係数の推定手法に係る文献はどこで確認できるか?
→森林総研HPで第4期中長期計画の成果の中で公開している。
〇含水率分布評価手法について、辺材は相関係数が0.55とあまり高くないので、現時点では調べるのが難しいということか?
→現在、推定精度を上げるための試験を進めている。
〇心持ちの平角と心去りの平角は同じ1本の木から取っても強度の違いが出てくるのか?
→宮崎県のデータでは、ヤング係数はほぼ遜色ない
木取りによって心去りは強度に影響が出る場合がある。
〇ヤング係数の推定はFFTアナライザーを使用するのか?
→森林総研ではFFTアナライザーを使用している。
〇大径材として利用する際の木の成長過程での問題は?
→偏心、腐り材は問題がある。