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知事記者会見録・平成29年2月22日実施分

ページ番号:0013045 更新日:2017年2月24日更新

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日時 平成29年(2017年)2月22日(水曜日)
11時30分~13時30分
場所 県庁2階 記者会見室

発表項目

  • 平成29年度当初予算(案)

知事

 皆さん、こんにちは。
 今日、私の方からは、平成29年度当初予算案について発表させていただきます。
 これまでも申し上げてきておりますけれども、本県の財政状況は、大変厳しい状況にあります。恒常的に多額の財源不足が見込まれる、そういう極めて厳しい状況にあるわけですが、そういう中で、昨年の夏から全庁を挙げまして取り組んできました行財政構造改革でありますけれども、その取り組みを行い、そして、基金の取り崩しによって、なんとか来年度の予算は編成できたというところであります。
 しかし、後ほどまた説明をしますけれども、来年度の国の予算におけます社会保障の充実ですとか、地方交付税の減少、地方財政対策の影響等によって、さらに財源不足が拡大をするということが見込まれておりまして、そういった意味では、本県の財政状況は、これからかなり厳しい状況を迎えまして、まさに正念場を迎えると思っております。
 このため、改めて強い危機意識を持って、全庁を挙げて徹底した行財政構造改革に取り組んでいかなければなりませんし、その上に立って、チャレンジプランの確実な実現、そして、「まち・ひと・しごと創生総合戦略」の着実な推進に取り組んでいきたいと考えています。
 それでは、資料に沿って説明をさせていただきます。
 まず、今言いましたように、平成29年度当初予算はですね、もともと恒常的に、山口県、大変厳しい硬直化した状況にありますので、そういった中で、極めて厳しい財政状況の中での編成となったということでありますけれども、そうした中で、本県の未来をしっかり見据えて、活力ある県づくりを進めるべく、まずは、持続可能な財政構造の確立に向けて、中長期的な財政基盤の強化・立て直しに全力で取り組みました。
 そうした中で、本県の最重要課題である人口減少問題、あるいは直面する政策課題への対応についても、限られた財源を使う中で取り組みを進めまして、チャレンジプランの目標の「突破」と、そして、地方創生の加速に取り組んだところであります。
 大きく言いますと、二つの柱を掲げていますが、一つは、「財政健全化に向けた行財政構造改革の推進」でありまして、また、これは後ほど詳しく言いますけれども、「徹底した歳出構造改革」や、それから、当面足りない「臨時的・集中的な財源確保対策」ということで、取り組みを行うことにしております。これは後ほど詳しく説明しますけれども、二つ目は、「チャレンジプランの目標『突破』と地方創生の加速」ということでございます。
 これは、国の「地方創生推進交付金」等を最大限に活用していきながら、施策重点化方針に沿って、施策を組み立てております。チャレンジプランが来年度、計画の最終年度となってまいりますので、それの確実な目標達成、それから、総合戦略の着実な推進に取り組むということとしています。
 こうした取り組みの結果、当初予算の規模は、6,809億円ということで、本年度と比べますと、217億円の減、3.1%の減ということになっております。緊縮型の予算ということになるわけでありますけれども、私としては、厳しい財政状況の中で、構造改革を進めながら、「チャレンジプランの目標『突破』、地方創生の加速」の実現に向けて、しっかりとした予算が組めたと思っております。
 それでは、「財政健全化に向けた行財政構造改革の推進」について、ご説明させていただきます。
 まずは、「財源不足への対応」ということでありますけれども、これは、当初予算の編成方針公表段階で180億円財源不足があるという中で、これをなんとか解消しなければいけないということで、副知事をトップにして、庁内で全庁的に議論を進めてきたわけですけれども、そういう中で、153億円のですね、29年度における見直しが、歳出構造改革なり、財源確保ができたということであります。
 これと、退職手当債の60億円を合わせまして、180億円との差し引きで、33億円、ここの段階で、改善といいますか、財源不足が解消されたところでありますが、国の予算編成の中で、先ほども言いましたように、社会保障関係の費用を増やしていったりとか、あるいは交付税がこう、落ちるという中で、その段階で、さらに72億円の追加の財源不足が生じたということであります。
 ですので、180億円を目指してやっていたんですけれども、それよりもさらに実際に予算編成の段階で、目指すべき、解消すべき額というのが、大きく広がったということでありまして、結果的には、39億円の財源不足が残ったということであります。
 ですので、こういった中での、28年度の基金の残高ですね。ご案内のとおり、28年度、今年度は70億円取り崩して、年度末が73億円の見込みというですね、100億円を切ったところであります。そういう中で、今年度、決算剰余金が出たり、あるいは予算執行段階で事業の工夫をしながら、財源確保をして、この2月補正予算で37億円を積んで、年度末は110億円という見直しとなりましたけれども、その一方で、今言ったように39億円足りないので、これを29年度に取崩す。結果、29年度末の基金残高は71億円の見込みになるということで、また100億円を切るということになってまいります。
 そういったことで言いますと、取り崩し額自体は、平成28年度が70億で、今回は39億ということですので、取り崩す額自体は縮まっているわけなんですけれども、結果的に、基金の残高自体は、73億から71億ということで、少し減るという形になるということでございます。
 基金残高については、財政運営の目標として、100億円というのを目指してやっているわけでありますけれども、71億円ということで、届かないということでありますので、そもそもの原因は、基金を取り崩さなければいけないという財政構造にあるわけでありますから、それを解消しなければいけない。基金に頼らない自立・安定した財政基盤の確立に向けて、これからさらに行財政構造改革を進めていく必要があるということでございます。
 それでは、どう進めるかというところで、「行財政構造改革の方向性と対策」ということであります。
 今言いました、構造の改善に向けまして、5年後の平成33年度をめどに、基金の取り崩しに依存しない自立した財政構造の確立を図ることを目指して、取り組みをさらに進めていきたいと思っております。
 具体的には、歳入水準に見合った歳出構造への転換、これをしっかりと強力に進めていく必要がありますし、それまでの間の財源不足の解消を図るために、臨時的・集中的な財源確保対策ですね、その収支の改善が図られるまでの間に、埋めるべき臨時的な財源確保というのを講じなければいけないということです。
 そうしたことを進める中で、一方で、国の社会保障、今回もそうでしたけれども、社会保障費が増えたりですとか、国の地方財政対策で交付税が減ったりですとかありますので、そういった変動要因への対応も視野に入れた、さらなる対策を講じていくということであります。
 それに向けまして、平成29年度から33年度までの5年間、行財政構造改革を全庁を挙げて取り組んでいくという、このために、「行財政改革統括本部」というのをつくるということにいたします。本部長は副知事で、設置をして、それとは別に、実際の組織として、総務部内に、「行財政改革推進室」を設置をして取り組むということにいたします。こうしたことをしながら、全庁を挙げて、態勢をしっかりと整えて、より力を入れて、強力に行財政構造改革を進めていかなければいけないと、そういった状況にあるということでございます。
 続きまして「徹底した歳出構造改革の推進」ということでありますけれども、歳入水準に見合った歳出構造への転換、これを思い切って図っていかなければいけないということであります。そうした中で、具体的な取り組みとして、厳格な定員管理等を通じた総人件費の縮減、あるいは、公共投資等の適正化、また全ての事務事業を対象とした徹底した見直しや、公の施設の移管・廃止を含む公共施設等の総合管理、公債費の平準化等に取り組むこととしています。
 特に、「総人件費の縮減」については、これまでも計画的な定員管理等に取り組んできたところですが、さらに簡素で効率的な組織体制の整備等を進めていきまして、5年間で全体の3%を超えます600人以上の定員削減に取り組んでいきたいと思っています。
 また、「公共投資等の適正化」についてですけれども、これは、全国水準並みの投資規模への抑制を図っていくということにいたしまして、事業効果や緊急性等を精査して、事業の重点化、あるいは平準化を進めて、県の負担額を5年間で10%削減したいというふうに考えています。
 さらに、こうした取り組みを前提に、高止まりしています「公債費の長期スパンでの平準化」にも取り組むことといたしまして、施設の耐用年数とのバランスですとか、地方財政計画、全国自治体の状況等を踏まえ、県債を30年で償還する長期債の導入を進めることとしています。
 また、「臨時的・集中的な財源確保対策」についてでありますけれども、構造改革につきましては、例えば、定員削減など、その効果が実際出てくるまでに時間がかかる、一定の期間を要するというものもございます。その間の財源不足を何らかの形で埋めていかなければいけないわけですけれども、そのために、保有基金の取り崩しや、保有財産の効果的な活用、あるいは、未利用財産の売却促進など、可能な限りの財源確保対策に取り組んでいきます。
 特に、「保有基金の取崩し」として、「市町振興基金」につきましては、今、非常に金利が低い状況等を踏まえまして、当分の間、新たな貸し付けは休止することとし、基金残高に応じた取り崩しを行っていくこととしています。
 そして、「行財政構造改革による収支見通し」でありますけれども、これは今後5年間の財源不足全体の規模と、それからその解消に向けた見通しをお示ししています。
 財源不足に関しましては、平成29年度の効果も含めて、歳出構造改革で770億円程度、財源確保対策で180億円程度、合わせて950億円程度財源を確保するということについて、今年度一定の目途を付けていたわけでありますけれども、昨年末以降、国の予算や地方財政対策が明らかとなって、その影響によりまして、さらに400億円程度、追加で今後5年間の財源不足が生じる見通しであるということであります。
 このため、合計では1,350億円の改善を図っていく必要があるということでありまして、先ほどご説明しましたように「行財政改革統括本部」において、さらなる取り組みの強化を図って、財源不足を着実に解消していきたいと思っています。
 それから、当初予算の方で、「プライマリーバランス」について、お手元の資料で49ページに飛ぶんですけれども、ご覧いただきたいと思います。一般分の県債につきましては、223億円の黒字ということでありまして、平成13年度以降17年連続の黒字ということになっております。それで、「一般分の県債残高」は、15年連続で減少ということでございます。
 一方で、県債残高、全体につきましては、特別分という、臨時財政対策債ですね、交付税が減って、臨時財政対策債が増えて財源を保障するということになるわけですけれども、特別分が増えた関係で、51億円の増額となっています。
 こうした状況を改善するために、引き続き、全国知事会等を通じまして、地方交付税の法定率の本来の引き上げですね、こういう臨時財政対策債に頼らなくてもいいような引き上げと、それとセットになりますけれども、臨時財政対策債による措置の解消が図られるように、国に強く働き掛けていきたいと思っています。
 財政構造改革の話は以上でございますけれども、続きまして「チャレンジプランの目標『突破』と地方創生の加速」ということで説明させていただきます。
 それにつきましては、施策重点化方針に基づき、「平成28年熊本地震を踏まえた防災対策の強化」ですとか、「若者に魅力ある雇用の場の創出」など、六つの重点項目を掲げております。これから、新規・拡充事業を中心に順次ご説明させていただきます。
 まず一つ目、「平成28年熊本地震を踏まえた防災対策の強化」ということであります。
 昨年起きました熊本地震の貴重な教訓を踏まえまして、本県における大規模災害発生時の防災対策について、「体制」、「物流」、そして「避難」、「その他」の四つの区分に分けて、取り組みを進めていくということにしております。
 まず、一つ目の「体制」の方でありますけれども、大規模災害時のマンパワーの不足に対応するために、「市町の初動対応を支援する県職員被災市町支援チーム」、これをつくるということといたします。それから「実践的な災害対応研修」を実施して、実際に起きたときに実効性あるアクションが起こせるように、県と市町職員の災害対応力を強化していきます。
 そしてまた、「物流」の方は、熊本の地震でもそうでしたけれども、起きた時になかなか被災されている方々に届かないといった状況がありました。そうしたことで、関係団体等と協定を結んで、連携して取り組みをしていこうとしていますけれども、トラック協会ですとか、倉庫協会等との協定を活用しました、救援物資の調達・管理・配送訓練を実施することにしています。
 さらに、「避難」については、被災された方が速やかに、生活再建、生活が元に戻せるように、市町と連携しまして、罹災(りさい)証明書の迅速な発行等が可能となります「被災者生活再建支援システム」の導入を、市町と共に検討していくということにしています。
 このほか、「共同住宅」の耐震診断に対する助成制度の創設ですとか、地震発生時に大きな宅地被害が発生する可能性があります「大規模盛土造成地の所在マップ作成」に取り組むということ、そして、消防防災ヘリコプター「きらら」の更新を行います。これは、災害情報収集体制の強化に必要であります。このヘリについても更新を行うということにしています。
 次に、「若者に魅力ある雇用の場の創出」ということであります。
 これ、地方創生、チャレンジプランもそうですけれども、大きな課題として人口減少を言っているわけですが、特に深刻な人口の県外流出を食い止めていかなければいけない。その転出超過数は、前年より縮小したものの、引き続き厳しい状況にありますので、この社会減の流れをしっかりと食い止めるためには、新しい雇用をしっかりとつくっていく。そして、若者ですとか女性がやりがいを持って働ける、魅力ある雇用の場をつくっていく必要があります。
 そうしたことで、具体的に五つの視点から事業を進めることとしております。
 1点目は、「産業力の強化と中堅・中小企業の成長支援」であります。
 いくつかあるんですけれども、後継者不足問題というのが深刻であります。山口県、後継者がいないというのが、全国で2番目に高いという深刻な問題を抱えていますけれども、そうしたことの解消に向けまして、中小企業の経営者の高齢化、あるいは後継者不在等の課題に対応するため、商工会議所等と連携しまして、専門家の派遣ですとか、あるいは、創業したいという方もいますので、その人たちとのマッチング等をやっていく、そうした支援を行うということと、制度融資の中に「事業承継枠」を新たに設けて、円滑な承継が進むようにさまざまな支援をするということにしています。
 それから、企業立地促進補助金ですね。県として設けている制度の中で、全国トップ水準の「雇用奨励金」を創設して、正社員の新規雇用を促していきたいと思います。
 それから、水素の関係もさまざま取り組みを進めていますけれども、「水素サプライチェーン構築」に向け、これまで培ってきた県内企業の技術力を生かして、水素製造から供給設備の技術開発に対して、助成を行うことといたします。
 それから、県内企業の国際競争力の強化のために、「港湾運営会社」を徳山下松港に官民協働で設立して、民間事業者のノウハウを活用した港湾運営による物流の効率化を図るとともに、石炭の国内輸入拠点となります「特定貨物輸入拠点港湾」の指定を目指したいというふうに思っています。
 2点目は、「やまぐち観光維新の推進」です。
 来年度は、いよいよデスティネーションキャンペーン(DC)が本番を迎えるわけです。また、平成30年の「明治維新150年」を迎えるということになっておりますけれども、このチャンスをしっかりと捉えて、多くの観光客を、本県にしっかりと呼び込んでいきたいと思っております。
 まず、「DMO戦略に基づく市町・地域と連携した観光振興」ですが、昨年度、県観光連盟が「日本版DMO候補法人」となったわけでありますけれども、この観光連盟に、マーケティング専門人材を新たに配置することといたしまして、推進体制を強化をしていきます。それとともに、本県を代表する観光資源の創出を重点的に支援するということにしています。
 それから、「幕末維新やまぐちデスティネーションキャンペーンの展開」では、「維新の風が誘う。おもしろき国 山口」をキャッチフレーズにして、JRグループと連携した観光プロモーションを実施し、効果的な情報発信を行ってまいります。
 歴史・文化、自然、食、温泉など、さまざま多彩な魅力がこの山口県にはありますので、それをまるごと堪能していただけるように、全県的なおもてなしの取り組みをはじめとして、特別の企画もさまざま用意をして、多くの観光客をぜひこの機会に呼び込んでいきたいと思っています。
 さらに、「インバウンド新時代に向けた国際観光の推進」ということで、近年急増するインバウンド需要を確実に本県に取り込むため、観光スポーツ文化部に「インバウンド推進室」を新たに設置するとともに、観光プロモーターを新しく上海の方にも配置して、海外での情報発信を強化してまいります。
 それから、3点目は、「農林水産業の成長産業化」でありますけれども、まず、「担い手の確保・定着」に向けて、ここ特に重要なわけでありますが、農業大学校に移住就農希望者の受け入れ態勢を新たに整備をして、県外の就農希望者に対して、就農相談会の開催から、県内の産地の実際の視察、それから、現地の就農体験まで一体的な支援に取り組むこととしています。
 それから、「低コスト化・高収益化」としまして、県央域でのイチゴの集出荷調製施設の整備に対して、支援をするということですとか、県産木材の需要増加に対応した生産力の強化に取り組んでまいります。
 4点目は、「国内外に向けた県産品等の売り込み強化」でありますけれども、「新たな地域商社との連携」として、これまでの取り組みにより構築したネットワークや、蓄積したノウハウ等を十分に生かして、これ、来年度、山口銀行を中心に、民間主体で地域商社をつくっていくということになっておりますけれども、これと一体となって、県産品の首都圏等へのさらなる売り込み強化をしっかりと図っていきたいと思っております。
 それから、海外に向けましては、「本県の強みを活かした水産インフラ輸出構想の推進」としまして、ベトナムへの水産関連技術・製品等の輸出を目指します、県内企業の取り組みを支援します。
 5点目は、「若者等の希望を叶える『働き方』の実現」です。
 仕事と子育て等の両立や長時間労働の是正に向けた職場環境づくりなど、「働き方改革の推進」に向けまして、統一的なキャンペーンですとか、新たな優良企業認定制度の創設等に取り組んでいきます。また、「創業等への支援」として、これまでの取り組みに加え、ソーシャルビジネスモデルの構築を支援してまいります。
 三つ目は、「県内への定着・還流・移住の推進」であります。
 特に、県外流出の中で、進学時、それから就職時に多くの若者が出ていくわけですけれども、ここをしっかりと食い止めるということがとても重要であります。それとともに、幅広い世代の県外在住者を本県に呼び込むために、二つの視点の取り組みを進めていきたいと思っております。
 一つは、「若者の県内定着の促進」ということでありますけれども、特に若い人が、先ほど言いましたように流出が激しいですし、また、県内の企業が非常に人が足りないという声が大変増えてきております。そういう中で、まず、今、大学とも連携をした取り組みをいろいろ進めておりますけれども、昨年つくりました「大学リーグやまぐちと連携した大学生等への働きかけ」という中で、若者就職支援センターに「就業体験支援員」を配置して、企業の方と、長期体験型インターンシップ、これをうまくマッチングをすると、そういったために、こういった支援員を配置して進めていきたいと思っております。また、「大学生に対する県内企業の魅力発信」のため、COCプラス参加企業が出展します「県内企業魅力発見フェア」の開催を支援します。
 また、「高校生の県内定着促進」に向けまして、「就職サポーターによる高校生の県内就職支援」を行っているわけですが、これを充実しまして、従来の3年生に加えまして、新たに2年生を対象にして個別に面談を行い、魅力ある県内企業の情報をしっかりと提供していきたいと思います。加えまして、県内の高校生は、県内就職率が高いんですけれども、県内企業への就職率が低い岩国、萩、下関地区に、全県的な求人・求職のマッチング等を行うチーフ就職サポーターを配置して、重点的に取り組みをしていきたいと思っております。
 それから、「県内企業の魅力情報の効果的な発信」に向けまして、多様なツールを活用した、高校生・大学生向けのPR動画ですとか、業界マップ等を作成します。
 さらに、「県内企業の外国人材確保の支援」といたしまして、若者就職支援センターに外国人材コーディネーターを配置しまして、「海外展開を目指す県内企業と留学生のマッチング」を支援します。
 2点目は、「ひとの還流・移住の推進」でありますけれども、まず、「『住んでみぃね!ぶちええ山口』県民会議による取り組み」として、東京で県内全市町・関係団体が一堂に会する「やまぐち暮らしフェア」の開催ですとか、移住希望者向けのオーダーメイドツアーの実施、移住コーディネーターの配置による個別移住者への相談対応など、本県への移住の働き掛けから相談対応・情報提供、受け入れ支援まで、移住実現に向けた取り組みを一体的に推進していきます。
 また、「やまぐちUJIターンの推進」として、新たに「出張Uターン就職相談会」、こちらを広島・岡山・福岡といった近隣県で開催をいたします。そしてまた、近県や首都圏等の同窓会など、「山口県ゆかりのネットワークを活用した情報発信」にも努めます。
 四つ目は、「結婚・出産・子育て支援の充実」ということであります。
 県民の皆さんが、安心して子どもを生み、育てることができる社会を実現するため、三つの視点から、取り組みを進めます。
 1点目は、「結婚から子育てまで切れ目のない支援」ということでありますけれども、まず、「結婚」につきましては、新たに「結婚応援パスポート制度」を創設し、協賛企業による各種割引等の特典を設けるなど、新婚夫婦等の経済的負担を軽減して、社会全体で結婚を応援する、そうした機運を盛り上げていきたいと思います。
 また、「出産」につきましては、引き続き、助産師の活用等によりまして、「周産期医療体制の整備」を推進することや、「不妊治療への助成」を行っていきます。
 また、「子育て」につきましては、「保育士等の処遇改善」ということで、保育士の処遇改善、充実を図るということですとか、あるいは、放課後児童クラブの退所の時間を少し延びるようにしたりですとか、県も独自の取り組みをしておりますが、利用希望者が増加する夏休みなどの「長期休暇期間中の放課後児童クラブ」の開設に対する運営費の助成制度を新たに設けまして、子育てと就労等が両立できる、そうした環境づくりを推進していきます。
 さらに、市町が行います「保育所への看護師等の配置」に対して、その雇用経費を助成して、子どもたちの健康面における対策の充実を図っていきます。
 また、「結婚・出産・子育てに対する若者の前向きな機運の醸成」ということで、次の世代の親となる中高生を対象とした乳幼児親子とのふれあい体験等を実施します。
 2点目は、「三世代同居・近居の推進」であります。
 これにつきましては、今年度創設した「三世代同居・近居住宅支援制度」について、同居要件を緩和するとともに、「パスポート制度」の協賛企業の業種追加ですとか、発行窓口の全市町への設置によりまして、さらなる利用促進に努めてまいります。
 3点目は、「社会総がかりによる教育の充実」ということでありますが、本県では市町立の小・中学校のコミュニティ・スクールの設置率、全国で唯一、今年度100%を達成したわけでありますが、地域住民との交流を通じました子どもたちの自己肯定感ですとか、郷土愛の向上などが図られているところであります。この取り組みをしっかりと定着させて拡大させていきたいと思っておりますが、大学等ですとか、企業等と連携して実施する「県立高校」でのコミュニティ・スクールを全県的に導入していくとともに、「特別支援学校」での取り組みも促進して、障害のある子どもたちへの理解促進と地域社会とのつながりを強化してまいります。
 次に五つ目は、「持続可能で元気な地域社会の形成」ということで、県民が安心して暮らせる地域社会の形成に向けて、二つの視点から取り組みを強化してまいります。
 1点目は、「将来にわたって活力ある地域づくりの推進」であります。
 まず、「地域資源等を活かした中山間地域の活性化」を図るため、引き続き、元気生活圏の形成を目指す市町や地域の主体的な取り組みを支援するとともに、「中山間地域ビジネスの創出」を支援していきます。
 また、「誰もが暮らしやすい地域づくり」ということで、東京パラリンピック等への出場を目指す「障害者アスリートの育成」を図るため、県ですとか企業、そして県民が一体となって支援する「やまぐちパラアスリート育成ファンド」を新たに創設します。また、「人と動物の共生社会づくり」の推進に向けまして、犬・猫の譲渡活動に取り組む県民活動団体等を支援していきます。
 さらに、岩国錦帯橋空港の利便性向上・利用促進を図るため、「ターミナルビルの機能強化」として、交流・待合施設等の整備を支援します。
 2点目は、「誰もが安心して暮らせる生活環境の確保」であります。
 まず、「保健医療体制の整備」として、「女性のがん検診受診の促進」とありますように、特に本県は、乳がんですとか、子宮頸(けい)がんですとか、検診の受診率が全国でも極めて低位にあるわけであります。それを踏まえまして、がん検診受診の意識醸成ですとか、無料クーポン券制度のPRなど、市町が行います個別受診勧奨を県として支援するということとしています。
 また、併せまして、「やまぐち健康経営企業認定制度」を創設しまして、企業が、従業員のがん検診ですとか特定健診、特定健診も受診率が低いわけでありますけれども、この受診率向上等に取り組む環境づくり、企業の方でもしっかりと従業員に対して取り組んでいただくように、そうした健康経営企業認定制度というのを新たに設けて促していきたいと思っています。
 さらに、「介護サービスの充実」として、不足する「介護人材の確保等」を図るため、離職介護人材の再就職に向けたオーダーメイド型の実習を行うとともに、老人クラブと連携した生活支援サービスの担い手育成等を進めていきます。
 六つ目は、「明治150年プロジェクトの推進」であります。
 平成30年が明治150年でありますが、先人たちの「志」そして「行動力」に学び、これを今に生かし、さらに、未来へつなぐため、平成30年に向けまして、明治150年プロジェクト「やまぐち未来維新」というのを進めていきたい、これを展開していきたいと思っております。
 実施テーマは「志と行動力、歴史は人がつくる」としておりますが、四つの視点で進めていきます。
 このうち、「県民の意識啓発・機運醸成」につきましては、本県の未来を担っていく若者等を対象にいたしまして、地域や山口県、日本の将来を考えてもらう、そうした契機となるように、「若者『志』ミーティング」の開催ですとか、「2017大学生国際会議in山口」を開催するなど、学びの場づくりを進めていきます。
 次に、「国内外に向けた情報発信・PR」につきましては、本県と鹿児島、高知、佐賀、この4県で連携しまして、「薩長土肥フォーラム」を東京で開催するとともに、「幕末維新やまぐちデスティネーションキャンペーン」等を積極的に活用して、効果的なPRをしていきたいと思っています。
 このほか、「未来を担う人材の育成」を図るため、コミュニティ・スクールの導入拡大等を行うとともに、国の施策との連携も視野に入れた「歴史の保存・顕彰・継承」の取り組みを進めてまいります。
 なお、平成30年、「明治150年」の記念の年には、中核的な記念イベントとして、「山口ゆめ花博」を開催します。「明治維新胎動の地」でありますこの山口県を、全国や海外へも力強くアピールしていきたいと考えています。
 来場された皆さんに、楽しさはもとより、明治という骨太の時代、また、偉大な歴史をしっかりと感じていただきたいと思いますし、県民の皆さんの積極的な参加によって、未来へ向かっていくエネルギーを高めることに挑戦していきたいと思っています。
 以上、当初予算案の概要をご説明いたしました。
 冒頭から申しておりますように、今回の予算編成に当たりましては、人口減少問題など、喫緊の政策課題がさまざまある中で、その対応が求められる中にありまして、まずは、多額の財源不足の解消と、将来を見据えた中長期的な視点での財政基盤の強化・立て直し、これが大きな課題であったわけであります。
 そうした中で、昨年末以降、国の社会保障、あるいは地方財政対策の動向が明らかになるに従いまして、中期的な財源不足の見通しがさらに膨らんでいくという大変厳しい環境の中での予算編成となったわけであります。
 結果として、来年度予算につきましては、全庁を挙げた歳出構造改革の取り組みですとか、財源確保対策に加えまして、基金も取り崩しを行いまして、なんとか編成を行うことができたわけでありますけれども、本県の財政状況は、今までご説明しましたとおり、今後も多額の財源不足が見込まれる、大変危機的な状況にあると思っています。
 このため、私としましては、持続可能な財政基盤の確立に向けて、徹底した行財政構造改革を全庁挙げてさらに強力に進めていきたいと思っておりますし、国に対しましても、地方の実態を踏まえた地方財政対策が講じられますように、あらゆる機会を通じて要請していきたいと考えております。
 私からは以上です。

TYS(テレビ山口)

 まず、冒頭に知事が、「新年度に向けて何とか編成できた」と言われる、厳しい状況だったとは思うんですが、終えられて、まず率直な感想をお聞かせください。

知事

 そうですね。当初予算を編成する作業に入る前から、180億円という多額の財源不足があった中で、まずこれをちゃんと解消しなければ、予算が組めないという状況だったわけですので、早い段階から、全庁的に改革を進めていこうということで取り組んできたわけであります。そのめどを何とか立てられるとなったところでですね、国の方の予算が決まって、さらに社会保障で、費用がガーと増えるですとか、あるいは国から配られる交付税がガーと減るということがありましてですね、基金を本当は崩さなくてよかったところまで行きたかったわけですが、行けずに結果、取り崩しを行うということで、また100億円の基金残高を下回るという状態になったわけでありますので、いろいろ取り組みをしてきましたけれども、さらにその目標が遠のいたと言いますか、ゴールがもっと先に延びたということでありますので、大変厳しい思いを受けながら、苦しみながら予算編成をしたわけであります。今年度の予算は、こうした形で組めましたし、基金の取り崩し額自体もですね、今年度と比べると来年度は抑えられてはいるわけでありますので、そういった意味では、さまざまな改革は前へ進めていくことができたわけでありますけれども、先ほどから説明しましたように、5年間というスパンでいきますと、1,300億円を超える財源不足がまだあるわけでありますし、これまでやった取り組みで、今年度めどが立ったもので言いますと、1,350億円の中で950億円程度、残り400億円がまたさらに追加的に出てきた部分で、これから対策を考えていかなければいけないということでありますので、ここに本腰をさらに入れてやっていかなければいけないということであります。
 この財政健全化というのはですね、県の歳入・歳出構造が、歳出が歳入を超えるという、こういう基本的な構造がある中で、これを何とか均衡するように持っていかなければいけないということでありました。そのためには、歳出を、不要なものは見直していくとかですね、いろんな見直し、工夫をしながら抑えていかなければいけないという、地道なことの積み重ねでありますけれども、しかし、これからも山口県は、少子高齢化とかいろいろと課題がある中で、将来に対してしっかりと、健全な財政を残していくというのもですね、これ大変重要なことでありますし、そうした未来への責任もしっかりと果たしていかなければいけないと思います。ですので、今年度の予算だけじゃなくて、これから5年間を見通してですね、行財政改革をしっかりと県の中で、本部をつくって、腰を据えて、改めてやっていくということを、取り組んでいきたいと思っております。
 そういう中で、財政構造改革はそうしたことでですね、また、中期的に、本来的には今年のうちに、ある程度めどを立てたかったわけですけれども、今年と言いますか、この予算編成の中で、ある程度めどを立てたかったわけでありますが、それがかないませんでしたので、今後さらに、強力に進めていくということにいたしますけれども、一方で、チャレンジプランの最終年度を迎えるわけでありますので、ここに対してしっかりと、目標を達成すべく、成果を上げていかなければいけない、重要な予算でもあると思っております。
 取り組みについては、個別に話をしましたけれども、やっぱりその、県内の経済を活性化して、魅力ある、若者ですとか女性に対して、魅力ある雇用の場をしっかりとつくっていくために、県の伸ばすべき部分をしっかりと伸ばしていくということをやるために、さまざまな産業分野について、成長を促す取り組みを今回の予算でも講じているということ、それからまた、特に県外への流出が多いんですね、これを食い止める、特に企業の方は、私も知事になって3年ですが、最初の頃はあまり言われなかったけれども、ここ1、2年はずっと、企業の皆さん、人が足りない、人が足りないと言われます。実際に、有効求人倍率もですね、1.4とかですね、1を超えて大きく伸びてきておりますので、実際数字のとおり、県内の企業の皆さんも人が足りないという状況にあるということであります。
 人が足らないことによってですね、本来伸びていける分が伸びていけないというのは、本当に残念なことで、それは避けなければいけませんので、そのためには、県内に人がきちっと定着をするという取り組みをしっかりと進めていく必要があります。ですので、これも昨年から進めています、大学との連携、大学リーグやまぐちですとか、あるいはCOCプラスの取り組みもありますけれども、そういったところと連携して、しっかりと県内の学生が県内の企業に目が向くといいますか、県内の企業のことをもっとよく知ってですね、関心を持って定着に結び付くような取り組みをしていきたいと思いますし、また高校生等もですね、高校生の場合は県内就職率は割と高いんですけれども、少しそれが弱い地域もありますので、そこに重点的に人を配置してですね、県内の企業のこともよく知ってもらう、そこに向けていくということをやっていく、ということをさらに力を入れて取り組んでいく必要があるなと思っております。
 その他、それぞれチャレンジプランに基づく取り組みを着実に推進をして、最終年度でありますから、しっかりと成果を上げるように、先ほど庁議もありましたけれども、この予算を作って、これから実施する段階で着実に成果をしっかりと上げるように、各部局が執行段階でよりその効果の高い取り組みをするようなこともしながら、事業を展開していきたいと思っております。

TYS(テレビ山口)

 歳入に対して歳出が多い、もともとの構造があるというところが、この問題と知事も言われておりますけれども、そこに至るまでに、どこに問題があったとお考えですか。

知事

 そうですね。一つ、社会保障費の増大というものと、公債費が大きいという部分と、ある程度歳入の中では大きな項目というのがありますので、そこが大きく影響しているということであります。特に社会保障の関係でいいますと、山口県は高齢化率が非常に高いわけですね、医療費も全国の中でトップ水準で高いというような、これはもちろん高齢化が背景にあって、そういう状況があるわけです。これがどんどんどんどん拡大をしていっているということでありますから、全国と比べて高齢化が進んでいる分、より歳出におけるその規模というのも大きいわけでありますから、それらへの対応がいるということですね。
 それから、さまざま、県としても公共事業等を進めてきている中で、その借金の返済が高い水準で続いているということですね。全国的には、公債費の水準というのはだんだん減ってきている状況にあるわけですけれども、山口県は高止まりして、これはしばらく続くという状況ですね。過去のインフラ投資の償還という部分、これはこれできっちりと返していかなければいけませんので、その分がなかなか減らないということであります。
 他方で、歳入について言いますと、国全体では地方の一般財源は同水準を維持するというのが、国の財政運営の基本方針になっておりまして、それはここ数年間、ある程度一定の規模で維持されておりますが、実際に山口県に配分される額で言いますと、特に県と市で言いますと、来年度予算についても県の方が少し減る形になっておりますので、今回交付税も減るという中で、歳入自体も減っていると。歳出は、社会保障費が伸びて、本来それを吸収したい公債費がなかなか減らないという構造が、歳入・歳出両面で厳しい状況がありますので、どうしてもそういった部分の解消というのは、基本的な条件がそういう条件がありますので、厳しいものがあるわけでありますけれども、しかし、そうはいっても、基金の取り崩しをやっている状況というのは、いずれ、これは破綻をしてしまいますので、そうならないようにしっかりと一定期間、腰を据えて構造改革というのは取り組んでいかなければいけないわけであります。
 これまでも、予算の規模自体もかなり縮小をして、今回も予算の規模も減っているわけでありますけれども、改革をやってきた中で、さらにもう一段の取り組みとかになりますので、なかなか厳しいものがありますが、これはしっかりとやっていかなければ、将来に対する責任をしっかりと果たしていくためにですね、財政構造の改革というのはしっかりやっていかなければいけないと思っておりますので、本部をつくって、しっかりと取り組んでいきたいと思います。

KRY(山口放送)

 今回の緊縮財政の中でも、特に知事の意思で譲れなかったものとかは。

知事

 譲れなかったもの。そうですね、先ほど言った話と重なるところがございますけれども、これまでの取り組みの全て延長線上にあるんですけどね。県内の産業力を強化するということで言いますと、企業誘致もしっかりとやっていく中で、雇用の確保にも特に配慮しながら、雇用奨励金もつくって取り組みをしていくということもありますし、また特に産業戦略本部もつくってやってますが、瀬戸内のコンビナートですね、ここをしっかりと国際競争力を強化していくことが重要でありますから、この港湾運営会社をつくっていくということ、これは県も、民間も、関連企業も出資をしてつくっていくわけですけれども、港湾の運営を一体的に任せて、民間のノウハウで効率的に運営をするということを目指すものであります。それによってコストを下げて、国際競争力を高めていこうということですね、あとは特定貨物輸入拠点港湾になりますと、いろいろと税制上の特例措置とかもありまして、さらに競争力が高まっていきますので、そういった中で、基本的な力をしっかりと付けられるようにしていきたいと思っております。
 そういった、県内の産業をしっかりと伸ばしていく、水素の関係もありますけれどもね、伸ばしていくということと、あとは県外に対して、しっかりと展開をしていくということですね、県外の展開ということでいいますと、観光ももちろんあるんですけれども、今回地域商社の設立ですね、これは本当にしっかりと進めていきたいと思っております。
 今年度、東京売込オフィスということで、県としても東京に拠点を設置して、いろいろ商談会ですとかサポートもしてきたわけでありますけれども、これもいつも言ってますが、県内の人口もどんどん減っていく中で、県外ですとか、海外ですとか、そういったところをうまく取り込んでいきながら成長していかないと、山口県として全体的にどんどん縮小していく一方だと思っておりますので、そこに力を入れてやっていきたいと。特に、山口県は、いろんな物でもいい物があるわけでありますが、多品種少量生産ということで、大きなロットが出せない、特に中小企業が多いということもあってですね、なかなかいい物があっても、県外とか海外とかですね、展開していく、それだけの人もいなければ拠点もないということでありますので、今回は山口銀行を中心に地域商社をつくるということが決まったわけでありますが、これまでやってきた、県の東京売込オフィスとかの、そういったことの取り組みの延長線上にこれをしっかりと伸ばしていければと思っております。この立ち上げですとか、あるいはいろいろとPRとか、マッチングとか、商品のブラッシュアップとか、さまざまあるわけでありますが、そういったことについて、県としてもこの商社のスタートのところでしっかり支援をしていって、これが大きく伸びるように、ぜひしていきたいと思っております。そういった形で販路を拡大して、特に日本酒なんかは、皆さんよくお分かりですよね、本当に厳しい中で、それぞれの蔵が工夫をして、今、本当に、非常に販売を伸ばして、海外でも展開をしているわけですよね、ああいったものだと思いますけれども、県内で素晴らしい物をもっともっとわれわれが意識しながら、県外や海外に展開をしていく、その取り組みをしっかりと進めていく上で、この地域商社の設立というのは大変大きな、新しい動きだと思っていますので、ぜひこれを後押しをしていきたいと思っております。
 あとは、海外の水産インフラの輸出とかもですね、これも山口県が持っている水産インフラ、当然、それぞれの水産に関わる一連の産業というのが山口県内にはしっかりとあって、魚を獲るところから、市場に揚げて、保存して、あるいは処理して、加工してとかですね、一連の産業界のそれぞれ優れた衛生なり、鮮度なりを保つ技術というのを持っている企業というのは、たくさんあるわけでありまして、こういったものも県内にとどめるだけじゃなくて、しっかりとこれから伸びていくアジア、今ベトナムをターゲットにしていますけれども、しっかりとこういったものを展開をしていくことによって、山口県にある企業、そのノウハウがしっかりと他の地域で生かされて、県内の企業も伸びていけるということでありますから、そういった取り組みはですね、特に山口県が強みを持っている部分ですね、そこをしっかりと伸ばしていくということは、基本的な戦略として必要ですし、そういった観点で、力を入れるべきところは入れて、予算も措置をしてやっていくということであります。

KRY(山口放送)

 歳出構造改革ですけれども、公債費を30年債を導入することで、予算を作っているんですけれども、将来負担が増してくると思うんですけれども、その辺りについてはどのように。

知事

 これはですね、30年債自体は、地方債の償還というのは、耐用年数ですね。何で借金が許されるのかというと、要するに施設を造れば、それを使う期間というのが一定期間あるだろうと。その間、それぞれの年で使う人は便益を受けるわけだから、その負担は平準化してもいいだろうという考え方で地方債というのは認められていて、基本的にはそうじゃない、毎年消費するようなお金には地方債は当てちゃいけないんですよね。臨財債は、ちょっと法律で例外になっていますけれども。基本的には建設地方債等、便益が長期に及ぶものについては分割して負担をする、それがむしろ世代間の公平が図られるだろうという観点もあって、地方債でも認められているわけですけれども、そういったことで言いますと、耐用年数を考えると30年というのは考え方としてありますし、実際多くの自治体においても30年債というのが導入をされています。
 また、私も国の方で地方財政計画を作って、地方の歳出の見積もりをしてますけれども、その時も公債費というのは、30年債というのは入れて積み上げをしているということでありますので、それを今回導入していこうということであります。
 その際に、言われたように将来の負担はどうなんだということがあるんですけれども、これについては、当然それによって負担が増えるということであってはいけないということでありますから、全体的にどういうふうに推移するのかというところを見ていかなければいけないわけでありますが、資料の50ページに公債費の推移のイメージというふうに書いてますけれども、当然30年債ということになると償還が後に送られる部分が出てくるので、当然後々の償還というのが増える、見直す前と比べれば増えるということになりますけれども、全体としてこれが減っていくと、基調としては減るということを維持しながら、これをやっていく必要があると思っています。これが増えるとですね、将来に負担をまさに送って、将来の負担が今よりもさらに増えることになりますので。
 そうではなくて、今後の推移としても、しっかりとこの減少傾向というのを維持するということを確保しながら、やっていくということに取り組むことにいたしておりますので、そういったことで言いますと、この財政構造、将来を見渡したときに全体として、この負担がなだらかに減っていくということを留意しながら、この導入をしているということであります。

YAB(山口朝日放送)

 財源問題について質問します。先ほどの社会保障の増大というある種の外部要因という不可避な要因も確かにあるんですが、県の財政運営というところで見ると、過去にさかのぼってお金の使い方だとか、見通しに甘いところがなかったのかどうか、こういう状況を繰り返さないために、そういった部分というのは検証というか、さかのぼって県のお金の使い方がどうだったのか、知事の見解を教えてください。

知事

 そうですね、特に、今返している財源、公債費でいいますと、平成4年から14年ぐらいの間ですね。特にこの時期は、バブルが崩壊してですね、国としても景気対策を打って、これと歩調を合わせて、それは山口県だけではなくて、他の県も全体的に、国・地方挙げてその経済対策というのをだいぶ打っていった時期でもありますし、また、その際、県としてもいろいろと公共投資等も行ってきて、さまざまな施設なり、整備というのも行ってきた、ちょうどそういった時期が重なっているわけでありまして、それを今、償還をしているということですね。
 過去の、今の検証という話があったんですけれども、何をやったからこうなっているのかというのは分かるわけですね。どの事業でいくら事業費出したから、これだけ今返済があるというのは、これは分かるわけであります。それをどう評価するかということでありますけれども、それは、その時点その時点での判断だったと思います。
 それは、その時点での予算の状況なり経済の状況なりですね、今、県が抱えている課題に対しての対応をした結果、こうなっているのだと思っております。それ以上にさかのぼってですね、検証なり評価をしても別に今借金が減るわけでもないですし、これから基金が積み上がるわけでもありませんからね。それがもし検証して借金が減るんだったら、どんどん検証すればいいと思いますけれども。それはそれをしたところで前に向かっていくわけではありませんから、やっぱり前を向いてやっていくという意味では、これから先のことをしっかりと考えてですね、将来の財政見通しの中でどれだけ足りないお金があって、そのために何ができるのかというのを考えるということに尽きると思っておりますから、そういう後ろを向くというよりは、前を向いてですね、改革本部をしっかりとつくって、その中で何ができるかというのを、今、足元を見ながら、しっかりと考えていくということを徹底したいと思います。

中国新聞

 20年債と30年債の話にちょっと戻りますけれども。そうはいっても、20年債から30年債になることで、金利ですよね、借りられた民間なりの会社の方から借りられた、金利分がどうしても増えると思うんですけども、他の県もやっているとかいうような事例もありますけれども、今、低金利というのは一つの判断材料にはなっていると。

知事

 そうですね。低金利ですからね。昔、すごい高い金利の時代がありましたから、その時の借金の金利負担というのは、実際、これまで結構財政運営で苦しんできているところではあるんですよね。今は、幸い低金利の状態でありますので、金利負担について、さほどですね、過大なものということにならずに、財政運営を考えていけるという面では、環境的にはいいということだと思っております。
 もちろん、借金ですので、できるだけ抑えていかなければいけませんし、そういったことは当然留意しながら、財政運営をやっていくわけでありますけれども、当然、金利負担も含めて将来的に公債費というのが減っていくということを維持していく中で、年度間のうまく財政が運営していけるように工夫する一環だということで、ご理解をいただければと思います。

中国新聞

 続いて、すいません。今度は新規事業の件ですけれども、新規事業の数としては、昨年度の上昇に比べるとですね、18減って59ということですけれども、数は減りましたけれども、知事としては、今も先ほどからずっと言われてますけれども、やっていきたい政策というものは、この59で打って出たというか、打っていったというような感触ってどうですか。

知事

 もちろん、お金があれば、いろんなことはできると思いますけれども、そういう限られた予算の中で、何を今優先すべきかということを考えて予算を組むということでやったわけですね。
 そういう中で、特に今は、やっぱり県内の、先ほどから言っておりますけれども、経済なりそういったものをもっと伸ばしていって、魅力ある仕事の場、雇用の場というのをしっかりとつくり出していく、そのために山口県が持っているポテンシャル、優位性をしっかりと伸ばしていく部分ですね、これを特に力を入れてやっていくことにしてますし、また、観光なんかも今、非常に追い風でありますから、DCもありますし、明治150年もあるわけでありますので、そういう中で、より効果的な形でその事業を展開するための予算を組んでいるということであります。

時事通信

 今後5年間の行財政構造改革について伺います。政府もですね、プライマリーバランスの黒字化っていうことで、今後の地方交付税のさらなる削減っていう部分もあり得るかもしれない中で、そういった厳しい状況が予想される中でですね、来年度設置する統括本部に対して、どのような姿勢で臨んでほしいか、どういう成果を期待されているか、知事のお考えをお願いします。

知事

 まず、この統括本部の方は、やはり、これから山口県というのは、ずっと未来永劫(えいごう)続いていくわけですね。そういう中で、やっぱり安定、いろんなその時々のニーズに対してですね、しっかりとした行政ができるようにするために、行財政の基盤というのはしっかりとしたものをつくっていく必要があります。今、非常にそれが危機的な状況で、毎年毎年の予算で破綻するんではないかというようなことを繰り返しているわけですね。ですから、これをしっかりと財政基盤、特に収支のバランスが図られるように構造を変えていくということに取り組んでいかなければいけません。
 これまでも、取り組んできている中で、われわれとしても、先ほどから言いました、目標を持ってここまで頑張ろうといっていたところが、さらにこう伸びたというところで、より厳しい見直しをしていかなければいけないことになりますので、より本腰を入れてやっていく必要があります。この1,350億円の中で、またこの追加で出てきた400億円の解消というのは、並大抵のことではないと思っております。ですので、各部局のいろんな取り組みの積み上げもそうですし、また、今までにない思い切ったこともやっていく必要が出てくるかもしれません。そういったことを、とにかくその組織をしっかりと体制を整えて、専任の組織もつくって取り組んでいくということにいたしたい。その結果をしっかりとこの5年間、この財政構造が必ずこの5年後には、基金の取り崩しに頼らないような財政運営ができるように、しっかりと構造改善を図るということを確実に成し遂げていきたいと思います。
 またその、前提として国の方の、財政の中で、今回もそうですけれども、社会保障がバーンと増えたりとか、地方へ配る交付税がガーンと減ったりということで常に振り回されるじゃないですけれども、われわれはそれに対応をこう追われるわけでありますけれども、ぜひそういった意味では、国に対しても、しっかりと地方の安定的な財政運営が図られるような必要な財源の確保、これを確保するのは国の責務でありますから、それをしっかりと果たしていただくための、例えば、法定率の引き上げだったり、臨時財政対策債の制度の見直しだったり、そういったことは、さらに力を入れて訴えていかなければいけないなというふうに思っております。なかなか国の方も厳しい財政状況であるのは間違いないわけでありますけれども、いずれにしても、今の県の実情を、財政の厳しい実情というのを、しっかりと国の方に訴えながら、われわれが安定して財政運営を行えるように、必要な財源が継続的にこれからも確保されるように訴えていきたいと思います。

防府日報

 中長期的な財政のことでお伺いするんですが、今、歳出の部分では、来年度統括本部の方でしっかりと取り組んでいかれると思うんですけれども、今年の予算編成にあったように、例えば、見込みよりも交付税が減ったとかですね、そういう突発事項は恐らく今後も出てくると思うんですね。そうなってくると、いわゆる依存財源ではなくて、自主財源をしっかり固めるということも一つの方法だと思うんですけれども、そのための取り組みというふうにチャレンジプランであるとか、人口減少対策克服というところになってくると思うんですが、そういうところで、例えば今、県税が大体4分の1くらい、25.7%ですかね、というような割合になっていますけれども、これを、例えば、いくらくらいまでなんとかこう、人口とか企業の活性化を図って、伸ばしていこうとか、中長期的な目標みたいなものはお持ちなんでしょうか。

知事

 そこはですね、個別の歳入の項目の内訳というところでの目標というのは、特に立てておりません。あくまでも、収支が均衡する状態に持っていくという中で、いろんなやり方があるだろうというふうには思っております。特に、地方財政の場合は、税が増えても交付税が減るとか、一定の財源が確保される中で、そういうトレードオフの関係が仕組み上ありますので、税の目標をいくらにするということを立てることにどれだけ意味があるのかというのをですね、一方で仕組み上あると思っておりますが、そうはいっても、当然企業がどんどんこう成長もして、事業も拡大して、人も増えて税収が増えるということが、もちろん、税収は多いに越したことはありませんし、税の多い団体ほど、財政力が高いし、いろんなサービスができているという面も他方であるわけでありますので、当然われわれとしても県内の経済、企業の活性化、そしてまた、人口をしっかりととどめる中で、基礎的な部分であります税収というのをしっかりと確保するということは、当然意識しながらやっていきたいと思いますし、その企業の成長支援なり、人が増えることにつながっていくんだろうというふうに思っております。

NHK

 財政改革についてお伺いしたいんですけれども、人件費の削減ですとか、保有基金の積み崩しとかが、ちょっと厳しい見方をすればですね、5年というめどですが、一時しのぎな感じがしていてですね、定住人口を増やしていくということを考えると、次の世代、また次の世代というふうに、40年、50年の長期のビジョンというのも同時に必要なのかなと思うんですけれども、長期的な計画の中で見たときの財政については、どういうふうにお考えですか。

知事

 もちろん言われるとおりですね、5年といわずに10年、20年、30年先を見通して、いろんなことを考えていくという、そういった視点も必要だとは思います。
 ただ、10年もたつとですね、だいぶ国の制度もガラッとこう変わるわけですね。例えば、社会保障なんかでもいろんな制度改正というのが毎年のようにありますし、基本的な行政としてやるべき施策なり事業というのも大きく変わっていくと思いますし、そのために必要な財源というのはどれだけなのかということも変わってくると思いますので、数字上、そういったことをつくることは可能だとは思いますけれども、それが実際にそうなるのかどうかというと、やっぱりいろんな制度の改正、他方で収支の面で言いますと、財政、例えば、われわれも臨時財政対策債というのがかなり占めていますけれども、これも解消されれば、全部交付税になれば、全然状況も違うわけですよね。だから、そういうやっぱり制度改正というのが当然、中期、もっと長期的にはいろんなものがあると思いますので、そういったことを、変数を考えると、もう少し手前の段階で、実際に今取り組むべきところにある程度しっかりと重点を置いてやっていく必要があると思っております。この1,350億円の解消というものができれば、一応その時点で収支が均衡するということになりますので、その段階でいろんなやりくりをしながら、なんとか財政運営ができるだろうということになるだろうと思います。当然その先に、またいろんな変動要素があるかもしれませんが、それはいったん収支を均衡して、財政構造としてはその歳入歳出ギャップがない状態というのをつくった上での、さらに次の展開になりますので、まずはそこを目指してやっていくということに注力をする必要があるだろうと思っております。

NHK

 それに関連でもう1点だけすいません。人件費の削減のところでですね、5年間で600人以上の削減と結構規模感として大きいのかなと思うんですけど、削減によって行政サービスは普通は維持していかなければいけないところで、そこはどういうふうにお考えですか。

知事

 そうですね、当然予算も縮小をして、今回もしますけど、人の方も、かなり今回思い切って効率化を図っていこうということであります。ただですね、そうはいっても県民の皆さんへのサービスが低下をするとかいうことは、極力避けなければいけませんので、これはもう何といいますか、1人減らしてその仕事はいきなりなくなるということではなくて、組織全体としてうまくそこを融通しながら業務を見直していく、その中で、人の配置も工夫して見直しをしていくということを、こうセットでやっていかなければいけないと思っております。今、働き方改革とかも言われてますけれども、単に人をこう、付ける付けないということだけじゃなくて、その業務全体を再構成する、今のこの時代の中で、この業務というのはそもそもやる必要があるのか、もっとこういうふうに効率的、効果的にできる方法があるんじゃないか、そういった工夫をしながら、人をこう、できるだけ抑えていくということが必要でありますので、そういう工夫をして進めていくということですね。何もこう、事業がある中で突然こう、この人のはなしとか、そういったことはしてしまうと、非常に支障が、いろんな県民の皆さんへのサービス低下が出てきますので、そういったことがないようにしながら、最大限に何ができるのかということを考えて進めていくということであります。

KRY(山口放送)

 社会保障費のことなんですが、43ページの資料を開いてもらったらと思うんですけれども、全体が増えているのは、当然というか、多分ですが、その中で子ども・子育て支援の充実とかがちょっと去年より額が、ちょっと去年の見たんですけど、10億くらい減っているような感じなんですけれども、この辺はどう捉えていらっしゃいますでしょうか。

知事

 43ページの子ども・子育て支援の充実ですか。48.4億円のところが。

KRY(山口放送)

 だから、この社会保障の充実のところが減っちゃってて、安定化はまあ維持しているっていう感じなのかなと思うんですけれども。構造的にそうなんでしょうけれども、子育て支援というのは重要なテーマだと思うんですが。

知事

 そうですね、これは何かありますか。特にその、10億のような規模で何か削ったということはなくてですね。

KRY(山口放送)

 ちなみに、去年は58.3億円って記述があるんですよ。

知事

 これは消費税の財源をどう充てているかということなのかな。経費の総額、これは財源を充てている部分の説明なのかな。要するに社会保障全体ではなくて、その中で、消費税を社会保障に充てるという今回の増税されている分ですね、それがどれだけ充たっているかという説明ですので、サービスそのものが落ちているわけではなくて、その中でやっている消費税は、これだけこんなものに充てていますよという整理をここでしているということですね。だから消費税の額が、ガーッと落ちたから、落ちた分だけ、その消費税を特に充てていますということを。

KRY(山口放送)

 少なくさせて財源を確保しているという意味ではないんですね。

知事

 ではないです。

KRY(山口放送)

 改めてなんですけれども、子どもの貧困化というのが、相対ですけれども、6人に1人が貧困という状況があります。今回もいろいろメニューが用意されていますけど、その辺、切実度というのをどう捉えていらっしゃいますでしょうか。

知事

 そうですね、貧困対策というのが、国全体でも言われていまして、県としてもそこは取り組んでいかなければいけないと思っていますから、部局の方でも計画をですね、これ作って取り組むということにしてですね、取り組み自体を着実に進めていくということでありますけれども、これをやることはさまざまあってですね、働きながら子育てができるような環境も整えていったりもしなければいけませんし、就労の支援のためのさまざまなスキルを身に付けるための支援もやっていかなければいけないわけであります。取り組み自体は、あまりこう派手さはないんですけど、一つ一つは重要なものがありますので、それについては、きちんとニーズなりですね、現状をしっかりと把握をして、必要な予算を計上しているところであります。いずれにしても、特に、学びとか育ちとかそういった部分について、その家庭の事情でなかなかそれができないとかいうことは、避けなければいけませんので、国の方でも今回、高校生の経済的な授業料等の負担の軽減というのも踏み込んで、高校じゃないか、高等教育ですね、の方での支援もやるということにしているということでありますけれども、そういった子どもが家庭の状況でもって、いろんな伸びていくことができないということにならないようにしなければいけないわけですから、例えばその、子育て関係のNPOの支援なんかも、ファンドをつくって、やっておりますけれども、そういった中でも貧困家庭の支援、子どもへのケアをする団体というのもある、そういったことへのファンドからの助成というのも、今年度から始めていますけれども、そういったものもやりながら、県の施策と、それから実際にその県内で活動している、いろんなそのNPO等をですね、そういった団体の支援、と両方で取り組んでいく必要があるかなと思っています。

KRY(山口放送)

 もう一つごめんなさい。あと、学ぶなら山口県でっていう狙いもあると思うんですけど、それで、県外には流出してほしくはないんでしょうけれども、優秀な人材というのも育てていかなければいけないと。子育てというのも、その辺の今回の予算でどういう思いを込められたかをお願いします。

知事

 そうですね、今回の予算もそうでなんですが、全体として、まず一つは少子化対策ですね、しっかり取り組まなければいけないという中で、今回資料の15ページに書いているように、結婚から妊娠、出産、子育てまで、一貫したこのサポートをしていこうということであります。これもこれまでやってきた延長線上にですね、いろいろと、結婚応縁センターだったり、あるいはその中でパスポートを充実するとかやっているのと、あとはその保育士の処遇改善、これは国の制度が拡充されたことも踏まえて、処遇改善をしっかりしていったり、あるいはその放課後児童クラブですよね。これも県としても、これは以前、2年前ですかね、予算の時に、大体6時までの開所と国の方ではなっている部分をですね、その6時までだと、お母さんが仕事を終わって帰りに行って、迎えに行っても、迎えに行くにしても、6時じゃ間に合わないというのがあって、それを少しでも伸ばしてほしいという話があって、6時半なり7時に、県内ほとんどのクラブが県の独自の補助も活用されて、ほとんどのクラブが6時以降も開いているという状態になっているわけでありますが、さらにその、学期中だけではなくて、夏休みとか、というところでも、ぜひ必要だという声がかなり上がっております。今回、国の制度が作られた部分もありますが、県独自でもそこをさらに国以上に広げて、対応しているところもあるわけですけれども、そういった環境の整備もしながら取り組んで、環境の整備もしっかりと取り組んでいくということを着実に進めているところです。そういったところで、親から見て、子育てをしやすい環境をしっかり整えていくことと、もう一つは、私、特に思っているのは、コミュニティ・スクールの関係は重要だと思っております。今年度ですね100%、市町立の小・中学校でコミスクが設置をされたわけでありますが、かなり各学校でいい取り組みが始まっております。
 実際、国の方に行っても説明しましたけれども、保護者全員が読み聞かせをするとかですね、卒業した中学生が後輩の小学生に勉強を教えるとかですね、あるいは地域のイベントに学校ごとで参加をして、親も参加して、多世代でその地域のイベントが維持できるとかですね、いろんな取り組みをしていく中で、地域も学校も、そして、なにより、子どもたち自身も、地域への愛着とか、感謝とか、そういったものが芽生えて、いずれ、この地域で、自分も役立つ人になりたいっていうことを言う子どもたちが増えているわけなんですよね。
 それは、なかなか数値化できないところではあるんですけれども、やっぱりその県内に育って、特にわれわれ、昔、自分たちの子どもの頃からと比べると地域とのつながりとか、すごく薄れているんだろうと思っていまして、そういうのがない中で育っていくと、やっぱり地域への愛着とかもなく、県外に行くという部分もあるんじゃないかなと思いました。やっぱり、地域の中で育てられたと、そういった意識、それがまた郷土愛とかに結び付いて、この地域で頑張ろうっていうふうになる、そういったふうにつなげていきたいと思っておりますので、そういった意味では、このコミュニティ・スクールっていうのは、私はとっても重視していまして、実際に各地域に人も配置をして、取り組みを促すように、進めているところであります。
設置率の全国平均が9%というですね、非常に低い中で、山口県は100%できているわけですね。これは、やっぱり地域の皆さんが子どもたちに対してしっかり地域で子どもを育んでいこうということをですね、意識が高いということの表れじゃないかと思っております。ぜひ、そういったものを山口の伝統として、大きく伸ばしていきたいと思ってますし、国の方でも、この取り組みを非常に注目をして評価もされているところであります。他がまねできないような、山口県独特の、独自の、素晴らしい仕組みとして、大きく伸ばしていければなあと思っております。
 そういったことで、この幼少期からですね、学校に行ってからの、やっぱり保護者のいろんな負担面での支援だったり、あるいは、子どもの学びや育ちをしっかりと地域全体で支える仕組みであったり、そういったものを整えて、全体として、山口で人を育てて、定着をするような形にもっていければと思っています。

朝日新聞

 今の子育ての話の兼ね合いなんですけれども、この資料の概要の25ページですけど、「いじめ・不登校等対策強化事業」で、いじめ解消率100パーセントを目指して取り組みを強化されるということなんですけども。

 先般、山口市内の小学校で「死ね」と書かれたメモを入れられるということがあったと判明しまして、保護者の方々、学校とか教育委員会の不信感がぬぐえないと、いわゆる教育行政に対する不信感をぬぐえないという記述があったりされているんですけど、今、全国各地でいじめの問題がありますが、その辺り知事のお考え、取り組みを通して。

知事

 いじめというのはですね、やっぱり子どもの、まだ小さい子どもの心に深い傷を残しますし、本当に将来に向けてですね、大きな傷を心に負うことになると思いますので、こういったことは絶対あってはならないと思います。
 だから、やっぱり学校の方もですね、当然それぞれこれまでもやっているとは思いますけれども、教育委員会の方でもしっかりと徹底してもらって、さらにそういったことが起きないような、環境をしっかり整えてもらう必要があると思います。
 当然、また、県の方でもいろんな施策なり、事業の中でも、そういったことは意識してやっていかなければいけないと思っておりますけれども、やっぱり、そういった中でも、個々の学校の対応、これをしっかりと、教育委員会の方でも指導・助言もしながら、やっていくのとともに、地域なり保護者なりですね、地域全体でそういったものを無くしていくっていう運動も必要だと思っておりますから、そういった意味では、コミュニティ・スクールとか、先ほど言いましたけれども、非常にいい、何といいますか、枠組みではないかと思っております。
 私も光市の浅江中学校に行きましたけれども、地域の人が普通に学校に入ってですね、子どもたちと話をしていく。授業の中にも入っていって、少人数で地域の方が、例えば、家庭科ですとか技術ですとか教えるとかですね、そういった中で地域の方が言われていたのは、子どもたちが親とか先生に言わないことを自分たちに言ってくれるんだと、いろんな話をしてくれるということで、非常に信頼関係もできているんですね。
 そういったことでいろんな人が関わっていって、いろんな人の目がある中でいくとですね、そういった、いじめとかっていうのも、起きにくい環境というのが徐々に醸成されていくんじゃないかと思うんですよね。やっぱり、そういったものは閉鎖的な環境といいますか、人の目が届かない環境とかで起こったり、限られた人しか分からない中で起きたりすることが多いと思いますから、そういったものが何といいますか、多くの人の目なり、地域の方に開かれる形の中で、解消される部分というのもあるんじゃないかなというふうに、私、個人的には思うので、今、教育委員会の方とは、去年、一昨年からかな、総合教育会議ということで、一緒に知事部局の方と、教育委員さんと話をしながら、大綱も作ってやっていこうとしておりますけれども、そういった中でも、そういった話も、コミュニティ・スクールの話も入れながらやっておりますので、私としてもそういった場を通じて、教育委員会の方にも自分としての意見も言っていきたいなと思います。

朝日新聞

 2点ほど。岩国錦帯橋空港ターミナルビルの機能強化事業で、空ビルを支援されるんですけれども、去年ああいった、入札の問題があって、お金の使い方、改めてどういうふうにやっていただきたいかということを。

知事

 空ビル自体は調査をしておりますので、またそれができた段階で、報告をするということになると思いますので、その内容を待ちたいというふうには思いますけれども。
 一般論として、やっぱりお金というのは当然、公金ですからね、しっかり適正に使われなければいけないと思いますので、そういったことを徹底するということは当然、この分野に限らずですけれども、重要なことだと思います。

朝日新聞

 最後ですけど、知事の任期で最後の予算案、来年知事選もありまして、まあ、出馬されるかどうかっていうのはまだ明らかにされてはいない状況ですが、もし出馬されるとなるとですね、今度はこれから、5年間の話もありましたし、事実上の公約というか、推す声もあるだろうと思うんですけれども、その辺りは何かありますか。

知事

 そうですね、今日22日ですね、ちょうど1年後が任期なんですね、確か。22日が任期になると思うんですけども。そういった時期になるのは、当然承知をしておりますし、私としては、この今の自分が知事をやり始めてからですね、この4年間でチャレンジプランというのを作って、これをしっかりと達成をするということに向けて、取り組んできたわけでありまして、そういう意味では、新年度の予算が仕上げといいますか、最終年度になりますので、着実な成果を上げていきたい思っています。いろいろチャレンジプランの中でも指標を掲げていて、そのうち大体85%くらいは目標を達成する、あるいは目標を上回るペースで進んできておりますので、これをさらに強化してですね、もっともっと大きな成果を上げれるようにしていきたいと思いますし、そのための予算を今回組んだと思っておりますので、これを着実に実行して、そして、さっきも言いましたが、個別の取り組みの中では、その効果が、同じ予算の中では、効果がもっと上がるように工夫をしながらやるように徹底していきたいと思います。

YAB(山口朝日放送)

 明治150年について伺います。国に対しては、かねてから拠点施設の整備というのを求めてきたと思いますが、なかなかこっちがイメージするスケジュール感ではきてない現状ですが、150年が近づく中で、このプロジェクトを今後どうしていきたいのか、お示しいただければ。

知事

 今日、資料を1枚別に、最後、説明したとおりでありますけれども、来年が維新150年という節目の年ですね。これに向けまして、世界遺産登録もありましたし、われわれやっぱり、明治維新、それから明治維新に限らず、明治、近代化していった、日本の近代化の歴史の中で、大きな役割をこの山口県、あるいは山口県出身の先人たちが大変大きな役割を果たしたと思っております。それを改めて、150年という、せっかくの節目でありますから、学び直して、そして、今さまざまな課題が県にもありますし、もちろんそれぞれの個人個人にもですね、やりたいこと、目標があると思いますけれども、そういったことに生かしていく、そういった契機にしていきたいと思っております。
 そういったことで、今回、明治150年プロジェクトを「やまぐち未来維新」ということでですね、名付けて、全体をこのパッケージでの取り組みを進めていこうということでありますが、個々の取り組みではですね、この17ページに書いているとおりであります。
 一つは山口のこの歴史、そして、その先人たちの情熱とか行動力ですね、志、これをしっかりと学んで、それぞれの方が今に生かしていくということを、そして、これからの行動につなげていくということの、きっかけにするためのさまざまな、特に「若者『志』ミーティング」とかですね、若い人たち、あるいは県民を対象にしたですね、さまざまな事業を展開をしていきたいと思いますし、また、山口のこの維新の歴史、そして明治からの歴史をですね、しっかりと魅力として県外にも発信していきたいと思っております。そういう中で、一つはデスティネーションキャンペーンがありますし、また、ゆめ花博もあるわけでありますけれども、そういった中で、力強く発信をするということと、あとは4県、薩長土肥の4県で連携してですね、取り組みをすると。これは先日、全日空の平成の薩長土肥割というですね、4県を対象にした割安の航空券を出していくということも発表されましたけれども、4県で連携してさまざまな発信なり誘客の促進というのをしっかりとやっていきたいと思っております。
 そういったことをですね、県民の皆さんが改めて歴史を学んでこれからに生かしていく、そして、これを機会に山口の発信力を高めていってですね、多くの方に来て、また、学んだり感じたりしてもらう、そういった機会を多くつくっていきたいと思います。

YAB(山口朝日放送)

 拠点整備について、今後も実現を目指していくということですか。

知事

 国の方で、明治150年のですね、われわれとしては、記念の事業を展開してほしいという要望をずっと重ねてきました。それはですね、国の方で、準備室もつくってですね、新しい会議も設けて、今取り組まれているところです。お聞きしていると、基本的には歴史を振り返ったり、それから保存、継承していく、そういったことを中心にやっていくということで、ソフト関係が中心だということで、あまりハードというものは考えられていないというようなふうにも聞いておりますので、そういったことからすると、なかなか厳しいのかなという思いも持っておりますけれども、県としてはですね、これまでも国の方に継続して要望しておりますので、引き続き、思いとしては訴えながら、他方で国の方も、これから具体的にどんなことをしていくのかということが具体化していくと思いますので、それをうまく活用したりですね、一緒に連携した取り組みが多くできるといいなと思っておりますので、国の動向をしっかりと注視をして、それに応じて対応していきたいと思います。

毎日新聞

 基金残高のことでちょっとお伺いしたいんですが、知事、先ほど、災害対応で100億円というのが理想的だということみたいですけれど、今回の予算編成でも、いろんなところから財源確保でですね、こういう基金の取り崩しだったりとか、そういう状況の中でですね、災害対応がもし仮にあった場合に、なかなか、かなりそれを確保するのが厳しい状況であると思うんですが、今の現状と実際にあった場合にどういった対応が必要になるとか、お考えがあれば。

知事

 そうですね。財源調整用基金というのは、不測の事態に対して備えるわけですので、そのために、当然、ボリュームとしては多くあるに越したことはないですね。県として100億円というのが、過去の災害の時の対応の規模が、大体100億だったということもですね、念頭に置いて、100億というのを設定しておりますけれども、規模としては100億なんですが、実際に災害が起きますと、災害復旧とかには地方債が充たったりとかいうこともありますので、実際に使う財源というのは、それよりもかなり小さくは、一般財源という意味では小さくはなりますけれども、ただ一つの目安として、その100億というのを設定しております。
 ですので、今、大きな災害が起きたとして、何かその対応がお金がないからできないということはですね、現実には今の状況からすると考えにくいところでありますので、そのことについて不安に思われることはないのかなと思いますけれども、いずれにしても、この財源というのは、災害もそうですし、あるいは急に国のお金が減ったりとかですね、年度間で大きな財政需要なり、歳入がガーンと落ちたりとか、そういったことに対する備えでありますので、やはり一定の幅というのは持っていないと、財政運営ができなくなりますから、当然、われわれとしてはこれまでもそうですが、100億というのを一つ目標にですね、回復ができるように、回復しながら収支を均衡して、崩さなくてもいいような財政体質に変えていくということをですね、同時に目指してやっていきたいと思っています。

毎日新聞

 長い目で体質改善というんですかね、そういうのを進めていくということですけれども、実際、災害対応、何かこう、こういった事態も備えが必要とされるんじゃないかとかですね、財源確保でですね。そういったことっていうのは、何か想定されるものってあるんですかね。

知事

 災害のときにですか。

毎日新聞

 はい。

知事

 災害のときには、当然、応急対策ですよね、いろいろとこう被害を受けている所をですね、まず、元に戻すための対応が必要なわけですね。家屋が倒れたり、道路が寸断されたり、あるいは河川が氾濫したりとか、いろいろありますよね。そういったことへの対処というのは当面しなければいけませんし、当然、被災された方々が、元の生活に戻るための被災者の生活支援なり、いろんなものが出てきますから、当然、財政需要というのは、かなり出てくるわけですね。そういったものへの備えという意味では、当然財源というのは一定規模なければ、そこは不安材料になるということですから、そういったことへの備えとしての基金は必要だと思っておりますけれども。そういう答えでいいですか。

毎日新聞

 新たな基金の取り崩しとか、もしそういうのがあれば、そういうので対応していくとかというのは。

知事

 新たな、財源調整用基金以外ということですか。基金というのも、使える基金というのは、今回、市町の関係のを崩したりとかやっておりますけれども、直ちに、本来の目的ではですね、財源調整用なら財政調整基金とかですね、というものが、基金の目的としてありますので、それ以外に、他の目的の基金をいきなり財政調整に使うというのは、ものによるんでしょうが、条例改正が必要だったりとか、いろんな要素があると思いますし、実際、基金というものもその財源が何であるかですとか、国庫補助が入ってるとかですね、そういう中で、使い道もこちらが変えればすぐに変えられるというものではないものも、かなりありますからね、そう簡単に使えるわけではないと思います。

 基本的には、財源調整に使えるのは財源調整用基金、ここに書いてある、今回説明した71億ですね、それしかないということです。

山口新聞

 先ほど知事も少し触れられましたけれども、転出超過なんですけれども、2016年、3,800人くらいで、前年よりは縮小していますけど、基準としている10年の水準からは悪化していて、目標達成っていうのが厳しくなってきていると思うんですけれども、どういうふうにお考えですか。

知事

 厳しい状況だと思っています。人口ビジョンの大きな目標、出生率の回復と転出超過をなくしていくということですね、転入、転出を均衡させるということを目標にして、当面半減というのを目標に、人口ビジョンの中で、地方創生の戦略の中で、そういった位置付けをしてやっておりますから、その目標に近づけていきたいわけですね。昨年、いきなり悪化の方にいって、今年は少し、今年いや去年か、4,600人が3,800人くらいに回復したということでありますが、基本的に何か構造が変わっているかというと、そうではないだろうと思いますから、相変わらず厳しい状況だろうと思います。これも繰り返しになりますが、なぜ流出するのかというと、若い人たちが、県外に進学する、就職する、その段階で県外へ出ていくわけですね。ですから、大学なりが連携して魅力を高めていく、今の大学リーグの取り組みだったり、あるいは高校生も、高校生の県内就職率は高いんですけども、さっき言った岩国とか、下関とか、萩っていうのは、県外っていうのが高いんですね、そこはしっかりと県内にとどめるように、うまく人員も配置してですね、県内の企業のことをもっと知ってもらって、促していくということを、きめ細かく見ながらやっていかないといけないかなと思っております。
 根本的にいうと、人口の流入流出の均衡というのは、山口県単体の問題というよりは、国全体の構造の問題だと思っておりますので、それを抜本的に改善してほしいと従来から国に言っているわけですね。以前の記者会見で、この場でも言いましたけれども、大学とか企業とかの首都圏、東京での立地、定員の拡大を制限する法律が平成14年度まであったわけですけども、それが撤廃をされて、それ以降、大学の定員なんかもどんどん東京で増えてるわけですね。
 これを改めて、もう一回規制すべきではないかということを知事会にも提案し、知事会の方ではそれを国に提案して、今、国の方では今年の夏までに、首都圏、特に東京での大学の定員について、制限を掛けるべきかどうかという議論をまとめていこうということになっております。そのための有識者会議も開かれていて、私も来週2日、知事会の代表として行って、そこでヒアリングを受けるというか、説明をすることになっていますけれど、そこでもしっかりと訴えていきたいと思いますが、山口県として全力で取り組むのもそうですけれども、国全体の仕組みとして、人口が特に都市部、首都圏等に集中していくというのを根本的に変えるための法的な措置も含めてやっていくべきだろうと思っております。それは両方しっかりと進めるべきだと思いますので、県としての施策もやりながら、そういう国の方への働き掛けも、引き続きしっかりとやっていきたいと思います。

TYS(テレビ山口)

 財政の全体の話に戻るんですが、歳出の構造改革の中で、歳出構造を改革していく中で、例えば、何らかの補助金をカットをしたりとか、県有施設の使用料だったりとか、県民に直接痛みを伴うものという、状況によっては選択肢の中に入ってくる可能性もあると思うんですが、先ほど人件費のところでもちょっと触れられていましたが、そういった県民に痛みを伴う改革をどのようにお考えか、お願いします。

知事

 歳入歳出改革をするときに、歳入を増やす方向と歳出を減らす方向と、この二つしかないわけなんですね。当然歳出を減らすとなるのは、今までやっているものをなくしていくなり削っていくということになりますから、そこに行っていたお金はなくなるわけですよね。直接的にはその分だけ、県民のサービスなりが低下をするということになると思います。なので、本来、私も知事の立場としては、できるだけ、今いろんなニーズがある中で、多くのことに対応していきたいと思っているわけですけれども、他方で財源に限りがある中で、しっかりとメリハリをつけてやっていかないといけないということであります。
 そういう中で、単純に削って終わりということもしにくいというか、いろんなニーズがあるから事業があるわけなんですよね。行政サービスのニーズがあって、それに対応するものとして事業があるわけですので、単純に歳出を削ったからといってニーズが減るかというと、ニーズはもっと出てくるわけですね。だから、そうじゃなくて、いろいろとこう、工夫をしながらやっぱり削っていくということが必要だと思っております。本当にニーズに対して、やるべき県の施策はこれなのか、それがぴったり対応しているのかどうなのか。むしろ対応するためにはもっとこういうふうに変えたり、変えられるんじゃないか、変えていく中でもっと歳出もこういうふうにできるんじゃないかとかですね、そういう工夫をしていかなければいけないと思うんですよね。それがだから難しいところでありまして、本来的には県の財政健全化というのは、民間企業と違ってですね、歳入というのが歳出と関係なしに来るのは決まっているわけですから、歳出をバババッと削っていけば一遍に健全化はするわけですけれども、それだと県としての役割は何も果たしていないということになるんですよね。
 やっぱり今の時代で、県の中で必要とされているサービス、それから将来に向けて必要なものというのはしっかりやりながら、財政も健全なものを将来に引き継いでいくということを同時にやっていかなければいけませんので、片方をおろそかにしてやるということは、やっぱりしてはいけないことなので、そこが難しいところだと思います。
 なので、それを特に知恵を出してやるべきところでありますから、そこが難しさなわけですよね、それをこれからさらに5年間で、追加で400億やらなければいけませんけれども、そういったところは特に留意をしてですね、県民へのサービスなり、それから将来に向けて、何か伸びる部分が伸びなくなるとか、そういうことにならないように、工夫してやっていく必要があると思っています。総論としてはそうなんですけれど、各論としてはいろんな課題があるので、とにかく知恵を出してやっていく必要があると思います。

NHK

 さきほども質問があったと思うんですけれども、いよいよ知事、任期最後の年で、仕上げの年度に。明日からですか。

知事

 そうですか。22日までが任期だということになっているはずです。

NHK

 その最後の仕上げの年度が緊縮型で、新規事業も今年度と比べて規模にすると3分の1以下という話で、かなり、全体的な規模としても平成6年以降最も低い額になっているという、相当絞った予算額になっていますけれども、その中でもご自身のカラーを出すためには相当苦慮された、しっかりとした予算が組めたとおっしゃっているんですけれども、どういったことからしっかり予算を組めたとおっしゃりたいんでしょうか。

知事

 今回最初から言っているとおりなんですけれど、財政の構造改革ですね、健全化を図りながら、いろんな事業というのをしっかりと、将来のための、山口県が将来伸びていくための事業をしっかりと、必要な事業を組み立ててやっていかなければいけないと思っております。そういう中で、予算としては何とか、いろいろと歳出を押さえながら工夫して、緊急的な財源確保もしながら、なんとか予算を組んだということでありますが、そういう中で必要な施策をしっかりと力を入れてやっていくということをしているところであります。
 事業の中身は、先ほどから繰り返しているところでありますけれども、チャレンジプランが最終年度ということで、これの目標というのは、しっかりと山口県の経済を活性化をして、人が山口県にとどまって活躍していく、そういった希望が持てるような、そういう地域にしていくために、県としての取り組みを集中してやっていこうということであります。そのために県の産業の活性化、コンビナート地域の活性化のために港湾運営会社をつくって、効率的な運営をしながらコスト競争力を高めていくというようなこと、あるいは、水素が山口県に全国の1割、高純度な水素が副生物で生成されるという利点を生かして、水素エネルギーも活用していますが、これも製造から供給までのサプライチェーンを作るための民間のいろんな共同した研究をしっかりとサポートして伸ばしていく、だったりですとか、あるいは、県の持てる産業、水産のインフラを海外に展開する、あるいは、県の産品も地域商社で県外に展開をしていく、そういった中で、山口県の産業をしっかりと伸ばしていく。また、企業誘致の方もこの3年間ずっと取り組んできましたけれども、医療関係、テルモとか小野薬品とか、非常に成長する部分、伸びる見込みがある医療関係の分野も、多くの企業が山口県に進出をすることになってきております。そういったものもさらに伸ばすために今回、企業立地の補助金も、制度も見直しをしたり拡充もしておりますけれども、そういった形での事業を集中的に組み立てているところです。それから、人が定着するために進学・就職時における県内への定着を進めるための取り組みですね、予算面、それから人員面での配置にも力を入れてやってきているところでありますので、チャレンジプランは最終年度になりますけれども、この事業をしっかりと、効果的に進めていって、しっかりとした成果に結び付くように取り組んでいきたいと思います。

NHK

 少なくても、絞った形ではあるけれども、重きを置いたところにはなんとか配分できたという意味で、しっかりした予算が組めたということでよろしいでしょうか。

知事

 そうですね。

中国新聞

 すいません、何点か。一つは今回の予算発表のやり取りも含めて、かなり財政構造改革に焦点が当たっていて、通常の予算編成、予算発表とはなかなか趣が違うように受け止めるんですけど、知事ご自身はこのタイミング、任期最後の予算のタイミングで、行財政改革にスポットを当てざるを得ないというか、当てる予算発表になったことについて、率直にどういうふうに思われていますか。

知事

 それは、チャレンジプラン最終年度ですからね、いろんな施策を思い切って充実して、したいという思いはもちろんありますけれども、他方でやっぱり財政っていうのもしっかりとですね、将来に健全な財政を引き継いでいくっていうのも、これも、しっかりと責任を持ってやっていかなければいけないことだと思います。ですから、そういう意味では、今回、今年1年、特に力を入れて財政構造を何とか将来やっていけるように、今年の予算編成のうちに持っていきたかったわけですけれども、それが国の予算編成の中で、歳出の増なり、歳入が減ったりですね、そういった中で、今回それができなかったということで、本当に悔しい思いはありますけれども、そうはいっても、だからと言ってそれを度外視して、歳出を、やりたいことを全部やるというふうにもいきませんから、そこはしっかりと、こう、ぐっと抑えるべきところは抑えながら、必要なことはしっかりやっていくということを苦慮しながらやったつもりです。
 やっぱり4年目の最終年度ですね、なるわけでありますけれども、県としては財政というのはずっと続いていくわけですから、今のタイミングでやるべきことというのは、やっぱり財政をきちっと健全化するということです。それが未来に対する責任をしっかりと果たすことだと思いますし、それが知事としても重要な役割だと思いますので、それをしっかりとやっていきたいと思います。

中国新聞 

 任期の、その、最終年度という、例えば、2年目、3年目に出すという、タイミングとしても有り得たと思うんですけれども、今回あえてというところは、何か理由があるんでしょうか。

知事

 やっぱり昨年ですね、基金が100億円を切って、このまま行くと財政が破綻するというところが具体的に見えてきたという中で、今年度1年間、これを抜本的に改善していこうということで取り組みをしてきたわけですね。それが、目指していたところ以上にもっとゴールが先にあって、思っていた以上に財源不足というのが広がったという中で、さらなる取り組みをこれからまたしなければいけないという時期に迫っているということですね。だから、これをとにかくしっかりとやることによって、いずれ5年後に、安定して財政運営ができるような体質に持っていくと。それが、これから先ずっと続いていく、山口県の将来に向けたいろんな施策を円滑に展開できるベースとなるものでありますから、それはしっかりと、そういった財政構造をつくっていくということに、責任を持って取り組んでいきたいと思います。

中国新聞

 5年間で1,350億円の財源不足の中で、400億については新しく4月にできるんですかね、構造改革本部の方でやっていくということですけども、残りの950億については、今年の対策で一定にめどはついたというご説明がありました。ただ一方で、財源確保で、新しくまた103億積んだりですね、かなりこう、ハードルの高いようなものもあるような気もするんですけれども、ここの950億については、まず、ある程度捻出できるだろうという手応えがあるという理解でよろしいでしょうか。

知事

 これは今回やった中で、具体的に取り組み項目なり、金額というのを積み上げて、庁内でも議論をした結果、こういった形になっておりますが、実際、実施に向けてはいろいろと工夫していかなければいけないところがありますので、この新しい部分の400億だけじゃなくてですね、950億の方もですね、具体にどういうふうに実施するのかというところもしっかりと、全体管理しながらですね、進めることになりますので、全体としては、本部の方で、1,350億全体ですね、しっかりと確保できるような取り組みを進めていくというところになります。

中国新聞

 それは、本部は4月でよろしいですか。

知事

 本部は4月でいいんですよね。

人事課長

 はい、4月です。

知事

 はい、そうです。4月です。

中国新聞

 すみません、執行段階で、昨年の予算発表とかの時なんかそうだったんですけれど、予算を執行していく段階で無駄のないように執行していって基金の残高をきちんと確保していくという、そういうのが昨年はあったんですけど、今年もそれは変わらないという理解でよろしいでしょうか。

知事

 執行段階で。もちろんそれはそうです。当然そうです。予算を執行する段階で、当然、予算ほどかからなかったりとかすれば、当然それは、翌年以降の財源に回すべきものですので、そういったことに配慮しながら、留意しながら執行を進めていくことになります。

中国新聞

 あともう1点だけ。何度か質問は出かけたかと思ったんですが、この行財政改革は5年をスパンにしていて、知事の任期を考えたら、残りの1年と、次の4年というのでちょうど5年になるんでですね、まあ2期目に対しての意欲を示されたということで受け止める向きもあると思うんですけれども、改めて2期目に対して、今の時点でのお考えを教えていただいてもよろしいでしょうか。

知事

 今の時点では、特に何も考えていないです。先ほども言いましたようにこのチャレンジプランというのを、まずしっかりと仕上げて、成果を上げていくということに全力を尽くしていきたいと思っておりますので、そのことに取り組んでいきたいと思います。

中国新聞

 ありがとうございました。

KRY(山口放送)

 観光についてちょっとお聞きしたいんですけど、今回、インバウンド推進室をやるということで、その狙いとですね、今年度知事も、各地トップセールスに向かわれて、現地の方とお話しする中で、インバウンド獲得に向けた山口の強みとか課題を、肌で感じていらっしゃると思うんですが、その辺り、外国人観光客の獲得については地域間の競争になると思うんですが、勝算っていうのは、どういうふうに見ていらっしゃいますか。

知事

 そうですね。山口、今、全体インバウンドが伸びている中で、私、山口にはもっともっと呼び込めると思っています。実際、取り組みをしてですね、伸びてきている部分もありますし、これからますます勢いをつけてやっていけるんじゃないかというふうに思います。私自身も、いろいろと海外にも行きながら、観光の誘客についても、あるいは、定期便やチャーター便の誘致についても、取り組んできましたけれども、実際にやってみるとやった分だけ、成果が上がるというふうに手応えは感じております。
 特に、航空会社とか旅行会社のトップと会いますけれども、やっぱり向こうの組織ってすごくトップが、意思決定の中で大きな力を持っていて、やっぱりトップに対してしっかりと働き掛けていく、それを継続してやっていくと、かなり早く、意思決定で物事が進んだりすることが多くあります。今回、韓国のエアソウルもそうですけれども、これもあの、エアソウルの社長なりですね、もともとの親会社のアシアナグループの会長にもお会いをしましたけれども、そういった中で働き掛けをしていく中で今回、定期便も実現をし、あと台湾の方もですね、こちらもあの、チャイナエアラインの会長にもですね、何度かお会いをしてですね、話をしていく中で、チャーター便も実現をしてきているわけですね。
 あとはその、旅行会社も、台湾で実際に旅行会社の方々を集めて、いろんなセミナーだとか、プレゼンも私やりましたけれども、そういった中で、ぜひ山口に送客をお願いをするということをですね、山口のいろんな観光地の魅力とともに、お伝えをして、今回ツアーを実際に実施された会社も、台湾の会社もあるわけでありますけれども、そういったことで、かなり、やっていけばやっていくだけですね、山口県はもともと認知度が低かった分ですね、知ってもらって、やるとなってくると、大きな誘客ができると思っていますし、実際に今できていると思っています。
 あと今回、上海にもプロモーターを配置しますけれども、私もいろいろと海外への展開を考えるときに、観光の誘客をどういった形でやればいいのかな、と考えている中で、このプロモーターというのは結構成果を上げているなと思っています。実際に、例えば、県が事務所を設けても、観光の業界のことも分からない人がやっても、なかなか限界があるんですよね。そういうところをちゃんと観光の業界が分かっている方、つながりを持っている方を任命をして、その中で実際に旅行会社に働き掛けてもらって、プランを作ったり、いろいろなことをやってもらうということを、やる中で、具体的に、今、台湾ですとか、韓国ですとか、いろいろと誘客に結びついている部分ってのが具体的にありますので、これまで力を入れてなかった分ですね、入れていくと成果が上がる分野だな、と思っておりますので、今、日本への関心が高まっていて、インバウンドの需要がどんどん伸びている中で、今こそ、これはチャンスだと思っておりますから、今回インバウンド推進室をつくりますけれども、体制も改めて、しっかりと整えて、海外とのネットワークもしっかりと、さらに強化をしながら、誘客の取り組みをより力強く進めていきたいと思っています。

時事通信

 すみません。今の観光で1点だけ伺いたいんですけど。これまで台湾であったり、韓国とチャーター便を結んで、インバウンドに力を入れてきたと思うんですけど、来年度は特にどこの市場、需要を狙っていくとか、お考えがあれば、お聞かせください。

知事

 そうですね。今多く来られているのは、韓国、それから台湾は連続チャーターがありますから、これはうまい形でさらに伸ばしていきたいと思っております。
 それから香港もEGLツアーズっていう、袁(えん)さんという名物社長さんがいて、何度かお会いしましたけれども、ツアーを組んで山口にやってもらってますけれども、あと上海、今回上海に配置しますけど、ああいった中国と近い所っていうのは、すぐバッと山口に来れますし、そしてまた、観光需要も伸びてきている中でですね、狙い目だと思っておりますから、やっぱりこの辺のアジア中心にやっていきたいというふうに思っております。

NHK

 すみません。予算と関係なくて申し訳ないんですけれども、プレミアムフライデーがいよいよ始まるということで、県の方も、国の方も通知があって、積極的に呼び掛けというのをやったりしていると思うんですけれども、知事としてもどういうふうに今後、経済界も含めて、どういうふうに国が進める、また、もしくは進めていかれたいかということと、また、ご自身は今週どうされますか。

知事

 プレミアムフライデーというのが、これは、ワーク・ライフ・バランスの観点、それから経済の活性化というですね、いろんな目的があって、国の方で進められていて、今回初めて今月末か、今週金曜日ですね、実施をされるということであります。国の方からもですね、総務省の方からプレミアムフライデーに併せた年次有給休暇の取得促進という協力依頼があったところでありまして、そういったことを踏まえまして、県としても、職員が年次休暇を取得しやすいように、所属長に対しまして、原則として午後3時以降は会議や出張を入れないようにするといったことなど、職場環境の整備に努めるように周知を図っているところでございます。
 当然民間の方でもですね、同じ、この趣旨自体は大変良い趣旨だと思いますので、しっかり取り組みが広がっていけばなあというふうに思っておりますし、国の方でも、そういう企業の取り組みを促すために、何かホームページなんかを使ってですね、取り組みを知らせるようなことを展開しているようですけれども、行政だけじゃなくて、民間も一緒になって、これから盛り上がっていけばいいなと思います。
 私自身、金曜日ですか。金曜日は、会議とか、出張は入れないようにしています。

作成:山口県総合企画部広報広聴課

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