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水の作文コンクール・水の循環

ページ番号:0167765 更新日:2022年8月1日更新

山口県優秀賞

水の循環

下関市立川中中学校 3年 古重 葵(ふるしげ あおい)

 日本には水道があって蛇口をひねるときれいな水がでる。学校でものどが渇けば水道から水を飲むことができる。トイレに行けば流すのに水を使い、手も洗う。飲める水でお風呂にも入り、暑い夏は水遊びもする。私は生まれてからつい最近まで、ずっとそれが当たり前だと思っていた。しかし、そうではない、きれいな水が当たり前にない地域があるということも知った。私よりも幼い年齢の子が裸足で危険な道のりを何時間もかけて歩き、バケツに川の水を汲み重たくなったバケツを頭にのせて家に持って帰る。大事に持って帰った水でも衛生的でないため、その水で生活をすることにより病気になり命を落とす子供もいる。世界の九百を超える国の中でも直接飲むことのできる衛生的な水が水道から出る国はわずかであり、日本はそのうちの一つだということをどれだけの人が知っているだろうか。安全な水が蛇口から出る国にいることに気づくことができていない人はまだまだたくさんいると思う。
 私は水の大切さを考える時に、海をきれいにする事の大切さも一緒によく考える。なぜなら雨などでたまった水はダムや川に流れ、私達はそれを利用し、いつかその水は海に流れる。海に流れた水は海水と混じるが、そのうち水は水蒸気になって空気中に溶け込み、水蒸気は上空で雲になり、その雲から雨や雪が降る、すなわち水をきれいにするには海もきれいにする必要があるからと考えるからだ。調べてみると、日本には安全な水を維持することを目的とした「健全な水循環」を守るための「水循環基本法」という法律があることが分かった。法律にも私が考えたように、目の前にある水道水だけを考えるのではなくより広く水の循環を考え、地球規模で考えるべきことに触れている。やはり水を大切にするためには水の循環を考えて取り組むことや意識することが重要だということがわかった。これを機に自分の住んでいる地域の水源がどこなのかを調べた。主要水源ダムの貯水率は六十四・四パーセントで「安心です」となっていたが、調べるまで主要水源のダムがどこなのかも意識してなかったことに気づいた。貯水率は雨が降らなければ減ることもあると思う。水不足だと知った時にはすでに遅いのだから、日ごろから貯水率を気にしておくことも水を大切にする意識につながると考える。
 海のゴミ拾いボランティアに参加した際、海洋プラスチックゴミが細かく砕け、マイクロプラスチックとなり、有害なものとなっていることを学んだ。実は海のゴミの七十パーセントはプラスチックゴミだそうだ。そのプラスチックゴミがどこから来るのかというと、街で雨が降った時に、落ちていたゴミが川や水路に流された結果、海にたどり着くものがほとんどだそうだ。つまりゴミの管理があいまいなままで、放置されたゴミを海に流しているのは人間ということだ。ゴミを海に流さないようにするには私たちが行動を改めないといけないのだ。
 SDGsの目標6では「安全な水とトイレを世界中に」とある。そのターゲットの中には「水に関連する生態系の保護・回復を行う」とある。「水循環基本法」も海のゴミ拾い活動も大切にしたいことや目指そうとしていることは、つまりは同じなのだ。「水循環基本法」に「水は生命の源であり、絶えず地球上を循環し、大気、土壌等の他の環境の自然的構成要素と相互に作用しながら、人を含む多様な生態系に多大な恩恵を与え続けてきた」とある。その通りだと思う。そのことをもっとたくさんの人に気づいてもらいたい、水のありがたさに目を向けてほしいと強く思う。
 安全な水が飲める国にいることを当たり前に思わずに、水の循環を意識しながら、私に出来ることは何かを考え、知ろうとすることも忘れずにいようと思う。


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